2022/05/22(日) - 15:52
30年以上に渡る自動車やモーターサイクル用タイヤの製造から得たノウハウを有する総合タイヤブランドのマキシス。豊富なラインアップの中からロード用レーシングタイヤの"High Road SL"と"High Road"をインプレッションをお届けする。
1967年に台湾で創業し、現在は世界160ヶ国以上で展開するグローバルタイヤブランドとなったマキシス。自転車の世界においては、名作ダウンヒルタイヤ"Minion"シリーズをはじめとしたオフロードの分野で特に強い存在感を放つブランドだ。
一方で、オンロード向けタイヤに関しても、世界で初めて自転車向けにラジアル構造を採用した"Radial"など昔から意欲的かつ独自性のあるタイヤを開発し続けてきた。今回は、そのラインアップの中から、ロードタイヤラインアップの中でもレース向けのハイエンドモデルに位置する"High Road SL"と、"High Road"をピックアップする。
High Road SLはマキシスのロードモデルの中でも最軽量を誇る一本。トレッドはオールスリックという潔い仕様で、速さを追求したピュアレースモデル然とした佇まいに仕上げられている。
用いられるコンパウンドもラインアップ中最高性能を誇るハイパーSコンパウンドを採用。これは従来のマキシスコンパウンドに対して転がり抵抗を15%、グリップ力を20%向上させた「ハイパーコンパウンド」を更に進化させ、そこから12%も転がり抵抗を抑えることに成功した一品。
非常に薄くしなやかな170TPIケーシングに、マキシスが独自開発した耐パンクベルトの「K2(ケブラーコンポジット)」を搭載。通常のケブラーやベクトランよりも優れた耐パンク性能を備えているという。
クリンチャー仕様は700x25Cと28C、チューブレスレディ仕様は700x25Cのみのサイズ展開である。カラーはブラックのみで、価格はクリンチャーが8,250円(税込)、チューブレスレディが9,350円(税込)。
超軽量モデルのHigh Road SLに対し、スタンダードモデルに位置づけられるのがHigh Road。上位モデル同様の170TPI(One70) ケーシングを採用し、軽量かつしなやかな乗り心地を実現し、レースから普段のトレーニングまで、幅広く使用できるロード用タイヤに仕上げられた。
コンパウンドには「ハイパーコンパウンド」を使用し、軽い走りと高いグリップ力を実現。トレッドには斜め方向のパターンが入っており、フルスリックのSLグレードとの違いとなっている。
チューブレスレディとクリンチャーでの展開となっているが、両者では採用するプロテクションテクノロジーも異なっている。チューブレスレディにはマキシスが独自開発した耐パンクベルトの「K2」を、クリンチャーには強度のあるリキッドポリマー繊維を使用し、K2よりも7%高い耐パンク性を発揮する「ZK」を採用している。
クリンチャー仕様は700x25Cと28C、32C、チューブレスレディ仕様は700x25Cと28Cのサイズ展開である。カラーはブラックのみで、価格はクリンチャーが7,700円(税込)、チューブレスレディが8,580円(税込)。取り扱いはマルイ。
―編集部インプレッション
マキシス High Road SL
今回テストするのはマキシスの最軽量モデルである"High Road SL"のチューブレスレディモデル(700x25C)とスタンダードモデルの"High Road"のクリンチャーモデル(700x28C)。
今回テストを担当する高木は身長175cm、体重60kg。普段使用しているIRC Formula Pro Tubelessは5.0~5.5barの範囲内で路面コンディションに合わせて調整して使用しているが、マキシスのタイヤはあまり使用経験がないため、様々な空気圧でテストを行ってみた。
まずはHigh Road SLのインプレッションからお伝えしていこう。このタイヤの推奨空気圧は4.83bar(70PSI)~7.58bar(110PSI)で、まずはその範囲内で試してみたが、私の体重で4bar台だとタイヤが腰砕けになり、ハンドリングや加速感が鈍くなる。ただ、5barを越えてくると、軽快感を取り戻していき、意外にスイートスポットは広い印象。
一方、7bar以上だと荒れた路面で跳ねる感覚があるため、60kg台のライダーが乗るのであれば、6bar前後がバランスよく乗れる空気圧だろう。
