2021/06/14(月) - 15:42
MTBワールドカップ第3戦でマティアス・フルッキガー(スイス、トムスRNスイスバイクチーム)とロアナ・ルコント(フランス、マッシバイクス)が金曜日のショートトラック、そして日曜日のメインレースで共に勝利した。
東京オリンピックMTBレースまであと44日。昨年10月に世界選手権を迎えたオーストリアのレオガングを舞台にUCI MTBワールドカップ第3戦が開催された。
ロードレースに戻ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とトレーニング中の事故で負傷したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)不在の男子エリートレース。ホールショットを獲ったのはニュージーランドチャンピオンのアントン・クーパー(トレックファクトリーレーシングXC)だった。
続く登りでオンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オーレンサイクリング)が、そして南アフリカチャンピオンのアラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)たちが続く。金曜日に行われたショートトラックレースのスタートで出遅れたニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング)は4列目からの追い上げを強いられた。
シンク、クーパー、ハースリー、そしてショートトラック勝者マティアス・フルッキガー(スイス、トムスRNスイスバイクチーム)といったメンバーが先頭グループを作ってスタートループを終える。メインループに入っても尚ハイペースを刻むシンクに追従できたのはクーパーとフルッキガーの2人だけ。やがてクーパーが脱落し、レース前半で優勝争いは登りに秀でるシンクとフルッキガーの二人に絞られた。
単独追走するクーパーの後ろではアルカンシエルを着用するヨルダン・サルー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング)やトマス・リッチャー(スイス、KMCオルベア)が4番手グループを作り、シューターは一時20番手付近まで転落してしまう。終盤に追い上げて10番フィニッシュした現ヨーロッパチャンピオンは「好調のまま乗り込んだがショートトラックのミスが響いた。今は耐えどき」と振り返っている。
先頭グループが動いたのは全6周回中の5周目だった。フルッキガーの再三に渡るペースアップでシンクが遅れ、11秒リードを得て最終周回に突入する。遅れたシンク、そして3番手で粘るクーパーはそれぞれ追走したものの、フルッキガーの背中が近づくことはなかった。
このレオガングで開催された2020年世界選手権で2位銀メダルに輝いたフルッキガーが、ショートトラックに続く完全制覇を達成。ワールドカップの上位常連となった32歳が、最終周回でのメカトラに泣いた第1戦、そしてファンデルプールとピドコックに敗れた第2戦の悔しさを晴らした。
女子:ルコントが怒涛のワールドカップ3連勝
第2戦でのクラッシュで腕を骨折した前世界チャンピオンのケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシング)が欠場した女子エリートレースは、スイスチャンピオンであるヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング)のダッシュで動き出す。
続く登りでアルカンシエルのポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、アブソリュートアブサロン)がペースを作り、今季圧倒的な走りを披露しているロアナ・ルコント(フランス、マッシバイクス)が続く。フランス勢には好調ハイリー・バッテン(アメリカ、トリニティレーシング)が続いたものの、メインループに入るとすぐさまルコントが先頭に立った。
誰よりも優れるパワーウェイトレシオを武器にするルコントは、登りのたびに後続とのリードを広げていく。バッテンもフェランプレヴォも、レベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカーXソース)も「普段通り」の展開に持ち込んだワールドカップリーダーに追従できなかった。
軽やかな走りで突き進むルコントは、1周回ごとに約30秒リードを積み重ね、2分6秒ものリードで最終周回へ。危なげない走りを最後まで維持し、怒涛のワールドカップ3連勝を成し遂げた。
接戦の2番手争いはフェランプレヴォとラウラ・スティッガー(オーストラ、スペシャライズドファクトリーレーシング)にネフとジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン、チーム31:アウトライド)が追いつき、登りでスティッガーとリスヴェッツが抜け出すことに成功。さらに最終区間で先行したリスヴェッツが2位表彰台を射止めている。
東京オリンピックMTBレースまであと44日。昨年10月に世界選手権を迎えたオーストリアのレオガングを舞台にUCI MTBワールドカップ第3戦が開催された。
ロードレースに戻ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とトレーニング中の事故で負傷したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)不在の男子エリートレース。ホールショットを獲ったのはニュージーランドチャンピオンのアントン・クーパー(トレックファクトリーレーシングXC)だった。
続く登りでオンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オーレンサイクリング)が、そして南アフリカチャンピオンのアラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)たちが続く。金曜日に行われたショートトラックレースのスタートで出遅れたニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング)は4列目からの追い上げを強いられた。
