2022/03/12(土) - 09:50
パリ〜ニース6日目にスプリンターチームの計算が狂った。残り10kmのアタックを成功させたマチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)が、追いすがるスプリンターたちを0秒差で振り切りプロ初勝利を挙げた。
山頂フィニッシュを翌日に控えたパリ〜ニース6日目は、マルセイユに程近いクルテゾンからオーバーニュに向かう今大会最長距離の213.6km。5つのカテゴリー山岳を越える丘陵ステージには1級以上の山岳はなく、残り20km地点にある最終2級山岳コル・ド・レスピグリエも距離11km/4.4%と難易度は高くない。頂上から平坦路がフィニッシュまで続くため、フィニッシュ予想はほぼ100%集団スプリントと見られていた。
この日は山岳賞ジャージを着るヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマ・エフデジ)や、2021年マウンテンバイク世界選手権クロスカントリーの銅メダリストで今年からロードに本格参戦しているヴィクトル・コレツキー(フランス、B&Bホテルズ KTM)を含む6名が逃げる展開。ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)などピュアスプリンターには厳しいレイアウトのため、登り適性のあるマッズ・ピーダスン(デンマーク)を擁するトレック・セガフレードがプロトン先頭でペースを作った。
マドゥアスが4つのカテゴリー山岳をトップ通過して山岳ポイントを加算した逃げ集団は、最終山岳レスピグリエでプロトンに吸収される。集団がひとまとまりで残り10km地点に設定された中間スプリントのラスクールの丘に突入すると、ビュルゴドーがメイン集団から飛び出し、一気に20秒差を稼ぎ出した。
トレック・セガフレードやイネオス・グレナディアーズが牽引するメイン集団に対し、ビュルゴドーは残り5kmで15秒、残り2kmで10秒のタイム差で逃げ続ける。何度も後ろを振り向きながら踏み続けるビュルゴドーに対し、後方ではピーダスンやワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がスプリントを開始して猛追。しかし、0秒差で振り切ったビュルゴドーがフィニッシュラインで雄叫びを上げた。
「事前に計画していたアタックにではなかった。チームにはスプリンターのニッコロ・ボニファツィオが控えていたので、無線で許可を貰い飛び出したんだ。そこからは後悔が無いよう思いっ切り踏み込んだ。過去に何度もレースで躊躇し、激しく後悔した経験があったからね」と、23歳のビュルゴドーはプロ初勝利を喜ぶ。
一方、スプリントのチャンスを逃したファンアールトは「何事もなく集団スプリントになると思っていたので、こんなシナリオは予想外だった。最後の丘とレースを通して吹き付けた風、そして積み重なった獲得標高差がこのカオスを生んだのだろう」とレースを振り返っている。
総合勢による決定的なアタックがなかったため総合順位に変動はなく、ログリッチが2位と39秒差でマイヨジョーヌをキープ。「シーズン序盤なので毎日が辛い。だが、明日の難易度の高い登りが待つタフなステージでベストを尽くす自信はあるよ」と、ログリッチは翌日の1級山岳コル・ド・チュリーニ(距離15.2km/平均勾配7.2%)の山頂フィニッシュについて意気込みを語った。
山頂フィニッシュを翌日に控えたパリ〜ニース6日目は、マルセイユに程近いクルテゾンからオーバーニュに向かう今大会最長距離の213.6km。5つのカテゴリー山岳を越える丘陵ステージには1級以上の山岳はなく、残り20km地点にある最終2級山岳コル・ド・レスピグリエも距離11km/4.4%と難易度は高くない。頂上から平坦路がフィニッシュまで続くため、フィニッシュ予想はほぼ100%集団スプリントと見られていた。
この日は山岳賞ジャージを着るヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマ・エフデジ)や、2021年マウンテンバイク世界選手権クロスカントリーの銅メダリストで今年からロードに本格参戦しているヴィクトル・コレツキー(フランス、B&Bホテルズ KTM)を含む6名が逃げる展開。ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)などピュアスプリンターには厳しいレイアウトのため、登り適性のあるマッズ・ピーダスン(デンマーク)を擁するトレック・セガフレードがプロトン先頭でペースを作った。
マドゥアスが4つのカテゴリー山岳をトップ通過して山岳ポイントを加算した逃げ集団は、最終山岳レスピグリエでプロトンに吸収される。集団がひとまとまりで残り10km地点に設定された中間スプリントのラスクールの丘に突入すると、ビュルゴドーがメイン集団から飛び出し、一気に20秒差を稼ぎ出した。
トレック・セガフレードやイネオス・グレナディアーズが牽引するメイン集団に対し、ビュルゴドーは残り5kmで15秒、残り2kmで10秒のタイム差で逃げ続ける。何度も後ろを振り向きながら踏み続けるビュルゴドーに対し、後方ではピーダスンやワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がスプリントを開始して猛追。しかし、0秒差で振り切ったビュルゴドーがフィニッシュラインで雄叫びを上げた。
「事前に計画していたアタックにではなかった。チームにはスプリンターのニッコロ・ボニファツィオが控えていたので、無線で許可を貰い飛び出したんだ。そこからは後悔が無いよう思いっ切り踏み込んだ。過去に何度もレースで躊躇し、激しく後悔した経験があったからね」と、23歳のビュルゴドーはプロ初勝利を喜ぶ。
一方、スプリントのチャンスを逃したファンアールトは「何事もなく集団スプリントになると思っていたので、こんなシナリオは予想外だった。最後の丘とレースを通して吹き付けた風、そして積み重なった獲得標高差がこのカオスを生んだのだろう」とレースを振り返っている。
総合勢による決定的なアタックがなかったため総合順位に変動はなく、ログリッチが2位と39秒差でマイヨジョーヌをキープ。「シーズン序盤なので毎日が辛い。だが、明日の難易度の高い登りが待つタフなステージでベストを尽くす自信はあるよ」と、ログリッチは翌日の1級山岳コル・ド・チュリーニ(距離15.2km/平均勾配7.2%)の山頂フィニッシュについて意気込みを語った。
パリ〜ニース2022第6ステージ結果
1位 | マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー) | 5:33:06 |
2位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | |
4位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
5位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
6位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
7位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | |
8位 | ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン) | |
9位 | フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
10位 | ルーカ・モッツァート(イタリア、B&Bホテルズ KTM) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 22:23:34 |
2位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 0:39 |
3位 | ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー) | 0:41 |
4位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:56 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:59 |
6位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 1:11 |
7位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チームDSM) | 1:26 |
8位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 1:35 |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 1:45 |
10位 | ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) | 2:01 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマ・エフデジ) |
ヤングライダー賞 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター) |
チーム総合成績 | トタルエネルジー |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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