北欧ノルウェーを舞台にした6日間のツアー・オブ・ノルウェーが開幕。2級山岳にフィニッシュする初日で、リエージュ~バストーニュ~リエージュ以来の復帰戦となったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が勝利した。
ノルウェーを代表する選手であるアレクサンダー・クリストフを擁するアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ photo:CorVos
ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)で総合優勝を狙うアルペシン・フェニックス photo:CorVos
世界遺産にも登録されるブリッゲンが並ぶベルゲンをスタートする第1ステージ photo:CorVos
開催中のジロ・デ・イタリア第3週目にあたる5月24日〜29日までの6日間にかけて、北欧ノルウェー最大級のステージレース、第11回ツアー・オブ・ノルウェー(UCI.2.Pro)が開幕。コロナ禍で8月に行われた昨年から5月に、また日数も例年通りの全6ステージに戻った。
舞台となるのはノルウェー南部の平坦や丘陵ステージが主だが、今年は2014年以来となる本格山岳フィニッシュが登場。第3ステージの1級山岳スタブストロ(距離12.1km/平均7.6%)が今大会のクイーンステージとなる。
全18チーム中9つのワールドチームが参加するなか、前回総合優勝に輝いたイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と今年ブエルタ・ア・エスパーニャに総合リーダーとして臨むレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が出場。スプリンターではノルウェーを代表する選手アレクサンダー・クリストフ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が顔を揃えた。
また、今年2月のエトワール・ド・ベッセージュ(UCI.2.1)でピーダスンとスプリントで競り、山岳フィニッシュでは名だたるトップクライマーたちを破って区間優勝を挙げたトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)も双子の兄弟アンデシュと共に出場している。
レース前半は雨が選手たちに降り注いだ photo:CorVos
大会初日はベルゲンからヴォスに向かう173.6kmの丘陵ステージ。途中に2つの2級山岳を越え、フィニッシュ地点が2級山岳ヴォス(距離2.7km/平均6.7%)の頂上に設定されたため、早速総合を争う選手やパンチャーたちによる登坂スプリント勝負が予想された。
氷河による侵食で複雑化した地形ことフィヨルドを進む初日に飛び出したのは、今年3月に活動休止処分を受けたガスプロム・ルスヴェロに所属していたエイリク・ルンネル(ノルウェー、チームコープ)を5名の選手たち。スプリントポイントをルンネルが、そして山岳ポイントはチームメイトのホーコン・オーラスト(ノルウェー)がトップ通過しながら、青緑色の山々を縫うように突き進んだ。
メイン集団の牽引をイネオス・グレナディアーズやクイックステップ・アルファヴィニルが担いながら、徐々に逃げとのタイム差を縮めていく。残り12km地点でそのタイム差は1分。クイックステップが最終山岳に向けてペースを上げるなか、そのエースであるエヴェネプールがトイレのため停止。エヴェネプールはチームカーの隊列を利用して集団復帰を果たすと、そのままチームのが牽引する集団先頭の隊列に加わった。
2級山岳ヴォス(距離2.7km/平均6.7%)の麓で逃げを吸収したメイン集団は、ネイサン・ファンホーイドンク(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)のアタックをきっかけに登坂バトルが幕開ける。しかし一旦の小康状態を経てテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も決まらず、集団はひと塊のまま残り500m地点を通過した。
残り200mで先頭に出たレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
1ヶ月振りのレースで勝利したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
8.4%の勾配で飛び出したエデュアルド・プラデス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)をきっかけにレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が加速。文字通り飛ぶように後続との差を一気に広げたエヴェネプールは、猛追するヨハンネセンを振り切り大会初日の勝者に輝いた。
4月25日のリエージュ~バストーニュ~リエージュでの優勝以来、ちょうど1ヶ月振りのレースとなったエヴェネプール。「難しいレイアウトに悪天候と条件が悪いなかの挑戦だった。2週間に及んだ厳しいトレーニングを乗り切ったので、毎日でも戦える身体に仕上がった。ここノルウェーではステージ優勝と総合優勝を目指し、イーサン(ヴァーノン)でスプリントも狙いたい」とエヴェネプールは語った。
翌日の第2ステージはコース中盤に28.5kmの登り(1級山岳ディラナット)が登場する丘陵ステージ。だが山頂からは緩やかにフィニッシュまで下っていくので、クリストフやピーダスンが集団スプリントで勝利を狙ってくるだろう。
サーモンピンクのリーダージャージに袖を通したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:Tour of Norway



