2022/08/28(日) - 22:56
伊豆ベロドロームで開催されている全日本選手権トラック3日目。パラサイクリング500mタイムトライアルで、杉浦佳子(総合メディカル/TEAM EMMA Cycling)が日本新記録で優勝。女子スクラッチでは梶原悠未(TEAm Yumi)が今大会2勝目を挙げた。男子オムニアムでは、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が混戦を制して優勝した。
曇り空の日は天窓からの光が少なめになる伊豆ベロドローム photo:Satoru Kato
全日本選手権トラック3日目は、パラサイクリングの500mタイムトライアルと1kmタイムトライアル、男女エリートとジュニアのケイリン、女子エリートとジュニアのスクラッチ、男子エリートのオムニアムが行われた。
この日は朝から曇りで時々雨が降り、最高気温が30度に届かない1日。前日との温度差がかなり大きくなったが、外の天気に左右されない伊豆ベロドロームでは二つの日本新記録が誕生した。
パラサイクリング 500mTTと1kmTTで日本新記録
パラサイクリング500mTT日本記録を更新して優勝した杉浦佳子(総合メディカル/TEAM EMMA Cycling、WC2) photo:Satoru Kato
パラサイクリング500mTT 表彰式 photo:Satoru Katoパラサイクリングの500mタイムトライアルには、東京パラリンピック金メダリストの杉浦佳子(総合メディカル/TEAM EMMA Cycling)が出走。昨年のパラリンピックで自ら記録した日本記録を更新する39秒816をマークして優勝した。
杉浦佳子コメント
「大会新記録を出さないと世界選手権には連れて行かないと言われていたので大会新は出したいと思っていたが、絶好調だったパラリンピックの時よりも良いタイムが出せて驚いている。ロード世界選手権があったのでその練習がメインだったので、あまり自信は無かったので良かった。次のパリではトラックでもメダルを取りたい」
パラサイクリング1kmTT優勝 川本翔大(大和産業株式会社、MC2) photo:Satoru Kato
パラサイクリング1kmTT 日本新記録を出した木村和平(楽天ソシオビジネス株式会社)三浦生誠(日本大学/パイロット) photo:Satoru Kato
1kmタイムトライアルでは、MC2-5クラスで川本翔大(大和産業株式会社)が優勝。2018年以来5連覇を達成した。タンデムバイクを使用するMBクラスでは、木村和平(楽天ソシオビジネス株式会社)三浦生誠(日本大学/パイロット)組が1分2秒959の日本新記録を出した。
パラサイクリング1kmTT(MC2-5) 表彰式 photo:Satoru Kato
パラサイクリング1kmTT(MB)表彰式 photo:Satoru Kato
MC2-5優勝 川本翔大コメント
自己ベストを狙っていたが今日は出せなかった。でも会社の方が応援に駆けつけてくれたので嬉しい。明日の3kmで良い結果を出したい。プレッシャーはあるけれど、新記録を出せるよう頑張りたい」
MB優勝 木村和平コメント
「日本記録更新を目指して2人でやってきたので、今はホッとしている。怪我もあって思うような走りが出来なかったが、少ない時間の中で2人で話し合って良いトレーニングを積めた結果だと思う。世界の上位を目指してもっと頑張りたい」
MB優勝パイロット 三浦生誠コメント
「1分2秒台を最低目標にしてきたが、今日はまだ課題もある走りだったので、今後2人で練習を積んで世界で戦えるタイムを目指したい」
女子スクラッチ エリートは梶原悠未、ジュニアは平子結菜が優勝
女子ジュニア・スクラッチ 石上琴乃(松山学院)と平子結菜(朝明高校)がペースを作っていく photo:Satoru Kato
女子ジュニア・スクラッチ 平子結菜(朝明高校)が先着 photo:Satoru Kato
女子ジュニア・スクラッチ 表彰式 photo:Satoru Kato7.5kmで行われた女子ジュニアのスクラッチは、レースの流れを作った石上琴乃(松山学院)と平子結菜(朝明高校)の勝負となり、平子が先着して優勝した。
平子結菜コメント
「全日本優勝は初めてなのでとても嬉しい。残り1周で先頭に出てそのままゴールすることが目標だったので、その通りに出来た。石上選手がアタックを繰り返していたのでそれについて行った。明日のポイントレースでも優勝したい」
女子エリート・スクラッチ 後方から奇襲をかける古山稀絵(チーム楽天Kドリームス、写真右) photo:Satoru Kato
女子エリート・スクラッチ 残り1周からスプリント開始 photo:Satoru Kato
女子エリート・スクラッチ ハイタッチで声援に応える梶原悠未(TEAM Yumi) photo:Satoru Kato10kmで行われた女子エリートのスクラッチは、前日のオムニアム同様にチーム楽天Kドリームスの内野艶和と古山稀絵がレース後半に交互にアタックを繰り返し、梶原悠未(TEAm Yumi)の消耗を誘う。しかし梶原はそれを物ともせず最後は大差をつけて優勝。今大会2枚目のチャンピオンジャージに袖を通した。
