2021/12/12(日) - 20:08
好天に恵まれたシクロクロス全日本選手権の2日目、午前中に行われたレースで若き新チャンピオンたちが誕生。男子U23で村上功太郎(松山大学/TOYOFRAME)が、男子ジュニアでは柚木伸元(朝明高校)がライバルとの好勝負を制した。
いよいよシクロクロス日本一を決めるクライマックスの日曜日。霞ヶ浦に面した会場「りんりんポート土浦」は晴天に恵まれたものの、午前中は日陰のキャンバー部分など一部に滑りやすい区間を残す状態に。「パッ見はド平坦のパワーコースだけど、脚だけでは勝てない」との声が多く聞かれるコースコンディションで、次代を担う若きチャンピオンが選りすぐられた。
男女それぞれU15とU17の時差スタートとなった第1レースでは、松井楓良(三味線Racing)との勝負を制した野嵜然新(左/RACING TORQUE)がU17チャンピオンに。U15では松山海司(Sonic-Racing)が、女子のU17は西原夕華(トーヨーCT)、U15は日吉彩華(LimitedTeam846まるいち)が制した。
男子ジュニア:柚木伸元が高橋翔を下す
男子ジュニアレースではU23に上がった昨年覇者の村上裕二郎(明治大学)に代わり、柚木伸元(朝明高校)と昨年U17覇者でありMTB全日本男子ユースチャンピオンの高橋翔(cycleclub 3UP.)という優勝候補2人が一騎打ちを繰り広げた。
中盤までランデブーを続けた2人だったが、やがて「MTB全日本では同時出走の高橋くんに負けていたので、厳しい戦いになると思っていました。それでも前半は後ろについて様子を見て、彼の不得意な泥区間で仕掛けたんです」と言う柚木が独走態勢に。最終的に1分近くまでリードを広げ、柚木がMTB全日本選手権での借りを返した。高橋は3番手を走る長島慧明(北桑田高校)の猛チャージから辛くも逃げ切り2位をキープしている。
女子ジュニア:「苦しいレース」で中島瞳が勝利
女子ジュニアではMTB出身の中島瞳(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝候補筆頭と目されていたものの、ロードとトラック競技に取り組む松山学院高校の大蔵こころと水谷彩奈の厳しいマークを受け続ける展開となった。
「テクニックでは負けないと試走段階で分かっていたんですが、後ろを振り払えず一瞬も気が抜けなかった」と言う中島は、苦しい表情ながらハイペースを維持し、まず水谷を引き離すことに成功。しかし、泥レースの昨年大会で沈んだリベンジに燃える大蔵は離れず、二人は横一線でホームストレートへ。「テクニック不足で不必要なインターバルを強いられた」と悔やむ大蔵に対し、中島がロングスプリントで耐え続け、僅かなリードを守りきった。
「ずっと勝ててなかったので、”安心”という気持ちが一番に大きいですね」と安堵する中島。今後の進路はまだ決めかねていると言うものの、自転車競技は続け、練習を重ねてジュニアチャンピオンに恥じない走りをしていきたい、とも。大学進学する大蔵は主軸のロードとトラック競技でインカレ制覇を狙いつつ、冬場は引き続きシクロクロスにも取り組んでいきたいと話している。
好勝負の男子U23:起死回生アタックを成功させた村上功太郎がカテゴリー2勝目
昨年覇者の鈴木来人(Team S1NEO LOUDEAC)や村上兄弟、副島達海(Limited Team 846)、さらに津田悠義(CCF)、MTB-XCEチャンピオンの森下尚仁(Click八幡)など、多数の有力候補たちが顔を揃えた男子U23レース。ハイペースで進んだ序盤戦を経て、順当に鈴木と村上兄弟が抜け出した。
「絶不調でMTB全日本から疲れが抜けず、とても苦しかった」と言う村上功太郎(松山大学/TOYOFRAME)が離されては復活する先頭グループの背後では、村上をマキノ高原で破った副島達海(Limited Team 846)が猛追していたものの、芝生から舗装路に出る直角コーナーで落車してしまう。リズムが乱れた副島は合流のチャンスを失い、最終的に4位に甘んじている。
先頭グループは3人のまま最終周回に入り、このコース唯一の難所と言える後半のキャンバー区間へ。スプリント勝負を見据える鈴木が先頭を走っていたものの、苦しい表情で走り続けていた村上功太郎が「あの場所で行かなきゃ絶対後悔する」と最後尾からアタックし、ノーミスでキャンバーをクリア。残り数百メートル地点で、「先行されて、登り返しで間を詰めすぎて失速してしまいました。完全に自分のミスでした」と悔やむ2番手鈴木と2,3mの差が生まれた。
