2022/07/01(金) - 16:07
フィリッポ・ガンナのTT快進撃をサポートするピナレロのTTマシン、BOLIDEがモデルチェンジ。新型のBOLIDE Fでは新たな開発プロセスを導入し、前作よりもエアロダイナミクスと軽量性に優れた1台に進化を遂げている。
2020年、21年のTT世界王者に輝いたフィリッポ・ガンナ。ロードレースファンの中で彼の活躍を知らない人はいないと言っても過言ではないほど、タイムトライアルでは最強の座をほしいままにするイタリア人ライダーだ。彼の活躍を支えるのが、性能が研ぎ澄まされたTTバイクのピナレロ BOLIDEだ。
2016年にデビューしたロードTT用のBOLIDE TTは、ガンナと共にタイトルを獲得し続けており、今もなお世界最高峰のレースで通用する性能を証明している。既に高い完成度を持つBOLIDE TTだが、その地位に甘んずることなくモデルチェンジが行われ、"BOLIDE F"として進化を果たした。
BOLIDE Fはツール・ド・スイスで既に実践投入されており、イネオス・グレナディアーズの選手たちが駆るカモフラージュデザインのバイクの写真を見た方もいるだろう。そして、ガンナはこの新型でイタリアのTTナショナル選手権で優勝を果たし、その性能の高さを早速証明した。
そんなBOLIDE Fがツール・ド・フランスの第1ステージで正式デビューとなる。開発にあたりピナレロはCFDシミュレーションにクラウドを使ったシステムを採用し、開発能力を大幅に前進させた。
新型ではハンドリング性能向上と抵抗の低減をターゲットとして開発が行われた結果、ディスクブレーキが採用されることとなった。加えて、フレームではシートチューブ周りの設計を見直すことで、ディスクブレーキによる空気抵抗増加分を相殺するエアロダイナミクスを獲得。ピナレロの研究によると、バイクとライダーを含めた総抵抗は、様々な状況下でも前作と比較して0.04%(0.0075N)の増加に抑えられているという。
リムブレーキ仕様であった前作と同レベルのエアロダイナミクスを維持することは重要な成果だったという。空力性能はそのままに、ディスクブレーキの搭載はもちろん、最大28mm幅のタイヤ装着を実現したことで、バイクの総合的な性能は大きく前進したとピナレロは言う。
フレームのみならずベースバーとエクステンションバーも新しい設計となった。ベースバーについては、50km/hでのテストで0.1%の空力向上という、前作とほぼ同等の性能を維持。同時にエクステンションバーとライザー部分で2〜3%のエアロダイナミクス改善を実現した。また、ライザー部の取り付けデザインと角度調整方式の簡略化も行われているという。
トップアスリートたちが使用する3Dプリントのカスタムバーエクステンションは、イギリスとイタリアにあるスキャニングセンターでの作業が必要となるが、一般サイクリストもカスタムすることが可能だという。
BOLIDE Fはエアロダイナミクスだけではなく、バイクの重量も徹底的に追求された。サイズ55、フォークとベアリング、シートポスト、ブレーキシステム(チューブやワイヤーを含む)の合計重量は、BILIDE TTより170gのダイエットに成功。システム重量2,265gを実現した。
他にもボトムブラケット部は17%、ヘッドチューブは7%、フォークの前後方向は12%、左右方向は5%の剛性強化がおこなれた。BOLIDE Fを駆りイタリア国内TT選手権で優勝したガンナは「バイクの剛性が高くなり、コーナーの立ち上がりが速くなった」とコメントしている。優勝という成績を見てもBOLIDE Fの高いパフォーマンスは明らかだ。
ツール・ド・フランスの第1ステージで、ガンナとBOLIDE Fが活躍することに期待がかかる。国内での販売時期や価格は未定だ。
ピナレロ BOLIDE F 特徴
カーボン:Toray M40X
フレームデザイン:Asymmetric frame
フォーク:Bolide F TT Onda fork
ヘッドテクノロジー:TiCR (total integrated cable routing)
ベアリング:1.5 upper and 1.1/4 lower steerer
ボトムブラケット:Italian thread BB
適合:UCI approved
ブレーキシステム:Disc brakes
最大タイヤクリアランス:622x28c
