2010/07/10(土) - 15:42
ツール・ド・フランス前半戦最後の平坦コースで行なわれた第6ステージ。ステージ2連勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)を始め、有力選手たちのコメント。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)
「一日中アップダウンの繰り返しだったので予想以上に厳しいステージだった。今日はマキシム・モンフォールとベアト・グラブシュの働きが特に素晴らしかった。山岳ステージでマイケル・ロジャースのアシストを務めるカンスタンティン(シウトソウ)は、翌日からの闘いに向けて温存することにした。チームメイトにとって長い長いステージだったに違いない。でも彼らは完璧な走りでタイム差を詰め、ゴール勝負に持ち込んでくれた」。
「最後の山岳で動きが出ることは予想していた。でもタイム差は小さかったし、集団に有利にレースは進んだ。逃げを吸収してからは、集団内で様子を見ながら隊列を組んだ。ゴールスプリントでは、今日もただマーク(レンショー)に付いていっただけ。精密な機械のようにチームは機能した。素晴らしいチームワークを締めくくるのが自分の仕事で、ただ両手を挙げてゴールに飛び込むのが役目。スポンサーのロゴを見せつけることは、現在のロードレースにおいて非常に重要なこと。集団スプリントでの勝利はスポンサーアピールに最高だということを理解している」。
「マイヨヴェール争いにおいて自分がどのポジションにいるのか分からない。まだまだ先は長い。でもコツコツとポイントを重ねることが重要なのは分かっている。ステージ優勝を狙い続けて、それからどうマイヨヴェール争いが展開するのか見守りたい。序盤のステージで出遅れた分、これからのステージで本来の力を発揮して闘って行きたいと思う」。
トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
「ポイント賞争いにおける自分のリードが小さくなっているのは分かっている。カヴェンディッシュだけじゃなくて他の選手も差を詰めている。もしこのジャージをパリまで着続けたいのなら、今より良いスプリントをしなければならない。昨年のように中間スプリントポイントを狙ってアタックするかどうかは分からない。今年のツール・ド・フランスにはすでに満足しているんだ。勝ちたいと思っていた夢のステージで勝利して、マイヨヴェールも充分着た。これからは毎日様子を見ながら闘って行きたい」。
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)
「(マイヨジョーヌを着続けることは)悪いことじゃない。でもツール・ド・フランスで総合優勝したわけじゃない。明日もう一日マイヨジョーヌを着ることが出来たのなら誇りに思う。とにかく山岳初日の明日はレースの展開次第。明日のゴール地点でマイヨジョーヌを受け取るかも知れないし、もしかしたら他の選手の手に移っているかも知れない。もう次の段階に向けて準備は出来ている」。
ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
「スタート前に降った雨のおかげで、前半の100kmは比較的涼しかった。“エディ”ボアッソンハーゲンはゴール前で僕の番手を失ってしまった。バラバラになってしまったんだ。とにかくツールも序盤ステージが終了。明日からはアルプスだ。今日カンチェラーラから3秒奪ったことは、後々大きな影響が無いかも知れないけど、歓迎すべきこと。(マイヨジョーヌ争いは)明日になってみないと分からない。明日彼が集団から脱落すれば、僕にマイヨジョーヌ獲得のチャンスがある。でも厳しい闘いになるのは間違いない。出来る限り先頭グループに食らいついて、カンチェラーラからタイムを奪いたいと思う。明日の表彰台でマイヨジョーヌを着用出来るかも知れない・・・。それが達成出来れば最高にクールだ。このツールの目標はプロローグで結果を出すことと、最初の1週間ブラッド(ウィギンズ)をアシストすることだった。こんなこと(マイヨジョーヌ獲得のチャンス)は夢にも思っていなかった。明日になってみないと分からないけど、チームオーダーでアタックするかも知れない。とにかく先頭グループに食らいつきたいと思う」。
マチュー・ペルジェ(フランス、ケースデパーニュ)
