2010/07/02(金) - 07:08
マイヨジョーヌ争いと並行して繰り広げられるのが、マイヨブラン(新人賞ジャージ)を巡る攻防だ。純白のジャージは言わば若手対象のマイヨジョーヌ。総合優勝候補でもアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)やロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)らを中心に争われるだろう。
1975年に導入されたマイヨブラン、将来のマイヨジョーヌ候補が鎬を削るもう一つの総合争い。日本では「新人賞」で通っているが、忠実に訳すならば「若手賞」。対象となるのは、プロ1年目の新人だけではなく1985年1月1日生まれ以降の選手、つまり25歳未満の選手だ。
しかし若手と侮るなかれ、実際は新人賞対象選手が総合争いに絡むことも多い。1983年にはローラン・フィニョン(フランス)、1997年にはヤン・ウルリッヒ(ドイツ)、2007年にはアルベルト・コンタドール(スペイン)がマイヨジョーヌとマイヨブランを同時に獲得している。
今年のマイヨブラン争いは三つ巴の闘いが予想される。その中心にいるのは、過去2年連続でマイヨブランを獲得しているアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)だ。
昨年コンタドールに次いで総合2位に入ったアンディは、今年が最後の新人賞対象ツール。新人賞を狙って出場するわけではないが、総合優勝を狙ううちに自然とマイヨブランが近づくだろう。
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)は昨年ツールで体調を崩しながらも新人賞3位。本来の力を発揮することが出来れば、アンディの最大のライバルになりうる。
そしてもう一人、山岳力に秀でたロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)も忘れてはならない。ツール・ド・スイスの難関山岳ステージで優勝したヘーシンクは、オランダが期待を寄せる次世代のオールラウンダー。将来的にマイヨジョーヌを争うことになるであろうこの3人の闘いに注目が集まる。
昨年のジロ・デ・イタリアで新人賞に輝いたケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)や、ツール・ド・スイスでステージ優勝を飾ったルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ)、レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)らも新人賞対象選手。
アルプス山岳突入までの前半ステージでは、昨年マイヨブランを12日間着続けたトニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)やエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)がマイヨブランを着ることになるだろう。いずれもプロローグでは上位に絡む実力の持ち主。最終的な新人賞争いに加わることが出来ないとしても、前半戦を盛り上げてくれるはず。
ちなみに今大会の最年少はフットオン・セルヴェット所属のファビオ・フェリーネ(イタリア)で、1990年3月29日生まれの20歳。平成生まれだ。
2009年ツールの新人賞ランキング(チーム名は当時の所属チーム)
1位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) 85h52'46"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +3'24"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス) +10'05"
4位 ピエール・ロラン(フランス、Bboxブイグテレコム) +33'33"
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)+34'09"
6位 ブリース・フェイユ(フランス、アグリチュベル) +37'03"
7位 ピーター・ベリトス(スロバキア、チームミルラム) +42'24"
8位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク) +45'36"
9位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア・HTC) +50'53"
10位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、Bboxブイグテレコム) +1h04'50"
歴代のマイヨブラン獲得者
2009年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合2位
2008年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合12位
2007年 アルベルト・コンタドール(スペイン) 総合1位
2006年 ダミアーノ・クネゴ(イタリア) 総合12位
2005年 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ) 総合12位
2004年 ウラディミール・カルペツ(ロシア) 総合13位
2003年 デニス・メンショフ(ロシア) 総合11位
2002年 イヴァン・バッソ(イタリア) 総合11位
2001年 オスカル・セビリャ(スペイン) 総合7位
2000年 フランシスコ・マンセーボ(スペイン) 総合9位
1999年 ブノワ・サルモン(フランス) 総合16位
1998年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合2位
1997年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合1位
1996年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合2位
1995年 マルコ・パンターニ(イタリア) 総合13位
1994年 マルコ・パンターニ(イタリア) 総合3位
1993年 アントニオ・マルティン・ベラスコ(スペイン) 総合12位
1992年 エディ・ボウマンス(オランダ) 総合14位
1991年 アルバロ・メヒア(コロンビア) 総合19位