そのまま直線を踏み抜き、逃げ切った村上功太郎がフィニッシュライン上で力強くガッツポーズ。U23最終年度で、大雪の2018年マキノ大会に続くカテゴリー2勝目を手に入れた。
「何度も遅れかける苦しいレースでしたが、U23最後の全日本を気持ち良く締めくくれて良かった。勝負ポイントは”あの場所しかない”と思っていました。ここで前に出たらみんな焦るだろう、と」と笑顔でレースを振り返る。来シーズンはヨーロッパかオーストラリアでMTBレースにチャレンジをしたい、とも。2位には弟の裕二郎が入り、村上兄弟がワンツーフィニッシュを達成している。
一方、待ち態勢を出し抜かれた鈴木は悔しい3位。フィニッシュ後に「チャンピオンジャージを持ち帰れなくて本当に悔しい」と天を仰いだ。フランスUCIチームに籍を置き活動する鈴木は火曜日にフランスに戻り、今シーズン終了まで転戦を続けるという。「向こうで強くなって、来年誰にも文句言わせないレースを見せたい」とリベンジを誓った。
いよいよシクロクロス日本一を決めるクライマックスの日曜日。霞ヶ浦に面した会場「りんりんポート土浦」は晴天に恵まれたものの、午前中は日陰のキャンバー部分など一部に滑りやすい区間を残す状態に。「パッ見はド平坦のパワーコースだけど、脚だけでは勝てない」との声が多く聞かれるコースコンディションで、次代を担う若きチャンピオンが選りすぐられた。
男女それぞれU15とU17の時差スタートとなった第1レースでは、松井楓良(三味線Racing)との勝負を制した野嵜然新(左/RACING TORQUE)がU17チャンピオンに。U15では松山海司(Sonic-Racing)が、女子のU17は西原夕華(トーヨーCT)、U15は日吉彩華(LimitedTeam846まるいち)が制した。
男子ジュニア:柚木伸元が高橋翔を下す
男子ジュニアレースではU23に上がった昨年覇者の村上裕二郎(明治大学)に代わり、柚木伸元(朝明高校)と昨年U17覇者でありMTB全日本男子ユースチャンピオンの高橋翔(cycleclub 3UP.)という優勝候補2人が一騎打ちを繰り広げた。
中盤までランデブーを続けた2人だったが、やがて「MTB全日本では同時出走の高橋くんに負けていたので、厳しい戦いになると思っていました。それでも前半は後ろについて様子を見て、彼の不得意な泥区間で仕掛けたんです」と言う柚木が独走態勢に。最終的に1分近くまでリードを広げ、柚木がMTB全日本選手権での借りを返した。高橋は3番手を走る長島慧明(北桑田高校)の猛チャージから辛くも逃げ切り2位をキープしている。
女子ジュニア:「苦しいレース」で中島瞳が勝利
女子ジュニアではMTB出身の中島瞳(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝候補筆頭と目されていたものの、ロードとトラック競技に取り組む松山学院高校の大蔵こころと水谷彩奈の厳しいマークを受け続ける展開となった。
「テクニックでは負けないと試走段階で分かっていたんですが、後ろを振り払えず一瞬も気が抜けなかった」と言う中島は、苦しい表情ながらハイペースを維持し、まず水谷を引き離すことに成功。しかし、泥レースの昨年大会で沈んだリベンジに燃える大蔵は離れず、二人は横一線でホームストレートへ。「テクニック不足で不必要なインターバルを強いられた」と悔やむ大蔵に対し、中島がロングスプリントで耐え続け、僅かなリードを守りきった。
「ずっと勝ててなかったので、”安心”という気持ちが一番に大きいですね」と安堵する中島。今後の進路はまだ決めかねていると言うものの、自転車競技は続け、練習を重ねてジュニアチャンピオンに恥じない走りをしていきたい、とも。大学進学する大蔵は主軸のロードとトラック競技でインカレ制覇を狙いつつ、冬場は引き続きシクロクロスにも取り組んでいきたいと話している。
好勝負の男子U23:起死回生アタックを成功させた村上功太郎がカテゴリー2勝目
昨年覇者の鈴木来人(Team S1NEO LOUDEAC)や村上兄弟、副島達海(Limited Team 846)、さらに津田悠義(CCF)、MTB-XCEチャンピオンの森下尚仁(Click八幡)など、多数の有力候補たちが顔を揃えた男子U23レース。ハイペースで進んだ序盤戦を経て、順当に鈴木と村上兄弟が抜け出した。
