2021/07/02(金) - 10:22
「選手たちが一生をかけて挑むツールでの勝利は特別だ」とは、ツール第6ステージを制したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)の言葉。2位のフィリプセンや5位のサガン、逃げに乗り敢闘賞を獲得したファンアーヴェルマートなどのコメントを紹介します。
ステージ1位&マイヨヴェール(ポイント賞) マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ツール・ド・フランスでのステージ優勝だ。初勝利だろうが、32回目だろうがツールのステージ優勝に変わりはしない。人々が一生をかけて望む舞台での勝利だ。とても嬉しいよ。
ここでのフィニッシュはいつも違うコースに感じる。2008年はフィニッシュラインが(今日より)遠く、登り坂だった。2011年は登りはあったがもっと手前でフィニッシュした。初めてここで勝利したのは10年前。(再び勝てて)特別な感覚だよ。1人でベラベラ喋りすぎかな?ごめんね、興奮しているんだ。
スプリントチームがスプリントに持っていく仕事をしないのが不思議でならない。うちのカスパー(アスグリーン)を含むスプリンターを抱えるチームはみな逃げに選手を入れていた。そして(逃げに選手を送り込めなかった)グルパマFDJやアルケア・サムシックがフランスのチームなのにもかかわらずパニックを起こしていた。だが逃げ集団がタイム差を広げても彼らは先頭を引かなかった。さすがに最終局面では先頭に来るだろうと思っていたが、僕らと一緒に先頭にいたのは今日も強さを見せたアルペシン・フェニックスのようなチームだった。
風が右から吹いていたので、ミケル(モルコフ)が左側を開けてくれたのだが、もう少しだけ誰かの後ろにいたかったので違うトレインにスイッチしたんだ。彼ら(アルペシン・フェニックス)がそこでどれだけ力を発揮していたかがわかるね。ラスト1kmは世界王者ジュリアン・アラフィリップも前を引いてくれた。特別な働きに興奮したよ。
ステージ2位 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
とても良いリードアウトから完璧な位置でスプリントができたのだが、1人の選手が僕よりも速かっただけだ。カヴェンディッシュに負けたんだ。恥ずかしいなんてことはない。それに彼はレベルの高い走りをしていた。
ステージ3位 ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)
今日もあと少し足りなかった。最終局面の落車を何とか回避し、力を使い集団先頭に戻れただけに残念だよ。僕を再び先頭に連れていってくれたチームには感謝している。特にクレモン・ルッソとダニエル・マクレーは素晴らしい働きをしてくれた。来週にまた訪れるスプリントのチャンスで頑張りたい。
ステージ4位 アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
最終局面に向けて右側から上がっていったら、ジャコポ(グアルニエーリ)と接触し彼が落車してしまった。その後体勢を立て直し、残り500mで「一体どうすればいいんだ」と自問した。その瞬間マイルズ(スコットソン)と目が合い、彼が励ましてくれたので戦いに戻ることができた。いつもとは違う並びだったが、マイルズによる素晴らしいアシストのおかげでなんとか勝負に加わることができた。勝てる脚があっただけに残念だ。
ステージ5位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マシにはなってはきたが、まだ膝に違和感がある。早く100%の状態に戻ることを願っている。パリまでたどり着けるかどうかの心配はない。単純にベストな状態に戻りたいだけだ。まだ第6ステージしか走っていないのに、2週間ぐらい走ってきた気持ちがするよ。グリーンジャージのライバルであるマイケル・マシューズやソンニ・コルブレッリの調子はいいがその差はわずかだ。まだマイヨヴェールは諦めていない。
どんな勝者に対してもするように、彼(カヴェンディッシュ)にも祝福の握手を求めた。僕自身は彼に対して何の敵意もない。だが、彼にはまだ2017年の出来事が頭の中にあるようだ。僕はもう次に進んでいるので、彼の勝利が嬉しいよ。
敢闘賞を獲得したグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、アージェードゥーゼール・シトロエン)
良い選手が揃う8名の逃げで、まだまだ一緒にまとまって走れたと思うのだが、それぞれが違う思惑があったみたいだ。だから仕掛け、幸運にもロジャー・クルーゲも一緒に来てくれた。良い協調体制を築くことができ、力の限りペダルを踏んだ。集団と最大40秒まで差を広げたのだが、勝利を狙うスプリンターが揃う集団から逃げ切ることはできなかった。でも敢闘賞を獲得することができて嬉しいよ。
ロジャー・クルーゲ(ドイツ、ロット・スーダル)
逃げ切りを信じて全力で踏んだ。残り2kmで集団に吸収されてしまったが、そこまでの道のりは長かった。(カレブ・ユアンが棄権し)戦術の変更を強いられたので、今後のステージでも僕たちが逃げに乗る姿を見せられるだろう。2日前(第4ステージ)は勝利まであと一歩のところまだった。今日(捉まったのは)逃げに乗ったメンバーが強力過ぎたことが影響したのだろうね。
マイヨジョーヌ マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
序盤は強い選手たちで逃げが形成される難しい展開だったが、その後はフィニッシュに向けてレースが落ち着いた。リードアウトという役割だったのだが、最終コーナーで仲間たちを見失ってしまったんだ。だから彼ら待たなければならず、集団後方からの勝負を強いられた。再びトレインを組めたのだが、カヴはとても速かったね。明日は厳しい戦いが待っているだろう。タイム差は僅かなので総合順位の争いも見られるはずだ。
マイヨブラン(ヤングライダー賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
楽なステージではなかった。集団の中にいても感じるほどペースが速かった。今日は昨日の勝利を噛みしめながら走っていた。その気持ちで最後まで走りたい。このマイヨブランが大好きだし、何より着心地がとても良いんだ。
