2022/05/23(月) - 13:29
超級山岳ラグナス・デ・ネイラの山頂を目指すブエルタ・ア・ブルゴス最終日。前日のステージで遅れたデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が2度に渡るアタックの末に勝利し、2位だった23歳ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)が総合優勝に輝いた。
ステージ2勝目と総合優勝を狙うSDワークス photo:Vuelta a Burgos
第3回ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス(UCIワールドツアー)の最終日は、ラストに超級山岳ラグナス・デ・ネイラを駆け上がるクイーンステージだ。標高約900mのコバルビアスを出発して徐々に標高を上げながら2つの3級山岳を越え、フィニッシュ地点のラグナス・デ・ネイラは距離11.8km/平均勾配6.3%に及び、ラスト3kmは平均10%越えるタフなレイアウトだ。
昨年激闘を繰り広げたアンナ・ファンデルブレッヘン(引退)とアネミエク・ファンフルーテン(手首骨折)が不在の中、レースは前日と同様に序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられた。残り64km地点でようやく許された逃げ集団はワールチームの5名。ポイント賞ジャージを着用し、総合3位につけるロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)や直前のイツリア・ウィメンで山岳賞を獲得したエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)、前日も逃げたベテランのルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)などが、僅かな逃げ切りの可能性にかけて突き進んだ。
2日連続で逃げに乗ったルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
リーダージャージのUAEチームADQなどがメイン集団の牽引を担当した photo:CorVos
この日2つ目の3級山岳を越えた時点で逃げとプロトンとのタイム差は1分。しかしその後チームDSMとUAEチームADQがプロトンの速度を一気に上げたために、20名ほどまでに絞れられた集団は超級山岳の麓で逃げを吸収。ここから約12kmに及ぶラグナス・デ・ネイラの登坂が始まった
登りで主導権を握ったのは総合2位につけるエヴィータ・ムジック(フランス)を率いるFDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ。コペッキーを筆頭に徐々に人数が絞られていくなか、残り5kmから前日にタイムを失った(総合首位から49秒遅れ)デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が加速する。その動きにジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)とパウラ・パティーニョ(コロンビア、モビスター)が反応。3名による先頭集団が形成された。
しかしリーダージャージを着るマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)が遅れた追走集団が先頭3名を捉えると、ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス)の牽引から再びフォレリングが飛び出す。直前のイツリア・ウィメンで3戦全勝したフォレリングは急勾配区間をクリア。ラブーによる懸命な追走も届かず、フォレリングが最終日のステージ優勝を掴み取った。
最終山岳で競るデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)とジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) photo:CorVos
ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)を振り切って単独で登坂するデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) photo:CorVos
超級山岳ラグナス・デ・ネイラを制したデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) photo:Vuelta a Burgos
「言葉では言い表せないほど辛かった。また向かい風も更に登坂を過酷なものにした。前日に総合タイムを失っていたので、ステージ優勝だけじゃなく総合優勝するためには大きな差を作る必要があった。総合優勝には届かなかったものの、これほど辛い戦いを制することができて嬉しい」 と、総合3位に甘んじながらもステージと山岳賞を射止めたフォレリングは語る。
「ここ数日の調子はそこまで良くなく、長い登りでリズムを掴みたいと思っていた。急勾配区間や向かい風のなかラブーを引き離すことは難しかった。また来年ここでの総合優勝を目指し戻ってきたい」とも。
そして総合優勝は前日の8位から首位まで順位を上げた23歳ラブーの手に。「ようやく掴んだ勝利なのでとても嬉しい。昨日から調子がよく、総合優勝できたのはチームのおかげ。デミは本当に強かった。途中で遅れてしまったものの、なんとか総合優勝することができた。周りの人たちのサポートがあったおかげだ」と喜ぶ23歳のラブーは、自身初となるステージレースでの総合優勝を喜んだ。
ステージ2位ながら総合優勝を掴み取ったジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) photo:CorVos
スペイン北部の2連戦で合計区間4勝と好調のデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) photo:CorVos
表彰台:2位エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)、1位ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)、3位デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) photo:CorVos
