パリ〜ニース4日目の13.4km個人タイムトライアルでユンボ・ヴィズマが再び表彰台を独占。ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が区間優勝に輝き、ラポルトからイエロージャージを引き継いだ。



ステージ優勝を飾ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)ステージ優勝を飾ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
同時期開催のティレーノ~アドリアティコに出場中のジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)の故郷サンタマン=モンロンを通るパリ〜ニース4日目の個人タイムトライアル。ドメラを出発してモンリュソンにフィニッシュする平坦基調のコースのラスト600mには、総合病院へと続く通称「ムール・ド・ロピタル(病院の壁)」の登り坂(最大勾配12%)が登場する。

ファンアールトがトップタイムを叩き出すまで、約3時間前に渡りホットシートに座ったのはローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)だった。「(前日まで)アシストとしての役割を果たしながら、このタイムには満足している」と疲れを顔に滲ませながらも16分26秒(平均時速48.925km)の暫定トップでフィニッシュした。

長時間ホットシートに座ったローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)長時間ホットシートに座ったローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
近年ベストのTTだったと語るサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)近年ベストのTTだったと語るサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) photo:CorVos
ゴールドヘルメットで登場したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は2秒差で2位ゴールドヘルメットで登場したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は2秒差で2位 photo:CorVos
ファンアールトに総合首位を譲り渡したクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)ファンアールトに総合首位を譲り渡したクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
欧州TT王者のシュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ)はデニスに4秒届かず、2019年大会の個人TTで区間優勝を挙げているサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が中間計測トップタイムで駆け抜けた。「ここ最近で最も良いTTだった。ペーシングを考えて走らなければならないコースだったからこそ、ティレーノ~アドリアティコではなくこっちに出場したんだ」と語るイェーツはデニスから5秒遅れでまとめ、総合順位を4位まで上げている。

そして最後から3番目に、五輪王者を表す金のヘルメットで登場したログリッチがスタート。イェーツの中間計測からは6秒遅れたものの、その後ペースを上げ、デニスのタイムを5秒上回る16分22秒でフィニッシュ。しかし、直後にファンアールトがこれを2秒縮める16分20秒(平均時速49.224km)を叩き出した。

パリ〜ニースで初の区間優勝を挙げたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)パリ〜ニースで初の区間優勝を挙げたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
「タイム差はそれほど意識せず、フルスロットルでフィニッシュを目指した。最後の登りはペダルを踏み込む脚が痛みを感じるほどだったが、それも勝利には必要な痛みだった」とファンアールトはタイムトライアルを振り返る。「僕たちは世界でも有数のタイムトライアル力を誇るチーム。プリモシュもデニスとは共に五輪の表彰台に乗ったんだ。だからこの結果に驚きはない。今週は既に素晴らしい結果になっているが、明日からのステージも全力で臨むつもりだ」。

東京五輪で表彰台に上がったファンアールト、ログリッチ、デニスが順位を変えてトップスリーにその名を並べ、マイヨジョーヌは29秒遅れでフィニッシュしたクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)からファンアールトの手に。総合首位から3位は依然としてユンボ・ヴィズマが独占し、パリ〜ニースは翌日の総獲得標高差が3,408mに及ぶ山岳ステージに突入する。

パリ〜ニース2022第4ステージ結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 0:16:20
2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 0:02
3位 ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) 0:06
4位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ) 0:10
5位 サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 0:11
6位 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) 0:14
7位 ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー) 0:19
8位 シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・イージーポスト) 0:21
9位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) 0:25
10位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) 0:28
個人総合成績
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 11:51:05
2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 0:10
3位 クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) 0:28
4位 サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 0:49
5位 ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー) 0:51
6位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) 0:53
7位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) 1:06
8位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) 1:09
9位 シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・イージーポスト) 1:13
10位 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チームDSM) 1:19
その他の特別賞
ポイント賞 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
山岳賞 マシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル)
ヤングライダー賞 シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・イージーポスト)
チーム総合成績 ユンボ・ヴィスマ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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