今大会最初の山岳ステージとなったブエルタ・ア・ブルゴス3日目に、超級山岳頂上手前で仕掛けたロマン・バルデ(フランス、チームDSM)が得意の下りで差を広げ独走勝利。チーム移籍後初優勝とともにリーダージャージを手にした。
ブルゴスの旧市街を進むプロトン (c)Vuelta a Burgos
ブエルタ・ア・ブルゴス2021第3ステージ コースプロフィール (c)Vuelta a Burgosブルゴス北部に位置するブスト・デ・ブレバからエスピノサ・デ・ロス・モンテロスまでの172kmを走る第3ステージは、総合優勝が争われる今大会最初の山岳ステージ。3つの3級山岳を越えると、フィニッシュ手前の残り17km地点には超級山岳ピコン・ブランコ(距離7.9km/平均9.2%)が登場し、そこからテクニカルな下り坂がフィニッシュまで続く。
序盤から逃げグループを形成したのはガイ・ニーブ(イスラエル、イスラエル・スタートアップネイション)や地元スペインのプロチームであるブルゴスBHを含む4名。しかしイネオス・グレナディアーズがメイン集団を積極的に牽引したためタイム差は広がらず、逃げから単独で飛び出したオイエル・ラスカノ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)が2分リードで超級山岳に突入した。
序盤から逃げグループを形成したオイエル・ラスカノ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)たち (c)Vuelta a Burgos
東京五輪直後にチームに合流し出場する新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) (c)Vuelta a Burgos
今年のジロ・デ・イタリアで総合2位に入ったダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がペースを上げると、メイン集団の人数が一気に絞られる。サイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO) の飛び出しでアタック合戦の幕が上がると、ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)が続いてアタック。パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)の追走でカーとアルを吸収した集団から、今度はロマン・バルデ(フランス、チームDSM)が加速した。
逃げ集団から遅れる選手たちを次々と抜いていくバルデをドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)が捉えたことで、集団は一時沈静化。約15名まで絞られた集団先頭でジロ覇者のエガン・ベルナル(コロンビア)がシヴァコフのためにテンポで引くと、そこからジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)とミケル・ニエベ(スペイン、バイクエクスチェンジ)飛び出し、逃げグループ内で最後まで粘ったジョアン・ボウ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)を抜き去りレース先頭に立った。
追走集団との差を20秒まで広げたブシャールとニエベの2人に、バルデがダンシングで合流。一方ベルナルの引きが終わると後方集団は崩壊し、各チームのエースたちによる単独での争いになった。
頂上まで残り400mからバルデが加速し単独で頂上をトップ通過すると、そのままフィニッシュまで続く得意な下りに突入する。それを追うのはブシャールとニエベ、そして頂上手前で2人に追いついたミケル・ランダ(スペイン)とポッツォヴィーヴォの4人に勝利は絞り込まれた。
20秒差あった先頭2人に追いついたロマン・バルデ(フランス、チームDSM) (c)Vuelta a Burgos
下りで落車しバイクパンツが破けたロマン・バルデ(フランス、チームDSM) (c)Vuelta a Burgos
狭くテクニカルな下りでバルデと後方のタイム差は徐々に拡大していくと、追走の先頭で下りのペースを作っていたブシャールがコーナーでタイヤを滑らせ落車する。直後に先頭を行くバルデも落車するが、すぐさま立ち上がり僅か数秒のタイムロスに抑えレースに復帰。ブシャールを失った3人が協調して追走するもバルデとの差は縮まらず、その差を39秒まで広げたバルデが独走でフィニッシュラインに飛び込んだ。
「このレースで最も厳しい登りだと見ていたので、チームとして何かしたいと思っていた。チームは麓まで僕を良い位置に導いてくれ、何より調子がとても良かった。ここにはステージ優勝を目指してきたので、その目標が叶って嬉しい」と語るのは、2018年の2月24日以来、実に約3年半振りの勝利となったバルデ。
「登りで先頭に追いつき、単独で頂上までたどり着けると思っていた。それに下りはみんな知っている通り得意だからね。コーナーにハイスピードで入りすぎてしまい落車したが、すぐに起き上がり勝利することができた。(最終日の)土曜までリーダージャージを守れるか見てみよう」。8年所属した現AG2Rシトロエンを離れ、今年加入したチームDSMに初勝利を捧げたバルデは、総合首位に浮上し山岳賞とポイント賞でもトップに立った。
後続の2位争いはポッツォヴィーヴォがスプリントでランダとニエベを抑え先着。中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)はトップから7分54秒遅れの72位、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は12分44秒遅れの104位でフィニッシュしている。
3年半振りの勝利を挙げたロマン・バルデ(フランス、チームDSM) (c)Vuelta a Burgos
リーダージャージを獲得したロマン・バルデ(フランス、チームDSM) (c)Vuelta a Burgos


