2021/08/21(土) - 08:12
初登場した激坂1級山岳バルコン・デ・アリカンテで逃げグループ内の勝負を制したマイケル・ストーラー(チームDSM)がブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ優勝。プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が総合首位を守り、15回目の出場である41歳アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が落車リタイアした。
8月20日(金)第7ステージ
ガンディア〜バルコン・デ・アリカンテ 152km
ブエルタ第7ステージは今大会最初の本格的な山岳ステージ。152kmという比較的短いコースに、バレンシア州の6つのカテゴリー山岳が詰め込まれた。獲得標高差が3,800mに達する難関山岳ステージであり、しかもスタート直後から最大勾配が17%に達する1級山岳プエルト・デ・リャクナの登りが始まる過酷さ。逃げでステージ優勝を狙う選手、マイヨロホ争いを繰り広げる選手、グルペットを形成して完走を目指す選手全員にとって厳しいコースが用意された。
序盤から1級、3級、2級、2級のカテゴリー山岳を立て続けにクリアし、残り14km地点でボーナスタイム(3秒、2秒、1秒)付きの3級山岳プエルト・デ・ティビを越える。そして最後に待ち構えるのはブエルタ初登場、プロレース初登場となる1級山岳バルコン・デ・アリカンテ(全長8.4km・平均6.2%)だ。今大会のために再舗装されたというフィニッシュ手前4.2kmに限定すると平均勾配が9.1%に達し、残り1kmアーチ前後の勾配は20%を超える。ブエルタらしいこの激坂で、ステージ優勝争いとマイヨロホ争いが並行して繰り広げられることになった。
総合首位に返り咲いたばかりのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が「このままマイヨロホを着続けるべきかわからない」と、ジャージキープに固執しないコメントを残していたこともあって、総合ジャンプアップを目指す「すでにタイムを失っているオールラウンダー」たちが序盤のアタック合戦に参加した。調子を落としていた前年度総合3位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)が途中リタイアを選択する中、最初の1級山岳プエルト・デ・リャクナを越えた先で29名の先行が決まった。
総合12位ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)や総合15位フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、そして2020年ブエルタと2021年ジロの山岳王ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)を含む大所帯の逃げ集団。メイン集団とのタイム差が4分まで広げたため、ポランツがバーチャルマイヨロホ(暫定総合1位)に。フィニッシュまで50kmを切ると、逃げ集団にロマン・バルデ(フランス)を含む5名ものメンバーを送り込んだチームDSMがアタックを連発した。
29名の逃げ集団
ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)総合12位/1分42秒遅れ
フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)総合15位/2分09秒遅れ
ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)総合26位/3分06秒遅れ
セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)総合27位/3分16秒遅れ
ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)総合29位/3分31秒遅れ
ケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)総合34位/4分31秒遅れ
ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)
マイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM)
マーティン・トゥスフェルト(オランダ、チームDSM)
クリス・ハミルトン(オーストラリア、チームDSM)
アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル)
ハーム・ファンフック(ベルギー、ロット・スーダル)
ステフ・クラス(ベルギー、ロット・スーダル)
ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)
フェルナンド・バルセロ(スペイン、コフィディス)
ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)
カルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)
アレクサンデル・アランブル(スペイン、アスタナ・プレミアテック)
ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)
ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)
ディエゴ・カマルゴ(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)
アンドレイ・ツェイツ(カザフスタン、バイクエクスチェンジ)
マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)
スタン・デウルフ(ベルギー、アージェードゥーゼール・シトロエン)
パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)
シモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
ジャイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・フェニックス)
先頭でバルデやストーラーらがアタックを繰り出すその頃、メイン集団では総合4位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)らが突如動く。ここにリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)やダビ・デラクルス(スペイン、UAEチームエミレーツ)が反応してレースは活性化したが、その後バルベルデは下りコーナーでスリップダウン。崖下まで落ちたバルベルデはチームメイトの力を借りてレースに戻ったが、その後リタイアを選択している。
バルベルデにとって、グランツールデビュー戦となった2002年大会以来となるブエルタリタイア。2003年以降、1回の総合優勝と3回の総合2位、3回の総合3位を含めて常に総合トップ12以上の成績で13回連続完走していたバルベルデが、自身15回目のブエルタを去ることになった。
