2022/06/13(月) - 09:54
超級山岳フィニッシュのドーフィネ最終日でユンボ・ヴィスマが他を圧倒。ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)がステージ優勝と総合2位、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がステージ2位と総合優勝を決めた。
8日間に及ぶクリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)を締めくくるのは、わずか138.8kmで3,782mを登る難関山岳ステージ。スタート直後から1級、3級山岳、そして1級山岳ラ・コロンビエール峠を越えた選手たちは、2017年以来の登場となる超級山岳プラトー・ド・ソレゾン(11.4km/平均8.9%)に登り詰める。
前日第7ステージ終了時点で総合首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)に対し、チームメイトのヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が44秒遅れの総合2位で、ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)は1分24秒遅れの総合3位。圧倒的とも言える戦力で臨んだユンボ・ヴィスマは、この日もツール本戦を予期させるような支配力を見せつけることとなる。
この日は山岳賞を既に確定させているピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ KTM)や第2ステージで逃げ切ったアレクシー・ヴィエルモ(フランス、トタルエネルジー)、ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)らを含む15名が先行。ユンボ勢は全員がメイン集団に残った一方、テイオ・ゲイガンハート(イギリス)が総合4位につけるイネオス・グレナディアーズはエディ・ダンバー(アイルランド)とローレンス・デプルス(ベルギー)を逃げに送り込んだ。
10kmオーバーのコロンビエール峠では逃げグループが分裂してダンバー、ブルーノ・アルミライル(フランス)とマイケル・ストーラー(オーストラリア)のグルパマFDJコンビ、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)、さらにケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)というクライマーばかりに絞られる。ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が追いついて頂上(残り38.5km)を超えたものの、この時点でユンボ率いるメイン集団とのタイム差は1分半まで縮まっていた。
マイヨヴェールのワウト・ファンアールト(ベルギー)の牽引で超級山岳プラトー・ド・ソレゾンに突入し、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)の高速ヒルクライムでメイン集団は一気に縮小した。
各チームのエース選手も次々と千切れ、気づけば残っていたのはログリッチ、ヴィンゲゴー、クライスヴァイク、オコーナー、総合9位ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、総合12位エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)という6人だけ。最後まで逃げていたベネットを残り7km地点で早々に捕まえると、ユンボは残り6km地点の急勾配区間で更なるペースアップを図った。
クライスヴァイクによる捨て身の牽引でヘイグとチャベスが千切れ、ヴィンゲゴーによる続けざまの加速でオコーナーまでも脱落。「ライバル勢を脱落させられるか確かめようとした」と言うヴィンゲゴーと、マイヨジョーヌのログリッチがランデブー状態でヒルクライムを続けた。
12〜13%勾配をコンスタントに刻むプラトー・ド・ソレゾンで、ユンボコンビは追従するオコーナーに対して15秒から20秒差を、4番手のチャベスに対して50秒差キープした。残り300mを切ってから勝利を確信し、肩を並べてお互いを讃えあいながら、手を繋いでフィニッシュ。ログリッチはライバル圧倒に貢献したヴィンゲゴーに勝利を譲り、2位フィニッシュで自らのクリテリウム・デュ・ドーフィネ総合優勝を確定させた。
「すごい一日だった。僕がプリモシュを率いてアタックする予定だった。思っていたよりもずっと凄い結果になったよ。僕たちが成し遂げたことを誇りに思いたい」とヴィンゲゴーは言う。「春先はあまり調子が良くなかったけれど、先週の時点で高いレベルに達していたし今は復調の過程にある。ステージ優勝と総合2位という結果にとても興奮しているよ」と加えている。
第74代総合覇者に輝くと共に、悲願のツール総合優勝に向けて弾みをつけたログリッチは「素晴らしい結果だ。他に説明のしようがない。チーム全員が素晴らしい走りをし、チームにとって美しい日になった。ツールの準備をしにきたけれど、正しい道筋にいることを確認できた」と満足げにコメントする。「本番までの数週間を使ってコンディションをもう一段階上げたいと思う。膝の怪我に悩まされなくなって嬉しいし、次のレースに向けて自信を抱くことができた。この1週間の余韻を楽しみつつ休息を入れ、ティーnゆでチームメイトと共にトレーニングする予定だ」と加えている。
単独で粘り続けたオコーナーがステージ&総合3位を確定させ、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が大きく遅れたためダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が総合4位に。ヘイグは総合9位から5位までジャンプアップに成功し、バーレーン・ヴィクトリアスもまたチーム力を披露する形となった。
8日間に及ぶクリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)を締めくくるのは、わずか138.8kmで3,782mを登る難関山岳ステージ。スタート直後から1級、3級山岳、そして1級山岳ラ・コロンビエール峠を越えた選手たちは、2017年以来の登場となる超級山岳プラトー・ド・ソレゾン(11.4km/平均8.9%)に登り詰める。
前日第7ステージ終了時点で総合首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)に対し、チームメイトのヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が44秒遅れの総合2位で、ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)は1分24秒遅れの総合3位。圧倒的とも言える戦力で臨んだユンボ・ヴィスマは、この日もツール本戦を予期させるような支配力を見せつけることとなる。
