2021/06/28(月) - 09:28
「マイヨジョーヌ獲得を聞いた瞬間、とてつもない感動が押し寄せてきた」と語るのは、ツール第2ステージを優勝し総合首位に立ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)。2位のポガチャルや首位を明け渡したアラフィリップ、昨日の落車について語るマルティンらのコメントを紹介します。
ステージ1位&マイヨジョーヌ&マイヨアポワ(山岳賞) マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
言葉が見つからない。計画なんて何もなかった。残り一周でのアタックに誰もついてこなかったので、これがマイヨジョーヌを手に入れるラストチャンスと思いボーナスタイムに向けて踏み続けた。だが、こんな結果になるなんて信じられないよ。
残り500mは本当に辛かったが、踏み続けなければならなかった。フィニッシュして5分後にマイヨジョーヌ獲得を知ったんだ。その瞬間はとてつもない感動が押し寄せてきた。初めてのツールでイエロージャージを着用できて特別な気持ちだよ。彼(祖父レイモン・プリドール)がここにいたらどれだけ喜んでくれただろうか。
もちろんパリまで行きたいが、それによって日本(東京五輪)でのチャンスを台無しにしたくはない。また毎ステージ力を尽くさないといけないマイヨヴェール争いも厳しいだろう。パリから東京に向かうかもしれないが、今はまだわからない。
ステージ2位&マイヨブラン(ヤングライダー賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
まずは昨日の落車に巻き込まれたマルク・ヒルシを含むチームメイト全員が出走できて本当に良かった。もちろん勝ちたかったが、ファンデルプールの優勝を見ることができて嬉しかった。全員が僕の動きをマークしていたので、僕自身の勝利は難しかっただろう。今日は彼が一番強く、ミュール(=ド=ブルターニュ)を通過した一周目のアタックは、僕ら全員が驚いた。実は最初の一周目で「一緒に仕掛けないか」と冗談混じりに誘われていたんだ。この2位という結果と、今のコンディションに満足しているよ。
ステージ4位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)
今日もまた複雑な下りや、小さな街を抜ける狭い道と激しい最後になったね。脚は残っていたけれど、ファンデルプールのアタックについていけるほどではなかった。それでも残り400mで仕掛け、ログリッチとポガチャルの2人がついてきた。残念ながら彼らに抜かれてしまったが、良い一日になったよ。まだ昨日の落車の影響で肘と肩にダメージが残っているけれど、最後の登りではそれを忘れて脚に集中することができた。
ステージ5位&マイヨヴェール(ポイント賞) ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
後悔はない。力の限りを尽くしたし、昨日のステージの影響で脚が少し重かった。一周目の登りでは向かい風が吹いていたものの、最終回でも最後の登りの直前まで調子が良かった。最後はマチュー(ファンデルプール)の方が強かった、それだけだ。最初(一周目)のアタックに反応しようとしたが、最後の登りに向けて脚を溜めていたんだ。だが、今日は僕の日ではなかった。
マイヨジョーヌを着用して走る一瞬一瞬を楽しんだよ。そして一日を通し僕を守ってくれたチームメイトに感謝したい。マイヨジョーヌを守るためベストを尽くしたけれど、最後にはもう脚が残っていなかった。とはいえこの2日間には満足しているし、もう1つの特別なジャージに袖を通すことができて嬉しいよ。
ステージ12位 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
難しいステージだった。最後はとても緊張を強いられ、たくさんの選手がアタックを狙っていた。チームメイトは素晴らしい働きで僕らの位置を守ってくれた。リッチー・ポートの引きは強烈で、絶好の位置取りができた。G(ゲラント・トーマス)が数秒失って少し残念だが、まだまだ多くのステージが待ち受けている。これからの一日一日を大切に走るだけだ。
ステージ15位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)
感覚が良く、チャンスが来たので差をつけるためアタックした。だがマチュー・ファンデルプールはレースをとても上手くコントロールしたよ。
ステージ86位 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
今日のような短い登りでは位置取りが全てなんだ。タフなラストになるのは分かっていたので集団の先頭にいなければならなかった。結果的に僕たちにとって良い状況になり、もちろん勝利が欲しかったが、それよりも総合順位を争うライバルたちに集中していた。何よりもプリモシュ(ログリッチ)とタデイ(ポガチャル)の息はピッタリだ。
昨日の落車について語るトニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)
女性とサインボードが見えたが、僕たちが通過する瞬間にそれを道路に出したんだ。反応できるタイミングではなく、かなり予想外の動きだった。未だになんであんなことができるのか理解できない。これは自転車レースだ、サーカスではない。
状態は悪くなく、夜も眠れた。自転車に跨っても痛みはないし、徐々に回復していくことを願っている。しかしメカニックたちはさぞかし長い夜を過ごしただろう。たくさんのバイクが完全に壊れてしまっていた。ドクターも忙しく包帯を替えていた。ツールの理想的な始まりではないが、これに慣れていかなければならない。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
