2022/07/31(日) - 08:53
その強さはあまりにも圧倒的。最初の1級山岳で仕掛け、2つめでライバルを振り落としたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が60km大逃げでマイヨジョーヌを奪い取った。
女子ツール・ド・フランス(正式名称は+ファム アベック ズイフト)はいよいよ大会終盤の2連続難関ステージに直面した。
その一つ目となった第7ステージは、総距離127.1kmに3つの1級山岳が詰め込まれ、1級プティ・バロン(距離9.3km/平均8.1%)と1級山岳プラッツァーヴァーゼル峠(距離7.1km/平均8.3%)を越え、長い下りを経て最終1級山岳グラン・バロン(距離13.5km/平均6.7%)を登る。通過後は平坦と下りが容易されており、頂上フィニッシュこそ翌日を待たねばならないが、女子レースとしての難易度は最高レベルといえる。
この日は前日に落車負傷し、実質的に(山岳ステージのため)もうステージ優勝のチャンスの無いロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)がリタイア。33名という大集団が50秒差をつけて突入した一つ目の1級プティ・バロンで、早速総合優勝候補筆頭のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が動いた。
ファンフルーテンのペースアップに対応できたのはデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)たった一人だけで、マイヨジョーヌを着るマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)はすぐさま脱落。QOM(頂上)こそフォレリングが先着したものの、続く1級山岳プラッツァーヴァーゼルでファンフルーテンが繰り出したアタックに対応することはできなかった。
頂上まで1kmを切った10%勾配区間で、「彼女がローテーションを回せなくなり、頂上から次の登りまでは25kmの渓谷区間があるので彼女を引き離しておきたかった」と言うファンフルーテンが独走に持ち込む。頂上通過時点で単独3番手のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)は3分15秒遅れ、その背後のカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)率いる4番手グループは4分40秒遅れ。60km以上を残し、ファンフルーテンのマイヨジョーヌを目指す大逃げが始まった。
2017年と2018年に個人タイムトライアル世界女王に輝いた独走力を武器に、緩斜面のダウンヒル区間でビッグギアを踏み倒したファンフルーテン。2番手フォレリングとの差はすぐさま1分を越え、1分半を越え、最終1級山岳グラン・バロン突入時点では2分10秒に到達。平均6.7%で13.5kmを駆け上がるこの登坂でもファンフルーテンの勢いは止まらず、頂上を待たずしてタイム差は3分を超える。ボーナスタイムが懸けられた中間スプリントポイントも先頭通過し-3秒を獲得している。
2019年の男子ツールに登場した際、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が先頭通過したグランバロンをファンフルーテンが越えていく。ニエウィアドーマグループには総合7位ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)と総合9位セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)が食らいついたものの、今大会ブレイクした総合2位シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)は脱落を喫した。
並走するバイクカメラに笑顔を見せたファンフルーテンが、1分半遅れていたマイヨジョーヌを取り返して余りある、圧巻の60km逃げを達成。大会序盤こそ体調不良でリタイア寸前まで追い込まれていたファンフルーテンが、難関山岳をあと一日残しながら、圧倒的といえる走りで総合優勝を大きく引き寄せた。
「初日は体調が悪くレース脱落ギリギリで、翌日も自分で荷造りできないほどだった。まだマイヨジョーヌを狙えるだなんて夢にも思わなかった。そこから持ち直し、ここまで戻ってこれたことを考えるとキャリア最大級のビッグウィンだと思う」と言うファンフルーテン。「ちょっと奇跡みたい。39歳になってもなお毎年競技レベルを上げることができていて、今日は最初の登りからいけると思っていた」とも。
またも披露された圧巻の独走劇により、ファンフルーテンは総合2位フォレリングに3分14秒差、3位ニエウィアドーマに4分33秒差をつけつことに成功。「観衆の声援を楽しむことができたし、ツールは私の予想を超えるものになっている。通過する村が全て活きいきしているように感じる」と、レースを楽しむ余裕すら漂わせている。
女子ツール・ド・フランス(正式名称は+ファム アベック ズイフト)はいよいよ大会終盤の2連続難関ステージに直面した。
その一つ目となった第7ステージは、総距離127.1kmに3つの1級山岳が詰め込まれ、1級プティ・バロン(距離9.3km/平均8.1%)と1級山岳プラッツァーヴァーゼル峠(距離7.1km/平均8.3%)を越え、長い下りを経て最終1級山岳グラン・バロン(距離13.5km/平均6.7%)を登る。通過後は平坦と下りが容易されており、頂上フィニッシュこそ翌日を待たねばならないが、女子レースとしての難易度は最高レベルといえる。
この日は前日に落車負傷し、実質的に(山岳ステージのため)もうステージ優勝のチャンスの無いロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)がリタイア。33名という大集団が50秒差をつけて突入した一つ目の1級プティ・バロンで、早速総合優勝候補筆頭のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が動いた。
ファンフルーテンのペースアップに対応できたのはデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)たった一人だけで、マイヨジョーヌを着るマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)はすぐさま脱落。QOM(頂上)こそフォレリングが先着したものの、続く1級山岳プラッツァーヴァーゼルでファンフルーテンが繰り出したアタックに対応することはできなかった。
頂上まで1kmを切った10%勾配区間で、「彼女がローテーションを回せなくなり、頂上から次の登りまでは25kmの渓谷区間があるので彼女を引き離しておきたかった」と言うファンフルーテンが独走に持ち込む。頂上通過時点で単独3番手のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)は3分15秒遅れ、その背後のカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)率いる4番手グループは4分40秒遅れ。60km以上を残し、ファンフルーテンのマイヨジョーヌを目指す大逃げが始まった。
