2022/03/11(金) - 09:09
パリ〜ニース5日目は、10名の逃げ集団からアタックを成功させたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が38kmの独走勝利。マイヨジョーヌはファンアールトからプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)の手に渡っている。
チームプレゼンテーションに登場したユンボ・ヴィズマ photo:CorVos
パリ〜ニース2022 第5ステージコースプロフィール photo:A.S.O.ついに始まったパリ〜ニースの山岳決戦。サン・ジュスト・サン・ランベールから南にあるサン・ソヴァール・ド・モンタギュを目指す道中には、1級山岳×3を含む5つのカテゴリー山岳が登場する。最大の難所は残り42km地点にある1級山岳ミュール峠(距離7.7km/平均勾配8.1%)で、この獲得標高差3,408mの山岳コースを皮切りに最終日まで総合争いが続いていく。
体調不良などを理由に18名の選手がスタートラインに現れなかったこの日、アメリカ人若手クライマーのマクナルティやマッテオ・ヨルゲンソン(モビスター)、リードアウト役から解放されたミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)など10名が逃げグループを形成した。総合タイムが最も良いルーベン・フェルナンデス(スペイン、コフィディス)でも首位から4分34秒遅れということもあり、メイン集団を牽くリーダージャージのユンボ・ヴィズマが追撃の意思を見せることはなかった。
南仏の内陸を南に進むパリ〜ニース5日目 photo:A.S.O.
残り38km地点で飛び出したブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
プロトンと6分差でミュール峠の麓に入った逃げ集団から、勾配が9.3%と最も厳しい区間でマクナルティが飛び出す。12日前に同じ南仏で行われたフォーン・アルデシュ・クラシック(1.Pro)でも独走勝利を挙げているマクナルティは、苦手とされる下り坂も危なげなくクリア。フランク・ボナムール(フランス、B&Bホテルズ KTM)とヨルゲンソンの追走に約2分差、メイン集団からは約6分差をつけて1人フィニッシュにたどり着いた。
「ワールドツアー初勝利だ。とても嬉しいし今日は全てが計画通りに進んだ。登りでチームがアタックする許可をくれたので飛び出した。今後の士気に繋がる勝利だ。これからもっと上を目指していきたい」と、今シーズン早くも3勝目を飾った23歳のマクナルティは笑顔を見せた。マクナルティは今年も同い年のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)と共にツール・ド・フランス出場を予定している。
ワールドツアー初勝利を掴んだブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
チームに今季14勝目をもたらしたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
マクナルティから6分遅れでミュール峠の登坂に突入したプロトンでは、クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)や「週末の山岳でプリモシュのアシストをするため、ここでエネルギーを無駄使いしたくなかった」と語るマイヨジョーヌのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が早々と遅れていった。
ユンボ・ヴィスマとアルケア・サムシックのペースコントロールから、総合でジャンプアップを狙うギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)やダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)、サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)らによるアタック合戦が勃発。しかし決定的な動きには繋がらなず、20名程度に絞られた集団はピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー)を先頭に、ひと塊のままフィニッシュラインを越えた。
ファンアールトからマイヨジョーヌを引き継いだプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
ラポルト、ファンアールトとユンボ・ヴィズマで引き継がれてきたリーダージャージはログリッチの手に。「簡単ではないタフなステージだった。幸運にも脚の状態は良く、ベストを尽くすことができた。最後は(アシストが全員遅れ)単独での戦いになったものの、チームメイトの素晴らしい働きに感謝したい」とログリッチは語っている。
総合2位には前日の個人TTで健闘したSイェーツが39秒差でつけ、3位はラトゥールという新たなトップスリーが誕生した。翌第6ステージもカテゴリー山岳が連続するクライマーステージだ。
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体調不良などを理由に18名の選手がスタートラインに現れなかったこの日、アメリカ人若手クライマーのマクナルティやマッテオ・ヨルゲンソン(モビスター)、リードアウト役から解放されたミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)など10名が逃げグループを形成した。総合タイムが最も良いルーベン・フェルナンデス(スペイン、コフィディス)でも首位から4分34秒遅れということもあり、メイン集団を牽くリーダージャージのユンボ・ヴィズマが追撃の意思を見せることはなかった。
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プロトンと6分差でミュール峠の麓に入った逃げ集団から、勾配が9.3%と最も厳しい区間でマクナルティが飛び出す。12日前に同じ南仏で行われたフォーン・アルデシュ・クラシック(1.Pro)でも独走勝利を挙げているマクナルティは、苦手とされる下り坂も危なげなくクリア。フランク・ボナムール(フランス、B&Bホテルズ KTM)とヨルゲンソンの追走に約2分差、メイン集団からは約6分差をつけて1人フィニッシュにたどり着いた。
「ワールドツアー初勝利だ。とても嬉しいし今日は全てが計画通りに進んだ。登りでチームがアタックする許可をくれたので飛び出した。今後の士気に繋がる勝利だ。これからもっと上を目指していきたい」と、今シーズン早くも3勝目を飾った23歳のマクナルティは笑顔を見せた。マクナルティは今年も同い年のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)と共にツール・ド・フランス出場を予定している。
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マクナルティから6分遅れでミュール峠の登坂に突入したプロトンでは、クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)や「週末の山岳でプリモシュのアシストをするため、ここでエネルギーを無駄使いしたくなかった」と語るマイヨジョーヌのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が早々と遅れていった。
ユンボ・ヴィスマとアルケア・サムシックのペースコントロールから、総合でジャンプアップを狙うギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)やダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)、サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)らによるアタック合戦が勃発。しかし決定的な動きには繋がらなず、20名程度に絞られた集団はピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー)を先頭に、ひと塊のままフィニッシュラインを越えた。
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ラポルト、ファンアールトとユンボ・ヴィズマで引き継がれてきたリーダージャージはログリッチの手に。「簡単ではないタフなステージだった。幸運にも脚の状態は良く、ベストを尽くすことができた。最後は(アシストが全員遅れ)単独での戦いになったものの、チームメイトの素晴らしい働きに感謝したい」とログリッチは語っている。
総合2位には前日の個人TTで健闘したSイェーツが39秒差でつけ、3位はラトゥールという新たなトップスリーが誕生した。翌第6ステージもカテゴリー山岳が連続するクライマーステージだ。
パリ〜ニース2022第5ステージ結果
1位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 4:53:30 |
2位 | フランク・ボナムール(フランス、B&Bホテルズ KTM) | 1:58 |
3位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター) | |
4位 | ハルム・ファンハウケ(ベルギー、ロット・スーダル) | 2:30 |
5位 | ローラン・ピション(フランス、アルケア・サムシック) | 4:01 |
6位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー) | 4:02 |
7位 | ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマ・エフデジ) | 4:57 |
8位 | オウェイン・ドゥール(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー) | 5:43 |
10位 | カンタン・パシェ(フランス、グルパマ・エフデジ) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 16:50:28 |
2位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 0:39 |
3位 | ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー) | 0:41 |
4位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:56 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:59 |
6位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 1:11 |
7位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チームDSM) | 1:26 |
8位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 1:35 |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 1:45 |
10位 | ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) | 2:01 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマ・エフデジ) |
ヤングライダー賞 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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