2022/02/24(木) - 09:43
UAEチームエミレーツの圧倒的サポートを得て、タデイ・ポガチャル(スロベニア)がUAEツアー最初の山頂フィニッシュを制覇。スプリントでライバル勢を抑え総合リーダーに浮上している。
アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:UAE Tour
タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:UAE Tour
16世紀に建設されたフジャイラ市の砦をスタートするUAEツアー4日目 photo:CorVos
7日間に渡り開催されるUAEツアー(UCI2.ワールドツアー)のうち、第4ステージは合計2日間用意される山頂フィニッシュの1回目。平均5.4%と緩斜面勾配ながら、実に21km以上も登坂が続く「ジュベルジャイス」で今大会最初のクライマーバトルが繰り広げられた。
16世紀に建設されたフジャイラ市の砦、フジャイラフォートを出発し、逃げを打ったのはルーカ・ラステッリ(イタリア、バルディアーニ CSFファイザネ)とヤコブ・イーホルム(デンマーク、トレック・セガフレード)の2人。メイン集団ではレース序盤にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が落車し頭を打ち付けたものの、再乗車してレース復帰。チームによればカヴェンディッシュの怪我は擦過傷のみであり、幸い脳震盪などの影響はないという。
逃げるヤコブ・イーホルム(デンマーク、トレック・セガフレード)とルーカ・ラステッリ(イタリア、バルディアーニ CSFファイザネ) photo:UAE Tour
シュテファン・ビッセガー(スイス)を擁するEFエデュケーション・イージーポストがコントロール photo:UAE Tour
落車し頭を打ち付けたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
ヤングライダー賞対象選手のラステッリとイーホルムは最大7分差を得て逃げたものの、100km地点を境にタイム差は緩やかに減少していく。
個人総合首位シュテファン・ビッセガー(スイス)を擁するEFエデュケーション・イージーポストがコントロールする集団からは中間スプリントポイントをきっかけにヤスパー・フィリプセンとアシストのヨナス・リッカールト(共にベルギー、アルペシン・フェニックス)、そしてドミトリ・ストラコフ(ロシア・ガスプロム・ルスヴェロ)が飛び出す場面もあったものの、ジュベルジャイスを前にメイン集団へと戻っている。
20km以上の上りが続く岩山ジュベルジャイスをハイペースで登る photo:CorVos
ジュベルジャイス中盤。ジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)がペースを引き上げる photo:UAE Tour
マイカとアルメイダがポガチャルのためにペースメイク photo:CorVos
いよいよジュベルジャイスに突入し、残り17kmを切って逃げた2名を捉えると、EFエデュケーションのコントロールをタデイ・ポガチャル(スロベニア)の総合2連覇を目論むUAEチームエミレーツが突き崩す。TTスペシャリストのミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)が5%勾配でスピードを30km/hまで引き上げ、続いて新加入ジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)にバトンタッチ。フィニッシュまで9kmを切ってラファル・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)がジャブを打ち込むと、まだ人数を残した集団からは総合4位のトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が遅れを喫した。
マイカやレイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)などサブエース選手たちが飛び出す場面もあったものの、アダム・イェーツ(イギリス)をエースに据えるイネオス・グレナディアーズが引き戻し、吸収。ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)の攻撃に反応したポガチャルやイェーツ、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)など一時的にエース選手が抜け出したが、UAEが再びコントロールに入ったため集団は一つのままフィニッシュへ。
集団をバラバラにしたレイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)の牽引 photo:CorVos
「独走ではなくスプリントを狙っていた」と言うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
ジュベルジャイスを制したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
ネオプロのオーストラリア王者ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)による早駆けはポガチャルを引き連れたマイカによって封じられ、ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックに反応し、残り200mを切ってポガチャルがスプリント。追いすがるイェーツを大きく突き放し、何度か後ろを振り返る余裕すら見せつけてツール・ド・フランス覇者が勝利した。
圧倒的なチーム力で主導権を握り、圧倒的なスプリント力で2022年ワールドツアーレース初の山頂フィニッシュを制したポガチャル。総合2位フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)も最後まで集団に残るなど驚きの登坂力を披露したものの、ポガチャルから3秒遅れ、更にタイムボーナスも取れなかったため首位浮上ならず。ポガチャルがガンナに2秒、ウラソフに13秒、イェーツに15秒差をつけて総合首位浮上に成功した。
「いつだって勝利は嬉しい。今日勝てたことは僕にとって、そしてチームにとって素晴らしいことだ。ジョアンとラファルの動きは強力でクライマーチームとして最強だった。彼らの働きに報いる勝利となったし、こうやってシーズンインできたことがとても嬉しい」と言うポガチャル。Velonによれば、ポガチャルはラスト3.5km区間(7分33秒/平均27.8km/h)を平均410ワット、スプリント時最大1040ワット(体重66kg)で踏み込んでいる。なお体重82kgのガンナの同区間平均パワーは490ワットだった。
今季初勝利を挙げたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:UAE Tour
笑顔でリーダージャージを受け取ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:UAE Tour
「ビッグネームたちが全員残っていたので独走は無理。スプリントになるだろうと思っていたよ。新型コロナウイルスからも回復しトレーニングもうまくいっていたものの、レースでは全てが異なる可能性があるので不安を残していたんだ。幸い病気の間も症状は軽かったし、チームからのサポートも手厚く安心できた。今日の結果はチーム全体の仕事のおかげ。明日以降のやる気にもつながる勝利だ」と、チームのホームレースで幸先良い一勝を挙げ、最強オールラウンダーであることを今一度示したポガチャルは話している。
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7日間に渡り開催されるUAEツアー(UCI2.ワールドツアー)のうち、第4ステージは合計2日間用意される山頂フィニッシュの1回目。平均5.4%と緩斜面勾配ながら、実に21km以上も登坂が続く「ジュベルジャイス」で今大会最初のクライマーバトルが繰り広げられた。
