2021/12/28(火) - 11:13
鈴木来人(Team S1NEO LOUDEAC)が出場したスーパープレスティージュ第6戦で、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が圧勝。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)は失速し、途中リタイアを選んでいる。
クリスマス休暇突入に伴い、フルスロットルでレースを消化しているヨーロッパのシクロクロスカレンダー。UCIシクロクロスワールドカップ第12戦の翌日、舞台をフランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊、テラーメンの森に設営されたゾルダーサーキットに移し、スーパープレスティージュ第6戦が行われた。
シクロクロスシーズン中の名物コースとして君臨し、世界選手権などビッグレースを招致してきた林間コース。この日は全日本選手権後にフランスに戻った鈴木来人(Team S1NEO LOUDEAC)が男子エリートレースに出場を果たした。
ファンエンペルを下し、ブラントが連勝記録を伸ばす
99名が参戦した女子レースは序盤、カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)や連勝街道を爆走中の世界女王ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がレースをリード。大人数の先頭グループが互いに牽制しながら3周を消化(全6周回)すると、均衡を破るようにブラントが加速した。
ブランドが普段通りの勝ちパターンに持ち込むかと思われたが、アルカンシエルの背中にフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が食いついた。セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)がレースを降りる一方、先頭争いはブラントと、雪のW杯イタリアラウンドで勝利を挙げ波に乗る19歳の一騎打ちの様相を呈していく。デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)たちの2位グループもハイペースを維持したが、互いの勝負に集中する2人との15秒差は最後まで縮まらなかった。
鍔迫り合いを続けるブラントとファンエンペルの間に差が生まれたのは、フィニッシュ手前のテクニカルな下り区間だった。先頭ブラントが勢いよく下り、続くファンエンペルもノーミスながら通過速度が遅く差が生まれてしまう。差が生まれていることを確認し、逃げ切り体制に入ったブランドがファンエンペルの追走を抑えきった。
ファンアールトが圧倒的な力で5連勝、ファンデルプールはレースから降りる
男子レース(エリート+U23)は今季成績を伸ばすダーン・ソエテ(ベルギー、CXチームデスシャフト・グループヘンス・マースコンテナーズ)のホールショットで動き出し、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がすぐさま追従。トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は7番手前後から、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)は10番手前後から追い上げを目指した。
すると早くも2周目に、ベルギーチャンピオンジャージを着るファンアールトが動いた。「(スタート後は)少し待ち、レースの中での身体の様子を確かめた。すぐにリードを築き、調子が上がってきたことを確認できたので自分のペースを維持できたんだ」と言うファンアールトは、すぐにトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)やクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)を引き離して独走態勢に。ファンデルプール率いる2位グループに対し、わずか1周弱の間に17秒のリードを稼ぎ出した。
脚力とテクニックを問うレイアウトではあるものの、トップ選手間で差がつきにくい「流れるコース」。ファンデルプールは何度か追走を試みたものの、ライバル勢の合流を許し、落車も重なって集団内のペースに追従できず、脱落。リズムを失った世界王者はスタートから45分後にレースを降りることを選んだ。
独走するファンアールトの後方ではピドコックとヘルマンス、そしてエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)の3人が2位グループを組んだものの、先頭との距離は広がるばかり。ファンアールトもタイヤを滑らせて落車したものの、その独走態勢が揺らぐことは最後までなかった。
ハイペースを貫き通したファンアールトが、2日連続優勝&今季参加した5レース全てで優勝。「この2レースを満足して終えることができた。2日間しっかり休息を取り、木曜日に控えるローンハウト(X2Oトロフェー)を目指したい」と、2016年に初めてアルカンシエルに袖を通した好相性のゾルダーで、今シーズンの世界選手権に向けて弾みをつけている。
また、105番スタートだった鈴木はマイナス4ラップの74位。「フランスに来て一番初めに出たCDF Pierricのときと同じく無力感を感じています。今まで走ったコースの中で1番難しくエキサイティングでした」とTwitterに綴っている。次戦は木曜日のX2Oトロフェーであり、「こちらはU23のレースなのでしっかりとフルラップを目指して頑張ります」と話している。
クリスマス休暇突入に伴い、フルスロットルでレースを消化しているヨーロッパのシクロクロスカレンダー。UCIシクロクロスワールドカップ第12戦の翌日、舞台をフランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊、テラーメンの森に設営されたゾルダーサーキットに移し、スーパープレスティージュ第6戦が行われた。
シクロクロスシーズン中の名物コースとして君臨し、世界選手権などビッグレースを招致してきた林間コース。この日は全日本選手権後にフランスに戻った鈴木来人(Team S1NEO LOUDEAC)が男子エリートレースに出場を果たした。
ファンエンペルを下し、ブラントが連勝記録を伸ばす
99名が参戦した女子レースは序盤、カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)や連勝街道を爆走中の世界女王ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がレースをリード。大人数の先頭グループが互いに牽制しながら3周を消化(全6周回)すると、均衡を破るようにブラントが加速した。
