2021/09/20(月) - 15:06
ロード世界選手権2日目の本日、女子TTスペシャリストの頂点を決める戦いが行われる。アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)やマーレン・ローセル(スイス)など、優勝候補とコースをおさらいしておきます。
ベルギー北部のフランドル地方で開幕したロード世界選手権。2日目のハイライトとなる女子エリート個人タイムトライアルには、北海に面したクノックヘイストから内陸部のブルージュまで駆け抜ける30.3kmの平坦コースが用意されている。
スタート&フィニッシュ付近には街中のテクニカルコーナーが点在するものの、海に近い平坦区間を駆け抜けるコースの獲得標高はわずか54m。男子レースでフィリッポ・ガンナ(イタリア)やワウト・ファンアールト(ベルギー)らが台頭したことからも分かる通り、操縦技術ではなく、平坦を踏み倒すパワーに秀でた選手優位のレースになるはずだ。
現世界チャンピオンのアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)はロードレースに集中するため不在。しかしオランダは東京オリンピックで2位に1分近い差をつけ圧勝したアネミエク・ファンフルーテンをアルカンシエルの最有力候補としてキープしている。
コースの下見を行なったファンフルーテンは「完璧にフラットかつ一直線のコースで、パワーとエアロダイナミクスが問われるチャレンジになる。できる限り空力数値の良いポジションをキープすること、そして東京オリンピックの時のパワーをまだ残していることを願っている」と自身のSNSに投稿。現在女子プロトン内で最強の一人に数えられる大ベテランが個人TTで3回目のアルカンシエルとなるか。
ファンフルーテンの対抗馬に挙げられるのがマーレン・ローセル(スイス)だ。180cmという身長を武器にTTスペシャリストとして力を伸ばす30歳は、東京オリンピックではファンフルーテンに次ぐ2位に入り、先日のヨーロッパ選手権では初優勝。昨年2位銀メダルに終わった悔しさを晴らす上で絶好のチャンスと言えるだろう。
プロトン屈指のパワーを誇るエレン・ファンダイク(オランダ)も優勝候補の一人だ。2013年に世界選を制してからアルカンシエルからは遠ざかっているものの、先週行われたヨーロッパ選手権の個人TTでは2位、ロードレースでは独走力を武器に初制覇と勢いに乗っている。2014年のTT世界王者であるリサ・ブレナウアー(ドイツ)も優勝争いに食い込んでくるはずだ。
2019年の世界チャンピオンであり、タイトル防衛に臨んだ2020年大会で大落車に見舞われたクロエ・ダイガード(アメリカ)は東京五輪トラックこそ出場したものの、回復にフォーカスするため出場を見送った。アメリカは2008年と2016年のTT世界王者であり、オリンピックで5位に食い込んだ46歳のアンバー・ネーベンをエースに立てていたものの、ネーベンは僅か4週間前に骨盤骨折。誰もが諦める状況だったものの、超ベテランは驚異的な回復を遂げ2年ぶりの世界選に間に合わせた。コンディションこそ未知数だが、トレーニングも順調でベストを尽くせるはずと意気込んでいる。
text:So Isobe
ベルギー北部のフランドル地方で開幕したロード世界選手権。2日目のハイライトとなる女子エリート個人タイムトライアルには、北海に面したクノックヘイストから内陸部のブルージュまで駆け抜ける30.3kmの平坦コースが用意されている。
スタート&フィニッシュ付近には街中のテクニカルコーナーが点在するものの、海に近い平坦区間を駆け抜けるコースの獲得標高はわずか54m。男子レースでフィリッポ・ガンナ(イタリア)やワウト・ファンアールト(ベルギー)らが台頭したことからも分かる通り、操縦技術ではなく、平坦を踏み倒すパワーに秀でた選手優位のレースになるはずだ。
現世界チャンピオンのアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)はロードレースに集中するため不在。しかしオランダは東京オリンピックで2位に1分近い差をつけ圧勝したアネミエク・ファンフルーテンをアルカンシエルの最有力候補としてキープしている。
コースの下見を行なったファンフルーテンは「完璧にフラットかつ一直線のコースで、パワーとエアロダイナミクスが問われるチャレンジになる。できる限り空力数値の良いポジションをキープすること、そして東京オリンピックの時のパワーをまだ残していることを願っている」と自身のSNSに投稿。現在女子プロトン内で最強の一人に数えられる大ベテランが個人TTで3回目のアルカンシエルとなるか。
ファンフルーテンの対抗馬に挙げられるのがマーレン・ローセル(スイス)だ。180cmという身長を武器にTTスペシャリストとして力を伸ばす30歳は、東京オリンピックではファンフルーテンに次ぐ2位に入り、先日のヨーロッパ選手権では初優勝。昨年2位銀メダルに終わった悔しさを晴らす上で絶好のチャンスと言えるだろう。
プロトン屈指のパワーを誇るエレン・ファンダイク(オランダ)も優勝候補の一人だ。2013年に世界選を制してからアルカンシエルからは遠ざかっているものの、先週行われたヨーロッパ選手権の個人TTでは2位、ロードレースでは独走力を武器に初制覇と勢いに乗っている。2014年のTT世界王者であるリサ・ブレナウアー(ドイツ)も優勝争いに食い込んでくるはずだ。
2019年の世界チャンピオンであり、タイトル防衛に臨んだ2020年大会で大落車に見舞われたクロエ・ダイガード(アメリカ)は東京五輪トラックこそ出場したものの、回復にフォーカスするため出場を見送った。アメリカは2008年と2016年のTT世界王者であり、オリンピックで5位に食い込んだ46歳のアンバー・ネーベンをエースに立てていたものの、ネーベンは僅か4週間前に骨盤骨折。誰もが諦める状況だったものの、超ベテランは驚異的な回復を遂げ2年ぶりの世界選に間に合わせた。コンディションこそ未知数だが、トレーニングも順調でベストを尽くせるはずと意気込んでいる。
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