2022/05/02(月) - 09:04
強豪スプリンターが集ったエシュボルン・フランクフルトで、ダニー・ファンポッペル(オランダ)の好リードアウトからサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利。今年復帰した古巣にようやくの1勝をもたらした。
ジロ・デ・イタリアを5日後に控えた5月1日、ドイツで第59回エシュボルン・フランクフルト(1.UWT)が開催。コロナ禍で中止された2020年、そして9月に行われた2021年を経て、例年通りの5月1日に「スプリンターの祭典」が戻ってきた。
初開催は1962年。ドイツで最も歴史の深いワンデーレースには、11のワールドチームと8つのプロチームが参戦。コース途中に4回通過する山岳「マンモルスハイン」は距離2.3km/平均勾配7.6%とパンチ力が強めだが、最後の登坂からフィニッシュまで40km以上平坦路が続くためスプリンターによるバトルで決着するのが通例だ。
昨年引退したトニー・マルティンが育ったエシュボルンのスタート地点には、前回覇者ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)やフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)などのトップスプリンターが集結。過去4連覇しているアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)はヘント〜ウェヴェルヘムで金星を挙げたビニヤム・ギルマイ(エリトリア)と共に出場し、日本からは新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)と中根英登(EFエデュケーション・イージーポスト)が揃ってスタートを切った。
ワールドチームから唯一ダーン・ホーレ(オランダ、トレック・セガフレード)が入った5名が逃げ、フランクフルトのフィニッシュ地点を1度通過してから北西の丘陵地帯へと進んでいく。メイン集団では序盤から古巣復帰後いまだ勝利のないサム・ベネット(アイルランド)のためにボーラ・ハンスグローエがペースメイク。リードを最大5分差に抑え込み、いずれも距離が3kmに満たない山岳を越えていった。
ボーラの牽引にバーレーン・ヴィクトリアスも加わったプロトンは、残り80km地点で早くも逃げていたホーレたちを吸収。ピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ KTM)とイェンス・レインデルス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)が抗い、メイン集団から飛び出したヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)も合流して新たな3名による逃げグループが誕生した。
この日3度目のマンモルスハイン(距離2.3km/平均勾配7.6%)をハイスピードで駆け上がったメイン集団からは、優勝候補の1人ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)が早々に脱落。最後まで逃げたレインデルスがメイン集団に飲み込まれ、ギルマイを含む5名が飛び出して先頭集団を形成したものの、決定的な逃げには繋がらなかった。
フランクフルト市街地サーキットに入る手前、残り45km地点では、新城と中根が並んで集団先頭を牽引するシーンも。ニッツォーロも集団復帰を果たした末に、例年通りの集団スプリントに持ち込まれた。
フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)がフィル・バウハウス(ドイツ)のために先頭で最終ストレートに突入すると、クリストフを引き連れたギルマイが加速。しかし、各チームの隊列を圧倒するスピードでダニー・ファンポッペル(オランダ)がベネットを引き上げる。そしてタイミングよく発射されたベネットは今季まだ披露できていなかった加速力を発揮した。ガビリアやクリストフの追い込みも歯が立たず、ベネットが悠々と先頭でフィニッシュした。
「今日は全てが上手く行った!前回の勝利は350日も前だったので勝利に飢えていたんだ。チームはレース序盤から僕のために懸命に動き、最後はダニー・ファンポッペルが素晴らしいリードアウトを見せてくれた。僕の仕事はただフィニッシュラインを越えるだけだった」と、昨年8月に膝の手術を行い、今年3年振りに古巣ボーラへ復帰を果たしたベネットは語る。
「残り100km地点で脚がつるトラブルに見舞われたものの、フランクフルトにたどり着く頃には治っていた。僕を信じ続けてくれた全ての人たちに感謝を伝えたい」とも。ベネットは今年、マイヨヴェールを獲得した2020年以来となるツール・ド・フランスへの出場を予定している。
ジロ・デ・イタリアを5日後に控えた5月1日、ドイツで第59回エシュボルン・フランクフルト(1.UWT)が開催。コロナ禍で中止された2020年、そして9月に行われた2021年を経て、例年通りの5月1日に「スプリンターの祭典」が戻ってきた。
初開催は1962年。ドイツで最も歴史の深いワンデーレースには、11のワールドチームと8つのプロチームが参戦。コース途中に4回通過する山岳「マンモルスハイン」は距離2.3km/平均勾配7.6%とパンチ力が強めだが、最後の登坂からフィニッシュまで40km以上平坦路が続くためスプリンターによるバトルで決着するのが通例だ。