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第3回ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス(UCIワールドツアー)の最終日は、ラストに超級山岳ラグナス・デ・ネイラを駆け上がるクイーンステージだ。標高約900mのコバルビアスを出発して徐々に標高を上げながら2つの3級山岳を越え、フィニッシュ地点のラグナス・デ・ネイラは距離11.8km/平均勾配6.3%に及び、ラスト3kmは平均10%越えるタフなレイアウトだ。
昨年激闘を繰り広げたアンナ・ファンデルブレッヘン(引退)とアネミエク・ファンフルーテン(手首骨折)が不在の中、レースは前日と同様に序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられた。残り64km地点でようやく許された逃げ集団はワールチームの5名。ポイント賞ジャージを着用し、総合3位につけるロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)や直前のイツリア・ウィメンで山岳賞を獲得したエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)、前日も逃げたベテランのルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)などが、僅かな逃げ切りの可能性にかけて突き進んだ。
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この日2つ目の3級山岳を越えた時点で逃げとプロトンとのタイム差は1分。しかしその後チームDSMとUAEチームADQがプロトンの速度を一気に上げたために、20名ほどまでに絞れられた集団は超級山岳の麓で逃げを吸収。ここから約12kmに及ぶラグナス・デ・ネイラの登坂が始まった
登りで主導権を握ったのは総合2位につけるエヴィータ・ムジック(フランス)を率いるFDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ。コペッキーを筆頭に徐々に人数が絞られていくなか、残り5kmから前日にタイムを失った(総合首位から49秒遅れ)デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が加速する。その動きにジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)とパウラ・パティーニョ(コロンビア、モビスター)が反応。3名による先頭集団が形成された。
しかしリーダージャージを着るマビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ)が遅れた追走集団が先頭3名を捉えると、ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス)の牽引から再びフォレリングが飛び出す。直前のイツリア・ウィメンで3戦全勝したフォレリングは急勾配区間をクリア。ラブーによる懸命な追走も届かず、フォレリングが最終日のステージ優勝を掴み取った。
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「言葉では言い表せないほど辛かった。また向かい風も更に登坂を過酷なものにした。前日に総合タイムを失っていたので、ステージ優勝だけじゃなく総合優勝するためには大きな差を作る必要があった。総合優勝には届かなかったものの、これほど辛い戦いを制することができて嬉しい」 と、総合3位に甘んじながらもステージと山岳賞を射止めたフォレリングは語る。
「ここ数日の調子はそこまで良くなく、長い登りでリズムを掴みたいと思っていた。急勾配区間や向かい風のなかラブーを引き離すことは難しかった。また来年ここでの総合優勝を目指し戻ってきたい」とも。
そして総合優勝は前日の8位から首位まで順位を上げた23歳ラブーの手に。「ようやく掴んだ勝利なのでとても嬉しい。昨日から調子がよく、総合優勝できたのはチームのおかげ。デミは本当に強かった。途中で遅れてしまったものの、なんとか総合優勝することができた。周りの人たちのサポートがあったおかげだ」と喜ぶ23歳のラブーは、自身初となるステージレースでの総合優勝を喜んだ。
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ブエルタ・ア・ブルゴス フェミナス2022 第4ステージ結果
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | 3:39:39 |
2位 | ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) | 0:17 |
3位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:37 |
4位 | クリスタベル・ドーベルヒコック(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB) | 0:44 |
5位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | |
82位 | 與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス) | 27:46 |
個人総合成績
1位 | ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) | 13:06:28 |
2位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:17 |
3位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | |
4位 | クリスタベル・ドーベルヒコック(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB) | 0:27 |
5位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) |
山岳賞 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) |
ヤングライダー賞 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) |
チーム総合成績 | SDワークス |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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