単独で飛び出していたクラドックに追いつく形で、残り28km地点で先頭に立ったのはシヴァコフとストーラー。早めに仕掛けたこの3名は、追走グループに1分差、メイン集団に5分差をつけて最後から2つ目の3級山岳プエルト・デ・ティビを駆け上がる。総合ジャンプアップのチャンスがあるグロスシャートナーやヘイグ、クスが追走グループを形成したが、ここからはポランツが脱落した。
クラドックが脱落し、いよいよ最後の1級山岳バルコン・デ・アリカンテに突入した先頭のストーラーとシヴァコフ。追走グループから加速したベローナとクロンが追いついて先頭は4名に。森林火災を防ぐための観客の立ち入りが禁止された登りで、ここからステージ優勝に向けた力と力の殴り合いが始まる。
勾配が増したところで先頭4名からベローナがアタックすると、まずクロンが脱落し、ストーラーとシヴァコフが追走。落ち着いてペースを刻んだストーラーは、シヴァコフを置き去りにするとともに先頭ベローナをパスして見せる。最大勾配20%の激坂区間をよじ登り、逃げメンバーを振り切ったストーラーが独走で1級山岳バルコン・デ・アリカンテにフィニッシュした。
ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がペースを作る4分後方のメイン集団では、軽快なダンシングのアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)によるペースアップが始まった。この加速によって、リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)やミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)が脱落する。
イェーツのペースに対応できたのはログリッチ、デラクルス、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)、エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)、ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)だけ。この精鋭グループはステージ優勝者ストーラーから3分33秒遅れでフィニッシュにたどり着き、ランダやカラパスはそこからさらに30秒遅れた。
ステージ7位に入ったグロスシャートナーが総合2位、ポランツが総合5位、ヘイグが総合7位、クスが総合8位までジャンプアップに成功したが、ログリッチは8秒差でマイヨロホを守っている。
「ラスト3kmは地獄のような厳しさだった」と語るのはステージ優勝を飾ったストーラー。史上10人目のオーストラリア人ステージ優勝者となった24歳は、「でも後続とのタイム差は縮まらなかった。今日は終盤にかけて極めて複雑で、極めて戦略的なレースになったと思う。誰が強いかではなく、誰が正しい動きに反応するかが重要だった。とは言え作戦なんて立てることができないので、直感を信じて動いたんだ。そして気持ちを強く持ち続けた」。
今年ストーラーはジロに出場し、7月のツール・ド・ランで総合優勝。4年連続出場のブエルタでキャリア最大の勝利となるステージ初優勝を手にした。
「(同じスロベニア出身の)ヤン・ポランツにジャージを明け渡すことができればよかったけど。いずれにしてもスロベニア人選手がジャージ争いを繰り広げているのは素晴らしいこと」。今大会最初の本格的な山岳ステージを終えてマイヨロホを着るログリッチはそう語る。「今日はライバルたちが動いたし、明日からも引き続き攻撃を受けることになる。でもチームメイトたちは素晴らしい働きをしてくれたし、このまま自分たちの走りをするだけ。あとはアレハンドロ・バルベルデの早期カムバックを願う」。
逃げ切った選手が総合順位を上げた一方で、ランダやチッコーネ、アルは総合トップ10圏外にダウン。ステージ3位のシヴァコフが青玉のマイヨモンターニャを手にしている。
8月20日(金)第7ステージ
ガンディア〜バルコン・デ・アリカンテ 152km
ブエルタ第7ステージは今大会最初の本格的な山岳ステージ。152kmという比較的短いコースに、バレンシア州の6つのカテゴリー山岳が詰め込まれた。獲得標高差が3,800mに達する難関山岳ステージであり、しかもスタート直後から最大勾配が17%に達する1級山岳プエルト・デ・リャクナの登りが始まる過酷さ。逃げでステージ優勝を狙う選手、マイヨロホ争いを繰り広げる選手、グルペットを形成して完走を目指す選手全員にとって厳しいコースが用意された。
序盤から1級、3級、2級、2級のカテゴリー山岳を立て続けにクリアし、残り14km地点でボーナスタイム(3秒、2秒、1秒)付きの3級山岳プエルト・デ・ティビを越える。そして最後に待ち構えるのはブエルタ初登場、プロレース初登場となる1級山岳バルコン・デ・アリカンテ(全長8.4km・平均6.2%)だ。今大会のために再舗装されたというフィニッシュ手前4.2kmに限定すると平均勾配が9.1%に達し、残り1kmアーチ前後の勾配は20%を超える。ブエルタらしいこの激坂で、ステージ優勝争いとマイヨロホ争いが並行して繰り広げられることになった。
総合首位に返り咲いたばかりのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が「このままマイヨロホを着続けるべきかわからない」と、ジャージキープに固執しないコメントを残していたこともあって、総合ジャンプアップを目指す「すでにタイムを失っているオールラウンダー」たちが序盤のアタック合戦に参加した。調子を落としていた前年度総合3位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)が途中リタイアを選択する中、最初の1級山岳プエルト・デ・リャクナを越えた先で29名の先行が決まった。
総合12位ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)や総合15位フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、そして2020年ブエルタと2021年ジロの山岳王ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)を含む大所帯の逃げ集団。メイン集団とのタイム差が4分まで広げたため、ポランツがバーチャルマイヨロホ(暫定総合1位)に。フィニッシュまで50kmを切ると、逃げ集団にロマン・バルデ(フランス)を含む5名ものメンバーを送り込んだチームDSMがアタックを連発した。
29名の逃げ集団
ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)総合12位/1分42秒遅れ
フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)総合15位/2分09秒遅れ
ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)総合26位/3分06秒遅れ
セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)総合27位/3分16秒遅れ
ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)総合29位/3分31秒遅れ
ケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)総合34位/4分31秒遅れ
ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)
マイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM)
マーティン・トゥスフェルト(オランダ、チームDSM)
クリス・ハミルトン(オーストラリア、チームDSM)
アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル)
ハーム・ファンフック(ベルギー、ロット・スーダル)
ステフ・クラス(ベルギー、ロット・スーダル)
ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)
フェルナンド・バルセロ(スペイン、コフィディス)
ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)
カルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)
アレクサンデル・アランブル(スペイン、アスタナ・プレミアテック)
ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)
ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)
ディエゴ・カマルゴ(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)
アンドレイ・ツェイツ(カザフスタン、バイクエクスチェンジ)
マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)
スタン・デウルフ(ベルギー、アージェードゥーゼール・シトロエン)
パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)
シモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
ジャイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・フェニックス)
先頭でバルデやストーラーらがアタックを繰り出すその頃、メイン集団では総合4位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)らが突如動く。ここにリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)やダビ・デラクルス(スペイン、UAEチームエミレーツ)が反応してレースは活性化したが、その後バルベルデは下りコーナーでスリップダウン。崖下まで落ちたバルベルデはチームメイトの力を借りてレースに戻ったが、その後リタイアを選択している。
バルベルデにとって、グランツールデビュー戦となった2002年大会以来となるブエルタリタイア。2003年以降、1回の総合優勝と3回の総合2位、3回の総合3位を含めて常に総合トップ12以上の成績で13回連続完走していたバルベルデが、自身15回目のブエルタを去ることになった。
単独で飛び出していたクラドックに追いつく形で、残り28km地点で先頭に立ったのはシヴァコフとストーラー。早めに仕掛けたこの3名は、追走グループに1分差、メイン集団に5分差をつけて最後から2つ目の3級山岳プエルト・デ・ティビを駆け上がる。総合ジャンプアップのチャンスがあるグロスシャートナーやヘイグ、クスが追走グループを形成したが、ここからはポランツが脱落した。
クラドックが脱落し、いよいよ最後の1級山岳バルコン・デ・アリカンテに突入した先頭のストーラーとシヴァコフ。追走グループから加速したベローナとクロンが追いついて先頭は4名に。森林火災を防ぐための観客の立ち入りが禁止された登りで、ここからステージ優勝に向けた力と力の殴り合いが始まる。
勾配が増したところで先頭4名からベローナがアタックすると、まずクロンが脱落し、ストーラーとシヴァコフが追走。落ち着いてペースを刻んだストーラーは、シヴァコフを置き去りにするとともに先頭ベローナをパスして見せる。最大勾配20%の激坂区間をよじ登り、逃げメンバーを振り切ったストーラーが独走で1級山岳バルコン・デ・アリカンテにフィニッシュした。
ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がペースを作る4分後方のメイン集団では、軽快なダンシングのアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)によるペースアップが始まった。この加速によって、リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)やミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)が脱落する。
イェーツのペースに対応できたのはログリッチ、デラクルス、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)、エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)、ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)だけ。この精鋭グループはステージ優勝者ストーラーから3分33秒遅れでフィニッシュにたどり着き、ランダやカラパスはそこからさらに30秒遅れた。
ステージ7位に入ったグロスシャートナーが総合2位、ポランツが総合5位、ヘイグが総合7位、クスが総合8位までジャンプアップに成功したが、ログリッチは8秒差でマイヨロホを守っている。
「ラスト3kmは地獄のような厳しさだった」と語るのはステージ優勝を飾ったストーラー。史上10人目のオーストラリア人ステージ優勝者となった24歳は、「でも後続とのタイム差は縮まらなかった。今日は終盤にかけて極めて複雑で、極めて戦略的なレースになったと思う。誰が強いかではなく、誰が正しい動きに反応するかが重要だった。とは言え作戦なんて立てることができないので、直感を信じて動いたんだ。そして気持ちを強く持ち続けた」。
今年ストーラーはジロに出場し、7月のツール・ド・ランで総合優勝。4年連続出場のブエルタでキャリア最大の勝利となるステージ初優勝を手にした。
「(同じスロベニア出身の)ヤン・ポランツにジャージを明け渡すことができればよかったけど。いずれにしてもスロベニア人選手がジャージ争いを繰り広げているのは素晴らしいこと」。今大会最初の本格的な山岳ステージを終えてマイヨロホを着るログリッチはそう語る。「今日はライバルたちが動いたし、明日からも引き続き攻撃を受けることになる。でもチームメイトたちは素晴らしい働きをしてくれたし、このまま自分たちの走りをするだけ。あとはアレハンドロ・バルベルデの早期カムバックを願う」。
逃げ切った選手が総合順位を上げた一方で、ランダやチッコーネ、アルは総合トップ10圏外にダウン。ステージ3位のシヴァコフが青玉のマイヨモンターニャを手にしている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第7ステージ結果
1位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM) | 4:10:13 |
2位 | カルロス・ベローナ(スペイン、モビスター) | 0:00:21 |
