アラフィリップの追走届かず　ヴィンゲゴーが逃げ切りで今季初勝利

2022/02/28(月) - 08:58

細かなアップダウンが連続したドローム・クラシック（1.Pro）で、ヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ）が猛追するジュリアン・アラフィリップ（フランス、クイックステップ・アルファヴィニル）らを振り切り勝利を収めた。

序盤はエトワール・シュル・ローヌの周回コースを周る photo:CorVos

ドローム・クラシック2022コースプロフィール photo:Les Boucles Drôme-Ardèche前日に行われたフォーン・アルデシュ・クラシックと対をなすドローム・クラシック（1.Pro）は、共にトラック会社フォーンをタイトルスポンサーにするワンデーレース。南仏の山岳が連続した前日から一転、ドローム・クラシックの序盤は平坦基調のエトワール・シュル・ローヌの街を巡り、終盤にグラン・リミテ峠（距離3.9km/平均6.6%）とロバート峠（距離4.2km/平均4.9%）が待ち受ける丘陵コースだ。

各チームのライナップはアルデシュ・クラシックとほぼ同じで、プリモシュ・ログリッチ（スロベニア、ユンボ・ヴィスマ）やアルカンシエルのジュリアン・アラフィリップ（フランス、クイックステップ・アルファヴィニル）が2日連続で出場し、前日勝者のブランドン・マクナルティ（アメリカ、UAEチームエミレーツ）もスタートラインに並んだ。

2週間前にツアー・オブ・オマーンでプロ初勝利を挙げたアントン・チャーマ（デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム）ら6名による逃げが決まり、それを1〜2分差でトーマス・デヘント（ベルギー、ロット・スーダル）が先導するメイン集団が追いかける展開。平坦基調の周回コースを終え、徐々に速度が増していくプロトンは山岳地帯に入っていった。

序盤から積極的にプロトンを牽引したトーマス・デヘント（ベルギー、ロット・スーダル） photo:CorVos
グラン・リミテ峠に差し掛かるころに逃げグループを捉えると、ジミー・ヤンセンス（ベルギー、アルペシン・フェニックス）が集団からアタックする。それにフアン・アユソ（スペイン、UAEチームエミレーツ）やヴィンゲゴー、クイン・シモンズ（アメリカ、トレック・セガフレード）といった若手選手たちが追いつき、8名の先頭集団が山頂を越えていく。

先行を許したメイン集団では、選手を送り込めなかったAG2Rシトロエンやアラフィリップが先頭で追走。1分差で先頭集団がロバート峠（距離4.2km/平均4.9%）の登坂に入ると、ヴィンゲゴーとアユソが飛び出しタンデム走行を開始した。

アラフィリップが単独でバラバラに遅れていく先頭集団の選手たちを捉えながら猛追するが、平坦区間でも快調にローテーションを組みながら進む2人には届かない。フィニッシュ手前1km、勾配6.8％の登坂でヴィンゲゴーが「平坦で脚が尽きた」と言うアユソを突き放すと、そのままフィニッシュラインに到着した。

ラスト1kmで飛び出したヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ） photo:CorVos

単独で追走するジュリアン・アラフィリップ（フランス、クイックステップ・アルファヴィニル） photo:CorVos

今季初勝利を飾ったヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ） photo:CorVos
「昨日はコンディションが良くなかったので、今日勝つことができて安心したよ。標高のある登りはなかったものの、細かなアップダウンがレースを厳しくした。今後に向けた改善点もあるが、レースそのものを楽しむことができた。シーズン序盤に勝利するのは大事だし、今後のレースへの自信に繋がったよ」と、昨年ツール・ド・フランスで総合2位に入り躍進を見せたヴィンゲゴーは語っている。

2位には最後の登坂でアユソを抜いたギヨーム・マルタン（フランス、コフィディス）が入り、追走したアラフィリップは29秒差の5位と届かず。しかし脚色の良さを見せたアラフィリップはこの後、ストラーデ・ビアンケ（3月5日）からティレーノ～アドリアティコ（3月7日）、ミラノ〜サンレモ（3月19日）と春のクラシックに向かい、開幕2連戦を終えたログリッチはパリ〜ニース（3月6日〜）やイツリア・バスクカントリー（4月4日〜）などステージレースを転戦する予定だ。