2021/10/21(木) - 18:08
いよいよ明日開幕する全日本選手権ロードレース。タイムトライアルとロードレースの注目選手を、男女エリート、U23それぞれプレビューする。
■個人タイムトライアル
男子エリートは増田成幸の連覇に注目 中根英登はどうか?
男子エリートでは、2019年大会優勝の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)の連覇なるかが注目される。今年は東京五輪ロードレースに日本代表として出場したが、レース後に体調を崩していたことを明らかにしている。五輪後はJCL(ジャパンサイクルリーグ)を中心にレースに出場しているが、しっかり復調しているのかが気になるところだ。
過去の個人TT上位入賞者では、2019年の個人TT2位の岡篤志(NIPPO・プロヴァンス・PTSコンチ)、2018年3位の小石祐馬(チーム右京相模原)、2019年U23で2位の石原悠希(チーム右京相模原)が、今回の有力候補として挙げられる。
岡は今年欧州を拠点に活動してきたが、それ以前から個人TTでは上位に入る力を持っている。帰国後の調整・仕上がり次第ではあるが、広島のようなコースは得意とするところだろう。
今シーズン好調を維持している小石は、2015年にU23のチャンピオンになって以来のTT王者を目指す。チームメイトの石原も、オープン参加で出場したJプロツアー・かすみがうらタイムトライアルで好タイムを出しており、合わせてきていることが伺える。
今年初めの怪我から復調してきた佐野淳哉(レバンテフジ静岡)にも注目してみたい。個人TTでは優勝候補に挙げられながらも、全日本選手権では2位が5回。今年こそ...となるか?。
そして、やはり一番の注目は中根英登(EFエデュケーション-NIPPO)だろう。凱旋帰国とも言える今回の全日本で、初日にどのような走りを見せるか?
男子U23 復活の松田祥位か、新星留目夕陽か
U23では、松田祥位(エカーズ)、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)、兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)、香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)、留目夕陽(中央大学)らが優勝候補として挙げられる。
2017年ジュニアのTTチャンピオン松田は、昨年末からレースを離れて9月から復帰したが、Jプロツアーかすみがうらタイムトライアルでは実力の衰えを感じさせない走りを見せた。U23最後の年にタイトルを取ることが出来るか? 一方、今年U23に上がったばかりの留目夕陽(中央大学)は、今年の大学選手権個人TTで優勝しており、今回の全日本でもその力を見せてくるだろう。
女子エリートは樫木祥子が有力 パラサイクリングには杉浦佳子が出場
女子エリート+U23では、2015年以来連覇してきた與那嶺恵理(チームティブコSVB)が出場せず。エントリーリストを見る限りでは、樫木祥子(チームイルミネイト)が最有力か。ただし樫木はコロンビアのレースに出場しており、帰国後の自主隔離期間が全日本直前の終了となることが気になる。
U23の石田唯(早稲田大学)、太郎田水桜(法政大学)、石上夢乃(鹿屋体育大学)、岩元杏奈(日本体育大学)らの争いも見ものだ。
パラサイクリングには、東京パラリンピックで二つの金メダルを獲得した杉浦佳子(VC福岡エリート)が出場することも大きなトピック。どのような走りを見せるか?。
■ロードレース
入部正太朗の連覇は? 中根英登はどう動くか?
男子エリートは、連覇のかかる入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)と中根英登(EFエデュケーションNIPPO)を軸にレースが動くか。2人共に単騎での参戦になるものの、中央森林公園のコースなら展開によってはチーム参戦とのハンデを埋めることも出来る。入部は先日のJプロツアーかすみがうらロードレース優勝し、好調の波に乗る。久々の全日本出場となる中根は、帰国後の期間を十分に取って調整している模様。来シーズンは欧州プロトンでのチャンピオンジャージを見せてくれるか?
