2021/08/18(水) - 08:35
あの大事故から僅か1年。ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)がグランツールのスプリントで勝利した。終盤に落車したレイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)に大きな怪我はなく、救済措置によってマイヨロホを守っている。
8月17日(火)第4ステージ
エル・ブルゴ・デ・オスマ〜モリナ・デ・アラゴン 163.9km
ブルゴスとその近郊で開幕から3ステージをこなしたプロトンは、地中海に向かって南下を開始。エル・ブルゴ・デ・オスマからモリナ・デ・アラゴンまで南東に向かう163.9kmコースは、一つのカテゴリー山岳も無いスプリンター向けステージではあるものの、大半は標高1,000mの高地で、コース図の見た目と異なり獲得標高差は1,700mもある。
最終盤200mからフィニッシュラインまで勾配6%ほどの登りが続くパンチャーにもチャンスがあるゴールレイアウトが用意されたため、この日大逃げを目指す選手は現れなかった。
リアルスタートの旗が振られると、すぐさま3名の選手が飛び出し、グランツールでヤン・キルシプー以来2人目のリーダージャージ着用者となったレイン・タラマエ(エストニア)率いるアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオがメイン集団のコントロールを開始する。横風に警戒しながらも、この日は逃げる3名に対して最大4分半のリードを許容した。
逃げグループを形成した3名
カルロス・カナル(スペイン、ブルゴスBH)
アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH)
ジョアン・ボウ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
一時的に横風分断が起こりつつも、基本的には落ち着いた展開のままレースは進む。101km地点に用意された中間スプリントポイントではブルゴスの2人を打ち破ったボウが先着し、1分半まで詰め寄ったメイン集団ではフロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がマイヨプントスを着るヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)の最大ポイント獲得を阻止している。
アンテルマルシェに加えてスプリンターチームや総合チームも集団先頭に立ち、連日同様に新城幸也(日本)もバーレーン・ヴィクトリアストレインの先頭に立ってミケル・ランダ(スペイン)たちのアシスト役を務めた。1分前後で推移したタイム差は、残り20kmを切ってスプリンターチームが加速を始めると、一気に降下することとなる。
アルノー・デマール(フランス)での勝利を目指すグルパマFDJがイニシアチブを握り、残り13kmで拳を付き合わて健闘を讃え合う先頭3人を飲み込んだ。グルパマ、ドゥクーニンク、ボーラ・ハンスグローエ、アルペシン・フェニックス。緩やかな展開で力を溜め込んだスプリンターチームが広い道幅いっぱいに列車を並べ、50〜60km/hのハイペースでフィニッシュまで距離を減らしていった。
ユンボ・ヴィスマやイネオス・グレナディアーズなど、危険回避を目論む総合チームも先頭争いに加わる中、救済措置が適用される残り3kmアーチを通過した。すると緩やかなな右コーナーで、カメラはマイヨロホを着るタラマエが地面に転がる姿を捉えた。
集団前方の動きの余波を受け、隣の選手に当てられる形で落車したタラマエ。しかし幸い大きな怪我には繋がらず、すぐにバイクに再乗車してフィニッシュ地点を目指した。同タイムフィニッシュ扱いになったタラマエは「クラッシュはしたくなかったけれど、痛みもあまりない。明日以降もマイヨロホを守り続けたい」とレース後に語っている。
残り2km地点からのコーナー連続区間でアルペシン・フェニックスが支配したものの、早めにアシストを使い切ったことでフィリプセンは一度デマールの背後へ。こうしてアシスト2人を残したデマール有利に駒を進め、残り200mから始まる緩斜面登坂で発進。元フランスチャンピオンがコースのド真ん中を突き進んだ。
しかし、勾配6%ほどの登りが続く最終ストレートで、最も鋭い加速を見せたのはヤコブセンだった。平均55km/hで突き進むデマールをパワフルなスプリントで抜き去り、半車身ほど抜け出した状態でフィニッシュ。生命すら危ぶまれた昨年8月のツール・ド・ポローニュでの落車から僅か1年で、2019年ブエルタの最終ステージ以来となる、自身2年ぶりのグランツールステージ優勝を掴み取った。
「最終盤はかなり混沌としていたけれど、スティービー(スティバル)とベルト(ファンレルベルフ)が僕について、ポジションを引き上げてくれたんだ。スプリントを始めた時、まだ踏めるという感触があった」と喜ぶヤコブセンは、9位に沈んだフィリプセンに変わってマイヨプントスも獲得。フィニッシュ後はチームの分け隔てなくたくさんの選手から祝福を受けた。
この日、タラマエを除く総合勢たちは遅れることなくフィニッシュ。救済措置でタラマエがマイヨロホを守り、また、新城も集団内の155位でレースを終えている。
8月17日(火)第4ステージ
エル・ブルゴ・デ・オスマ〜モリナ・デ・アラゴン 163.9km
ブルゴスとその近郊で開幕から3ステージをこなしたプロトンは、地中海に向かって南下を開始。エル・ブルゴ・デ・オスマからモリナ・デ・アラゴンまで南東に向かう163.9kmコースは、一つのカテゴリー山岳も無いスプリンター向けステージではあるものの、大半は標高1,000mの高地で、コース図の見た目と異なり獲得標高差は1,700mもある。
最終盤200mからフィニッシュラインまで勾配6%ほどの登りが続くパンチャーにもチャンスがあるゴールレイアウトが用意されたため、この日大逃げを目指す選手は現れなかった。
リアルスタートの旗が振られると、すぐさま3名の選手が飛び出し、グランツールでヤン・キルシプー以来2人目のリーダージャージ着用者となったレイン・タラマエ(エストニア)率いるアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオがメイン集団のコントロールを開始する。横風に警戒しながらも、この日は逃げる3名に対して最大4分半のリードを許容した。
逃げグループを形成した3名
カルロス・カナル(スペイン、ブルゴスBH)
アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH)
ジョアン・ボウ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
一時的に横風分断が起こりつつも、基本的には落ち着いた展開のままレースは進む。101km地点に用意された中間スプリントポイントではブルゴスの2人を打ち破ったボウが先着し、1分半まで詰め寄ったメイン集団ではフロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がマイヨプントスを着るヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)の最大ポイント獲得を阻止している。