この日は山岳賞を既に確定させているピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ KTM)や第2ステージで逃げ切ったアレクシー・ヴィエルモ(フランス、トタルエネルジー)、ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)らを含む15名が先行。ユンボ勢は全員がメイン集団に残った一方、テイオ・ゲイガンハート(イギリス)が総合4位につけるイネオス・グレナディアーズはエディ・ダンバー(アイルランド)とローレンス・デプルス(ベルギー)を逃げに送り込んだ。
10kmオーバーのコロンビエール峠では逃げグループが分裂してダンバー、ブルーノ・アルミライル(フランス)とマイケル・ストーラー(オーストラリア)のグルパマFDJコンビ、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)、さらにケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)というクライマーばかりに絞られる。ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が追いついて頂上(残り38.5km)を超えたものの、この時点でユンボ率いるメイン集団とのタイム差は1分半まで縮まっていた。
マイヨヴェールのワウト・ファンアールト(ベルギー)の牽引で超級山岳プラトー・ド・ソレゾンに突入し、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)の高速ヒルクライムでメイン集団は一気に縮小した。
各チームのエース選手も次々と千切れ、気づけば残っていたのはログリッチ、ヴィンゲゴー、クライスヴァイク、オコーナー、総合9位ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、総合12位エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)という6人だけ。最後まで逃げていたベネットを残り7km地点で早々に捕まえると、ユンボは残り6km地点の急勾配区間で更なるペースアップを図った。
クライスヴァイクによる捨て身の牽引でヘイグとチャベスが千切れ、ヴィンゲゴーによる続けざまの加速でオコーナーまでも脱落。「ライバル勢を脱落させられるか確かめようとした」と言うヴィンゲゴーと、マイヨジョーヌのログリッチがランデブー状態でヒルクライムを続けた。
12〜13%勾配をコンスタントに刻むプラトー・ド・ソレゾンで、ユンボコンビは追従するオコーナーに対して15秒から20秒差を、4番手のチャベスに対して50秒差キープした。残り300mを切ってから勝利を確信し、肩を並べてお互いを讃えあいながら、手を繋いでフィニッシュ。ログリッチはライバル圧倒に貢献したヴィンゲゴーに勝利を譲り、2位フィニッシュで自らのクリテリウム・デュ・ドーフィネ総合優勝を確定させた。
「すごい一日だった。僕がプリモシュを率いてアタックする予定だった。思っていたよりもずっと凄い結果になったよ。僕たちが成し遂げたことを誇りに思いたい」とヴィンゲゴーは言う。「春先はあまり調子が良くなかったけれど、先週の時点で高いレベルに達していたし今は復調の過程にある。ステージ優勝と総合2位という結果にとても興奮しているよ」と加えている。
第74代総合覇者に輝くと共に、悲願のツール総合優勝に向けて弾みをつけたログリッチは「素晴らしい結果だ。他に説明のしようがない。チーム全員が素晴らしい走りをし、チームにとって美しい日になった。ツールの準備をしにきたけれど、正しい道筋にいることを確認できた」と満足げにコメントする。「本番までの数週間を使ってコンディションをもう一段階上げたいと思う。膝の怪我に悩まされなくなって嬉しいし、次のレースに向けて自信を抱くことができた。この1週間の余韻を楽しみつつ休息を入れ、ティーnゆでチームメイトと共にトレーニングする予定だ」と加えている。
単独で粘り続けたオコーナーがステージ&総合3位を確定させ、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が大きく遅れたためダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が総合4位に。ヘイグは総合9位から5位までジャンプアップに成功し、バーレーン・ヴィクトリアスもまたチーム力を披露する形となった。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2022第8ステージ結果
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 3:49:20 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +0:15 |
4位 | エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:53 |
5位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
6位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:55 |
7位 | ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
8位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +1:20 |
10位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | +1:40 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 29:11:22 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | +0:40 |
3位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +1:41 |
4位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:33 |
5位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +3:13 |
6位 | ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | +3:17 |
7位 | エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +3:18 |
8位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +3:44 |
9位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +3:48 |
10位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | +3:51 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ KTM) |
ヤングライダー賞 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィスマ |
text:So Isobe
photo:A.S.O.,CorVos
photo:A.S.O.,CorVos
Amazon.co.jp