2021/11/02(火) - 10:20
石畳の激坂登坂を繰り返すX2Oバドカマートロフェー第1戦「コッペンベルグクロス」。スリッピーかつ重馬場の過酷な戦いで、エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とクララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール/シクロクロスワールド)が勝利した。
UCIワールドカップとスーパープレスティージュと三つ巴をなすシクロクロス3大シリーズの一つ「X2Oバドカマートロフェー」が開幕。着順によるポイントではなく、フィニッシュタイムの累積で総合ランキングを決める戦いであり、今年は11月1日(月)のコッペンベルグクロスに始まり、2月13日(日)のブリュッセル大学シクロクロスに終わる合計8戦が用意されている。
UCIワールドカップとスーパープレスティージュと三つ巴をなすシクロクロス3大シリーズの一つ「X2Oバドカマートロフェー」が開幕。着順によるポイントではなく、フィニッシュタイムの累積で総合ランキングを決める戦いであり、今年は11月1日(月)のコッペンベルグクロスに始まり、2月13日(日)のブリュッセル大学シクロクロスに終わる合計8戦が用意されている。
X2Oバドカマートロフェー2021-2022 スケジュール
11月1日(月) | オウデナールデ(コッペンベルグクロス) |
11月27日(土) | コルトレイク(アーバンクロス) |
12月30日(木) | ローンハウト(アゼンクロス) |
1月1日(土) | バール(GPスヴェンネイス) |
1月5日(水) | ヘレンタルス |
1月22(土) | ハンメ(フランドリアンクロス) |
2月6日(日) | リール(クワラテンクロス) |
2月13日(日) | ブリュッセル(ブリュッセル大学シクロクロス) |
前日に泥のUCIシクロクロスワールドカップ第5戦を終えたばかりの選手たちは、「欧州サーキットの中で最も過酷なコース」と言われる名物レース「コッペンベルグクロス」へ。その名の通りフランドルクラシックでお馴染みの石畳激坂コッペンベルグ(距離500m/最大勾配22%)が毎周回登場し、それ以外にも休みどころの無い厳しいアップダウンとオフキャンバーが連続する。特に今年は雨によってコースが湿り気を帯び、さらに折からの風が水分を飛ばしたことで超重馬場のヘビーマッドコースに変貌を遂げた。
U23世界王者ピム・ロンハール(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が優勝し、鎖骨骨折から復活したティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が3位に入った男子U23レースからインターバルを挟み開催された女子エリートレースでは、前日優勝で波に乗るデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が序盤リードを奪った。
バイクにベタベタとまとわりつく、重たく滑りやすい泥をかき分ける戦い。全米王者のクララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール/シクロクロスワールド)が2周目にベッツィマに追いつき、身軽な走りを武器にする2人がレースをリード。後方からは前日勝者カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)が迫ったものの、最後まで軽やかかつ慎重に走る先頭2人に追いつくことは無かった。
先頭を飛ばす2人のうち、常に主導権を握ったのはホンシンガーだった。「下りのライン選びと、登りのパワーが差を生んだと思う」と振り返る全米王者は、全ての勝負所でベッツィマからリードを奪い、10mほどの差で最後のコッペンベルグへ。ベッツィマも必死に追走したものの、パワフルに踏み込むホンシンガーがそのまま逃げ切った。
「これまでコッペンベルグを登ったことがなく、その長さと急勾配に驚いた。ロンド・ファン・フラーンデレンの中継でしか見たことがなかったこの坂で勝つだなんて特別な気分」と語るホンシンガー。昨年も激坂名物のワールドカップ「ナミュール」で2位に入るなど登坂レースへの適正を見せてきたが、ヨーロッパレースで勝つのは自身初。今後は11月まで欧州で活動し、全米選手権でのタイトル防衛と、アメリカで行われる世界選手権へ照準を合わせていくという。
「他のレースと較べられないほどキツかった」と振り返るベッツィマが2位、追走を続けたヴァスが3位に入り、ふたたびその好調ぶりを発揮している。
身軽な走りでイゼルビットが連勝
男子エリートレースで、スタート直後のコッペンベルグを先頭で駆け上がったのはラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)。やがてエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) が抜け出した。
会場に詰めかけたベルギーファンの後押しを受けてひた走る先頭2人のうち、好調ぶりを発揮したのはイゼルビットだった。「スタート後すぐに自分のペースに持ち込んだ。特にコッペンベルグではトーンより走れていたのでそこで差をつけたんだ」と振り返る欧州王者は、2周目ラストの石畳登坂で数秒のリードを稼ぎ、そのまま独走体制に。「コースの大部分ではロスを最小限に抑えたけれど、エリの軽い体重がコッペンベルグで差になってしまった」と言うアールツは2位を守ることに切り替えた。
曇りから嵐のような荒天に切り替わってもなお、先頭をひた走るイゼルビットのペースは変わらなかった。バイクを交換しながら力強い走りを続けたイゼルビッドが、前日のワールドカップに続く2日2勝。今週末に迫ったヨーロッパ選手権でのタイトル防衛に向けて大きな弾みをつけている。
U23世界王者ピム・ロンハール(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が優勝し、鎖骨骨折から復活したティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が3位に入った男子U23レースからインターバルを挟み開催された女子エリートレースでは、前日優勝で波に乗るデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が序盤リードを奪った。