「絶不調でMTB全日本から疲れが抜けず、とても苦しかった」と言う村上功太郎(松山大学/TOYOFRAME)が離されては復活する先頭グループの背後では、村上をマキノ高原で破った副島達海(Limited Team 846)が猛追していたものの、芝生から舗装路に出る直角コーナーで落車してしまう。リズムが乱れた副島は合流のチャンスを失い、最終的に4位に甘んじている。
先頭グループは3人のまま最終周回に入り、このコース唯一の難所と言える後半のキャンバー区間へ。スプリント勝負を見据える鈴木が先頭を走っていたものの、苦しい表情で走り続けていた村上功太郎が「あの場所で行かなきゃ絶対後悔する」と最後尾からアタックし、ノーミスでキャンバーをクリア。残り数百メートル地点で、「先行されて、登り返しで間を詰めすぎて失速してしまいました。完全に自分のミスでした」と悔やむ2番手鈴木と2,3mの差が生まれた。
そのまま直線を踏み抜き、逃げ切った村上功太郎がフィニッシュライン上で力強くガッツポーズ。U23最終年度で、大雪の2018年マキノ大会に続くカテゴリー2勝目を手に入れた。
「何度も遅れかける苦しいレースでしたが、U23最後の全日本を気持ち良く締めくくれて良かった。勝負ポイントは”あの場所しかない”と思っていました。ここで前に出たらみんな焦るだろう、と」と笑顔でレースを振り返る。来シーズンはヨーロッパかオーストラリアでMTBレースにチャレンジをしたい、とも。2位には弟の裕二郎が入り、村上兄弟がワンツーフィニッシュを達成している。
一方、待ち態勢を出し抜かれた鈴木は悔しい3位。フィニッシュ後に「チャンピオンジャージを持ち帰れなくて本当に悔しい」と天を仰いだ。フランスUCIチームに籍を置き活動する鈴木は火曜日にフランスに戻り、今シーズン終了まで転戦を続けるという。「向こうで強くなって、来年誰にも文句言わせないレースを見せたい」とリベンジを誓った。
シクロクロス全日本選手権2021 男子U23結果
1位 | 村上功太郎(松山大学/TOYOFRAME) | 50:30 |
2位 | 村上裕二郎(明治大学) | +0:01 |
3位 | 鈴木来人(Team S1NEO LOUDEAC) | +0:01 |
4位 | 副島達海(Limited Team 846) | +0:25 |
5位 | 津田悠義(CCF) | +0:36 |
6位 | 積田連(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | +0:40 |
シクロクロス全日本選手権2021 男子ジュニア
1位 | 柚木伸元(朝明高校) | 39:00 |
2位 | 高橋翔(cycleclub 3UP.) | +0:56 |
3位 | 長島慧明(北桑田高校) | +1:03 |
シクロクロス全日本選手権2021 女子ジュニア
1位 | 中島瞳(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 44:22 |
2位 | 大蔵こころ(松山学院高校) | +0:00 |
3位 | 水谷彩奈(松山学院高校) | +0:43 |
シクロクロス全日本選手権2021 男子U17
1位 | 野嵜然新(RACING TORQUE) | 27:11 |
2位 | 松井楓良(三味線Racing) | +0:00 |
3位 | 成田光志(Dream Seeker Jr.) | +0:08 |
シクロクロス全日本選手権2021 女子U17
1位 | 西原夕華(トーヨーCT) | 29:04 |
2位 | 日吉愛華(LimitedTeam846まるいち) | +0:29 |
3位 | 松崎光優(Touch me CXチーム) | +3:44 |
シクロクロス全日本選手権2021 男子U15
1位 | 松山海司(Sonic-Racing) | 27:18 |
2位 | 松村拓弥 | +0:28 |
3位 | 佐竹清亮(アラスカワークス) | +0:35 |
シクロクロス全日本選手権2021 女子U15
1位 | 日吉彩華(LimitedTeam846まるいち) | 29:09 |
2位 | 石川七海(Champion System Japan) | +0:20 |
3位 | 小林碧(ProRide) | +7:43 |
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