2022/05/21(土) - 21:19
降りしきる雨の中のレースとなったツアー・オブ・ジャパン第3ステージ。レース中盤に抜け出した8名に、追走の11名が加わっての最後の勝負を制したのは、岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)。2019年の第1ステージ以来となるツアー・オブ・ジャパンステージ優勝を果たした。
第3ステージのスタートラインに揃った各賞ジャージ photo:Kensaku SAKAI
ツアー・オブ・ジャパン第3ステージは、神奈川県相模原市が舞台。JR橋本駅近くにある橋本公園をパレードスタートし、東京五輪のロードレースでも通った小倉橋を過ぎたところでリアルスタートが切られ、宮ヶ瀬湖畔に設定された1周13.8kmの周回コースを7周する107.7kmで行われる。
雨に煙る山間の集落を集団が駆け抜けていく photo:Satoru Kato
相模原市での開催は昨年に続き2回目。今回は周回コースが昨年と逆方向の周回になったことで、フィニッシュ地点が登り区間に新たに設定された。これにより今年のツアー・オブ・ジャパンは全4ステージ中3ステージが登りフィニッシュとなった。
宮ヶ瀬湖を横目に進むメイン集団 photo:Satoru Kato
朝8時50分にパレードスタートした際は曇りだったものの、周回コースに近づくにつれて雨が降り始め、宮ヶ瀬湖畔に入る頃には土砂降りに近い雨となった。気温は20℃以下にとどまり、レース中にウエアを受け取り着込む選手が目立った。それでもフィニッシュ後に低体温症気味になる選手が出るほどハードな1日となった。
1周目 山岳賞ジャージのベンジャミン・ダイボール自らアタック合戦に参戦 photo:Satoru Kato
メイン集団はリーダージャージのネイサン・アールを従えたチーム右京がコントロール photo:Satoru Kato
レース半ばに形成された8名の先頭集団 photo:Kensaku SAKAI
リアルスタート直後から始まったアタック合戦は、周回コースに入ってからもしばらく続いた。ようやく8名の先行が許されたのは、レース半ばの4周目。メンバーは、岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)、山本元喜(キナンレーシングチーム)、鈴木譲(愛三工業レーシングチーム)、ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ)、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)、天野壮悠(シマノレーシング)、ライアン・ガバナ(ヴィクトワール広島)、香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)。
5周目に形成された11名の追走集団 photo:Satoru Kato
さらに、大河内将泰、寺田吉騎、留目夕陽ら日本ナショナルチームのメンバーが追走に出たのをきっかっけに、レオネル・キンテロ・アルテアガ、フランシスコ・マンセボ(以上マトリックスパワータグ)、横山航太(シマノレーシング)、谷彰太(日本大学)らが合流して11名の追走集団が形成される。
8名の先頭集団に追走集団が合流して最終周回へ photo:Satoru Kato
最終周回もメイン集団はチーム右京がコントロール photo:Satoru Kato
先行する8名と追走集団との差は1分ほどあったが、マンセボの主導で5周目には30秒、6周目には10秒未満まで縮まり、最終周回の7周目に入ったところで追いつく。一方、リーダージャージのネイサン・アール擁するチーム右京がコントロールするメイン集団は2分後方となり、勝負は先頭集団の19名に絞られた。
残り300m レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)が仕掛け、岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)と山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)が追従 photo:Kensaku SAKAI
「自信が無かったので最後ハンドルを投げて、後ろ誰も来てなかったので勝ったと思った」と岡篤志 photo:Satoru Kato
先頭集団ではアタックが繰り返され、一時人数が絞られる場面もあったものの、勝負を決定づけるまでには至らない。残り200m、先頭で加速していたキンテロを抜いて前に出たのは岡。最終コーナーを先頭で抜けると後ろを振り返ることなく突き進み、フィニッシュラインを超えてから後ろを確認。ガッツポーズを繰り出した。
岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)が優勝 photo:Satoru Kato
岡篤志にとっては2019年の堺ステージ以来となるツアー・オブ・ジャパン表彰台 photo:Satoru Kato「ここまでいいところを見せられなかったので、今日は何としても逃げて優勝を狙うつもりで行った。優勝出来て本当に良かった」と、表彰式で語った岡。ツアー・オブ・ジャパンでの優勝は2019年大会の第1ステージ・堺での個人タイムトライアル以来。「UCIレースのロードレースでの優勝は今回が初めてなので本当に嬉しい。ヨーロッパに行って弱くなって帰ってきたのではカッコつかないので、日本で勝てるところを見せたかった」と話す。
