2022/05/17(火) - 19:41
第105回ジロ・デ・イタリアの第2週目が始動した。連続する丘陵ステージで総合成績は大きく動きそうにないものの、代わって逃げやスプリンターたちが躍動するはず。そんな第10〜15ステージのコースを紹介します。
5月17日(火)第10ステージ
ペスカーラ〜イエジ 196km(丘陵ステージ)
真っ平らなレース前半から、後半に波打つ丘陵を越えていく極端なレイアウトでスタートするジロ第2週目。アドリア海に面する港湾都市ペスカーラから内陸のイエジを目指す196kmの獲得標高差1760mで、そのほとんどは後半95kmに詰め込まれている。
カテゴリー山岳は4級が3つ。最終4級山岳モンサノ(距離1.7km/平均6.2%)の登坂が残り14km地点に現れるため(フィニッシュまでは下り〜平坦)、ピュアスプリンターは苦しむことになるだろう。大会初日の登りスプリントで争ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)による一騎打ちの再現なるか。
5月18日(水)第11ステージ
サンタルカンジェロ・ディ・ロマーニャ〜レッジョ・ネレミリ・パルミジャーノ・レッジャーノ 203km(平坦ステージ)
今大会で唯一「カテゴリー山岳のない」ステージ(個人TT含む)は3番目に距離の長い203km。イタリアンチーズの王様パルミジャーノ・レッジャーノの特定産地、レッジョ・ネレミリが到着点であるコースは「移動ステージ」と呼ばれるに相応しい。アペニン山脈の際をなぞるように進むポー平原でを北西に進み、2012年イタリア北部地震のあったサン・ジョヴァンニの街を通過する。
フィニッシュラインの引かれたレッジョ・ネレミリ市街地には各チームの隊列を妨げるランドアバウトや障害物がたくさん存在する。ラスト2kmからは3つのコーナーを曲がり、フィニッシュ手前350mは7m幅の直線が続く。集団スプリントの注目は、最終発射台であるミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)を体調不良で失ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の動きだ。
5月19日(木)第12ステージ
パルマ〜ジェノヴァ 204km(丘陵ステージ)
美食の都パルマのスタートする第12ステージは、3級山岳パッソ・デル・ボッコ(標高957m)を目指し96kmをかけて緩やかに標高を上げていく。そこから急勾配のダウンヒルを下ると、2つの3級山岳を越えて残り20km余りの平坦が続いていく。今大会最長距離204kmの中級山岳ステージは、第8ステージを制したトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が2勝目を狙う逃げに有利なレイアウトだ。
この日の予想最高気温は32度と高く、集団スプリントに持ち込まれた場合は、残り2kmと1km地点に左の直角コーナーが現れ、フラムルージュをくぐりフィニッシュまではひたすらに直線だ。
5月20日(金)第13ステージ
サンレモ〜クーネオ 150km(平坦ステージ)
一見丘陵ステージに見える第13ステージの分類は平坦。コロナ禍で真夏開催となった2020年8月のミラノ〜サンレモとは真逆の進路を取る。44km地点から始まる3級山岳コッレ・ディ・ナーヴァ(距離10.1km/平均6.7%)を越えるため、選手たちはスタート前にローラーで脚を温める必要がある。それを登り切ると約100kmの平坦路がフィニッシュまで続く。
集団スプリントでの決着が濃厚かつ、ツール・ド・フランスとの連戦を目指すカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)にとって事実上ラストステージとなる可能性が高い。前回クーネオでフィニッシュしたのはチームタイムトライアルが行われた2010年大会で、今季限りの引退を発表したヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)が自身初となるマリアローザを着用した地でもある。
5月21日(土)第14ステージ
サンテナ〜トリノ 147km(丘陵ステージ)
147kmという今大会最短距離に、獲得標高差3,167mの登りはスプリンターたちにとってタイムカット回避を目指す試練のステージとなる。スタートから3級山岳を越え、74kmから2つの2級山岳を含む37kmコースを2周半。2級山岳スペルガ(距離5.1km/平均8.2%)は最大勾配14%、2級山岳マッダレーナ峠(距離5.1km/平均8.2%)は最大20%の急勾配区間が登場する。
フィニッシュ地点はイタリア第4の都市トリノの市街地。ラスト1kmは勾配が-9%のダウンヒルに、狭くテクニカルなコーナーが連続する。またこの日の不安要素はタイムカットだけではなく予想最高気温35度という暑さも選手たちを苦しめそうだ。パンチ力に長けた逃げ切りか、あるいはタイムを稼ぐべく総合上位陣が動いてくるのか。
5月22日(日)第15ステージ
リヴァローロ・カナヴェーゼ〜コーニュ 177km(山岳ステージ)
2週目を締めくくるのは距離178km、獲得標高差3,980mの本格山岳ステージだ。今大会3度目の山岳ステージは2つの1級山岳を越え、最後は2級山岳コーニュ(距離22.4kmkm/平均4.3%%)の山頂にフィニッシュする。
頂上に行くに従い勾配は緩やかとなっていくため、総合勢によるアタックは決まりづらいか。そのため直前の1級山岳ヴェッロニェ(距離13.8km/平均7.1%/最大勾配14%)でメイン集団の選別がかかるか。
