2022/05/10(火) - 18:34
多くの日本人選手が出場したドイツ開催のUCI MTBワールドカップ第2戦の男子エリートで、春のクラシックからMTBへ移行した五輪王者のトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が圧勝。女子は絶好調レベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)が連勝を果たした。
ブラジルでの熱狂的な開幕戦を終え、「メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ」はいよいよヨーロッパラウンドへ。5月6日-8日にかけて、ドイツはバーデン・ヴュルテンベルク州にある街アルプシュタットで第2戦が開催された。
大きな登りを2ヶ所含み、例年スリリングなスプリントフィニッシュが展開されるアルプシュタットは、2013年の初開催以降ずっとカレンダーに組み込まれる名門コース。今年は春のクラシックシーズンを終えた五輪金メダリストのトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が今季W杯デビューを果たした。
また、今大会は日本勢も多く出場し、男子エリートに竹内遼(FUKAYA RACING)と北林力(Athlete Farm SPECIALIZED)が、男子U23に鈴木来人(FUKAYA RACING)が、女子U23に川口うらら(日本体育大学)が、更にW杯のコースを使った男子ジュニアレース(実質的なW杯男子ジュニアカテゴリー:/W杯は男女のエリートとU23開催)には今季立ち上がった育成チーム「TeensMap」の高橋翔、遠藤紘介、古江昂太が参戦を果たしている。
男子エリート:シューターを引き離し、ピドコックが独走
123名が出場した男子エリートレースではスタートラップから世界王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)が飛ばし、6周回中の中盤にはこのハイペースに対応できたピドコックやアラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)らが4名がトップグループを形成する。すると「最初の数周はハイペースに苦しめられたけれど、一度ペースが落ち着いたのでライバルたちの脚が実際どうなのか確かめようと思った」と言うピドコックが抜け出しを図った。
電子制御サスペンションを実戦投入した金メダリストの加速に世界王者は脱落。一呼吸置いたシューターはマティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン)と共に追走を試みたものの、ファステストラップを叩き出しながら逃げるピドコックの背中は遠ざかるばかりだった。
3周強を一人逃げ切ったピドコックが、得意のウイリーを披露しながらフィニッシュ。20秒後にはヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC)を引き離してシューターが入った。竹内は101位-2Lapで、ほぼ最後尾から自身初のエリートカテゴリーを走った北林は一気に70番台まで上げたもののパンクで失速し、その後の追走でリズムを崩し105位-2Lapだった。
「とてもハードだった。今年はほとんどMTBに乗っていなかったので、登りで追い込み、その都度できる限り回復に努めるという全く種類の違う追い込みになった。去年のチェコや五輪の時のレベルには全く達していなかったんだ」とピドコック。「MTBの世界選手権、そしてヨーロッパ選手権で勝ちたい。それが叶えば、MTBでほぼやり尽くしたと言えるはず」と、五輪に続くタイトルを見据えていることを公言した。
女子エリート:開幕戦覇者マコンネルがXCC、XCO完全制覇
体調不良で開幕戦をスキップしていた世界女王イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシングXC)など、強豪が揃った女子エリートレース。スタートループからハイペースを刻み、レースをリードしたのはレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)だった。
W杯開幕戦を制し、金曜日のXCC(ショートトラック)も制し波に乗るマコンネルは、この女子エリートレースを圧倒。やがてリオ五輪覇者ジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ)の合流を許したものの、5周回中の4周目には登坂区間で再び独走に持ち込んだ。
絶好調マコンネルがW杯第2戦を制し(W杯でのXCCとXCO同時優勝は5人目)、リスヴェッツが2位。3位にはエリート初年度のモナ・ミッターウォールナー(オーストリア、キャノンデールファクトリーレーシング)が開幕戦の5位から更にポジションを上げて表彰台を獲得している。
また、男子U23の鈴木は1周目の落車以降ペースを上げることができず135位-2Lap。女子U23川口はスタート直後にチェーンが切れるトラブルに見舞われ、30番台まで追い上げたのちに最終周でパンクを喫して46位。ジュニア勢は高橋翔83位、遠藤122位、古江昂太126位だった。竹内や北林らは1週間後開催のW杯第3戦チェコに連戦予定だ。
ブラジルでの熱狂的な開幕戦を終え、「メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ」はいよいよヨーロッパラウンドへ。5月6日-8日にかけて、ドイツはバーデン・ヴュルテンベルク州にある街アルプシュタットで第2戦が開催された。
大きな登りを2ヶ所含み、例年スリリングなスプリントフィニッシュが展開されるアルプシュタットは、2013年の初開催以降ずっとカレンダーに組み込まれる名門コース。今年は春のクラシックシーズンを終えた五輪金メダリストのトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が今季W杯デビューを果たした。
また、今大会は日本勢も多く出場し、男子エリートに竹内遼(FUKAYA RACING)と北林力(Athlete Farm SPECIALIZED)が、男子U23に鈴木来人(FUKAYA RACING)が、女子U23に川口うらら(日本体育大学)が、更にW杯のコースを使った男子ジュニアレース(実質的なW杯男子ジュニアカテゴリー:/W杯は男女のエリートとU23開催)には今季立ち上がった育成チーム「TeensMap」の高橋翔、遠藤紘介、古江昂太が参戦を果たしている。
男子エリート:シューターを引き離し、ピドコックが独走