16世紀に建設されたフジャイラ市の砦、フジャイラフォートを出発し、逃げを打ったのはルーカ・ラステッリ(イタリア、バルディアーニ CSFファイザネ)とヤコブ・イーホルム(デンマーク、トレック・セガフレード)の2人。メイン集団ではレース序盤にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が落車し頭を打ち付けたものの、再乗車してレース復帰。チームによればカヴェンディッシュの怪我は擦過傷のみであり、幸い脳震盪などの影響はないという。
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ヤングライダー賞対象選手のラステッリとイーホルムは最大7分差を得て逃げたものの、100km地点を境にタイム差は緩やかに減少していく。
個人総合首位シュテファン・ビッセガー(スイス)を擁するEFエデュケーション・イージーポストがコントロールする集団からは中間スプリントポイントをきっかけにヤスパー・フィリプセンとアシストのヨナス・リッカールト(共にベルギー、アルペシン・フェニックス)、そしてドミトリ・ストラコフ(ロシア・ガスプロム・ルスヴェロ)が飛び出す場面もあったものの、ジュベルジャイスを前にメイン集団へと戻っている。
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いよいよジュベルジャイスに突入し、残り17kmを切って逃げた2名を捉えると、EFエデュケーションのコントロールをタデイ・ポガチャル(スロベニア)の総合2連覇を目論むUAEチームエミレーツが突き崩す。TTスペシャリストのミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)が5%勾配でスピードを30km/hまで引き上げ、続いて新加入ジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)にバトンタッチ。フィニッシュまで9kmを切ってラファル・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)がジャブを打ち込むと、まだ人数を残した集団からは総合4位のトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が遅れを喫した。
マイカやレイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)などサブエース選手たちが飛び出す場面もあったものの、アダム・イェーツ(イギリス)をエースに据えるイネオス・グレナディアーズが引き戻し、吸収。ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)の攻撃に反応したポガチャルやイェーツ、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)など一時的にエース選手が抜け出したが、UAEが再びコントロールに入ったため集団は一つのままフィニッシュへ。
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ネオプロのオーストラリア王者ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)による早駆けはポガチャルを引き連れたマイカによって封じられ、ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックに反応し、残り200mを切ってポガチャルがスプリント。追いすがるイェーツを大きく突き放し、何度か後ろを振り返る余裕すら見せつけてツール・ド・フランス覇者が勝利した。
圧倒的なチーム力で主導権を握り、圧倒的なスプリント力で2022年ワールドツアーレース初の山頂フィニッシュを制したポガチャル。総合2位フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)も最後まで集団に残るなど驚きの登坂力を披露したものの、ポガチャルから3秒遅れ、更にタイムボーナスも取れなかったため首位浮上ならず。ポガチャルがガンナに2秒、ウラソフに13秒、イェーツに15秒差をつけて総合首位浮上に成功した。
「いつだって勝利は嬉しい。今日勝てたことは僕にとって、そしてチームにとって素晴らしいことだ。ジョアンとラファルの動きは強力でクライマーチームとして最強だった。彼らの働きに報いる勝利となったし、こうやってシーズンインできたことがとても嬉しい」と言うポガチャル。Velonによれば、ポガチャルはラスト3.5km区間(7分33秒/平均27.8km/h)を平均410ワット、スプリント時最大1040ワット(体重66kg)で踏み込んでいる。なお体重82kgのガンナの同区間平均パワーは490ワットだった。
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「ビッグネームたちが全員残っていたので独走は無理。スプリントになるだろうと思っていたよ。新型コロナウイルスからも回復しトレーニングもうまくいっていたものの、レースでは全てが異なる可能性があるので不安を残していたんだ。幸い病気の間も症状は軽かったし、チームからのサポートも手厚く安心できた。今日の結果はチーム全体の仕事のおかげ。明日以降のやる気にもつながる勝利だ」と、チームのホームレースで幸先良い一勝を挙げ、最強オールラウンダーであることを今一度示したポガチャルは話している。
UAEツアー2022第4ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 4:49:24 |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:03 |
5位 | ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
6位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | |
7位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン) | |
9位 | ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
10位 | ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 14:02:34 |
2位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:02 |
3位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:13 |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:15 |
5位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:23 |
6位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:28 |
7位 | ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:35 |
8位 | オスカル・ロドリゲス(スペイン、モビスター) | +0:38 |
9位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:40 |
10位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン) | +0:41 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
ヤングライダー賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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