text:Sotaro.Arakawa
ステージ1位&マイヨヴェール(ポイント賞) マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ツール・ド・フランスでのステージ優勝だ。初勝利だろうが、32回目だろうがツールのステージ優勝に変わりはしない。人々が一生をかけて望む舞台での勝利だ。とても嬉しいよ。
ここでのフィニッシュはいつも違うコースに感じる。2008年はフィニッシュラインが(今日より)遠く、登り坂だった。2011年は登りはあったがもっと手前でフィニッシュした。初めてここで勝利したのは10年前。(再び勝てて)特別な感覚だよ。1人でベラベラ喋りすぎかな?ごめんね、興奮しているんだ。
スプリントチームがスプリントに持っていく仕事をしないのが不思議でならない。うちのカスパー(アスグリーン)を含むスプリンターを抱えるチームはみな逃げに選手を入れていた。そして(逃げに選手を送り込めなかった)グルパマFDJやアルケア・サムシックがフランスのチームなのにもかかわらずパニックを起こしていた。だが逃げ集団がタイム差を広げても彼らは先頭を引かなかった。さすがに最終局面では先頭に来るだろうと思っていたが、僕らと一緒に先頭にいたのは今日も強さを見せたアルペシン・フェニックスのようなチームだった。
風が右から吹いていたので、ミケル(モルコフ)が左側を開けてくれたのだが、もう少しだけ誰かの後ろにいたかったので違うトレインにスイッチしたんだ。彼ら(アルペシン・フェニックス)がそこでどれだけ力を発揮していたかがわかるね。ラスト1kmは世界王者ジュリアン・アラフィリップも前を引いてくれた。特別な働きに興奮したよ。
ステージ2位 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
とても良いリードアウトから完璧な位置でスプリントができたのだが、1人の選手が僕よりも速かっただけだ。カヴェンディッシュに負けたんだ。恥ずかしいなんてことはない。それに彼はレベルの高い走りをしていた。
ステージ3位 ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)
今日もあと少し足りなかった。最終局面の落車を何とか回避し、力を使い集団先頭に戻れただけに残念だよ。僕を再び先頭に連れていってくれたチームには感謝している。特にクレモン・ルッソとダニエル・マクレーは素晴らしい働きをしてくれた。来週にまた訪れるスプリントのチャンスで頑張りたい。
ステージ4位 アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
最終局面に向けて右側から上がっていったら、ジャコポ(グアルニエーリ)と接触し彼が落車してしまった。その後体勢を立て直し、残り500mで「一体どうすればいいんだ」と自問した。その瞬間マイルズ(スコットソン)と目が合い、彼が励ましてくれたので戦いに戻ることができた。いつもとは違う並びだったが、マイルズによる素晴らしいアシストのおかげでなんとか勝負に加わることができた。勝てる脚があっただけに残念だ。
ステージ5位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マシにはなってはきたが、まだ膝に違和感がある。早く100%の状態に戻ることを願っている。パリまでたどり着けるかどうかの心配はない。単純にベストな状態に戻りたいだけだ。まだ第6ステージしか走っていないのに、2週間ぐらい走ってきた気持ちがするよ。グリーンジャージのライバルであるマイケル・マシューズやソンニ・コルブレッリの調子はいいがその差はわずかだ。まだマイヨヴェールは諦めていない。
どんな勝者に対してもするように、彼(カヴェンディッシュ)にも祝福の握手を求めた。僕自身は彼に対して何の敵意もない。だが、彼にはまだ2017年の出来事が頭の中にあるようだ。僕はもう次に進んでいるので、彼の勝利が嬉しいよ。
敢闘賞を獲得したグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、アージェードゥーゼール・シトロエン)
良い選手が揃う8名の逃げで、まだまだ一緒にまとまって走れたと思うのだが、それぞれが違う思惑があったみたいだ。だから仕掛け、幸運にもロジャー・クルーゲも一緒に来てくれた。良い協調体制を築くことができ、力の限りペダルを踏んだ。集団と最大40秒まで差を広げたのだが、勝利を狙うスプリンターが揃う集団から逃げ切ることはできなかった。でも敢闘賞を獲得することができて嬉しいよ。
ロジャー・クルーゲ(ドイツ、ロット・スーダル)
逃げ切りを信じて全力で踏んだ。残り2kmで集団に吸収されてしまったが、そこまでの道のりは長かった。(カレブ・ユアンが棄権し)戦術の変更を強いられたので、今後のステージでも僕たちが逃げに乗る姿を見せられるだろう。2日前(第4ステージ)は勝利まであと一歩のところまだった。今日(捉まったのは)逃げに乗ったメンバーが強力過ぎたことが影響したのだろうね。
マイヨジョーヌ マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
序盤は強い選手たちで逃げが形成される難しい展開だったが、その後はフィニッシュに向けてレースが落ち着いた。リードアウトという役割だったのだが、最終コーナーで仲間たちを見失ってしまったんだ。だから彼ら待たなければならず、集団後方からの勝負を強いられた。再びトレインを組めたのだが、カヴはとても速かったね。明日は厳しい戦いが待っているだろう。タイム差は僅かなので総合順位の争いも見られるはずだ。
マイヨブラン(ヤングライダー賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
楽なステージではなかった。集団の中にいても感じるほどペースが速かった。今日は昨日の勝利を噛みしめながら走っていた。その気持ちで最後まで走りたい。このマイヨブランが大好きだし、何より着心地がとても良いんだ。
text:Sotaro.Arakawa
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