ツール初出場だった昨年は区間1勝と6日間に渡りマイヨジョーヌを着用したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)。しかし今年は精彩を欠き、第11ステージの序盤で飛び出したものの、残り70km地点でバイクを降りた。



ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)と共に飛び出したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)と共に飛び出したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がリタイアしたのは、メイン集団のペースが一気に上がった1級山岳テレグラフの山頂手前だった。この日、中間スプリントと終盤でチームをアシストするべく序盤から飛び出したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)に追従した。しかし残り70km地点の超級山岳テレグラフの山頂手前でレースを止めた。

「昨日は1日をベッドの上で過ごした。良い休息の時となったので、第2週目はコンディションが上がることを願っている。開幕直後よりは少しだけマシになっているものの、いまは集団についていくのがやっとだからね」。休息日明けの第10ステージ、スタート前に行われた囲み取材にそう受け応えたファンデルプールだったが、その望みは叶わなかった。

昨年大会では第2ステージをツール初優勝を挙げ、マイヨジョーヌを6日間に渡り着用するなど躍動したファンデルプール。しかし今年は区間1勝と連日積極的な走りを見せたジロ・デ・イタリアの疲労からか、区間5位に入った初日の個人タイムトライアルを除き精彩を欠いていた。

東京五輪のため途中棄権した昨年に続き、今年も完走ならなかったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)東京五輪のため途中棄権した昨年に続き、今年も完走ならなかったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
そして期待されていた11箇所の石畳が登場した第5ステージでも81位と沈んだファンデルプール。「自分の影の中にいるみたいでフラストレーションが溜まっている」と自身の体調に対する不満を語り、その後も輝きを取り戻すことなくレースを去ることとなった。

また第6ステージでは「(ジロとツールの連戦は)簡単ではないと分かっていたものの、ここまで自分の状態が悪くなるとは思わなかった。3週間に及ぶグランツールはワンデーレースとは違う。それが精神的にも堪えた」と、今回のリタイアの理由とも取れるコメントを残していた。

text:Sotaro.Arakawa

最新ニュース(全ジャンル)