170TPIのケーシングは装着前に触ってみても非常にしなやかで、いかにも乗り心地は良さそう。実走してみてもその印象は変わらず、チューブレスであることも相まって非常に快適な乗り味だ。ケーシングがしっかりと路面の凸凹に追従してくれるため、体へのダメージも軽減されることはもちろん、バイクの進みも良好だ。
更に、コンパウンドもしなやかで路面をしっかりつかまえてくれる。コーナーが続くテクニカルな下りでも余裕を持ってダウンヒルを楽しめるほど、高いグリップ性能には信頼がおける一本だ。
グリップに優れているもののサラッとした走りの軽さが特徴的で、路面にペタペタとくっつくような粘りのあるコンパウンドではない。しなやかなケーシングと合わせ、タイヤ全体で路面に合わせてグリップ力を出すような印象だ。柔らかすぎないコンパウンドは、余計なゴミを拾う心配も無く、パンクリスクの低減にも効果があるだろう。
タイヤの重量は275gと、数字だけを見ると少し重く感じるかもしれないが、走ってみれば軽快そのもの。峠でもテストしたが、左右への振りも軽く、良く転がってくれるため、激坂でも難なくクリアできる。
ある程度の距離を走った後でも、何かが刺さった痕跡もないのでパンクリスクはかなり低いのではないだろうか。軽量モデルとして位置づけられているものの、意外と肉厚で造り自体はしっかりしており気密性にも優れているため、耐久性や作業性も悪くはなさそうだ。
総じてブランドのトップエンドにふさわしい完成度で、メインターゲットであるシリアスレーサーを満足させられる性能をしっかり確保している。今回、登りや下り、荒れた路面やウェット路面など、様々なシーンでテストしたなかで感じたのが、いつでもどこでも安心して走れるということ。しっかりグリップし、トラブルにも強そうなので、レースだけに使うのは逆にもったいないかもしれない万能タイヤだ。
マキシス High Road
High Road SLに続き、"SL"のつかないベースグレードのHigh Roadもインプレッションする。今回テストしたのは、クリンチャーモデルの28C。SL同様、170TPIケーシングを採用していることもあり、触った感触は非常にしなやかで乗り心地やグリップには期待できそう。
タイヤ幅は太いものの、クリンチャーモデルということもあり推奨空気圧は5.17bar(75PSI)~7.93bar(115PSI)とSLより少し高め。その範囲内で試してみたところ、転がりやハンドリング、快適性など、バランスが一番取れていたのは6barだった。
装着前の印象通り、乗り心地はかなり快適。もちろんチューブレスレディモデルと比べると若干劣るが、ケーシングとコンパウンドのしなやかさからくる快適性は十分感じられる。今回は厚めのブチルチューブを組み合わせていたが、より薄いチューブやラテックスなどを組み合わせれば、更に優れた性能を発揮するはず。
走り自体も軽快で、レーシングタイヤとして求められる水準はしっかりと満たしている。グリップに関してはSLグレードと同等で、ニュートラルなハンドリングが好印象。バイクをコントロールしやすく、集団内でも安心して下りをこなせそうだ。
セカンドモデルという位置づけながら、こちらも歴としたレーシングタイヤであることは間違いない。High Road SLとHigh Roadをクリンチャーモデル同士で比較するならば、走りの性格はほぼ同じで履き替えても違和感が少ないため、より高い耐パンク性能のプロテクションベルトを採用したHigh Roadを普段使いとしつつ、レースではHigh Road SLを用いるといった使い分けも出来そうだ。
マキシス High Road SL(チューブレスレディ)
TPI:170
サイズ:700×25C
重量:265g
価格:9,350円(税込)
マキシス High Road SL(クリンチャー)
TPI:170
サイズ:700×25C、28C
重量:170g(25C)、180g(28C)
価格:8,250円(税込)
マキシス High Road(チューブレスレディ)
TPI:170
サイズ:700×25C、28C
重量:285g(25C)、315g(28C)
価格:8,580円(税込)
マキシス High Road(クリンチャー)
TPI:170
サイズ:700×25C、28C、32C
