2022/05/30(月) - 08:02
3週間にわたって開催された第105回ジロ・デ・イタリアがヴェローナで閉幕。伊個人TT王者マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が最速タイムを叩き出し、ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が総合優勝の証マリアローザとトロフェオセンツァフィーネを受け取った。
ジロ・デ・イタリア第105回大会を締めくくるのはヴェローナを走る17.4kmの個人タイムトライアル。街中のコーナーをこなしながら中盤にかけて距離4.1km/平均5.4%の緩やかな登りをこなし、パヴェ(石畳)を含む市街地を走ってローマ時代の円形闘技場『アレーナ』前でフィナーレを迎える。
総合成績最下位のロジェ・クルーゲ(ドイツ、ロット・スーダル)を第1走として、前日マリアローザに袖を通したばかりの総合首位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)まで順にスタートを切る。コースレイアウトはチャド・ヘイガ(アメリカ)がステージ優勝を挙げた2019年とほぼ同じで、中盤の登りをどうこなすかが勝負の鍵を握った。
レース序盤戦で好タイムを刻んだのはマイケル・ヘップバーン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)。23分48秒、つまり平均43.9km/hを叩き出してホットシートに座ったヘップバーンに対し、今大会後半戦で積極的に逃げたマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が6秒47上回り(23分42秒/平均44.1km/h)、さらにマウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル)が僅か0秒59差の23分41秒(平均44.1km/h)という僅差で上書きする。
スピード自慢たちが次々とタイム更新に成功する中、総合71位につけていたイタリア個人タイムトライアルチャンピオン、マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が目覚ましい走りを披露した。
「登坂頂上がフィニッシュ地点だと想定してそこまで思い切り踏み込んだ」と振り返るソブレロは、イタリア人ファンから大きな声援を浴びながら第一中間計測ポイントを最速タイムで通過した。ハイスピードのダウンヒルでもTTポジションを崩さずもがき倒したソブレロのフィニッシュタイムは、シュミットを実に1分16秒縮める22分24秒(平均46.6km/h)だった。
圧倒的なタイム差でホットシートに座ったソブレロに対し、好走したテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)も22秒63遅れの22分47秒。総合上位選手がスタートしても暫定首位ソブレロと同2位アレンスマンのタイムには及ばず、結果的にソブレロがホットシートを最後まで守り抜いた。
第2ステージの個人タイムトライアルでは4位に入っていたソブレロが、キャリア初のUCIワールドツアーレースを母国最大のステージレースで射止める。2022年ジロ・デ・イタリアの最終ステージを制したソブレロは「信じられないよ。まだ起こったこと全てを把握できていない気がする」と驚きを隠さない。
バイクエクスチェンジがサイモン・イェーツ(イギリス)の第2ステージ優勝に続く、今大会の個人タイムトライアル2ステージ両制覇達成。ソブレロによれば、機材サプライヤーのジャイアントやカデックス、そしてアレ(アパレル)とタッグを組み、オフシーズンにTT能力改善に努めてきた成果という。総合エースを務めるはずだったイェーツを失って以降、ステージ優勝に目標を切り替えていたバイクエクスチェンジが価値ある今大会区間3勝目を掴み取った。
総合成績上位陣の中での注目は、タイムトライアルを得意とするリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が、前日付けられた1分25秒の総合ビハインドをどこまで縮めることができるかという点。
総合10位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)と同9位&マリアビアンカのフアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)の成績が入れ替わり、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)は自身最後のジロ・デ・イタリアを表彰台まであと一歩届かない総合4位のまま走り終える。同3位ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)も安定した走りで総合成績を確定させた。
結果的に、エクアドルTTチャンピオンを示すナショナルカラーのスキンスーツで走ったカラパスは、マリアローザを着た最終走者ヒンドレーとの差を6秒縮めるだけに留まった。それでもソブレロから1分24秒遅れの区間10位と、総合成績上位選手の中での最速タイムを刻み意地を見せつける。
最終個人TTで逆転負けした2020年大会の悪夢を払拭するかのように、ステージ15位に食い込んだヒンドレーが、自身初となるグランツール総合優勝を確定させる。第105代総合優勝者となったヒンドレーは、アレーナに用意されたピンク色の表彰台で、マリアローザとトロフェオセンツァフィーネを受け取った。
「なんて素晴らしい感情なのだろうか。様々な感情を抱きながら、2020年のジロで起こった出来事を思い出していた。その再現だけは避けなければと懸命に走った。本当に素晴らしい」と感激するヒンドレー。なおオーストラリア人のグランツール総合優勝は2011年のカデル・エヴァンスによるツール・ド・フランス総合優勝以来実に11年ぶりで、ジロ・デ・イタリアでは初となる快挙だ。
また、昨年まで長らく在籍したペテル・サガン(スロバキア)を放出し、新体制となったボーラ・ハンスグローエにとってはそれ以来初となるグランツールで早速最良の結果を射止めることに。ボーラは総合7位にアシストとして走ったエマヌエル・ブッフマン(ドイツ)を送り込んでおり、チーム総合ランキングでも2位に入るなどそのチーム力を見せつけることとなった。
ジロ・デ・イタリア第105回大会を締めくくるのはヴェローナを走る17.4kmの個人タイムトライアル。街中のコーナーをこなしながら中盤にかけて距離4.1km/平均5.4%の緩やかな登りをこなし、パヴェ(石畳)を含む市街地を走ってローマ時代の円形闘技場『アレーナ』前でフィナーレを迎える。
総合成績最下位のロジェ・クルーゲ(ドイツ、ロット・スーダル)を第1走として、前日マリアローザに袖を通したばかりの総合首位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)まで順にスタートを切る。コースレイアウトはチャド・ヘイガ(アメリカ)がステージ優勝を挙げた2019年とほぼ同じで、中盤の登りをどうこなすかが勝負の鍵を握った。
レース序盤戦で好タイムを刻んだのはマイケル・ヘップバーン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)。23分48秒、つまり平均43.9km/hを叩き出してホットシートに座ったヘップバーンに対し、今大会後半戦で積極的に逃げたマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が6秒47上回り(23分42秒/平均44.1km/h)、さらにマウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル)が僅か0秒59差の23分41秒(平均44.1km/h)という僅差で上書きする。
スピード自慢たちが次々とタイム更新に成功する中、総合71位につけていたイタリア個人タイムトライアルチャンピオン、マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が目覚ましい走りを披露した。
「登坂頂上がフィニッシュ地点だと想定してそこまで思い切り踏み込んだ」と振り返るソブレロは、イタリア人ファンから大きな声援を浴びながら第一中間計測ポイントを最速タイムで通過した。ハイスピードのダウンヒルでもTTポジションを崩さずもがき倒したソブレロのフィニッシュタイムは、シュミットを実に1分16秒縮める22分24秒(平均46.6km/h)だった。