「今日はスタート前に『逃げに乗る』オーダーを受けた。集団スプリントが有力視されていたけど、逃げに全くチャンスが無いステージでもなかった。230kmの長い起伏あるコースで風が吹けば、何が起こるか分からない。逃げグループが機能すれば逃げ切る可能性だってあった。逃げグループの人数の少なさは問題じゃなかった。逆に15チームの選手が逃げていればスプリンターチームが放っておかないと思う。7〜8人で逃げたとしても、5分以上のリードは与えられなかっただろう。とにかく逃げを試みて様子を見た。でもベアト・グラブシュが集団を牽いていると聞いて、厄介だなと思ったよ。グラブシュは1人で逃げ5人分の働きをする。ゴールまで30kmを残してリードは僅かに1分20秒。でも諦めたくなかった。最後まで挑戦し続けたんだ」。
ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)
「明日は逃げグループに滑り込みたいと思う。賭けではあるけど、それしかこのマイヨブラン・アポワ・ルージュ(山岳賞ジャージ)を守る方法が無い。仮に明日のゴール地点でこのジャージを失っていたとしても、大きな失態とは言えない。1週間に渡ってジャージを着ることが出来れば満足だと思っていた。すでにそれは達成している。今狙っているのはステージ優勝だ。山岳賞ジャージを数日着ただけではすぐに忘れ去られてしまうけど、ツール・ド・フランスでの1勝は人々の記憶に残る。今朝リシャール・ヴィランクと話をしたけど、彼も明日(第7ステージで)アタックすべきだとアドバイスしてくれた。とにかく明日の作戦はアタックあるのみ。僕はそう簡単には屈しない」。
ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)
「今日も暑い一日だった。昨夜の雨の湿気が残り、蒸し暑さが残っていた。みんな苦しんでいたよ。非常に長いステージで、風も少し吹いていた。総合狙いの選手たちは明日からのステージに目を向けている。アルプスの数日で総合優勝を決めることは出来ないけど、そこでチャンスを失う可能性は有る。レディオシャックはパヴェで苦戦を強いられた。でも本当の闘いは明日始まる。本格的な山岳決戦は日曜日にスタートだ。ツール・ド・スイスでの走りは納得のいくものだったし、今はスイス出場時以上の好調さを感じている。当時よりバイクの感触も良く、脚に力を感じ、リカバリーも速くなり、そして軽量化している。とにかく明日になってみないと分からない。」
選手コメントはレース公式サイト、ならびにチーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)
「一日中アップダウンの繰り返しだったので予想以上に厳しいステージだった。今日はマキシム・モンフォールとベアト・グラブシュの働きが特に素晴らしかった。山岳ステージでマイケル・ロジャースのアシストを務めるカンスタンティン(シウトソウ)は、翌日からの闘いに向けて温存することにした。チームメイトにとって長い長いステージだったに違いない。でも彼らは完璧な走りでタイム差を詰め、ゴール勝負に持ち込んでくれた」。
「最後の山岳で動きが出ることは予想していた。でもタイム差は小さかったし、集団に有利にレースは進んだ。逃げを吸収してからは、集団内で様子を見ながら隊列を組んだ。ゴールスプリントでは、今日もただマーク(レンショー)に付いていっただけ。精密な機械のようにチームは機能した。素晴らしいチームワークを締めくくるのが自分の仕事で、ただ両手を挙げてゴールに飛び込むのが役目。スポンサーのロゴを見せつけることは、現在のロードレースにおいて非常に重要なこと。集団スプリントでの勝利はスポンサーアピールに最高だということを理解している」。
「マイヨヴェール争いにおいて自分がどのポジションにいるのか分からない。まだまだ先は長い。でもコツコツとポイントを重ねることが重要なのは分かっている。ステージ優勝を狙い続けて、それからどうマイヨヴェール争いが展開するのか見守りたい。序盤のステージで出遅れた分、これからのステージで本来の力を発揮して闘って行きたいと思う」。
トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
「ポイント賞争いにおける自分のリードが小さくなっているのは分かっている。カヴェンディッシュだけじゃなくて他の選手も差を詰めている。もしこのジャージをパリまで着続けたいのなら、今より良いスプリントをしなければならない。昨年のように中間スプリントポイントを狙ってアタックするかどうかは分からない。今年のツール・ド・フランスにはすでに満足しているんだ。勝ちたいと思っていた夢のステージで勝利して、マイヨヴェールも充分着た。これからは毎日様子を見ながら闘って行きたい」。