2017年と2018年に個人タイムトライアル世界女王に輝いた独走力を武器に、緩斜面のダウンヒル区間でビッグギアを踏み倒したファンフルーテン。2番手フォレリングとの差はすぐさま1分を越え、1分半を越え、最終1級山岳グラン・バロン突入時点では2分10秒に到達。平均6.7%で13.5kmを駆け上がるこの登坂でもファンフルーテンの勢いは止まらず、頂上を待たずしてタイム差は3分を超える。ボーナスタイムが懸けられた中間スプリントポイントも先頭通過し-3秒を獲得している。
2019年の男子ツールに登場した際、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が先頭通過したグランバロンをファンフルーテンが越えていく。ニエウィアドーマグループには総合7位ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)と総合9位セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)が食らいついたものの、今大会ブレイクした総合2位シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)は脱落を喫した。
並走するバイクカメラに笑顔を見せたファンフルーテンが、1分半遅れていたマイヨジョーヌを取り返して余りある、圧巻の60km逃げを達成。大会序盤こそ体調不良でリタイア寸前まで追い込まれていたファンフルーテンが、難関山岳をあと一日残しながら、圧倒的といえる走りで総合優勝を大きく引き寄せた。
「初日は体調が悪くレース脱落ギリギリで、翌日も自分で荷造りできないほどだった。まだマイヨジョーヌを狙えるだなんて夢にも思わなかった。そこから持ち直し、ここまで戻ってこれたことを考えるとキャリア最大級のビッグウィンだと思う」と言うファンフルーテン。「ちょっと奇跡みたい。39歳になってもなお毎年競技レベルを上げることができていて、今日は最初の登りからいけると思っていた」とも。
またも披露された圧巻の独走劇により、ファンフルーテンは総合2位フォレリングに3分14秒差、3位ニエウィアドーマに4分33秒差をつけつことに成功。「観衆の声援を楽しむことができたし、ツールは私の予想を超えるものになっている。通過する村が全て活きいきしているように感じる」と、レースを楽しむ余裕すら漂わせている。
ツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第7ステージ結果
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 3:47:02 |
2位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | +3:24 |
3位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) | +5:16 |
4位 | ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) | +5:18 |
5位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
6位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | +6:56 |
7位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
8位 | ウルシュカ・ジガート(スロベニア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | +7:23 |
9位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) | +8:27 |
10位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、キャニオン・スラム) | +10:10 |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 23:18:31 |
2位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | +3:14 |
3位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | +4:33 |
4位 | ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) | +5:22 |
5位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) | +5:59 |
6位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | +6:11 |
7位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | +6:15 |
8位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) | +10:13 |
9位 | マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ) | +12:06 |
10位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | +12:24 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 267pts |
2位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 164pts |
3位 | マリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、セラティツィットWNTローター) | 102pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | 29pts |
2位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 28pts |
3位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | 13pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、トレック・セガフレード) | 23:37:35 |
2位 | ミーシャ・ブレッドウォルド(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) | +5:12 |
3位 | ジュリア・ボルグストローム(スウェーデン、AGインシュランス・NXTGチーム) | +9:23 |
チーム総合成績
1位 | キャニオン・スラム | 70:24:48 |
2位 | FDJ・スエズ・フチュロスコープ | +11:23 |
3位 | SDワークス | +12:15 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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