2022/03/26(土) - 10:03
リードアウトなき混沌の集団スプリントに持ち込まれたカタルーニャ5日目。イーサン・ヴァーノン(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が勝利し、中間スプリントで-1秒を獲得したジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が首位に浮上した。
ピレネー山脈のラ・ポブラ・デ・セグールから地中海に面したビラノバ・イラ・ヘルトルにフィニッシュするボルタ・ア・カタルーニャ第5ステージ。序盤で3級山岳コミオルス峠(距離7.2km/平均5.2%)を越えるものの、その後140kmに渡り平坦基調のコースが続く。フィニッシュ予想は3日ぶりの集団スプリントだ。
既にマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)やソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)など有力スプリンターがレースを去り、この日は優勝候補に一人だったフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)もDNS。そのため普段リードアウトを務める選手や若手たちにチャンスが巡ってきた。
今大会最長距離である206.3kmコースで逃げを打ったのは、カハルラル・セグロスRGAなどスペイン勢による3名。それを第2ステージの勝者カーデン・グローブス(オーストラリア)で再現を狙うべく、バイクエクスチェンジ・ジェイコがプロトンの牽引をしながらレースは進行していった。
最大4分あったタイム差は、80kmを残した時点で一時30秒まで縮まったため、更なる展開を嫌ったクイックステップ・アルファヴィニルがプロトン先頭でペースを制御した。20km地点で逃げを捉えると、総合上位勢はボーナスタイムが得られる中間スプリントに向けて緊張感を増していく。
残り17km地点に設定された中間スプリントは、フィニッシュスプリントさながらの隊列を組んだウノエックス・プロサイクリング チームのトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー)がトップ通過し-3秒を獲得。一方でチームメイトを見失ったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)は自らポジションを上げ、ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)を差し切り3位通過で-1秒を掴み取る。この結果により、アルメイダが同タイムで総合首位だったキンタナ1秒上回り、リーダージャージ着用の権利を得た。
チームにスプリンターのいないUAEチームエミレーツのルイ・コスタ(ポルトガル)やフィニッシュ地点が地元のマルク・ソレル(スペイン)、リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が緩斜面でアタックを敢行。しかしここまでスローペースで余力を残したスプリンターチームは振り切れず、100名を超える大集団スプリントになだれ込んだ。
リードアウト要員がエースを務めるた各チームの隊列が揃わず、唯一トレインを組んだアルケア・サムシックを先頭に残り1kmアーチを通過。最終ストレートでカナダ王者ジャージを着るギヨーム・ボワヴァン(イスラエル・プレミアテック)が先んじてスプリントを始めると、リードアウトのイラン・ファンウィルデル(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)を直前の落車で失ったイーサン・ヴァーノン(イギリス)が並び、先頭に出た。
188cmの体躯が生み出す加速に敵う選手はいなかった。フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)も寄せ付けつけなかった21歳のヴァーノンが、ワールドツアーでプロ初勝利を飾った。
「(区間4位に入った)第2ステージから脚に力を感じていた。プロ2年目で勝利できれば最高だと思っていたところ、僅か3ヶ月で優勝できるなんて夢のようだ。最後は向かい風も吹いていたが、スピードを維持することができ、残り50mから勝利が現実に近づいていった。クイックステップ・アルファヴィニルに加入1年目かつ、ワールドツアーでの勝利。本当に信じられないよ」と、ヴァーノンは勝利を喜んだ。
トラック競技の中距離選手として活躍し、昨年のUCIトラックワールドチャンピオンシップではチームパシュートで銅メダルを獲得したヴァーノン。ロードでも昨年のツール・ド・ラヴニールで区間1勝を挙げるなど、クイックステップ・アルファヴィニルの新たな注目スプリンターがここで輝きを放った。
総合リーダージャージに袖を通したのは、キンタナを1秒差で上回ったアルメイダ。「中間スプリントではリードアウトからスプリントをする予定が、仲間を見失ってしまったので地力でボーナスタイムを掴みとった。総合優勝の行方は最終ステージのバルセロナで決まるだろう。優勝できれば嬉しいものの、自分のベストを尽くすことが何よりも大事だよ」と、残り2日のステージに向けて意気込みを語った。
ピレネー山脈のラ・ポブラ・デ・セグールから地中海に面したビラノバ・イラ・ヘルトルにフィニッシュするボルタ・ア・カタルーニャ第5ステージ。序盤で3級山岳コミオルス峠(距離7.2km/平均5.2%)を越えるものの、その後140kmに渡り平坦基調のコースが続く。フィニッシュ予想は3日ぶりの集団スプリントだ。
既にマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)やソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)など有力スプリンターがレースを去り、この日は優勝候補に一人だったフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)もDNS。そのため普段リードアウトを務める選手や若手たちにチャンスが巡ってきた。
今大会最長距離である206.3kmコースで逃げを打ったのは、カハルラル・セグロスRGAなどスペイン勢による3名。それを第2ステージの勝者カーデン・グローブス(オーストラリア)で再現を狙うべく、バイクエクスチェンジ・ジェイコがプロトンの牽引をしながらレースは進行していった。
最大4分あったタイム差は、80kmを残した時点で一時30秒まで縮まったため、更なる展開を嫌ったクイックステップ・アルファヴィニルがプロトン先頭でペースを制御した。20km地点で逃げを捉えると、総合上位勢はボーナスタイムが得られる中間スプリントに向けて緊張感を増していく。