「個人総合に関係ない選手なら逃してくれるだろうと考えていて、利害が一致するメンバーが揃えば逃げ切れると思っていた。4周目にうまく決まったけれど、その後けっこうな人数が追いついてきて、これは難しいなと思った。チームメイトがいなかったので、他のチームの動きをうまく利用して冷静に走れたのが良かったと思う。キンテロ選手は最終周回に逃げていたし、山本哲央選手も積極的に動いていたから、結果的に自分が脚を残していたのだと思う」と、レースを振り返った。
山岳賞は小林海(マトリックスパワータグ)が獲得 photo:Satoru Kato
第3ステージ2位のレオネル・キンテロ・アルテアガ(マトリックスパワータグ)がポイント賞を獲得 photo:Satoru Kato
山岳賞は小林海(マトリックスパワータグ)が獲得。この日3回設定されていた山岳賞ポイントを2回首位通過し、ベンジャミン・ダイボールを1ポイント上回った。最終日は山岳賞の設定は無いため、完走すれば小林の山岳賞が確定する。
小林は、「個人総合で5位につけているけれど、それは僕達が望んだ結果ではないので、ステージ優勝かジャージを何か持ち帰るために自分達から積極的に動いて狙っていく方針だった。明日の東京は地元なので、全開で行きたい」と、表彰台で語った。
ポイント賞は、2位となったキンテロが獲得した。ポイント賞争いは1ポイント差で岡とネイサン・アール(チーム右京)が続き、10ポイント以内に9名がいる接戦。最終日は3回の中間スプリントとフィニッシュで最大40ポイントを獲得出来るため、大逆転も可能だ。ここまで耐えてきたスプリンター達の一発逆転が見られるか?
優勝した岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、写真右から2人目)と各賞ジャージ photo:Satoru Kato
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ツアー・オブ・ジャパン第3ステージは、神奈川県相模原市が舞台。JR橋本駅近くにある橋本公園をパレードスタートし、東京五輪のロードレースでも通った小倉橋を過ぎたところでリアルスタートが切られ、宮ヶ瀬湖畔に設定された1周13.8kmの周回コースを7周する107.7kmで行われる。
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相模原市での開催は昨年に続き2回目。今回は周回コースが昨年と逆方向の周回になったことで、フィニッシュ地点が登り区間に新たに設定された。これにより今年のツアー・オブ・ジャパンは全4ステージ中3ステージが登りフィニッシュとなった。
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朝8時50分にパレードスタートした際は曇りだったものの、周回コースに近づくにつれて雨が降り始め、宮ヶ瀬湖畔に入る頃には土砂降りに近い雨となった。気温は20℃以下にとどまり、レース中にウエアを受け取り着込む選手が目立った。それでもフィニッシュ後に低体温症気味になる選手が出るほどハードな1日となった。
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リアルスタート直後から始まったアタック合戦は、周回コースに入ってからもしばらく続いた。ようやく8名の先行が許されたのは、レース半ばの4周目。メンバーは、岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)、山本元喜(キナンレーシングチーム)、鈴木譲(愛三工業レーシングチーム)、ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ)、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)、天野壮悠(シマノレーシング)、ライアン・ガバナ(ヴィクトワール広島)、香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)。
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さらに、大河内将泰、寺田吉騎、留目夕陽ら日本ナショナルチームのメンバーが追走に出たのをきっかっけに、レオネル・キンテロ・アルテアガ、フランシスコ・マンセボ(以上マトリックスパワータグ)、横山航太(シマノレーシング)、谷彰太(日本大学)らが合流して11名の追走集団が形成される。
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先行する8名と追走集団との差は1分ほどあったが、マンセボの主導で5周目には30秒、6周目には10秒未満まで縮まり、最終周回の7周目に入ったところで追いつく。一方、リーダージャージのネイサン・アール擁するチーム右京がコントロールするメイン集団は2分後方となり、勝負は先頭集団の19名に絞られた。