アンテルマルシェに加えてスプリンターチームや総合チームも集団先頭に立ち、連日同様に新城幸也(日本)もバーレーン・ヴィクトリアストレインの先頭に立ってミケル・ランダ(スペイン)たちのアシスト役を務めた。1分前後で推移したタイム差は、残り20kmを切ってスプリンターチームが加速を始めると、一気に降下することとなる。
アルノー・デマール(フランス)での勝利を目指すグルパマFDJがイニシアチブを握り、残り13kmで拳を付き合わて健闘を讃え合う先頭3人を飲み込んだ。グルパマ、ドゥクーニンク、ボーラ・ハンスグローエ、アルペシン・フェニックス。緩やかな展開で力を溜め込んだスプリンターチームが広い道幅いっぱいに列車を並べ、50〜60km/hのハイペースでフィニッシュまで距離を減らしていった。
ユンボ・ヴィスマやイネオス・グレナディアーズなど、危険回避を目論む総合チームも先頭争いに加わる中、救済措置が適用される残り3kmアーチを通過した。すると緩やかなな右コーナーで、カメラはマイヨロホを着るタラマエが地面に転がる姿を捉えた。
集団前方の動きの余波を受け、隣の選手に当てられる形で落車したタラマエ。しかし幸い大きな怪我には繋がらず、すぐにバイクに再乗車してフィニッシュ地点を目指した。同タイムフィニッシュ扱いになったタラマエは「クラッシュはしたくなかったけれど、痛みもあまりない。明日以降もマイヨロホを守り続けたい」とレース後に語っている。
残り2km地点からのコーナー連続区間でアルペシン・フェニックスが支配したものの、早めにアシストを使い切ったことでフィリプセンは一度デマールの背後へ。こうしてアシスト2人を残したデマール有利に駒を進め、残り200mから始まる緩斜面登坂で発進。元フランスチャンピオンがコースのド真ん中を突き進んだ。
しかし、勾配6%ほどの登りが続く最終ストレートで、最も鋭い加速を見せたのはヤコブセンだった。平均55km/hで突き進むデマールをパワフルなスプリントで抜き去り、半車身ほど抜け出した状態でフィニッシュ。生命すら危ぶまれた昨年8月のツール・ド・ポローニュでの落車から僅か1年で、2019年ブエルタの最終ステージ以来となる、自身2年ぶりのグランツールステージ優勝を掴み取った。
「最終盤はかなり混沌としていたけれど、スティービー(スティバル)とベルト(ファンレルベルフ)が僕について、ポジションを引き上げてくれたんだ。スプリントを始めた時、まだ踏めるという感触があった」と喜ぶヤコブセンは、9位に沈んだフィリプセンに変わってマイヨプントスも獲得。フィニッシュ後はチームの分け隔てなくたくさんの選手から祝福を受けた。
この日、タラマエを除く総合勢たちは遅れることなくフィニッシュ。救済措置でタラマエがマイヨロホを守り、また、新城も集団内の155位でレースを終えている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第4ステージ結果
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3:43:07 |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
3位 | マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO) | |
4位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM) | |
5位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | |
6位 | ピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス) | |
7位 | ジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
10位 | リッカルド・ミナーリ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
156位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) |
マイヨロホ 個人総合成績
1位 | レイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 13:08:51 |
2位 | ケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード) | 0:25 |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 0:30 |
4位 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、AG2Rシトロン) | 0:35 |
5位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 0:45 |
6位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) | 0:51 |
7位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:57 |
8位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
9位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 1:09 |
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 100pts |
2位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 68pts |
3位 | アレクサンデル・アランブル(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | 50pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | レイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 10pts |
2位 | ケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード) | 7pts |
3位 | ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 6pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 13:09:48 |
2位 | ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:13 |
3位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) | 0:16 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 39:28:41 |
2位 | モビスター | 0:22 |
3位 | バーレーン・ヴィクトリアス | 0:50 |
text:So Isobe
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