2010/06/19(土) - 11:29
2010年6月18日、ツール・ド・スイス(UCIプロツアー)第7ステージが行なわれ、逃げグループからラスト58km地点で飛び出したマークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)が、後続を振り切って独走勝利。ステージ2勝目を飾るとともにポイント賞トップに立った。
スイス東部のサヴォニンからヴェッツィコーンまでの204kmで行なわれた第7ステージ。2級山岳と3級山岳が合計3つ設定されたアップダウンコースが特徴だが、スプリンターにもチャンスがあるほどの難易度だ。スプリンターたちのチャンスを奪おうと、レースは序盤からアタックが繰り返された。
1時間以上に渡って続いたアタック合戦が落ち着きを見せたのが62km地点。総合で8分24秒遅れのフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)やルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)を含む16名が飛び出すと、メイン集団はようやくスピードを弱めた。
メイン集団は前日にリーダージャージを獲得したロバート・ヘーシンク(オランダ)擁するラボバンクがコントロールし、タイム差を5分に抑え込んでレース後半へ。
逃げグループにはマッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)やオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)、フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)、マーク・レンショー(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)と言った世界トップクラスのスプリンターが含まれていたため、レース後半に入ると、スプリント勝負に持ち込みたくない選手がアタックを開始する。
口火を切ったのはアレクサンダー・クチンスキー(ベラルーシ、リクイガス)で、一旦吸収されると今度はラスト58km地点でブルグハートがアタック。力強い走りで後続を一気に1分引き離したブルグハートは、そのハイペースを維持したままゴールに向かった。
ラボバンク以外のチームは集団牽引に興味を示さず、逃げグループが容認された状態。追走グループからはLLサンチェスが追撃の動きを見せたが、先頭のブルグハートには届かない。
有利にレースを運んだのはBMCレーシングチームで、追走グループに入っていたマティアス・フランク(スイス)は、ブルグハートが逃げていることで、力を使うこと無く走行。積極的に山岳ポイントとスプリントポイントを加算し、山岳賞とスプリント賞でトップに立った。
ゴールまで10kmを残して、追走グループからブルグハートまでタイム差1分。最後までペースを崩さずに走り切ったブルグハートは、沿道からドイツ国旗を受け取る余裕を見せ、独走でゴール。第5ステージに続く逃げ切り勝利を飾った。
ステージ2勝目を飾ったブルグハートは「50km以上を一人で走り続けるのは容易いことじゃない。でもモチヴェーションは高くて、仮に後続に掴まったとしても、マティアス(フランク)が代わりにステージ優勝を狙ってくれると信じて走り続けた。これは僕だけじゃなくてチームにとって価値ある勝利だよ」と、勝ちレースを振り返る。
レース後、ブルグハートは1分遅れでゴールにやってきたフランクと抱き合った。スイスメーカーがスポンサーにつくBMCレーシングチームはここまで大成功。この日、ステージ優勝とポイント賞ジャージ(ブルグハート)、山岳賞ジャージ(フランク)、スプリント賞ジャージ(フランク)を手中に収めた。
BMCレーシングチームはチームリーダーのスティーブ・モラビート(スイス)が総合3位をキープしており、最後の個人TTで逆転することが出来れば、4賞ジャージを独占する可能性も。逆にヴァカンソレイユは山岳賞ジャージとポイント賞ジャージを失っている。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ツール・ド・スイス2010第7ステージ結果
1位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)4h52'02"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)+1'01"
3位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
4位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、リクイガス)
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+1'08"
6位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
7位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)+3'24"
8位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)+3'28"
9位 ミカル・ゴラス(ポーランド、ヴァカンソレイユ)
10位 ユルゲン・ファンデワール(ベルギー、クイックステップ)
個人総合成績
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)30h15'59"
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、ケースデパーニュ)+29"
3位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシングチーム)+36"
4位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+38"
5位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+42"
6位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)+54"
7位 ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)+55"
8位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)+1'01"
9位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、サクソバンク)+1'17"
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)+1'38"
スプリント賞
マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
山岳賞
マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
ポイント賞
マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
