先日閉幕したジロ・デ・イタリアで好走を見せたバウケ・モレマ(オランダ)が、トレック・セガフレードと2026年までの契約延長を行った。「35歳の選手には滅多にない長期契約だ」と、チームへの感謝と喜びを語っている。



ツール・ド・フランス出場を予定しているバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)ツール・ド・フランス出場を予定しているバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
「このチームに来て8年が経ち、いまだ加入から感じている幸福感は変わらない。他のチームで走る自分が想像できず、チームで過ごす次の4年がとても楽しみだ。いままで何度もこの表現を使ってきたが、僕にとってこのチームは家族同然なんだ」と、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)はプレスリリースを通して語った。

「このチームで現役を終えたいと思っている。今回の契約が満了する頃には、チームに12年所属することになる。チームとスポンサーが僕に寄せる信頼が、この長期契約から伝わってきた。これは僕の歳の選手では滅多にないことだ」。

2008年にラボバンク(現ユンボ・ヴィスマ)でプロデビューしたモレマは、2015年トレックファクトリーレーシングに加入。それ以来ジャパンカップを始め、クラシカ・サンセバスティアンやイル・ロンバルディア、そしてツール・ド・フランスでは2度の区間優勝など輝かしい実績を上げてきた。

「皆が周知のように、チームにおける僕の役割はここ数年で変化しており、今後数年で更に変わることだろう。加入当初はステージレースの総合順位を狙い、特にツールを目指していた。数年に渡りその目標に挑み続け、それが徐々にワンデーレースに変わり、最近ではグランツールのステージ優勝を狙うようになった。いま役割が気に入っているし、この年齢では総合リーダーよりもそっちの方が良いだろう」とモレマは語る。

2021年ツール・ド・フランス第14ステージで逃げ切り勝利したバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)2021年ツール・ド・フランス第14ステージで逃げ切り勝利したバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:Luca Bettini
契約最終年度となる2026年を39歳で迎えるモレマ。チームGMのルカ・グエルチレーナ氏はモレマとの契約延長について「トレック・セガフレードという家族の一員であるバウケとの契約更新に僕らは何の疑問も抱かなかった。彼のプロキャリアにおける次なるステージを我々のチームの柱となって支えて欲しい。バウケはチームのキャプテンの1人であり、チームをより強くしてくれると信じている」と説明。また今後のモレマについて「チームでの役割は変わらず、ワンデーレースやステージ優勝を狙ってもらう。僕らは彼が成功を収めてくれると確信している」と付け加えた。

先日閉幕したジロでは第7ステージでの2位を含む5つのステージでシングルリザルトを残すなど、衰えを知らず好調をキープするモレマ。チームでの役割については「チームには僕よりもグランツールの総合を狙う若い選手たちがいる。だから彼らをメンター(助言者)として支え、僕の経験を伝えて彼らの未来の役に立ちたい」と話している。

モレマは7月1日より開幕するツール・ド・フランスへの出場を予定。同じくジロ&ツール連戦組の総合エースであるジュリオ・チッコーネ(イタリア)を支えながら、クイン・シモンズ(アメリカ)やマッズ・ピーダスン(デンマーク)と共に自身3度目のステージ優勝を目指す。

text:Sotaro.Arakawa