3位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:59 |
4位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | 0:01:16 |
5位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:01:24 |
6位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | 0:01:32 |
7位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) | 0:01:37 |
9位 | ステフ・クラス(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:02:17 |
10位 | ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:02:29 |
15位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:03:33 |
16位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
17位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
18位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | |
19位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) | |
20位 | ダビ・デラクルス(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
21位 | ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
22位 | アレクサンドル・ウラソフ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック) | 0:03:46 |
23位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | 0:04:03 |
24位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
25位 | ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ) | |
26位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
27位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
128位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:26:29 |
DNF | エマヌエル・モラン(フランス、コフィディス) | |
DNF | オスカル・ロドリゲス(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | |
DNF | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO) | |
DNF | マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション) | |
DNF | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
OTL | レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、クベカ・ネクストハッシュ) |
マイヨロホ 個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 25:18:35 |
2位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:08 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 0:00:25 |
4位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) | 0:00:36 |
5位 | ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:38 |
6位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:41 |
7位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:00:57 |
8位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | 0:00:59 |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック) | 0:01:06 |
10位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:01:22 |
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
1位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 131pts |
2位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 130pts |
3位 | マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO) | 67pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) | 16pts |
2位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チームDSM) | 12pts |
3位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 11pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 25:19:16 |
2位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) | 0:00:25 |
3位 | ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:02:11 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 75:54:12 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | 0:02:10 |
3位 | バーレーン・ヴィクトリアス | 0:04:19 |
text:Kei Tsuji
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