対して、2週間前のおおいたアーバンクラシックで2位の山本大喜(キナンサイクリングチーム)と、3位の小石祐馬(チーム右京相模原)、9月のJプロツアー南魚沼ロードレースで優勝した草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)、同南魚沼クリテリウムで優勝した岡本隼(愛三工業レーシングチーム)らが好調を維持して広島に乗り込んできそうだ。特に小石は、全日本を意識したコメントが大分で聞かれ、個人TTとのダブルエントリーで初タイトルを虎視眈々と狙っているように見える。
また、7月のJプロツアー西日本ロードクラシックで地元優勝を果たした小森亮平(マトリックスパワータグ)は、以後のレースでも勝負に絡む動きを見せる。今年2度目の地元優勝を飾ることが出来るか?。地元と言えば、ヴィクトワール広島の阿曽圭佑も好調そう。終盤に残るしぶとさを全日本でも見せるか。
今季積極的なレースを見せる冨尾大地(シエルブルー鹿屋)は、Jプロツアー最終戦をスキップして全日本に照準を合わせる。チームブリヂストンサイクリングはトラック世界選手権のため主力メンバーは不在だが、シクロクロスチャンピオンの沢田時がロードも狙うか?。今年欧州で活動してきた岡篤志と織田聖(共にNIPPO・プロヴァンス・PTSコンチ)、この全日本が引退レースとなる木村圭佑(シマノレーシング)にも注目したい。
U23 次世代エース達の勝負に注目
U23は、個人タイムトライアルにも出場する松田祥位(エカーズ)、平井光介(エカーズ)、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)、兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)、香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)、小出樹(京都産業大学)、留目夕陽(中央大学)、本多晴飛(VC福岡)に加え、インカレロードチャンピオンの谷内健太(京都産業大学)らが有力候補に挙げられる。
中でも、JプロツアーでU23賞となるネクストリーダージャージを確定させた山本は、不完全燃焼に終わったインカレロードの雪辱を全日本にかけているだろう。今年のツール・ド・ラヴニールで日本人唯一の完走となった小出、ツアー・オブ・ジャパン富士山ステージで3位に入った留目、JCLでホワイトジャージを着る本多はどうか。
女子 與那嶺不在で四つ巴の争いか? U23はインカレの再戦となるか
女子エリートは、個人TT同様に2016年以来連覇してきた與那嶺恵理(チームティブコSVB)が出場しないことで、どのようにレースが動くのか見ものだ。その最有力候補は、東京五輪女子ロードレース日本代表として走った金子広美(イナーメ信濃山形)と、先日のコロンビアでのレースでUCIポイントを獲得した樫木祥子(チームイルミネイト)の2人だろう。
その2人に、Jフェミニンツアーで無敵の植竹海貴(Y's Road)がどこまで絡めるか?。さらには、昨年の広島での大会で、樫木と植竹を破った大堀広美(MOPS)も絡んでくると面白いレースになりそうだ。
女子U23では、石田唯(早稲田大学)、太郎田水桜(法政大学)、石上夢乃(鹿屋体育大学)、川口うらら(日本体育大学)ら、インカレロードで争ったメンバーが再び揃うことになる。全日本ではどうなるか?
シクロワイアードでは、各種目の終了直後に速報を配信。当日夜にはレースの詳報をお伝えします。ご期待ください。
text:Satoru Kato
■個人タイムトライアル
男子エリートは増田成幸の連覇に注目 中根英登はどうか?
男子エリートでは、2019年大会優勝の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)の連覇なるかが注目される。今年は東京五輪ロードレースに日本代表として出場したが、レース後に体調を崩していたことを明らかにしている。五輪後はJCL(ジャパンサイクルリーグ)を中心にレースに出場しているが、しっかり復調しているのかが気になるところだ。
過去の個人TT上位入賞者では、2019年の個人TT2位の岡篤志(NIPPO・プロヴァンス・PTSコンチ)、2018年3位の小石祐馬(チーム右京相模原)、2019年U23で2位の石原悠希(チーム右京相模原)が、今回の有力候補として挙げられる。
岡は今年欧州を拠点に活動してきたが、それ以前から個人TTでは上位に入る力を持っている。帰国後の調整・仕上がり次第ではあるが、広島のようなコースは得意とするところだろう。
今シーズン好調を維持している小石は、2015年にU23のチャンピオンになって以来のTT王者を目指す。チームメイトの石原も、オープン参加で出場したJプロツアー・かすみがうらタイムトライアルで好タイムを出しており、合わせてきていることが伺える。
今年初めの怪我から復調してきた佐野淳哉(レバンテフジ静岡)にも注目してみたい。個人TTでは優勝候補に挙げられながらも、全日本選手権では2位が5回。今年こそ...となるか?。
そして、やはり一番の注目は中根英登(EFエデュケーション-NIPPO)だろう。凱旋帰国とも言える今回の全日本で、初日にどのような走りを見せるか?