序盤から逃げグループを形成したのはガイ・ニーブ(イスラエル、イスラエル・スタートアップネイション)や地元スペインのプロチームであるブルゴスBHを含む4名。しかしイネオス・グレナディアーズがメイン集団を積極的に牽引したためタイム差は広がらず、逃げから単独で飛び出したオイエル・ラスカノ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)が2分リードで超級山岳に突入した。


今年のジロ・デ・イタリアで総合2位に入ったダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がペースを上げると、メイン集団の人数が一気に絞られる。サイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO) の飛び出しでアタック合戦の幕が上がると、ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)が続いてアタック。パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)の追走でカーとアルを吸収した集団から、今度はロマン・バルデ(フランス、チームDSM)が加速した。
逃げ集団から遅れる選手たちを次々と抜いていくバルデをドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)が捉えたことで、集団は一時沈静化。約15名まで絞られた集団先頭でジロ覇者のエガン・ベルナル(コロンビア)がシヴァコフのためにテンポで引くと、そこからジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)とミケル・ニエベ(スペイン、バイクエクスチェンジ)飛び出し、逃げグループ内で最後まで粘ったジョアン・ボウ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)を抜き去りレース先頭に立った。
追走集団との差を20秒まで広げたブシャールとニエベの2人に、バルデがダンシングで合流。一方ベルナルの引きが終わると後方集団は崩壊し、各チームのエースたちによる単独での争いになった。
頂上まで残り400mからバルデが加速し単独で頂上をトップ通過すると、そのままフィニッシュまで続く得意な下りに突入する。それを追うのはブシャールとニエベ、そして頂上手前で2人に追いついたミケル・ランダ(スペイン)とポッツォヴィーヴォの4人に勝利は絞り込まれた。


狭くテクニカルな下りでバルデと後方のタイム差は徐々に拡大していくと、追走の先頭で下りのペースを作っていたブシャールがコーナーでタイヤを滑らせ落車する。直後に先頭を行くバルデも落車するが、すぐさま立ち上がり僅か数秒のタイムロスに抑えレースに復帰。ブシャールを失った3人が協調して追走するもバルデとの差は縮まらず、その差を39秒まで広げたバルデが独走でフィニッシュラインに飛び込んだ。
「このレースで最も厳しい登りだと見ていたので、チームとして何かしたいと思っていた。チームは麓まで僕を良い位置に導いてくれ、何より調子がとても良かった。ここにはステージ優勝を目指してきたので、その目標が叶って嬉しい」と語るのは、2018年の2月24日以来、実に約3年半振りの勝利となったバルデ。
「登りで先頭に追いつき、単独で頂上までたどり着けると思っていた。それに下りはみんな知っている通り得意だからね。コーナーにハイスピードで入りすぎてしまい落車したが、すぐに起き上がり勝利することができた。(最終日の)土曜までリーダージャージを守れるか見てみよう」。8年所属した現AG2Rシトロエンを離れ、今年加入したチームDSMに初勝利を捧げたバルデは、総合首位に浮上し山岳賞とポイント賞でもトップに立った。
後続の2位争いはポッツォヴィーヴォがスプリントでランダとニエベを抑え先着。中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)はトップから7分54秒遅れの72位、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は12分44秒遅れの104位でフィニッシュしている。


ブエルタ・ア・ブルゴス2021第3ステージ結果
1位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | 4:14:14 |
2位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ) | 0:39 |
3位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
4位 | ミケル・ニエベ(スペイン、バイクエクスチェンジ) | |
5位 | トビアス・バイヤー(オーストリア、アルペシン・フェニックス) | 0:50 |
6位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ) | |
8位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) | |
9位 | ダビ・デラクルス(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | オスカル・ロドリゲス(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | |
72位 | 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO) | 7:54 |
104位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | 12:44 |
個人総合成績
1位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | 11:44:38 |
2位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:45 |
3位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ) | 0:58 |
4位 | ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ) | 1:00 |
5位 | ダビ・デラクルス(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン) | |
7位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 1:05 |
8位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) | 1:07 |
9位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 1:33 |
10位 | ヤーコ・ハンニネン(フィンランド、AG2Rシトロエン) | 1:45 |
その他の特別賞
山岳賞 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) |
ポイント賞 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) |
ヤングライダー賞 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:Sotaro.Arakawa
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