中盤から逃げた4名がステージ優勝を争った。マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が、ジロドンネ通算29勝目を31歳の若さで亡くなったシクロクロス選手、ジョリーン・フェルシューレン(ベルギー)に捧げた。
スタート直後からレースは雨。アタックが掛かることなく距離を消化した photo:CorVos
ピエモンテ州のカサレ・モンフェラートからオバダを目指すジロ・デ・イタリア・ドンネ第3ステージ。138.1kmのコースは前半こそ平坦だが、中盤以降3級山岳が4箇所とアップダウンが連続。まさにマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)向けのコースで、前日の山岳ステージで脚を温存した女王が動いた。
この日はスタート直後に降り出した雨のため逃げが生まれず、前半の平坦区間は集団ひとかたまりのまま進む。1つ目の3級山岳「モルサスコ」でブローディー・チャップマン(オーストラリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)がアタックしたことでレースが動いた。
レース中盤の山岳までは集団ひとかたまりのまま進んだ photo:CorVos
逃げグループを作ったマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
有力候補が多数動いたアタック合戦の末、フォスとエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)、リアヌ・リッパート(ドイツ、チームDSM)、そしてシクロクロス世界チャンピオンのルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)が逃げる展開に。最も総合成績が良いのは5分59秒遅れの16位につけるシャベイであり、マリアローザのアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)擁するSDワークスにステージ優勝を狙う意思は無かった。
メイン集団を組織的に牽引するチームは現れず、タイム差は残り20kmで3分45秒、残り5kmで4分まで拡大。こうして先行4名の逃げ切りが確定し、たっぷりと得たタイム差を使った牽制合戦から、ブラントの加速をきっかけにスプリント勝負が幕開けた。
天を指差してフィニッシュするマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
マリアンヌ・フォス(オランダ)の優勝を喜ぶユンボ・ヴィズマ photo:CorVos
登り勾配のスプリントで先行するブラントだったが、ここは勝ち方を知り尽くしたフォスの独壇場。軽やかなスプリントでブラントを追い抜き、後ろを確認しながら天を指差してフィニッシュ。ジロ・ドンネ勝利記録を29へと伸ばすと共に、7月2日に脳腫瘍のため31歳の若さで亡くなったシクロクロス選手、ジョリーン・フェルシューレン(ベルギー)に勝利を捧げた。
「もちろん29回目の勝利は素晴らしいけれど、自分の情熱を注ぎ、最も愛することをできることこそが最高のこと。彼女(フェルシューレン)がどれだけ自転車競技にひたむきだったか知っていて、それが今日私に強さを与えてくれた。今日は彼女のために特別なレースをしたいと思っていた」と、2013年から2018年に掛けて共にシクロクロスレースで戦ったフェルシューレンに言葉を贈った。
豪快にスプマンテを振り撒くマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
また、この日メイン集団は3分18秒遅れでフィニッシュ。逃げ切ったシャベイが総合成績を16位から4位に上げたものの、それ以外に総合順位に変動は無かった。

ピエモンテ州のカサレ・モンフェラートからオバダを目指すジロ・デ・イタリア・ドンネ第3ステージ。138.1kmのコースは前半こそ平坦だが、中盤以降3級山岳が4箇所とアップダウンが連続。まさにマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)向けのコースで、前日の山岳ステージで脚を温存した女王が動いた。
この日はスタート直後に降り出した雨のため逃げが生まれず、前半の平坦区間は集団ひとかたまりのまま進む。1つ目の3級山岳「モルサスコ」でブローディー・チャップマン(オーストラリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)がアタックしたことでレースが動いた。


有力候補が多数動いたアタック合戦の末、フォスとエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)、リアヌ・リッパート(ドイツ、チームDSM)、そしてシクロクロス世界チャンピオンのルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)が逃げる展開に。最も総合成績が良いのは5分59秒遅れの16位につけるシャベイであり、マリアローザのアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)擁するSDワークスにステージ優勝を狙う意思は無かった。
メイン集団を組織的に牽引するチームは現れず、タイム差は残り20kmで3分45秒、残り5kmで4分まで拡大。こうして先行4名の逃げ切りが確定し、たっぷりと得たタイム差を使った牽制合戦から、ブラントの加速をきっかけにスプリント勝負が幕開けた。


登り勾配のスプリントで先行するブラントだったが、ここは勝ち方を知り尽くしたフォスの独壇場。軽やかなスプリントでブラントを追い抜き、後ろを確認しながら天を指差してフィニッシュ。ジロ・ドンネ勝利記録を29へと伸ばすと共に、7月2日に脳腫瘍のため31歳の若さで亡くなったシクロクロス選手、ジョリーン・フェルシューレン(ベルギー)に勝利を捧げた。
「もちろん29回目の勝利は素晴らしいけれど、自分の情熱を注ぎ、最も愛することをできることこそが最高のこと。彼女(フェルシューレン)がどれだけ自転車競技にひたむきだったか知っていて、それが今日私に強さを与えてくれた。今日は彼女のために特別なレースをしたいと思っていた」と、2013年から2018年に掛けて共にシクロクロスレースで戦ったフェルシューレンに言葉を贈った。

また、この日メイン集団は3分18秒遅れでフィニッシュ。逃げ切ったシャベイが総合成績を16位から4位に上げたものの、それ以外に総合順位に変動は無かった。
ジロ・デ・イタリア・ドンネ2021第3ステージ結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 3:40:24 |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード) | |
3位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、チームDSM) | |
4位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | |
5位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィットWNTプロサイクリング) | 3:18 |
6位 | コリン・リヴェラ(アメリカ、チームDSM) | |
7位 | エマセシル・ノースガード(デンマーク、モビスター) | |
8位 | マルタ・バスティアネッリ(イタリア、アレBTCリュブリャナ) | |
9位 | イラリア・サングイネッティ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス) | |
10位 | マルタ・ラフ(ポーランド、セラティツィットWNTプロサイクリング) |
個人総合成績
1位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス) | 7:15:56 |
2位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、SDワークス) | 1:21 |
3位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | 1:57 |
4位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | 2:36 |
5位 | エリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード) | 3:31 |
6位 | マビ・ガルシア(スペイン、アレBTCリュブリャナ) | 3:42 |
7位 | エリカ・マグナルディ(イタリア、セラティツィットWNTプロサイクリング) | 3:50 |
8位 | タチアナ・グデルツォ(イタリア、アレBTCリュブリャナ) | 4:08 |
9位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス) | 4:18 |
10位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 4:33 |
その他の特別賞
ポイント賞 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス) |
山岳賞 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) |
ヤングライダー賞 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス) |
チーム総合成績 | SDワークス |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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