梶原悠未コメント
「出場する3種目全てで優勝することが目標なので、スクラッチも絶対勝つつもりで臨んだ。厳しい展開になるほど自分の強さを発揮できるので、自信をもって戦った。明日の個人パーシュートでは日本新記録を出したい」
男子エリート・オムニアム 窪木一茂が逆転優勝
男子エリート・オムニアム ブリヂストン応援団が駆けつけた photo:Satoru Kato
男子エリート・オムニアム スクラッチは終盤に抜け出した松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)が1位 photo:Satoru Kato
男子エリート・オムニアム エリミネイションは窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が1位 photo:Satoru Kato
10名出走の少人数レースとなった男子エリートのオムニアム。そのうち7名を占めるチームブリヂストンサイクリングが主導し、スクラッチでは、終盤に抜け出した松田祥位が1位。テンポレースでは後半に単独先行でラップポイントを獲得した橋本英也が1位。エリミネイションでは窪木一茂が1位となった。
男子エリート・オムニアム ポイントレースはアジアチャンピオンジャージの今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が主導 photo:Satoru Kato
男子エリート・オムニアム ポイントレース終盤、2点差で首位を争う今村駿介と窪木一茂(共にチームブリヂストンサイクリング)がお互いをマークし合う photo:Satoru Kato
男子エリート・オムニアム ポイントレースはフィニッシュの争いとなり、僅差で窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング、写真左)が競り勝って総合優勝を決める photo:Satoru Kato
3種目を終えて、東京五輪代表の橋本英也が112ポイントで首位。2ポイント差の2位に松田祥位、4ポイント差の3位にアジアチャンピオンの今村駿介、6ポイント差の4位に窪木一茂が続く状態で最後のポイントレースがスタート。
序盤から今村がペースを上げてポイントを連取する一方、首位の橋本は2回のラップダウンでレース中盤に降りることに。後半に入ると窪木が1位通過連取で今村を猛追し、2ポイント差に迫る。ポイントが倍となるフィニッシュは今村、窪木、松田のハンドルの投げ合いとなり、窪木が先着。2位となった今村を総合で逆転して優勝。チームパーシュート、マディソンに続き今大会3枚目のチャンピオンジャージを獲得した。
男子エリート・オムニアム 表彰式 photo:Satoru Kato窪木一茂コメント
「久しぶりのオムニアム優勝は嬉しい。ポイントレースの最後の5周は今村選手をマークして、最後は行かせてまくることを考えていた。ラスト1周は本当に気が抜けず、懸命にハンドルを投げた。競輪養成所を卒業してスプリント力がついたと感じていて、周りからもそう言われる。でも持久力を落とすことなく世界に通用する力をつけていきたい。オムニアムは2016年のリオ五輪に出場したが、2024年パリ五輪を目指したいと思っている。明日の最終日は4km個人パーシュートで4分10秒を切る日本記録を出したい」
ケイリン 若手が台頭したエリートと将来有望株が優勝したジュニア
男子エリート・ケイリン決勝 中野慎詞(ドリームシーカー・レーシングチーム)が優勝 photo:Satoru Kato
男子エリート・ケイリン優勝 中野慎詞(ドリームシーカー・レーシングチーム) photo:Satoru Kato
女子エリート・ケイリン決勝 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス、写真中央)が制する photo:Satoru Kato
女子エリート・ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato
男子ジュニア・ケイリン決勝 後方からまくった熊谷海飛(静岡北高校)が優勝 photo:Satoru Kato
男子ジュニア・ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato
女子ジュニア・ケイリン 中島瞳(川越工業高校)がフィニッシュライン上僅差で差し切る photo:Satoru Kato
女子ジュニア・ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato
予選を勝ち上がった6名で決勝が行われた男子エリートのケイリンは、中野慎詞(ドリームシーカー・レーシングチーム)が優勝。決勝のみが行われた女子エリートは佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が優勝し、スプリントに次ぐ今大会2勝目を挙げた。