バイクにベタベタとまとわりつく、重たく滑りやすい泥をかき分ける戦い。全米王者のクララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール/シクロクロスワールド)が2周目にベッツィマに追いつき、身軽な走りを武器にする2人がレースをリード。後方からは前日勝者カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)が迫ったものの、最後まで軽やかかつ慎重に走る先頭2人に追いつくことは無かった。
先頭を飛ばす2人のうち、常に主導権を握ったのはホンシンガーだった。「下りのライン選びと、登りのパワーが差を生んだと思う」と振り返る全米王者は、全ての勝負所でベッツィマからリードを奪い、10mほどの差で最後のコッペンベルグへ。ベッツィマも必死に追走したものの、パワフルに踏み込むホンシンガーがそのまま逃げ切った。
「これまでコッペンベルグを登ったことがなく、その長さと急勾配に驚いた。ロンド・ファン・フラーンデレンの中継でしか見たことがなかったこの坂で勝つだなんて特別な気分」と語るホンシンガー。昨年も激坂名物のワールドカップ「ナミュール」で2位に入るなど登坂レースへの適正を見せてきたが、ヨーロッパレースで勝つのは自身初。今後は11月まで欧州で活動し、全米選手権でのタイトル防衛と、アメリカで行われる世界選手権へ照準を合わせていくという。
「他のレースと較べられないほどキツかった」と振り返るベッツィマが2位、追走を続けたヴァスが3位に入り、ふたたびその好調ぶりを発揮している。
身軽な走りでイゼルビットが連勝
男子エリートレースで、スタート直後のコッペンベルグを先頭で駆け上がったのはラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)。やがてエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) が抜け出した。
会場に詰めかけたベルギーファンの後押しを受けてひた走る先頭2人のうち、好調ぶりを発揮したのはイゼルビットだった。「スタート後すぐに自分のペースに持ち込んだ。特にコッペンベルグではトーンより走れていたのでそこで差をつけたんだ」と振り返る欧州王者は、2周目ラストの石畳登坂で数秒のリードを稼ぎ、そのまま独走体制に。「コースの大部分ではロスを最小限に抑えたけれど、エリの軽い体重がコッペンベルグで差になってしまった」と言うアールツは2位を守ることに切り替えた。
曇りから嵐のような荒天に切り替わってもなお、先頭をひた走るイゼルビットのペースは変わらなかった。バイクを交換しながら力強い走りを続けたイゼルビッドが、前日のワールドカップに続く2日2勝。今週末に迫ったヨーロッパ選手権でのタイトル防衛に向けて大きな弾みをつけている。
X2Oバドカマートロフェー2021-2022第1戦 女子エリート結果
1位 | クララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール/シクロクロスワールド) | 51:07 |
2位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:12 |
3位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) | +0:35 |
4位 | ヤラ・カステリン(オランダ、IKOクレラン) | +1:42 |
5位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:01 |
6位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) | +2:12 |
7位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +3:01 |
8位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +3:19 |
9位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス、A.Sバイククロスチーム) | +3:47 |
10位 | ペリーヌ・クラウツェル(フランス、A.Sバイククロスチーム) | +4:54 |
X2Oバドカマートロフェー2021-2022第1戦 男子エリート結果
1位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:02:42 |
2位 | トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:24 |
3位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:18 |
4位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・サーカスCXチーム) | +2:41 |
5位 | トーン・ファンデボッシュ(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +2:47 |
6位 | トム・メーウセン(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | +2:59 |
7位 | ランデル・ロークス(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | +3:04 |
8位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +3:15 |
9位 | イェンス・アダムス(ベルギー、ホルベークホーフ) | +3:36 |
10位 | タイス・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +3:59 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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