フレーム重量:1100g Size 550 (the biggest); raw frame, not painted
2020年、21年のTT世界王者に輝いたフィリッポ・ガンナ。ロードレースファンの中で彼の活躍を知らない人はいないと言っても過言ではないほど、タイムトライアルでは最強の座をほしいままにするイタリア人ライダーだ。彼の活躍を支えるのが、性能が研ぎ澄まされたTTバイクのピナレロ BOLIDEだ。
2016年にデビューしたロードTT用のBOLIDE TTは、ガンナと共にタイトルを獲得し続けており、今もなお世界最高峰のレースで通用する性能を証明している。既に高い完成度を持つBOLIDE TTだが、その地位に甘んずることなくモデルチェンジが行われ、"BOLIDE F"として進化を果たした。
BOLIDE Fはツール・ド・スイスで既に実践投入されており、イネオス・グレナディアーズの選手たちが駆るカモフラージュデザインのバイクの写真を見た方もいるだろう。そして、ガンナはこの新型でイタリアのTTナショナル選手権で優勝を果たし、その性能の高さを早速証明した。
そんなBOLIDE Fがツール・ド・フランスの第1ステージで正式デビューとなる。開発にあたりピナレロはCFDシミュレーションにクラウドを使ったシステムを採用し、開発能力を大幅に前進させた。
新型ではハンドリング性能向上と抵抗の低減をターゲットとして開発が行われた結果、ディスクブレーキが採用されることとなった。加えて、フレームではシートチューブ周りの設計を見直すことで、ディスクブレーキによる空気抵抗増加分を相殺するエアロダイナミクスを獲得。ピナレロの研究によると、バイクとライダーを含めた総抵抗は、様々な状況下でも前作と比較して0.04%(0.0075N)の増加に抑えられているという。
リムブレーキ仕様であった前作と同レベルのエアロダイナミクスを維持することは重要な成果だったという。空力性能はそのままに、ディスクブレーキの搭載はもちろん、最大28mm幅のタイヤ装着を実現したことで、バイクの総合的な性能は大きく前進したとピナレロは言う。
フレームのみならずベースバーとエクステンションバーも新しい設計となった。ベースバーについては、50km/hでのテストで0.1%の空力向上という、前作とほぼ同等の性能を維持。同時にエクステンションバーとライザー部分で2〜3%のエアロダイナミクス改善を実現した。また、ライザー部の取り付けデザインと角度調整方式の簡略化も行われているという。
トップアスリートたちが使用する3Dプリントのカスタムバーエクステンションは、イギリスとイタリアにあるスキャニングセンターでの作業が必要となるが、一般サイクリストもカスタムすることが可能だという。
BOLIDE Fはエアロダイナミクスだけではなく、バイクの重量も徹底的に追求された。サイズ55、フォークとベアリング、シートポスト、ブレーキシステム(チューブやワイヤーを含む)の合計重量は、BILIDE TTより170gのダイエットに成功。システム重量2,265gを実現した。
他にもボトムブラケット部は17%、ヘッドチューブは7%、フォークの前後方向は12%、左右方向は5%の剛性強化がおこなれた。BOLIDE Fを駆りイタリア国内TT選手権で優勝したガンナは「バイクの剛性が高くなり、コーナーの立ち上がりが速くなった」とコメントしている。優勝という成績を見てもBOLIDE Fの高いパフォーマンスは明らかだ。
ツール・ド・フランスの第1ステージで、ガンナとBOLIDE Fが活躍することに期待がかかる。国内での販売時期や価格は未定だ。
ピナレロ BOLIDE F 特徴
カーボン:Toray M40X
フレームデザイン:Asymmetric frame
フォーク:Bolide F TT Onda fork
ヘッドテクノロジー:TiCR (total integrated cable routing)
ベアリング:1.5 upper and 1.1/4 lower steerer
ボトムブラケット:Italian thread BB
適合:UCI approved
ブレーキシステム:Disc brakes
最大タイヤクリアランス:622x28c
フレーム重量:1100g Size 550 (the biggest); raw frame, not painted
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