男子ジュニアは、予選、1/2決勝と他を圧倒する強さを見せた熊谷海飛(静岡北高校)が決勝でも後方から一気にまくって優勝。女子ジュニアは、インターハイチャンピオンの中島瞳(川越工業高校)が優勝した。
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全日本選手権トラック3日目は、パラサイクリングの500mタイムトライアルと1kmタイムトライアル、男女エリートとジュニアのケイリン、女子エリートとジュニアのスクラッチ、男子エリートのオムニアムが行われた。
この日は朝から曇りで時々雨が降り、最高気温が30度に届かない1日。前日との温度差がかなり大きくなったが、外の天気に左右されない伊豆ベロドロームでは二つの日本新記録が誕生した。
パラサイクリング 500mTTと1kmTTで日本新記録
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杉浦佳子コメント
「大会新記録を出さないと世界選手権には連れて行かないと言われていたので大会新は出したいと思っていたが、絶好調だったパラリンピックの時よりも良いタイムが出せて驚いている。ロード世界選手権があったのでその練習がメインだったので、あまり自信は無かったので良かった。次のパリではトラックでもメダルを取りたい」
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1kmタイムトライアルでは、MC2-5クラスで川本翔大(大和産業株式会社)が優勝。2018年以来5連覇を達成した。タンデムバイクを使用するMBクラスでは、木村和平(楽天ソシオビジネス株式会社)三浦生誠(日本大学/パイロット)組が1分2秒959の日本新記録を出した。
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MC2-5優勝 川本翔大コメント
自己ベストを狙っていたが今日は出せなかった。でも会社の方が応援に駆けつけてくれたので嬉しい。明日の3kmで良い結果を出したい。プレッシャーはあるけれど、新記録を出せるよう頑張りたい」
MB優勝 木村和平コメント
「日本記録更新を目指して2人でやってきたので、今はホッとしている。怪我もあって思うような走りが出来なかったが、少ない時間の中で2人で話し合って良いトレーニングを積めた結果だと思う。世界の上位を目指してもっと頑張りたい」
MB優勝パイロット 三浦生誠コメント
「1分2秒台を最低目標にしてきたが、今日はまだ課題もある走りだったので、今後2人で練習を積んで世界で戦えるタイムを目指したい」
女子スクラッチ エリートは梶原悠未、ジュニアは平子結菜が優勝
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平子結菜コメント
「全日本優勝は初めてなのでとても嬉しい。残り1周で先頭に出てそのままゴールすることが目標だったので、その通りに出来た。石上選手がアタックを繰り返していたのでそれについて行った。明日のポイントレースでも優勝したい」
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梶原悠未コメント
「出場する3種目全てで優勝することが目標なので、スクラッチも絶対勝つつもりで臨んだ。厳しい展開になるほど自分の強さを発揮できるので、自信をもって戦った。明日の個人パーシュートでは日本新記録を出したい」
男子エリート・オムニアム 窪木一茂が逆転優勝
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3種目を終えて、東京五輪代表の橋本英也が112ポイントで首位。2ポイント差の2位に松田祥位、4ポイント差の3位にアジアチャンピオンの今村駿介、6ポイント差の4位に窪木一茂が続く状態で最後のポイントレースがスタート。
序盤から今村がペースを上げてポイントを連取する一方、首位の橋本は2回のラップダウンでレース中盤に降りることに。後半に入ると窪木が1位通過連取で今村を猛追し、2ポイント差に迫る。ポイントが倍となるフィニッシュは今村、窪木、松田のハンドルの投げ合いとなり、窪木が先着。2位となった今村を総合で逆転して優勝。チームパーシュート、マディソンに続き今大会3枚目のチャンピオンジャージを獲得した。
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「久しぶりのオムニアム優勝は嬉しい。ポイントレースの最後の5周は今村選手をマークして、最後は行かせてまくることを考えていた。ラスト1周は本当に気が抜けず、懸命にハンドルを投げた。競輪養成所を卒業してスプリント力がついたと感じていて、周りからもそう言われる。でも持久力を落とすことなく世界に通用する力をつけていきたい。オムニアムは2016年のリオ五輪に出場したが、2024年パリ五輪を目指したいと思っている。明日の最終日は4km個人パーシュートで4分10秒を切る日本記録を出したい」
