2021/06/13(日) - 08:54
獲得標高656mの1級山岳を登って下る特殊な山岳個人TTでリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)が圧勝。首位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)に17秒差の総合2位まで浮上を叶えている。
第84回ツール・ド・スイスもいよいよ終盤戦。今大会2度目の個人タイムトライアルは前日のフィニッシュ地点セドルンから古くから交通の要所として賑わったアンデルマットを目指す23.2kmであり、標高2,046mの1級山岳オーバーアルプ峠を登って下るという、従来の山岳タイムトライアルとも違う一風変わったレイアウトが選ばれた。
9.5km続くオーバーアルプ峠の獲得標高は656mで、平均勾配は6.5%。登りも下りも比較的大きなアールを描くつづら折れが続き、下りの最高速度は速い選手で100km/h以上にも達する。TTバイクかノーマルバイクか、ディープリムかディスクホイールか。そしてフロントチェーンリングをいくつにするか。ペース配分はもちろんのこと、機材選択も選手やチームの頭を悩ませた。
この日は序盤スタートのヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーション・NIPPO)が暫くトップタイムを守っていたものの、セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チームDSM)が30秒、トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が更に8秒23、そして間髪入れずにジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)が2秒57更新。地元の期待を背負うマーダーがホットシートに座り、総合上位陣の走りを見守った。
クライマー揃いの総合トップ10勢の中、この日の最速タイムを叩き出したのは総合5位につけるコロンビアのスーパースター、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)だった。
黒塗りのTTバイクに乗ったウランは、山頂計測でそれまで首位に立っていたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス)を28秒も上回り、最終的にマーダーを53秒43も上回る36分02秒でフィニッシュ。第一子出産に立ち会うべくこの日限りでレースを去る総合3位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)は好走するもウランに40秒届かない。最終走者リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)も、マーダーと同じ54秒差のステージ4位に食い込む走りでやっとだった。
山岳タイムトライアルを終え、カラパスは総合成績ジャンプアップに成功したウランから17秒差で辛くも首位キープに成功した。39秒差の3位に浮上したアラフィリップがレースを去ることから、最終クイーンステージを残して総合優勝争いはカラパスとウランの2人に絞り込まれた。
「このレースで最後に勝ったのは2007年。とても難しいレースだ。登りと下りがある特別なレースで、僕とチームにとって特別な一日になったよ」と、2018年6月のツール・ド・スロベニア以来3年ぶりの勝利を掴んだ34歳ウランは言う。「今年は特別なんだ。多くレースを走らず、小さな問題もあったけれど、ツール・ド・フランスに向けての準備を積み、そしてこのスイスで厳しいレースを走っている」と加えている。
ゴッタルド峠が終盤に登場する最終クイーンステージで、ウランとカラパスの総合優勝を賭けた戦いが決着する。
第84回ツール・ド・スイスもいよいよ終盤戦。今大会2度目の個人タイムトライアルは前日のフィニッシュ地点セドルンから古くから交通の要所として賑わったアンデルマットを目指す23.2kmであり、標高2,046mの1級山岳オーバーアルプ峠を登って下るという、従来の山岳タイムトライアルとも違う一風変わったレイアウトが選ばれた。
9.5km続くオーバーアルプ峠の獲得標高は656mで、平均勾配は6.5%。登りも下りも比較的大きなアールを描くつづら折れが続き、下りの最高速度は速い選手で100km/h以上にも達する。TTバイクかノーマルバイクか、ディープリムかディスクホイールか。そしてフロントチェーンリングをいくつにするか。ペース配分はもちろんのこと、機材選択も選手やチームの頭を悩ませた。
この日は序盤スタートのヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーション・NIPPO)が暫くトップタイムを守っていたものの、セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チームDSM)が30秒、トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が更に8秒23、そして間髪入れずにジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)が2秒57更新。地元の期待を背負うマーダーがホットシートに座り、総合上位陣の走りを見守った。
クライマー揃いの総合トップ10勢の中、この日の最速タイムを叩き出したのは総合5位につけるコロンビアのスーパースター、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)だった。
黒塗りのTTバイクに乗ったウランは、山頂計測でそれまで首位に立っていたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス)を28秒も上回り、最終的にマーダーを53秒43も上回る36分02秒でフィニッシュ。第一子出産に立ち会うべくこの日限りでレースを去る総合3位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)は好走するもウランに40秒届かない。最終走者リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)も、マーダーと同じ54秒差のステージ4位に食い込む走りでやっとだった。
山岳タイムトライアルを終え、カラパスは総合成績ジャンプアップに成功したウランから17秒差で辛くも首位キープに成功した。39秒差の3位に浮上したアラフィリップがレースを去ることから、最終クイーンステージを残して総合優勝争いはカラパスとウランの2人に絞り込まれた。
「このレースで最後に勝ったのは2007年。とても難しいレースだ。登りと下りがある特別なレースで、僕とチームにとって特別な一日になったよ」と、2018年6月のツール・ド・スロベニア以来3年ぶりの勝利を掴んだ34歳ウランは言う。「今年は特別なんだ。多くレースを走らず、小さな問題もあったけれど、ツール・ド・フランスに向けての準備を積み、そしてこのスイスで厳しいレースを走っている」と加えている。
ゴッタルド峠が終盤に登場する最終クイーンステージで、ウランとカラパスの総合優勝を賭けた戦いが決着する。
ツール・ド・スイス2021第7ステージ結果
1位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | 36:02 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:40 |
3位 | ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:54 |
4位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:56 |
6位 | マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:58 |
7位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス) | 1:00 |
8位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チームDSM) | 1:04 |
10位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 1:05 |
個人総合成績
1位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 20:37:27 |
2位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | 0:17 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:39 |
4位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 1:07 |
5位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック) | 1:15 |
6位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 3:10 |
7位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス) | 3:16 |
8位 | サム・オーメン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 3:39 |
9位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 3:43 |
10位 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) | 4:29 |
その他の特別賞
ポイント賞 | シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO) |
山岳賞 | アントニオ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) |
ヤングライダー賞 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) |
チーム総合成績 | ドゥクーニンク・クイックステップ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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