1990年 ジル・ドリオン(フランス) 総合15位
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
1975年に導入されたマイヨブラン、将来のマイヨジョーヌ候補が鎬を削るもう一つの総合争い。日本では「新人賞」で通っているが、忠実に訳すならば「若手賞」。対象となるのは、プロ1年目の新人だけではなく1985年1月1日生まれ以降の選手、つまり25歳未満の選手だ。
しかし若手と侮るなかれ、実際は新人賞対象選手が総合争いに絡むことも多い。1983年にはローラン・フィニョン(フランス)、1997年にはヤン・ウルリッヒ(ドイツ)、2007年にはアルベルト・コンタドール(スペイン)がマイヨジョーヌとマイヨブランを同時に獲得している。
今年のマイヨブラン争いは三つ巴の闘いが予想される。その中心にいるのは、過去2年連続でマイヨブランを獲得しているアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)だ。
昨年コンタドールに次いで総合2位に入ったアンディは、今年が最後の新人賞対象ツール。新人賞を狙って出場するわけではないが、総合優勝を狙ううちに自然とマイヨブランが近づくだろう。
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)は昨年ツールで体調を崩しながらも新人賞3位。本来の力を発揮することが出来れば、アンディの最大のライバルになりうる。
そしてもう一人、山岳力に秀でたロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)も忘れてはならない。ツール・ド・スイスの難関山岳ステージで優勝したヘーシンクは、オランダが期待を寄せる次世代のオールラウンダー。将来的にマイヨジョーヌを争うことになるであろうこの3人の闘いに注目が集まる。
昨年のジロ・デ・イタリアで新人賞に輝いたケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)や、ツール・ド・スイスでステージ優勝を飾ったルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ)、レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)らも新人賞対象選手。
アルプス山岳突入までの前半ステージでは、昨年マイヨブランを12日間着続けたトニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)やエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)がマイヨブランを着ることになるだろう。いずれもプロローグでは上位に絡む実力の持ち主。最終的な新人賞争いに加わることが出来ないとしても、前半戦を盛り上げてくれるはず。
ちなみに今大会の最年少はフットオン・セルヴェット所属のファビオ・フェリーネ(イタリア)で、1990年3月29日生まれの20歳。平成生まれだ。
2009年ツールの新人賞ランキング(チーム名は当時の所属チーム)
1位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) 85h52'46"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +3'24"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス) +10'05"
4位 ピエール・ロラン(フランス、Bboxブイグテレコム) +33'33"
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)+34'09"
6位 ブリース・フェイユ(フランス、アグリチュベル) +37'03"
7位 ピーター・ベリトス(スロバキア、チームミルラム) +42'24"
8位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク) +45'36"
9位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア・HTC) +50'53"
10位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、Bboxブイグテレコム) +1h04'50"
歴代のマイヨブラン獲得者
2009年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合2位
2008年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合12位
2007年 アルベルト・コンタドール(スペイン) 総合1位
2006年 ダミアーノ・クネゴ(イタリア) 総合12位
2005年 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ) 総合12位
2004年 ウラディミール・カルペツ(ロシア) 総合13位
2003年 デニス・メンショフ(ロシア) 総合11位
2002年 イヴァン・バッソ(イタリア) 総合11位
2001年 オスカル・セビリャ(スペイン) 総合7位
2000年 フランシスコ・マンセーボ(スペイン) 総合9位
1999年 ブノワ・サルモン(フランス) 総合16位
1998年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合2位
1997年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合1位
1996年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合2位
1995年 マルコ・パンターニ(イタリア) 総合13位
1994年 マルコ・パンターニ(イタリア) 総合3位
1993年 アントニオ・マルティン・ベラスコ(スペイン) 総合12位
1992年 エディ・ボウマンス(オランダ) 総合14位
1991年 アルバロ・メヒア(コロンビア) 総合19位
1990年 ジル・ドリオン(フランス) 総合15位
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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