男子U23 復活の松田祥位か、新星留目夕陽か
U23では、松田祥位(エカーズ)、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)、兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)、香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)、留目夕陽(中央大学)らが優勝候補として挙げられる。
2017年ジュニアのTTチャンピオン松田は、昨年末からレースを離れて9月から復帰したが、Jプロツアーかすみがうらタイムトライアルでは実力の衰えを感じさせない走りを見せた。U23最後の年にタイトルを取ることが出来るか? 一方、今年U23に上がったばかりの留目夕陽(中央大学)は、今年の大学選手権個人TTで優勝しており、今回の全日本でもその力を見せてくるだろう。
女子エリートは樫木祥子が有力 パラサイクリングには杉浦佳子が出場
女子エリート+U23では、2015年以来連覇してきた與那嶺恵理(チームティブコSVB)が出場せず。エントリーリストを見る限りでは、樫木祥子(チームイルミネイト)が最有力か。ただし樫木はコロンビアのレースに出場しており、帰国後の自主隔離期間が全日本直前の終了となることが気になる。
U23の石田唯(早稲田大学)、太郎田水桜(法政大学)、石上夢乃(鹿屋体育大学)、岩元杏奈(日本体育大学)らの争いも見ものだ。
パラサイクリングには、東京パラリンピックで二つの金メダルを獲得した杉浦佳子(VC福岡エリート)が出場することも大きなトピック。どのような走りを見せるか?。
■ロードレース
入部正太朗の連覇は? 中根英登はどう動くか?
男子エリートは、連覇のかかる入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)と中根英登(EFエデュケーションNIPPO)を軸にレースが動くか。2人共に単騎での参戦になるものの、中央森林公園のコースなら展開によってはチーム参戦とのハンデを埋めることも出来る。入部は先日のJプロツアーかすみがうらロードレース優勝し、好調の波に乗る。久々の全日本出場となる中根は、帰国後の期間を十分に取って調整している模様。来シーズンは欧州プロトンでのチャンピオンジャージを見せてくれるか?
対して、2週間前のおおいたアーバンクラシックで2位の山本大喜(キナンサイクリングチーム)と、3位の小石祐馬(チーム右京相模原)、9月のJプロツアー南魚沼ロードレースで優勝した草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)、同南魚沼クリテリウムで優勝した岡本隼(愛三工業レーシングチーム)らが好調を維持して広島に乗り込んできそうだ。特に小石は、全日本を意識したコメントが大分で聞かれ、個人TTとのダブルエントリーで初タイトルを虎視眈々と狙っているように見える。
また、7月のJプロツアー西日本ロードクラシックで地元優勝を果たした小森亮平(マトリックスパワータグ)は、以後のレースでも勝負に絡む動きを見せる。今年2度目の地元優勝を飾ることが出来るか?。地元と言えば、ヴィクトワール広島の阿曽圭佑も好調そう。終盤に残るしぶとさを全日本でも見せるか。
今季積極的なレースを見せる冨尾大地(シエルブルー鹿屋)は、Jプロツアー最終戦をスキップして全日本に照準を合わせる。チームブリヂストンサイクリングはトラック世界選手権のため主力メンバーは不在だが、シクロクロスチャンピオンの沢田時がロードも狙うか?。今年欧州で活動してきた岡篤志と織田聖(共にNIPPO・プロヴァンス・PTSコンチ)、この全日本が引退レースとなる木村圭佑(シマノレーシング)にも注目したい。
U23 次世代エース達の勝負に注目
U23は、個人タイムトライアルにも出場する松田祥位(エカーズ)、平井光介(エカーズ)、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)、兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)、香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)、小出樹(京都産業大学)、留目夕陽(中央大学)、本多晴飛(VC福岡)に加え、インカレロードチャンピオンの谷内健太(京都産業大学)らが有力候補に挙げられる。
中でも、JプロツアーでU23賞となるネクストリーダージャージを確定させた山本は、不完全燃焼に終わったインカレロードの雪辱を全日本にかけているだろう。今年のツール・ド・ラヴニールで日本人唯一の完走となった小出、ツアー・オブ・ジャパン富士山ステージで3位に入った留目、JCLでホワイトジャージを着る本多はどうか。
女子 與那嶺不在で四つ巴の争いか? U23はインカレの再戦となるか
女子エリートは、個人TT同様に2016年以来連覇してきた與那嶺恵理(チームティブコSVB)が出場しないことで、どのようにレースが動くのか見ものだ。その最有力候補は、東京五輪女子ロードレース日本代表として走った金子広美(イナーメ信濃山形)と、先日のコロンビアでのレースでUCIポイントを獲得した樫木祥子(チームイルミネイト)の2人だろう。
その2人に、Jフェミニンツアーで無敵の植竹海貴(Y's Road)がどこまで絡めるか?。さらには、昨年の広島での大会で、樫木と植竹を破った大堀広美(MOPS)も絡んでくると面白いレースになりそうだ。
女子U23では、石田唯(早稲田大学)、太郎田水桜(法政大学)、石上夢乃(鹿屋体育大学)、川口うらら(日本体育大学)ら、インカレロードで争ったメンバーが再び揃うことになる。全日本ではどうなるか?
シクロワイアードでは、各種目の終了直後に速報を配信。当日夜にはレースの詳報をお伝えします。ご期待ください。
text:Satoru Kato
Amazon.co.jp