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先頭集団ではアタックが繰り返され、一時人数が絞られる場面もあったものの、勝負を決定づけるまでには至らない。残り200m、先頭で加速していたキンテロを抜いて前に出たのは岡。最終コーナーを先頭で抜けると後ろを振り返ることなく突き進み、フィニッシュラインを超えてから後ろを確認。ガッツポーズを繰り出した。
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「個人総合に関係ない選手なら逃してくれるだろうと考えていて、利害が一致するメンバーが揃えば逃げ切れると思っていた。4周目にうまく決まったけれど、その後けっこうな人数が追いついてきて、これは難しいなと思った。チームメイトがいなかったので、他のチームの動きをうまく利用して冷静に走れたのが良かったと思う。キンテロ選手は最終周回に逃げていたし、山本哲央選手も積極的に動いていたから、結果的に自分が脚を残していたのだと思う」と、レースを振り返った。
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山岳賞は小林海(マトリックスパワータグ)が獲得。この日3回設定されていた山岳賞ポイントを2回首位通過し、ベンジャミン・ダイボールを1ポイント上回った。最終日は山岳賞の設定は無いため、完走すれば小林の山岳賞が確定する。
小林は、「個人総合で5位につけているけれど、それは僕達が望んだ結果ではないので、ステージ優勝かジャージを何か持ち帰るために自分達から積極的に動いて狙っていく方針だった。明日の東京は地元なので、全開で行きたい」と、表彰台で語った。
ポイント賞は、2位となったキンテロが獲得した。ポイント賞争いは1ポイント差で岡とネイサン・アール(チーム右京)が続き、10ポイント以内に9名がいる接戦。最終日は3回の中間スプリントとフィニッシュで最大40ポイントを獲得出来るため、大逆転も可能だ。ここまで耐えてきたスプリンター達の一発逆転が見られるか?
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ツアー・オブ・ジャパン2022 第3ステージ相模原 結果(107.7km)
1位 | 岡 篤志 (EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、日本) | 2時間33分37秒 |
2位 | レオネル・キンテーロ・アルテアガ(マトリックスパワータグ、ベネズエラ) | +1秒 |
3位 | 山本哲央 (チームブリヂストンサイクリング、日本) | |
4位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ、スペイン) | |
5位 | ライアン・カバナ(ヴィクトワール広島、オーストラリア) | |
6位 | 横山航太(シマノレーシング、日本) | +3秒 |
7位 | 中川 拳(愛三工業レーシングチーム、日本) | +5秒 |
8位 | 谷 彰太(日本大学、日本) | +10秒 |
9位 | 留目夕陽(日本ナショナルチーム、日本) | |
10位 | フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ、スペイン) |
個人総合成績(第3ステージ終了時)
1位 | ネイサン・アール (チーム右京、オーストラリア) | 8時間14分19秒 |
2位 | ベンジャミン・ダイボール (チーム右京、オーストラリア) | +7秒 |
3位 | トマ・ルバ (キナンレーシングチーム、フランス) | +1分36秒 |
4位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン、日本) | +2分41秒 |
5位 | 小林 海(マトリックスパワータグ、日本) | 3分11秒 |
6位 | フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ、スペイン) | +3分20秒 |
ポイント賞、山岳賞、チーム順位
ポイント賞(第3ステージ終了時) | ||
1位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(マトリックスパワータグ、ベネズエラ) | 26p |
2位 | 岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) | 25p |
3位 | ネイサン・アール(チーム右京、オーストラリア) | 25p |
山岳賞(第3ステージ終了時) | ||
1位 | 小林 海(マトリックスパワータグ、日本) | 23p |
2位 | ベンジャミン・ダイボール (チーム右京、オーストラリア) | 22p |
3位 | トマ・ルバ (キナンレーシングチーム、フランス) | 15p |
チーム順位(第3ステージ終了時) | ||
1位 | チーム右京 | 24時間48分51秒 |
2位 | キナンレーシングチーム | +6分10秒 |
3位 | マトリックスパワータグ | +6分26秒 |
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, kensaku SAKAI
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