ブランドが普段通りの勝ちパターンに持ち込むかと思われたが、アルカンシエルの背中にフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が食いついた。セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)がレースを降りる一方、先頭争いはブラントと、雪のW杯イタリアラウンドで勝利を挙げ波に乗る19歳の一騎打ちの様相を呈していく。デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)たちの2位グループもハイペースを維持したが、互いの勝負に集中する2人との15秒差は最後まで縮まらなかった。
鍔迫り合いを続けるブラントとファンエンペルの間に差が生まれたのは、フィニッシュ手前のテクニカルな下り区間だった。先頭ブラントが勢いよく下り、続くファンエンペルもノーミスながら通過速度が遅く差が生まれてしまう。差が生まれていることを確認し、逃げ切り体制に入ったブランドがファンエンペルの追走を抑えきった。
ファンアールトが圧倒的な力で5連勝、ファンデルプールはレースから降りる
男子レース(エリート+U23)は今季成績を伸ばすダーン・ソエテ(ベルギー、CXチームデスシャフト・グループヘンス・マースコンテナーズ)のホールショットで動き出し、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がすぐさま追従。トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は7番手前後から、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)は10番手前後から追い上げを目指した。
すると早くも2周目に、ベルギーチャンピオンジャージを着るファンアールトが動いた。「(スタート後は)少し待ち、レースの中での身体の様子を確かめた。すぐにリードを築き、調子が上がってきたことを確認できたので自分のペースを維持できたんだ」と言うファンアールトは、すぐにトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)やクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)を引き離して独走態勢に。ファンデルプール率いる2位グループに対し、わずか1周弱の間に17秒のリードを稼ぎ出した。
脚力とテクニックを問うレイアウトではあるものの、トップ選手間で差がつきにくい「流れるコース」。ファンデルプールは何度か追走を試みたものの、ライバル勢の合流を許し、落車も重なって集団内のペースに追従できず、脱落。リズムを失った世界王者はスタートから45分後にレースを降りることを選んだ。
独走するファンアールトの後方ではピドコックとヘルマンス、そしてエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)の3人が2位グループを組んだものの、先頭との距離は広がるばかり。ファンアールトもタイヤを滑らせて落車したものの、その独走態勢が揺らぐことは最後までなかった。
ハイペースを貫き通したファンアールトが、2日連続優勝&今季参加した5レース全てで優勝。「この2レースを満足して終えることができた。2日間しっかり休息を取り、木曜日に控えるローンハウト(X2Oトロフェー)を目指したい」と、2016年に初めてアルカンシエルに袖を通した好相性のゾルダーで、今シーズンの世界選手権に向けて弾みをつけている。
また、105番スタートだった鈴木はマイナス4ラップの74位。「フランスに来て一番初めに出たCDF Pierricのときと同じく無力感を感じています。今まで走ったコースの中で1番難しくエキサイティングでした」とTwitterに綴っている。次戦は木曜日のX2Oトロフェーであり、「こちらはU23のレースなのでしっかりとフルラップを目指して頑張ります」と話している。
スーパープレスティージュ2021-2022第6戦女子結果
1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 48:30 |
2位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:02 |
3位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +0:21 |
4位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:22 |
5位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:30 |
6位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) | +0:47 |
7位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +0:55 |
8位 | マノン・バッカー(オランダ、IKOクレラン) | +1:27 |
9位 | エヴァ・リヒナー(イタリア) | +1:34 |
10位 | ヤラ・カステリン(オランダ、IKOクレラン) | +1:37 |
スーパープレスティージュ2021-2022第6戦男子結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 1:03:36 |
2位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:04 |
3位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:04 |
4位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム) | +1:21 |
5位 | トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:45 |
6位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・サーカスCXチーム) | +1:57 |
7位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +2:04 |
8位 | ケヴィン・クーン(スイス、トルマンス・サーカスCXチーム) | +2:09 |
9位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | +2:15 |
10位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:15 |
74位 | 鈴木来人(Team S1NEO LOUDEAC) | -4LAPS |
text:So Isobe
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