ケイリン 若手が台頭したエリートと将来有望株が優勝したジュニア
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予選を勝ち上がった6名で決勝が行われた男子エリートのケイリンは、中野慎詞(ドリームシーカー・レーシングチーム)が優勝。決勝のみが行われた女子エリートは佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が優勝し、スプリントに次ぐ今大会2勝目を挙げた。
男子ジュニアは、予選、1/2決勝と他を圧倒する強さを見せた熊谷海飛(静岡北高校)が決勝でも後方から一気にまくって優勝。女子ジュニアは、インターハイチャンピオンの中島瞳(川越工業高校)が優勝した。
H3
全日本選手権トラック3日目 結果
パラサイクリング 結果
500mタイムトライアル | タイム | 係数タイム | |
1位 | 杉浦佳子(総合メディカル/TEAM EMMA Cycling) | 39秒816(日本新) | |
2位 | 藤井美穂(楽天ソシオビジネス株式会社) | 46秒790 | 43秒257 |
3位 | 中道穂香 | 52秒560 | 48秒592 |
1kmタイムトライアル | タイム(MC2-5) | 係数タイム | |
1位 | 川本翔大(大和産業株式会社) | 1分14秒064 | 1分5秒384 |
2位 | 小池岳太(positivo) | 1分12秒413 | 1分12秒413 |
3位 | 福冨伸彦(NTT東日本/NTI) | 1分20秒525 | 1分20秒525 |
4位 | 沼野康仁(usp lab.VC SPLENDOR) | 1分26秒158 | 1分26秒158 |
1kmタイムトライアル(MB) | |||
1位 | 木村和平(楽天ソシオビジネス株式会社)三浦生誠(日本大学/パイロット) | 1分2秒959(日本新) |
女子スクラッチ 結果
ジュニア(7.5km) | ||
1位 | 平子結菜(朝明高校) | 10分26秒06 |
2位 | 石上琴乃(松山学院) | |
3位 | 平林つかさ(松山聖陵高校) | |
4位 | 淵 稟碧(別府翔青高校) | |
エリート(10km) | ||
1位 | 梶原悠未(TEAm Yumi) | 14分22秒66 |
2位 | 内野艶和(チーム楽天Kドリームス) | |
3位 | 岩元杏奈(日本体育大学) | |
4位 | 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス) |
男子エリート・オムニアム 結果
1位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | 145p |
2位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | 143p |
3位 | 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング) | 126p |
4位 | 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) | 108p |
5位 | 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング) | 91p |
6位 | 孫崎大樹(スパークルおおいたレーシングチーム) | 87p |
ジュニア・ケイリン 結果
女子 | 男子 | |
---|---|---|
1位 | 中島 瞳(川越工業高校) | 熊谷海飛(静岡北高校) |
2位 | 伊藤優里(朝明高校) | 青木光琉(興国高校) |
3位 | 田野口佳奈(香川県立高松工芸高校) | 岩谷駿之介(堺高校) |
4位 | 濱 彩春(東北高校) | 舟木玲王(学法石川高校) |
5位 | 淵 月那(別府翔青高校) | 松岡勇斗(松山学院高校) |
6位 | 宮崎太志(昭和学院高校) |
エリート・ケイリン 結果
男子 | 女子 | |
---|---|---|
1位 | 中野慎詞(ドリームシーカー・レーシングチーム) | 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス) |
2位 | 山崎賢人(チーム楽天Kドリームス) | 梅川風子(チーム楽天Kドリームス) |
3位 | 小原佑太(ドリームシーカー・レーシングチーム) | 太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング) |
4位 | 松井宏佑(チーム楽天Kドリームス) | 久米 詩(JPCA) |
5位 | 新山響平(チームブリヂストンサイクリング) | |
6位 | 脇本雄太(チームブリヂストンサイクリング) |
text&photo:Satoru Kato
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