重量:185g(25C)、205g(28C)、225g(32C)
価格:7,700円(税込)
1967年に台湾で創業し、現在は世界160ヶ国以上で展開するグローバルタイヤブランドとなったマキシス。自転車の世界においては、名作ダウンヒルタイヤ"Minion"シリーズをはじめとしたオフロードの分野で特に強い存在感を放つブランドだ。
一方で、オンロード向けタイヤに関しても、世界で初めて自転車向けにラジアル構造を採用した"Radial"など昔から意欲的かつ独自性のあるタイヤを開発し続けてきた。今回は、そのラインアップの中から、ロードタイヤラインアップの中でもレース向けのハイエンドモデルに位置する"High Road SL"と、"High Road"をピックアップする。
High Road SLはマキシスのロードモデルの中でも最軽量を誇る一本。トレッドはオールスリックという潔い仕様で、速さを追求したピュアレースモデル然とした佇まいに仕上げられている。
用いられるコンパウンドもラインアップ中最高性能を誇るハイパーSコンパウンドを採用。これは従来のマキシスコンパウンドに対して転がり抵抗を15%、グリップ力を20%向上させた「ハイパーコンパウンド」を更に進化させ、そこから12%も転がり抵抗を抑えることに成功した一品。
非常に薄くしなやかな170TPIケーシングに、マキシスが独自開発した耐パンクベルトの「K2(ケブラーコンポジット)」を搭載。通常のケブラーやベクトランよりも優れた耐パンク性能を備えているという。
クリンチャー仕様は700x25Cと28C、チューブレスレディ仕様は700x25Cのみのサイズ展開である。カラーはブラックのみで、価格はクリンチャーが8,250円(税込)、チューブレスレディが9,350円(税込)。
超軽量モデルのHigh Road SLに対し、スタンダードモデルに位置づけられるのがHigh Road。上位モデル同様の170TPI(One70) ケーシングを採用し、軽量かつしなやかな乗り心地を実現し、レースから普段のトレーニングまで、幅広く使用できるロード用タイヤに仕上げられた。
コンパウンドには「ハイパーコンパウンド」を使用し、軽い走りと高いグリップ力を実現。トレッドには斜め方向のパターンが入っており、フルスリックのSLグレードとの違いとなっている。
チューブレスレディとクリンチャーでの展開となっているが、両者では採用するプロテクションテクノロジーも異なっている。チューブレスレディにはマキシスが独自開発した耐パンクベルトの「K2」を、クリンチャーには強度のあるリキッドポリマー繊維を使用し、K2よりも7%高い耐パンク性を発揮する「ZK」を採用している。
クリンチャー仕様は700x25Cと28C、32C、チューブレスレディ仕様は700x25Cと28Cのサイズ展開である。カラーはブラックのみで、価格はクリンチャーが7,700円(税込)、チューブレスレディが8,580円(税込)。取り扱いはマルイ。
―編集部インプレッション
マキシス High Road SL
今回テストするのはマキシスの最軽量モデルである"High Road SL"のチューブレスレディモデル(700x25C)とスタンダードモデルの"High Road"のクリンチャーモデル(700x28C)。
今回テストを担当する高木は身長175cm、体重60kg。普段使用しているIRC Formula Pro Tubelessは5.0~5.5barの範囲内で路面コンディションに合わせて調整して使用しているが、マキシスのタイヤはあまり使用経験がないため、様々な空気圧でテストを行ってみた。
まずはHigh Road SLのインプレッションからお伝えしていこう。このタイヤの推奨空気圧は4.83bar(70PSI)~7.58bar(110PSI)で、まずはその範囲内で試してみたが、私の体重で4bar台だとタイヤが腰砕けになり、ハンドリングや加速感が鈍くなる。ただ、5barを越えてくると、軽快感を取り戻していき、意外にスイートスポットは広い印象。
一方、7bar以上だと荒れた路面で跳ねる感覚があるため、60kg台のライダーが乗るのであれば、6bar前後がバランスよく乗れる空気圧だろう。
