気鋭のスプリンター、ロレーナ・ウィーブス(オランダ、チームDSM)とエマセシル・ノースガード(デンマーク、モビスター)による一騎打ち。好リードアウトに放たれたウィーブスが今大会2勝目を掴み取った。
スプリンターとして成績を伸ばすマリアヴィットリア・スペロット(イタリア、A.R.モネックスウィメンズプロサイクリング) photo:CorVos
ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)やエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)を先頭にスタート photo:CorVos
ひまわり畑を横目にプロトンがハイペースを刻む photo:CorVos
北イタリアを横断するジロ・デ・イタリア・ドンネはベネト州からフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州へ。ピナレロのお膝元であるトレヴィーゾ県のサン・ヴェンデミアーノからモルテリアーノを目指す第8ステージは、ベネト平野を突っ走る真っ平らな131.8kmコースが用意された。
この日は新型コロナウイルス陽性が検出されたティブコSVBが未出走となり、初日のチームタイムトライアルで落車し総合成績を落としていたセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)も東京五輪に向けて回復を取るべくリタイア。110名まで小さくなったプロトンが、晴れ渡る太陽のもとスタートを切った。
逃げるアナスタシア・カルボナーラ(ボーントゥウィンG20)ら3名 photo:CorVos
まだ一度も大逃げが決まっていない今大会。序盤から逃げを狙う選手たちがアタックを繰り返したものの決まらず、集団一つのまま序盤の50kmを消化する。ようやくアナスタシア・カルボナーラ(ボーントゥウィンG20)ら3名が逃げる許可を得たのは52km地点のことだった。
最大3分リードを稼いだ3名だったものの、舞台が後半戦に移るとモビスターの牽引開始によってタイム差は現象の一途を辿る。最後まで踏み続けた3名は残り6.3kmで吸収され、ここからスプリントのラバルチームを蹴散らしてモビスターのペースメイクが始まった。
フラムルージュを通過してもなおモビスターは優位を保ったものの、その背後で虎視眈々とタイミングを待ち続けたコリン・リヴェラ(アメリカ、チームDSM)が残り300mで一気に先頭へ。緩いS字を描く最終区間でロレーナ・ウィーブス(オランダ、チームDSM)がスプリントを開始した。
圧倒的なスプリントで2勝目をあげたロレーナ・ウィーブス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
パワフルなスプリントで突き進むウィーブスは、食い下がるエマセシル・ノースガード(デンマーク、モビスター)を寄せ付けることなくフィニッシュラインへと到達。ここまで1勝ずつ挙げている新世代スプリンター同士の戦いに勝利した。
「今日もチームとしてレース全体をコントロールできた。スプリントはかなり落ち着かない展開だったけれど、ジュリエット(ラボウ)が私を先頭まで連れて行ってくれた。少しコリンから離れてしまったけれど、残り300mで彼女が戻り、その後超ハイペースを刻んでくれた。そこから私はスプリントするだけで良かった」とチームの働きに感謝するウィーブス。22歳の気鋭のスプリンターが、初挑戦のジロ・ドンネで早くも2勝を掴んでいる。
ジロ・デ・イタリア・ドンネ第8ステージトップスリー photo:CorVos
豪快にスプマンテを開けるロレーナ・ウィーブス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
翌第9ステージは標高1.267mの1級山岳マタイウルに上り詰める山頂フィニッシュ。総合トップスリーを維持するSDワークス勢に一矢報いる選手が現れるかに注目したい。



北イタリアを横断するジロ・デ・イタリア・ドンネはベネト州からフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州へ。ピナレロのお膝元であるトレヴィーゾ県のサン・ヴェンデミアーノからモルテリアーノを目指す第8ステージは、ベネト平野を突っ走る真っ平らな131.8kmコースが用意された。
この日は新型コロナウイルス陽性が検出されたティブコSVBが未出走となり、初日のチームタイムトライアルで落車し総合成績を落としていたセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)も東京五輪に向けて回復を取るべくリタイア。110名まで小さくなったプロトンが、晴れ渡る太陽のもとスタートを切った。

まだ一度も大逃げが決まっていない今大会。序盤から逃げを狙う選手たちがアタックを繰り返したものの決まらず、集団一つのまま序盤の50kmを消化する。ようやくアナスタシア・カルボナーラ(ボーントゥウィンG20)ら3名が逃げる許可を得たのは52km地点のことだった。
最大3分リードを稼いだ3名だったものの、舞台が後半戦に移るとモビスターの牽引開始によってタイム差は現象の一途を辿る。最後まで踏み続けた3名は残り6.3kmで吸収され、ここからスプリントのラバルチームを蹴散らしてモビスターのペースメイクが始まった。
フラムルージュを通過してもなおモビスターは優位を保ったものの、その背後で虎視眈々とタイミングを待ち続けたコリン・リヴェラ(アメリカ、チームDSM)が残り300mで一気に先頭へ。緩いS字を描く最終区間でロレーナ・ウィーブス(オランダ、チームDSM)がスプリントを開始した。

パワフルなスプリントで突き進むウィーブスは、食い下がるエマセシル・ノースガード(デンマーク、モビスター)を寄せ付けることなくフィニッシュラインへと到達。ここまで1勝ずつ挙げている新世代スプリンター同士の戦いに勝利した。
「今日もチームとしてレース全体をコントロールできた。スプリントはかなり落ち着かない展開だったけれど、ジュリエット(ラボウ)が私を先頭まで連れて行ってくれた。少しコリンから離れてしまったけれど、残り300mで彼女が戻り、その後超ハイペースを刻んでくれた。そこから私はスプリントするだけで良かった」とチームの働きに感謝するウィーブス。22歳の気鋭のスプリンターが、初挑戦のジロ・ドンネで早くも2勝を掴んでいる。


翌第9ステージは標高1.267mの1級山岳マタイウルに上り詰める山頂フィニッシュ。総合トップスリーを維持するSDワークス勢に一矢報いる選手が現れるかに注目したい。
ジロ・デ・イタリア・ドンネ2021第8ステージ結果
1位 | ロレーナ・ウィーブス(オランダ、チームDSM) | 3:10:01 |
2位 | エマセシル・ノースガード(デンマーク、モビスター) | |
3位 | マリアヴィットリア・スペロット(イタリア、A.R.モネックスウィメンズプロサイクリング) | |
4位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィットWNTプロサイクリング) | |
5位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
6位 | マルタ・バスティアネッリ(イタリア、アレBTCリュブリャナ) | |
7位 | エレーナ・チェッキーニ(イタリア、SDワークス) | |
8位 | ソフィア・ベルティッツォーロ(イタリア、リブレーシング) | |
9位 | イラリア・サングイネッティ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス) | |
10位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード) |
個人総合成績
1位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス) | 20:10:15 |
2位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、SDワークス) | 2:55 |
3位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | 3:07 |
4位 | エリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード) | 5:56 |
5位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | 6:27 |
6位 | エリカ・マグナルディ(イタリア、セラティツィットWNTプロサイクリング) | 6:39 |
7位 | マビ・ガルシア(スペイン、アレBTCリュブリャナ) | 7:01 |
8位 | ジュリエット・ラボウ(フランス、チームDSM) | 7:05 |
9位 | タチアナ・グデルツォ(イタリア、アレBTCリュブリャナ) | 7:28 |
10位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス) | 7:50 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) |
山岳賞 | ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード) |
ヤングライダー賞 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス) |
チーム総合成績 | SDワークス |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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