5月16日(月)休息日
text:Sotaro.Arakawa
5月17日(火)第10ステージ
ペスカーラ〜イエジ 196km(丘陵ステージ)
真っ平らなレース前半から、後半に波打つ丘陵を越えていく極端なレイアウトでスタートするジロ第2週目。アドリア海に面する港湾都市ペスカーラから内陸のイエジを目指す196kmの獲得標高差1760mで、そのほとんどは後半95kmに詰め込まれている。
カテゴリー山岳は4級が3つ。最終4級山岳モンサノ(距離1.7km/平均6.2%)の登坂が残り14km地点に現れるため(フィニッシュまでは下り〜平坦)、ピュアスプリンターは苦しむことになるだろう。大会初日の登りスプリントで争ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)による一騎打ちの再現なるか。
5月18日(水)第11ステージ
サンタルカンジェロ・ディ・ロマーニャ〜レッジョ・ネレミリ・パルミジャーノ・レッジャーノ 203km(平坦ステージ)
今大会で唯一「カテゴリー山岳のない」ステージ(個人TT含む)は3番目に距離の長い203km。イタリアンチーズの王様パルミジャーノ・レッジャーノの特定産地、レッジョ・ネレミリが到着点であるコースは「移動ステージ」と呼ばれるに相応しい。アペニン山脈の際をなぞるように進むポー平原でを北西に進み、2012年イタリア北部地震のあったサン・ジョヴァンニの街を通過する。
フィニッシュラインの引かれたレッジョ・ネレミリ市街地には各チームの隊列を妨げるランドアバウトや障害物がたくさん存在する。ラスト2kmからは3つのコーナーを曲がり、フィニッシュ手前350mは7m幅の直線が続く。集団スプリントの注目は、最終発射台であるミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)を体調不良で失ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の動きだ。
5月19日(木)第12ステージ
パルマ〜ジェノヴァ 204km(丘陵ステージ)
美食の都パルマのスタートする第12ステージは、3級山岳パッソ・デル・ボッコ(標高957m)を目指し96kmをかけて緩やかに標高を上げていく。そこから急勾配のダウンヒルを下ると、2つの3級山岳を越えて残り20km余りの平坦が続いていく。今大会最長距離204kmの中級山岳ステージは、第8ステージを制したトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が2勝目を狙う逃げに有利なレイアウトだ。
この日の予想最高気温は32度と高く、集団スプリントに持ち込まれた場合は、残り2kmと1km地点に左の直角コーナーが現れ、フラムルージュをくぐりフィニッシュまではひたすらに直線だ。
5月20日(金)第13ステージ
サンレモ〜クーネオ 150km(平坦ステージ)
一見丘陵ステージに見える第13ステージの分類は平坦。コロナ禍で真夏開催となった2020年8月のミラノ〜サンレモとは真逆の進路を取る。44km地点から始まる3級山岳コッレ・ディ・ナーヴァ(距離10.1km/平均6.7%)を越えるため、選手たちはスタート前にローラーで脚を温める必要がある。それを登り切ると約100kmの平坦路がフィニッシュまで続く。
集団スプリントでの決着が濃厚かつ、ツール・ド・フランスとの連戦を目指すカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)にとって事実上ラストステージとなる可能性が高い。前回クーネオでフィニッシュしたのはチームタイムトライアルが行われた2010年大会で、今季限りの引退を発表したヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)が自身初となるマリアローザを着用した地でもある。
5月21日(土)第14ステージ
サンテナ〜トリノ 147km(丘陵ステージ)
147kmという今大会最短距離に、獲得標高差3,167mの登りはスプリンターたちにとってタイムカット回避を目指す試練のステージとなる。スタートから3級山岳を越え、74kmから2つの2級山岳を含む37kmコースを2周半。2級山岳スペルガ(距離5.1km/平均8.2%)は最大勾配14%、2級山岳マッダレーナ峠(距離5.1km/平均8.2%)は最大20%の急勾配区間が登場する。
フィニッシュ地点はイタリア第4の都市トリノの市街地。ラスト1kmは勾配が-9%のダウンヒルに、狭くテクニカルなコーナーが連続する。またこの日の不安要素はタイムカットだけではなく予想最高気温35度という暑さも選手たちを苦しめそうだ。パンチ力に長けた逃げ切りか、あるいはタイムを稼ぐべく総合上位陣が動いてくるのか。
5月22日(日)第15ステージ
リヴァローロ・カナヴェーゼ〜コーニュ 177km(山岳ステージ)
2週目を締めくくるのは距離178km、獲得標高差3,980mの本格山岳ステージだ。今大会3度目の山岳ステージは2つの1級山岳を越え、最後は2級山岳コーニュ(距離22.4kmkm/平均4.3%%)の山頂にフィニッシュする。
頂上に行くに従い勾配は緩やかとなっていくため、総合勢によるアタックは決まりづらいか。そのため直前の1級山岳ヴェッロニェ(距離13.8km/平均7.1%/最大勾配14%)でメイン集団の選別がかかるか。
5月16日(月)休息日
text:Sotaro.Arakawa
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