ステージ1位&マイヨジョーヌ&マイヨアポワ(山岳賞) マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
言葉が見つからない。計画なんて何もなかった。残り一周でのアタックに誰もついてこなかったので、これがマイヨジョーヌを手に入れるラストチャンスと思いボーナスタイムに向けて踏み続けた。だが、こんな結果になるなんて信じられないよ。
残り500mは本当に辛かったが、踏み続けなければならなかった。フィニッシュして5分後にマイヨジョーヌ獲得を知ったんだ。その瞬間はとてつもない感動が押し寄せてきた。初めてのツールでイエロージャージを着用できて特別な気持ちだよ。彼(祖父レイモン・プリドール)がここにいたらどれだけ喜んでくれただろうか。
もちろんパリまで行きたいが、それによって日本(東京五輪)でのチャンスを台無しにしたくはない。また毎ステージ力を尽くさないといけないマイヨヴェール争いも厳しいだろう。パリから東京に向かうかもしれないが、今はまだわからない。
ステージ2位&マイヨブラン(ヤングライダー賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
まずは昨日の落車に巻き込まれたマルク・ヒルシを含むチームメイト全員が出走できて本当に良かった。もちろん勝ちたかったが、ファンデルプールの優勝を見ることができて嬉しかった。全員が僕の動きをマークしていたので、僕自身の勝利は難しかっただろう。今日は彼が一番強く、ミュール(=ド=ブルターニュ)を通過した一周目のアタックは、僕ら全員が驚いた。実は最初の一周目で「一緒に仕掛けないか」と冗談混じりに誘われていたんだ。この2位という結果と、今のコンディションに満足しているよ。
ステージ4位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)
今日もまた複雑な下りや、小さな街を抜ける狭い道と激しい最後になったね。脚は残っていたけれど、ファンデルプールのアタックについていけるほどではなかった。それでも残り400mで仕掛け、ログリッチとポガチャルの2人がついてきた。残念ながら彼らに抜かれてしまったが、良い一日になったよ。まだ昨日の落車の影響で肘と肩にダメージが残っているけれど、最後の登りではそれを忘れて脚に集中することができた。
ステージ5位&マイヨヴェール(ポイント賞) ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
後悔はない。力の限りを尽くしたし、昨日のステージの影響で脚が少し重かった。一周目の登りでは向かい風が吹いていたものの、最終回でも最後の登りの直前まで調子が良かった。最後はマチュー(ファンデルプール)の方が強かった、それだけだ。最初(一周目)のアタックに反応しようとしたが、最後の登りに向けて脚を溜めていたんだ。だが、今日は僕の日ではなかった。
マイヨジョーヌを着用して走る一瞬一瞬を楽しんだよ。そして一日を通し僕を守ってくれたチームメイトに感謝したい。マイヨジョーヌを守るためベストを尽くしたけれど、最後にはもう脚が残っていなかった。とはいえこの2日間には満足しているし、もう1つの特別なジャージに袖を通すことができて嬉しいよ。
ステージ12位 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
難しいステージだった。最後はとても緊張を強いられ、たくさんの選手がアタックを狙っていた。チームメイトは素晴らしい働きで僕らの位置を守ってくれた。リッチー・ポートの引きは強烈で、絶好の位置取りができた。G(ゲラント・トーマス)が数秒失って少し残念だが、まだまだ多くのステージが待ち受けている。これからの一日一日を大切に走るだけだ。
ステージ15位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)
感覚が良く、チャンスが来たので差をつけるためアタックした。だがマチュー・ファンデルプールはレースをとても上手くコントロールしたよ。
ステージ86位 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
今日のような短い登りでは位置取りが全てなんだ。タフなラストになるのは分かっていたので集団の先頭にいなければならなかった。結果的に僕たちにとって良い状況になり、もちろん勝利が欲しかったが、それよりも総合順位を争うライバルたちに集中していた。何よりもプリモシュ(ログリッチ)とタデイ(ポガチャル)の息はピッタリだ。
昨日の落車について語るトニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)
女性とサインボードが見えたが、僕たちが通過する瞬間にそれを道路に出したんだ。反応できるタイミングではなく、かなり予想外の動きだった。未だになんであんなことができるのか理解できない。これは自転車レースだ、サーカスではない。
状態は悪くなく、夜も眠れた。自転車に跨っても痛みはないし、徐々に回復していくことを願っている。しかしメカニックたちはさぞかし長い夜を過ごしただろう。たくさんのバイクが完全に壊れてしまっていた。ドクターも忙しく包帯を替えていた。ツールの理想的な始まりではないが、これに慣れていかなければならない。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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