サクソバンク
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
スイス東部のサヴォニンからヴェッツィコーンまでの204kmで行なわれた第7ステージ。2級山岳と3級山岳が合計3つ設定されたアップダウンコースが特徴だが、スプリンターにもチャンスがあるほどの難易度だ。スプリンターたちのチャンスを奪おうと、レースは序盤からアタックが繰り返された。
1時間以上に渡って続いたアタック合戦が落ち着きを見せたのが62km地点。総合で8分24秒遅れのフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)やルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)を含む16名が飛び出すと、メイン集団はようやくスピードを弱めた。
メイン集団は前日にリーダージャージを獲得したロバート・ヘーシンク(オランダ)擁するラボバンクがコントロールし、タイム差を5分に抑え込んでレース後半へ。
逃げグループにはマッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)やオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)、フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)、マーク・レンショー(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)と言った世界トップクラスのスプリンターが含まれていたため、レース後半に入ると、スプリント勝負に持ち込みたくない選手がアタックを開始する。
口火を切ったのはアレクサンダー・クチンスキー(ベラルーシ、リクイガス)で、一旦吸収されると今度はラスト58km地点でブルグハートがアタック。力強い走りで後続を一気に1分引き離したブルグハートは、そのハイペースを維持したままゴールに向かった。
ラボバンク以外のチームは集団牽引に興味を示さず、逃げグループが容認された状態。追走グループからはLLサンチェスが追撃の動きを見せたが、先頭のブルグハートには届かない。
有利にレースを運んだのはBMCレーシングチームで、追走グループに入っていたマティアス・フランク(スイス)は、ブルグハートが逃げていることで、力を使うこと無く走行。積極的に山岳ポイントとスプリントポイントを加算し、山岳賞とスプリント賞でトップに立った。
ゴールまで10kmを残して、追走グループからブルグハートまでタイム差1分。最後までペースを崩さずに走り切ったブルグハートは、沿道からドイツ国旗を受け取る余裕を見せ、独走でゴール。第5ステージに続く逃げ切り勝利を飾った。
ステージ2勝目を飾ったブルグハートは「50km以上を一人で走り続けるのは容易いことじゃない。でもモチヴェーションは高くて、仮に後続に掴まったとしても、マティアス(フランク)が代わりにステージ優勝を狙ってくれると信じて走り続けた。これは僕だけじゃなくてチームにとって価値ある勝利だよ」と、勝ちレースを振り返る。
レース後、ブルグハートは1分遅れでゴールにやってきたフランクと抱き合った。スイスメーカーがスポンサーにつくBMCレーシングチームはここまで大成功。この日、ステージ優勝とポイント賞ジャージ(ブルグハート)、山岳賞ジャージ(フランク)、スプリント賞ジャージ(フランク)を手中に収めた。
BMCレーシングチームはチームリーダーのスティーブ・モラビート(スイス)が総合3位をキープしており、最後の個人TTで逆転することが出来れば、4賞ジャージを独占する可能性も。逆にヴァカンソレイユは山岳賞ジャージとポイント賞ジャージを失っている。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ツール・ド・スイス2010第7ステージ結果
1位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)4h52'02"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)+1'01"
3位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
4位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、リクイガス)
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+1'08"
6位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
7位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)+3'24"
8位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)+3'28"
9位 ミカル・ゴラス(ポーランド、ヴァカンソレイユ)
10位 ユルゲン・ファンデワール(ベルギー、クイックステップ)
個人総合成績
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)30h15'59"
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、ケースデパーニュ)+29"
3位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシングチーム)+36"
4位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+38"
5位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+42"
6位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)+54"
7位 ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)+55"
8位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)+1'01"
9位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、サクソバンク)+1'17"
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)+1'38"
スプリント賞
マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
山岳賞
マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
ポイント賞
マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
サクソバンク
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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