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)
「(マイヨジョーヌを着続けることは)悪いことじゃない。でもツール・ド・フランスで総合優勝したわけじゃない。明日もう一日マイヨジョーヌを着ることが出来たのなら誇りに思う。とにかく山岳初日の明日はレースの展開次第。明日のゴール地点でマイヨジョーヌを受け取るかも知れないし、もしかしたら他の選手の手に移っているかも知れない。もう次の段階に向けて準備は出来ている」。
ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
「スタート前に降った雨のおかげで、前半の100kmは比較的涼しかった。“エディ”ボアッソンハーゲンはゴール前で僕の番手を失ってしまった。バラバラになってしまったんだ。とにかくツールも序盤ステージが終了。明日からはアルプスだ。今日カンチェラーラから3秒奪ったことは、後々大きな影響が無いかも知れないけど、歓迎すべきこと。(マイヨジョーヌ争いは)明日になってみないと分からない。明日彼が集団から脱落すれば、僕にマイヨジョーヌ獲得のチャンスがある。でも厳しい闘いになるのは間違いない。出来る限り先頭グループに食らいついて、カンチェラーラからタイムを奪いたいと思う。明日の表彰台でマイヨジョーヌを着用出来るかも知れない・・・。それが達成出来れば最高にクールだ。このツールの目標はプロローグで結果を出すことと、最初の1週間ブラッド(ウィギンズ)をアシストすることだった。こんなこと(マイヨジョーヌ獲得のチャンス)は夢にも思っていなかった。明日になってみないと分からないけど、チームオーダーでアタックするかも知れない。とにかく先頭グループに食らいつきたいと思う」。
マチュー・ペルジェ(フランス、ケースデパーニュ)
「今日はスタート前に『逃げに乗る』オーダーを受けた。集団スプリントが有力視されていたけど、逃げに全くチャンスが無いステージでもなかった。230kmの長い起伏あるコースで風が吹けば、何が起こるか分からない。逃げグループが機能すれば逃げ切る可能性だってあった。逃げグループの人数の少なさは問題じゃなかった。逆に15チームの選手が逃げていればスプリンターチームが放っておかないと思う。7〜8人で逃げたとしても、5分以上のリードは与えられなかっただろう。とにかく逃げを試みて様子を見た。でもベアト・グラブシュが集団を牽いていると聞いて、厄介だなと思ったよ。グラブシュは1人で逃げ5人分の働きをする。ゴールまで30kmを残してリードは僅かに1分20秒。でも諦めたくなかった。最後まで挑戦し続けたんだ」。
ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)
「明日は逃げグループに滑り込みたいと思う。賭けではあるけど、それしかこのマイヨブラン・アポワ・ルージュ(山岳賞ジャージ)を守る方法が無い。仮に明日のゴール地点でこのジャージを失っていたとしても、大きな失態とは言えない。1週間に渡ってジャージを着ることが出来れば満足だと思っていた。すでにそれは達成している。今狙っているのはステージ優勝だ。山岳賞ジャージを数日着ただけではすぐに忘れ去られてしまうけど、ツール・ド・フランスでの1勝は人々の記憶に残る。今朝リシャール・ヴィランクと話をしたけど、彼も明日(第7ステージで)アタックすべきだとアドバイスしてくれた。とにかく明日の作戦はアタックあるのみ。僕はそう簡単には屈しない」。
ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)
「今日も暑い一日だった。昨夜の雨の湿気が残り、蒸し暑さが残っていた。みんな苦しんでいたよ。非常に長いステージで、風も少し吹いていた。総合狙いの選手たちは明日からのステージに目を向けている。アルプスの数日で総合優勝を決めることは出来ないけど、そこでチャンスを失う可能性は有る。レディオシャックはパヴェで苦戦を強いられた。でも本当の闘いは明日始まる。本格的な山岳決戦は日曜日にスタートだ。ツール・ド・スイスでの走りは納得のいくものだったし、今はスイス出場時以上の好調さを感じている。当時よりバイクの感触も良く、脚に力を感じ、リカバリーも速くなり、そして軽量化している。とにかく明日になってみないと分からない。」
選手コメントはレース公式サイト、ならびにチーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
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