シンク、クーパー、ハースリー、そしてショートトラック勝者マティアス・フルッキガー(スイス、トムスRNスイスバイクチーム)といったメンバーが先頭グループを作ってスタートループを終える。メインループに入っても尚ハイペースを刻むシンクに追従できたのはクーパーとフルッキガーの2人だけ。やがてクーパーが脱落し、レース前半で優勝争いは登りに秀でるシンクとフルッキガーの二人に絞られた。
単独追走するクーパーの後ろではアルカンシエルを着用するヨルダン・サルー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング)やトマス・リッチャー(スイス、KMCオルベア)が4番手グループを作り、シューターは一時20番手付近まで転落してしまう。終盤に追い上げて10番フィニッシュした現ヨーロッパチャンピオンは「好調のまま乗り込んだがショートトラックのミスが響いた。今は耐えどき」と振り返っている。
先頭グループが動いたのは全6周回中の5周目だった。フルッキガーの再三に渡るペースアップでシンクが遅れ、11秒リードを得て最終周回に突入する。遅れたシンク、そして3番手で粘るクーパーはそれぞれ追走したものの、フルッキガーの背中が近づくことはなかった。
このレオガングで開催された2020年世界選手権で2位銀メダルに輝いたフルッキガーが、ショートトラックに続く完全制覇を達成。ワールドカップの上位常連となった32歳が、最終周回でのメカトラに泣いた第1戦、そしてファンデルプールとピドコックに敗れた第2戦の悔しさを晴らした。
女子:ルコントが怒涛のワールドカップ3連勝
第2戦でのクラッシュで腕を骨折した前世界チャンピオンのケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシング)が欠場した女子エリートレースは、スイスチャンピオンであるヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング)のダッシュで動き出す。
続く登りでアルカンシエルのポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、アブソリュートアブサロン)がペースを作り、今季圧倒的な走りを披露しているロアナ・ルコント(フランス、マッシバイクス)が続く。フランス勢には好調ハイリー・バッテン(アメリカ、トリニティレーシング)が続いたものの、メインループに入るとすぐさまルコントが先頭に立った。
誰よりも優れるパワーウェイトレシオを武器にするルコントは、登りのたびに後続とのリードを広げていく。バッテンもフェランプレヴォも、レベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカーXソース)も「普段通り」の展開に持ち込んだワールドカップリーダーに追従できなかった。
軽やかな走りで突き進むルコントは、1周回ごとに約30秒リードを積み重ね、2分6秒ものリードで最終周回へ。危なげない走りを最後まで維持し、怒涛のワールドカップ3連勝を成し遂げた。
接戦の2番手争いはフェランプレヴォとラウラ・スティッガー(オーストラ、スペシャライズドファクトリーレーシング)にネフとジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン、チーム31:アウトライド)が追いつき、登りでスティッガーとリスヴェッツが抜け出すことに成功。さらに最終区間で先行したリスヴェッツが2位表彰台を射止めている。
男子エリート結果
1位 | マティアス・フルッキガー(スイス、トムスRNスイスバイクチーム) | 1:15:50 |
2位 | オンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オーレンサイクリング) | 1:16:04 |
3位 | アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシングXC) | 1:16:35 |
4位 | トマ・グリオ(フランス、マッシバイクス) | 1:17:16 |
5位 | ヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC) | 1:17:17 |
6位 | トマス・リッチャー(スイス、KMCオルベア) | 1:17:18 |
7位 | マキシム・マロット(フランス、サンタクルズFSA) | 1:17:34 |
8位 | シモン・アンドレアッセン(デンマーク、キャノンデールファクトリーレーシング) | 1:17:39 |
9位 | ヴィクトール・コレツキー(フランス、KMCオルベア) | 1:17:44 |
10位 | ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング) | 1:17:49 |
女子エリート結果
1位 | ロアナ・ルコント(フランス、マッシバイクス) | 1:17:03 |
2位 | ジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン、チーム31:アウトライド) | 1:18:51 |
3位 | ラウラ・スティッガー(オーストラ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 1:18:53 |
4位 | ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング) | 1:19:05 |
5位 | ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、アブソリュートアブサロン) | 1:19:33 |
6位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング) | 1:19:45 |
7位 | レベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカーXソース) | 1:20:20 |
8位 | アン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング) | 1:20:27 |
9位 | アルバガルシア・マルティネス(スペイン、BH・テンプロカフェUCC) | 1:20:35 |
10位 | エヴァ・リヒナー(イタリア、トリンクスファクトリーチーム) | 1:21:17 |
text:So Isobe
photo:UCI
photo:UCI
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