開催中のジロ・デ・イタリア第3週目にあたる5月24日〜29日までの6日間にかけて、北欧ノルウェー最大級のステージレース、第11回ツアー・オブ・ノルウェー(UCI.2.Pro)が開幕。コロナ禍で8月に行われた昨年から5月に、また日数も例年通りの全6ステージに戻った。
舞台となるのはノルウェー南部の平坦や丘陵ステージが主だが、今年は2014年以来となる本格山岳フィニッシュが登場。第3ステージの1級山岳スタブストロ(距離12.1km/平均7.6%)が今大会のクイーンステージとなる。
全18チーム中9つのワールドチームが参加するなか、前回総合優勝に輝いたイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と今年ブエルタ・ア・エスパーニャに総合リーダーとして臨むレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が出場。スプリンターではノルウェーを代表する選手アレクサンダー・クリストフ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が顔を揃えた。
また、今年2月のエトワール・ド・ベッセージュ(UCI.2.1)でピーダスンとスプリントで競り、山岳フィニッシュでは名だたるトップクライマーたちを破って区間優勝を挙げたトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)も双子の兄弟アンデシュと共に出場している。

大会初日はベルゲンからヴォスに向かう173.6kmの丘陵ステージ。途中に2つの2級山岳を越え、フィニッシュ地点が2級山岳ヴォス(距離2.7km/平均6.7%)の頂上に設定されたため、早速総合を争う選手やパンチャーたちによる登坂スプリント勝負が予想された。
氷河による侵食で複雑化した地形ことフィヨルドを進む初日に飛び出したのは、今年3月に活動休止処分を受けたガスプロム・ルスヴェロに所属していたエイリク・ルンネル(ノルウェー、チームコープ)を5名の選手たち。スプリントポイントをルンネルが、そして山岳ポイントはチームメイトのホーコン・オーラスト(ノルウェー)がトップ通過しながら、青緑色の山々を縫うように突き進んだ。
メイン集団の牽引をイネオス・グレナディアーズやクイックステップ・アルファヴィニルが担いながら、徐々に逃げとのタイム差を縮めていく。残り12km地点でそのタイム差は1分。クイックステップが最終山岳に向けてペースを上げるなか、そのエースであるエヴェネプールがトイレのため停止。エヴェネプールはチームカーの隊列を利用して集団復帰を果たすと、そのままチームのが牽引する集団先頭の隊列に加わった。
2級山岳ヴォス(距離2.7km/平均6.7%)の麓で逃げを吸収したメイン集団は、ネイサン・ファンホーイドンク(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)のアタックをきっかけに登坂バトルが幕開ける。しかし一旦の小康状態を経てテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も決まらず、集団はひと塊のまま残り500m地点を通過した。


8.4%の勾配で飛び出したエデュアルド・プラデス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)をきっかけにレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が加速。文字通り飛ぶように後続との差を一気に広げたエヴェネプールは、猛追するヨハンネセンを振り切り大会初日の勝者に輝いた。
4月25日のリエージュ~バストーニュ~リエージュでの優勝以来、ちょうど1ヶ月振りのレースとなったエヴェネプール。「難しいレイアウトに悪天候と条件が悪いなかの挑戦だった。2週間に及んだ厳しいトレーニングを乗り切ったので、毎日でも戦える身体に仕上がった。ここノルウェーではステージ優勝と総合優勝を目指し、イーサン(ヴァーノン)でスプリントも狙いたい」とエヴェネプールは語った。
翌日の第2ステージはコース中盤に28.5kmの登り(1級山岳ディラナット)が登場する丘陵ステージ。だが山頂からは緩やかにフィニッシュまで下っていくので、クリストフやピーダスンが集団スプリントで勝利を狙ってくるだろう。

ツアー・オブ・ノルウェー2022第1ステージ結果
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 4:21:31 |
2位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | |
3位 | エデュアルド・プラデス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 0:02 |
4位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:03 |
5位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | エスデバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | 0:05 |
11位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
15位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・フェニックス) | 0:09 |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 4:21:21 |
2位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | 0:04 |
3位 | エデュアルド・プラデス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 0:08 |
4位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:13 |
5位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
山岳賞 | ホーコン・オーラスト(ノルウェー、チームコープ) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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