昨年引退したトニー・マルティンが育ったエシュボルンのスタート地点には、前回覇者ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)やフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)などのトップスプリンターが集結。過去4連覇しているアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)はヘント〜ウェヴェルヘムで金星を挙げたビニヤム・ギルマイ(エリトリア)と共に出場し、日本からは新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)と中根英登(EFエデュケーション・イージーポスト)が揃ってスタートを切った。
ワールドチームから唯一ダーン・ホーレ(オランダ、トレック・セガフレード)が入った5名が逃げ、フランクフルトのフィニッシュ地点を1度通過してから北西の丘陵地帯へと進んでいく。メイン集団では序盤から古巣復帰後いまだ勝利のないサム・ベネット(アイルランド)のためにボーラ・ハンスグローエがペースメイク。リードを最大5分差に抑え込み、いずれも距離が3kmに満たない山岳を越えていった。
ボーラの牽引にバーレーン・ヴィクトリアスも加わったプロトンは、残り80km地点で早くも逃げていたホーレたちを吸収。ピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ KTM)とイェンス・レインデルス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)が抗い、メイン集団から飛び出したヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)も合流して新たな3名による逃げグループが誕生した。
この日3度目のマンモルスハイン(距離2.3km/平均勾配7.6%)をハイスピードで駆け上がったメイン集団からは、優勝候補の1人ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)が早々に脱落。最後まで逃げたレインデルスがメイン集団に飲み込まれ、ギルマイを含む5名が飛び出して先頭集団を形成したものの、決定的な逃げには繋がらなかった。
フランクフルト市街地サーキットに入る手前、残り45km地点では、新城と中根が並んで集団先頭を牽引するシーンも。ニッツォーロも集団復帰を果たした末に、例年通りの集団スプリントに持ち込まれた。
フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)がフィル・バウハウス(ドイツ)のために先頭で最終ストレートに突入すると、クリストフを引き連れたギルマイが加速。しかし、各チームの隊列を圧倒するスピードでダニー・ファンポッペル(オランダ)がベネットを引き上げる。そしてタイミングよく発射されたベネットは今季まだ披露できていなかった加速力を発揮した。ガビリアやクリストフの追い込みも歯が立たず、ベネットが悠々と先頭でフィニッシュした。
「今日は全てが上手く行った!前回の勝利は350日も前だったので勝利に飢えていたんだ。チームはレース序盤から僕のために懸命に動き、最後はダニー・ファンポッペルが素晴らしいリードアウトを見せてくれた。僕の仕事はただフィニッシュラインを越えるだけだった」と、昨年8月に膝の手術を行い、今年3年振りに古巣ボーラへ復帰を果たしたベネットは語る。
「残り100km地点で脚がつるトラブルに見舞われたものの、フランクフルトにたどり着く頃には治っていた。僕を信じ続けてくれた全ての人たちに感謝を伝えたい」とも。ベネットは今年、マイヨヴェールを獲得した2020年以来となるツール・ド・フランスへの出場を予定している。
エシュボルン・フランクフルト2022結果
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:27:52 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
4位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
7位 | アルノー・デリー(ベルギー、ロット・スーダル) | |
8位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、コフィディス) | |
9位 | ピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス) | |
10位 | ロレンゾ・マンザン(フランス、トタルエネルジー) | |
66位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | |
98位 | 中根英登(EFエデュケーション・イージーポスト) | 0:25 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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