170TPIのケーシングは装着前に触ってみても非常にしなやかで、いかにも乗り心地は良さそう。実走してみてもその印象は変わらず、チューブレスであることも相まって非常に快適な乗り味だ。ケーシングがしっかりと路面の凸凹に追従してくれるため、体へのダメージも軽減されることはもちろん、バイクの進みも良好だ。
更に、コンパウンドもしなやかで路面をしっかりつかまえてくれる。コーナーが続くテクニカルな下りでも余裕を持ってダウンヒルを楽しめるほど、高いグリップ性能には信頼がおける一本だ。
グリップに優れているもののサラッとした走りの軽さが特徴的で、路面にペタペタとくっつくような粘りのあるコンパウンドではない。しなやかなケーシングと合わせ、タイヤ全体で路面に合わせてグリップ力を出すような印象だ。柔らかすぎないコンパウンドは、余計なゴミを拾う心配も無く、パンクリスクの低減にも効果があるだろう。
タイヤの重量は275gと、数字だけを見ると少し重く感じるかもしれないが、走ってみれば軽快そのもの。峠でもテストしたが、左右への振りも軽く、良く転がってくれるため、激坂でも難なくクリアできる。
ある程度の距離を走った後でも、何かが刺さった痕跡もないのでパンクリスクはかなり低いのではないだろうか。軽量モデルとして位置づけられているものの、意外と肉厚で造り自体はしっかりしており気密性にも優れているため、耐久性や作業性も悪くはなさそうだ。
総じてブランドのトップエンドにふさわしい完成度で、メインターゲットであるシリアスレーサーを満足させられる性能をしっかり確保している。今回、登りや下り、荒れた路面やウェット路面など、様々なシーンでテストしたなかで感じたのが、いつでもどこでも安心して走れるということ。しっかりグリップし、トラブルにも強そうなので、レースだけに使うのは逆にもったいないかもしれない万能タイヤだ。
マキシス High Road
High Road SLに続き、"SL"のつかないベースグレードのHigh Roadもインプレッションする。今回テストしたのは、クリンチャーモデルの28C。SL同様、170TPIケーシングを採用していることもあり、触った感触は非常にしなやかで乗り心地やグリップには期待できそう。
タイヤ幅は太いものの、クリンチャーモデルということもあり推奨空気圧は5.17bar(75PSI)~7.93bar(115PSI)とSLより少し高め。その範囲内で試してみたところ、転がりやハンドリング、快適性など、バランスが一番取れていたのは6barだった。
装着前の印象通り、乗り心地はかなり快適。もちろんチューブレスレディモデルと比べると若干劣るが、ケーシングとコンパウンドのしなやかさからくる快適性は十分感じられる。今回は厚めのブチルチューブを組み合わせていたが、より薄いチューブやラテックスなどを組み合わせれば、更に優れた性能を発揮するはず。
走り自体も軽快で、レーシングタイヤとして求められる水準はしっかりと満たしている。グリップに関してはSLグレードと同等で、ニュートラルなハンドリングが好印象。バイクをコントロールしやすく、集団内でも安心して下りをこなせそうだ。
セカンドモデルという位置づけながら、こちらも歴としたレーシングタイヤであることは間違いない。High Road SLとHigh Roadをクリンチャーモデル同士で比較するならば、走りの性格はほぼ同じで履き替えても違和感が少ないため、より高い耐パンク性能のプロテクションベルトを採用したHigh Roadを普段使いとしつつ、レースではHigh Road SLを用いるといった使い分けも出来そうだ。
マキシス High Road SL(チューブレスレディ)
TPI:170
サイズ:700×25C
重量:265g
価格:9,350円(税込)
マキシス High Road SL(クリンチャー)
TPI:170
サイズ:700×25C、28C
重量:170g(25C)、180g(28C)
価格:8,250円(税込)
マキシス High Road(チューブレスレディ)
TPI:170
サイズ:700×25C、28C
重量:285g(25C)、315g(28C)
価格:8,580円(税込)
マキシス High Road(クリンチャー)
TPI:170
サイズ:700×25C、28C、32C
重量:185g(25C)、205g(28C)、225g(32C)
価格:7,700円(税込)
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