123名が出場した男子エリートレースではスタートラップから世界王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)が飛ばし、6周回中の中盤にはこのハイペースに対応できたピドコックやアラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)らが4名がトップグループを形成する。すると「最初の数周はハイペースに苦しめられたけれど、一度ペースが落ち着いたのでライバルたちの脚が実際どうなのか確かめようと思った」と言うピドコックが抜け出しを図った。
電子制御サスペンションを実戦投入した金メダリストの加速に世界王者は脱落。一呼吸置いたシューターはマティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン)と共に追走を試みたものの、ファステストラップを叩き出しながら逃げるピドコックの背中は遠ざかるばかりだった。
3周強を一人逃げ切ったピドコックが、得意のウイリーを披露しながらフィニッシュ。20秒後にはヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC)を引き離してシューターが入った。竹内は101位-2Lapで、ほぼ最後尾から自身初のエリートカテゴリーを走った北林は一気に70番台まで上げたもののパンクで失速し、その後の追走でリズムを崩し105位-2Lapだった。
「とてもハードだった。今年はほとんどMTBに乗っていなかったので、登りで追い込み、その都度できる限り回復に努めるという全く種類の違う追い込みになった。去年のチェコや五輪の時のレベルには全く達していなかったんだ」とピドコック。「MTBの世界選手権、そしてヨーロッパ選手権で勝ちたい。それが叶えば、MTBでほぼやり尽くしたと言えるはず」と、五輪に続くタイトルを見据えていることを公言した。
女子エリート:開幕戦覇者マコンネルがXCC、XCO完全制覇
体調不良で開幕戦をスキップしていた世界女王イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシングXC)など、強豪が揃った女子エリートレース。スタートループからハイペースを刻み、レースをリードしたのはレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)だった。
W杯開幕戦を制し、金曜日のXCC(ショートトラック)も制し波に乗るマコンネルは、この女子エリートレースを圧倒。やがてリオ五輪覇者ジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ)の合流を許したものの、5周回中の4周目には登坂区間で再び独走に持ち込んだ。
絶好調マコンネルがW杯第2戦を制し(W杯でのXCCとXCO同時優勝は5人目)、リスヴェッツが2位。3位にはエリート初年度のモナ・ミッターウォールナー(オーストリア、キャノンデールファクトリーレーシング)が開幕戦の5位から更にポジションを上げて表彰台を獲得している。
また、男子U23の鈴木は1周目の落車以降ペースを上げることができず135位-2Lap。女子U23川口はスタート直後にチェーンが切れるトラブルに見舞われ、30番台まで追い上げたのちに最終周でパンクを喫して46位。ジュニア勢は高橋翔83位、遠藤122位、古江昂太126位だった。竹内や北林らは1週間後開催のW杯第3戦チェコに連戦予定だ。
メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第2戦男子エリート結果
1位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 1:18:42 |
2位 | ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム) | +0:20 |
3位 | ヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC) | +0:21 |
4位 | ティトゥアン・カロ(フランス、BMC MTBレーシング) | +0:36 |
5位 | ダビ・バレロ(スペイン、BHテンプロカフェUCC) | +0:54 |
6位 | ジョーダン・サルー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +0:59 |
7位 | アラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング) | +1:01 |
8位 | フィリッポ・コロンボ(イタリア、BMC MTBレーシング) | +1:05 |
9位 | ヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル、キャノンデールファクトリーレーシング) | +1:38 |
10位 | ゲラルド・ウロア(メキシコ、マッシ・ヴニーズ・デ・ヴェニーズ) | +1:57 |
101位 | 竹内遼(FUKAYA RACING) | -2Lap |
105位 | 北林力(Athlete Farm SPECIALIZED) | -2Lap |
メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第2戦女子エリート結果
1位 | レベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン) | 1:19:39 |
2位 | ジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ) | +0:48 |
3位 | モナ・ミッターウォールナー(オーストリア、キャノンデールファクトリーレーシング) | +1:00 |
4位 | ロアナ・ルコント(フランス、キャニオン・CLLCTV) | +1:51 |
5位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン) | +2:33 |
6位 | ラウラ・スティッガー(オーストリア、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +3:04 |
7位 | ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、BMC MTBレーシング) | |
8位 | アン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング) | +3:07 |
9位 | ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシングXC) | +3:16 |
10位 | シーナ・フライ(スイス、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +3:38 |
text:So Isobe
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