残り17km地点に設定された中間スプリントは、フィニッシュスプリントさながらの隊列を組んだウノエックス・プロサイクリング チームのトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー)がトップ通過し-3秒を獲得。一方でチームメイトを見失ったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)は自らポジションを上げ、ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)を差し切り3位通過で-1秒を掴み取る。この結果により、アルメイダが同タイムで総合首位だったキンタナ1秒上回り、リーダージャージ着用の権利を得た。
チームにスプリンターのいないUAEチームエミレーツのルイ・コスタ(ポルトガル)やフィニッシュ地点が地元のマルク・ソレル(スペイン)、リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が緩斜面でアタックを敢行。しかしここまでスローペースで余力を残したスプリンターチームは振り切れず、100名を超える大集団スプリントになだれ込んだ。
リードアウト要員がエースを務めるた各チームの隊列が揃わず、唯一トレインを組んだアルケア・サムシックを先頭に残り1kmアーチを通過。最終ストレートでカナダ王者ジャージを着るギヨーム・ボワヴァン(イスラエル・プレミアテック)が先んじてスプリントを始めると、リードアウトのイラン・ファンウィルデル(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)を直前の落車で失ったイーサン・ヴァーノン(イギリス)が並び、先頭に出た。
188cmの体躯が生み出す加速に敵う選手はいなかった。フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)も寄せ付けつけなかった21歳のヴァーノンが、ワールドツアーでプロ初勝利を飾った。
「(区間4位に入った)第2ステージから脚に力を感じていた。プロ2年目で勝利できれば最高だと思っていたところ、僅か3ヶ月で優勝できるなんて夢のようだ。最後は向かい風も吹いていたが、スピードを維持することができ、残り50mから勝利が現実に近づいていった。クイックステップ・アルファヴィニルに加入1年目かつ、ワールドツアーでの勝利。本当に信じられないよ」と、ヴァーノンは勝利を喜んだ。
トラック競技の中距離選手として活躍し、昨年のUCIトラックワールドチャンピオンシップではチームパシュートで銅メダルを獲得したヴァーノン。ロードでも昨年のツール・ド・ラヴニールで区間1勝を挙げるなど、クイックステップ・アルファヴィニルの新たな注目スプリンターがここで輝きを放った。
総合リーダージャージに袖を通したのは、キンタナを1秒差で上回ったアルメイダ。「中間スプリントではリードアウトからスプリントをする予定が、仲間を見失ってしまったので地力でボーナスタイムを掴みとった。総合優勝の行方は最終ステージのバルセロナで決まるだろう。優勝できれば嬉しいものの、自分のベストを尽くすことが何よりも大事だよ」と、残り2日のステージに向けて意気込みを語った。
ボルタ・ア・カタルーニャ2022第5ステージ結果
1位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 5:21:17 |
2位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
3位 | ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン) | |
4位 | ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
5位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
6位 | マーティン・ラース(エストニア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | マヌエル・ペニャルベル(スペイン、ブルゴスBH) | |
8位 | イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、アルケア・サムシック) | |
10位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) |
個人総合成績
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 22:26:09 |
2位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 0:01 |
3位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:07 |
4位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | 0:18 |
5位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | |
7位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | 0:21 |
8位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | 0:24 |
9位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 0:27 |
10位 | トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | 0:35 |
その他の特別賞
ポイント賞 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) |
山岳賞 | ミケル・ビスカラ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) |
ヤングライダー賞 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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