2021/12/05(日) - 08:01
やはり元世界王者は強かった。雨泥コンディションのスーパープレスティージュでシーズンインを果たしたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が圧勝。序盤に抜け出し、大差で逃げ切るという強い走りを披露した。
ベルギー、アントワープ郊外の街ボームで開催されたスーパープレスティージュ第5戦。元CX世界王者にして今年ツール・ド・フランスで区間3勝をあげたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)と、東京オリンピックMTB金メダリストであるトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のシーズンイン戦として開催前から大きな注目を集めた。
湖畔沿いのコースは丘陵地帯を使った大きなアップダウンが特徴。ただでさえ脚が問われるコースだが、この日は大雨に濡れたことでコース内は一面の泥海と化し、よりパワーとランニング能力が問われる過酷な条件に変貌。コースの至る所で発生したスリップダウンも勝負の鍵を握ることとなった。
女子エリート:ブラントが力で圧倒
「オランダ勢にどこまでマーガリー・ロシェット(カナダ、スペシャライズド・フィードバックスポーツ)が食い込めるか」という構図となっている女子レースで序盤リードしたのはインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777)。ハイペースを刻む元U23女子王者の背後には、やがて2位グループから抜け出した現世界女子王者ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が迫った。
合流し、先頭グループを組む2人のうち、先にミスしたのはファンデルヘイデンだった。下りキャンバーのコーナーでイン側ラインを選んだファンデルヘイデンは前輪を滑らせて転倒。ここで生まれた5秒ほどのビハインドは、フィニッシュまで埋まることはなかった。
「落車した彼女を待つことはせず、自分のペースをそのまま継続してギャップを広げることができた」と振り返るブラントは、そのまま3周半を逃げ切ってフィニッシュラインへ。今季10勝目まであと一歩に迫る9勝目を挙げた。「序盤は寒くてリズムに乗れなかったし、ブレーキも効かずに苦労したけれど何とかなった」と喜ぶブラントの背後では、ファンデルヘイデンが今季最高成績となる2位。デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が3位に食い込んでいる。
男子エリート:ファンアールトが「自分でも予想外」の勝利
注目の男子レースでは、序盤から複数選手が代わる代わる先頭に立つ一方、後方スタートだったファンアールトは1周目後半には先頭グループに合流。下りで抜群の安定感を披露するピドコックも2周目突入時に勝負の最前線へと加わった。
そこから長い登りで抜け出したのはファンアールトと泥を得意とするトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)。ランデブーに入るかと思われたものの、アールツは担ぎ区間のコースネットにバイクを引っ掛けてしまい、続く下り区間でスリップダウン。こうしてファンアールトが独走態勢に入った。
「今日のコースは僕のために作られたようなものだった。スタートは上手く決まりポジションを上げ、先頭に立った時誰もついてきていないことに気づき自分のペースで走ろうと決めたんだ。後半戦は疲れて落車もしたけれど、幸い怪我はしなかった」と言うファンアールトは、2番手グループとの間隔をぐいぐい広げ、そのまま復帰戦勝利を飾った。
「ここ数週間のトレーニングが報われたのでとても嬉しい。これからのレースへのモチベーションに繋がるよ」と言うファンアールトの1分40秒後ろでアールツが2位。スタートで出遅れつつ、後半ペースアップしたラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が3位表彰台に滑り込んだ。
ベルギー、アントワープ郊外の街ボームで開催されたスーパープレスティージュ第5戦。元CX世界王者にして今年ツール・ド・フランスで区間3勝をあげたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)と、東京オリンピックMTB金メダリストであるトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のシーズンイン戦として開催前から大きな注目を集めた。
湖畔沿いのコースは丘陵地帯を使った大きなアップダウンが特徴。ただでさえ脚が問われるコースだが、この日は大雨に濡れたことでコース内は一面の泥海と化し、よりパワーとランニング能力が問われる過酷な条件に変貌。コースの至る所で発生したスリップダウンも勝負の鍵を握ることとなった。
女子エリート:ブラントが力で圧倒
「オランダ勢にどこまでマーガリー・ロシェット(カナダ、スペシャライズド・フィードバックスポーツ)が食い込めるか」という構図となっている女子レースで序盤リードしたのはインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777)。ハイペースを刻む元U23女子王者の背後には、やがて2位グループから抜け出した現世界女子王者ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が迫った。
合流し、先頭グループを組む2人のうち、先にミスしたのはファンデルヘイデンだった。下りキャンバーのコーナーでイン側ラインを選んだファンデルヘイデンは前輪を滑らせて転倒。ここで生まれた5秒ほどのビハインドは、フィニッシュまで埋まることはなかった。
「落車した彼女を待つことはせず、自分のペースをそのまま継続してギャップを広げることができた」と振り返るブラントは、そのまま3周半を逃げ切ってフィニッシュラインへ。今季10勝目まであと一歩に迫る9勝目を挙げた。「序盤は寒くてリズムに乗れなかったし、ブレーキも効かずに苦労したけれど何とかなった」と喜ぶブラントの背後では、ファンデルヘイデンが今季最高成績となる2位。デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が3位に食い込んでいる。
男子エリート:ファンアールトが「自分でも予想外」の勝利
注目の男子レースでは、序盤から複数選手が代わる代わる先頭に立つ一方、後方スタートだったファンアールトは1周目後半には先頭グループに合流。下りで抜群の安定感を披露するピドコックも2周目突入時に勝負の最前線へと加わった。
そこから長い登りで抜け出したのはファンアールトと泥を得意とするトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)。ランデブーに入るかと思われたものの、アールツは担ぎ区間のコースネットにバイクを引っ掛けてしまい、続く下り区間でスリップダウン。こうしてファンアールトが独走態勢に入った。
「今日のコースは僕のために作られたようなものだった。スタートは上手く決まりポジションを上げ、先頭に立った時誰もついてきていないことに気づき自分のペースで走ろうと決めたんだ。後半戦は疲れて落車もしたけれど、幸い怪我はしなかった」と言うファンアールトは、2番手グループとの間隔をぐいぐい広げ、そのまま復帰戦勝利を飾った。
「ここ数週間のトレーニングが報われたのでとても嬉しい。これからのレースへのモチベーションに繋がるよ」と言うファンアールトの1分40秒後ろでアールツが2位。スタートで出遅れつつ、後半ペースアップしたラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が3位表彰台に滑り込んだ。
スーパープレスティージュ2021-2022第5戦女子結果
1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 47:24 |
2位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +0:37 |
3位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:43 |
4位 | マーガリー・ロシェット(カナダ、スペシャライズド・フィードバックスポーツ) | +0:59 |
5位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:04 |
6位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +1:18 |
7位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) | +1:38 |
8位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKOクレラン) | +1:53 |
9位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス) | +2:06 |
10位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) | +2:24 |
スーパープレスティージュ2021-2022第5戦男子結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 56:29 |
2位 | トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:40 |
3位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:48 |
4位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:52 |
5位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:54 |
6位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +2:01 |
7位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +2:13 |
8位 | メース・ヘンドリクス(オランダ、IKOクレラン) | +2:16 |
9位 | タイス・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:22 |
10位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・サーカスCXチーム) | +2:27 |
text:So Isobe
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