圧倒的なタイム差でホットシートに座ったソブレロに対し、好走したテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)も22秒63遅れの22分47秒。総合上位選手がスタートしても暫定首位ソブレロと同2位アレンスマンのタイムには及ばず、結果的にソブレロがホットシートを最後まで守り抜いた。
第2ステージの個人タイムトライアルでは4位に入っていたソブレロが、キャリア初のUCIワールドツアーレースを母国最大のステージレースで射止める。2022年ジロ・デ・イタリアの最終ステージを制したソブレロは「信じられないよ。まだ起こったこと全てを把握できていない気がする」と驚きを隠さない。
バイクエクスチェンジがサイモン・イェーツ(イギリス)の第2ステージ優勝に続く、今大会の個人タイムトライアル2ステージ両制覇達成。ソブレロによれば、機材サプライヤーのジャイアントやカデックス、そしてアレ(アパレル)とタッグを組み、オフシーズンにTT能力改善に努めてきた成果という。総合エースを務めるはずだったイェーツを失って以降、ステージ優勝に目標を切り替えていたバイクエクスチェンジが価値ある今大会区間3勝目を掴み取った。
総合成績上位陣の中での注目は、タイムトライアルを得意とするリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が、前日付けられた1分25秒の総合ビハインドをどこまで縮めることができるかという点。
総合10位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)と同9位&マリアビアンカのフアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)の成績が入れ替わり、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)は自身最後のジロ・デ・イタリアを表彰台まであと一歩届かない総合4位のまま走り終える。同3位ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)も安定した走りで総合成績を確定させた。
結果的に、エクアドルTTチャンピオンを示すナショナルカラーのスキンスーツで走ったカラパスは、マリアローザを着た最終走者ヒンドレーとの差を6秒縮めるだけに留まった。それでもソブレロから1分24秒遅れの区間10位と、総合成績上位選手の中での最速タイムを刻み意地を見せつける。
最終個人TTで逆転負けした2020年大会の悪夢を払拭するかのように、ステージ15位に食い込んだヒンドレーが、自身初となるグランツール総合優勝を確定させる。第105代総合優勝者となったヒンドレーは、アレーナに用意されたピンク色の表彰台で、マリアローザとトロフェオセンツァフィーネを受け取った。
「なんて素晴らしい感情なのだろうか。様々な感情を抱きながら、2020年のジロで起こった出来事を思い出していた。その再現だけは避けなければと懸命に走った。本当に素晴らしい」と感激するヒンドレー。なおオーストラリア人のグランツール総合優勝は2011年のカデル・エヴァンスによるツール・ド・フランス総合優勝以来実に11年ぶりで、ジロ・デ・イタリアでは初となる快挙だ。
また、昨年まで長らく在籍したペテル・サガン(スロバキア)を放出し、新体制となったボーラ・ハンスグローエにとってはそれ以来初となるグランツールで早速最良の結果を射止めることに。ボーラは総合7位にアシストとして走ったエマヌエル・ブッフマン(ドイツ)を送り込んでおり、チーム総合ランキングでも2位に入るなどそのチーム力を見せつけることとなった。
ジロ・デ・イタリア2022第21ステージ結果
1位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 22:24 |
2位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | +0:23 |
3位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | +0:40 |
4位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | +1:08 |
5位 | べン・トゥレット(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:12 |
6位 | マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル) | +1:17 |
7位 | マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:18 |
8位 | トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) | +1:19 |
9位 | マイケル・ヘップバーン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | +1:24 |
10位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 86:31:14 |
2位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | +1:18 |
3位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +3:24 |
4位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン) | +9:02 |
5位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +9:14 |
6位 | ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | +9:28 |
7位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +13:19 |
8位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | +17:29 |
9位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) | +17:54 |
10位 | フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード) | +18:40 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 254pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 136pts |
3位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 132pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 294pts |
2位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | 163pts |
3位 | アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 102pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード) | 86:49:54 |
2位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +5:43 |
3位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) | +23:03 |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・ヴィクトリアス | 259:48:12 |
2位 | ボーラ・ハンスグローエ | +4:07 |
3位 | アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ | +1:22:29 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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