2021/06/09(水) - 09:51
「得意のフィニッシュレイアウト」でマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)がステージ2連勝。黄色いリーダージャージにも袖を通した。
3日目を迎えたツール・ド・スイスの舞台となったのは、前日のフィニッシュ地点ラーヘンからプフナウを目指す183.4km。主催者によれば「平坦」ステージだがコースは丘がちで、一日の総獲得標高は2,490mにのぼる。この日も後半に控える3級山岳を含む周回コース(x1周)でパンチャーたちが激しく動いた。
6月20日のスイスナショナル選手権で現役引退するマティアス・フランク(スイス、AG2Rシトロエン)や、前日にゴール直前まで逃げたクラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム)たちがエスケープ。メイン集団ではリーダーチームのグルパマFDJや、小集団スプリントに持ち込みたいアルペシン・フェニックスやバイクエクスチェンジが先頭に立ち、逃げメンバーとの距離を詰めていく。
一度フィニッシュ地点を通過し、周回コースに入ったタイミング(残り45.6km)でタイム差は4分弱。徐々にペースアップする集団内では2度の落車でヤングライダー賞のニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)たちが巻き添えを食ったものの、誰もリタイアすることなくレースに復帰する。続く158.3km地点の3級山岳(登坂距離3.4km/平均勾配6.1%)ではステージ優勝、そして総合争いに向けたアタックが始まった。
ボーラ・ハンスグローエがペースメイクする集団からは前日勝者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)がアタックし、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)やリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)、エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ)たち6名が追従した。この危険なグループを人数を残すメイン集団が見逃すはずもなく吸収するも、その直前にアタックしたアラフィリップが単独先行した。
連日積極的な走りが目立つ世界王者は約5kmに渡って逃げたものの、30〜40名まで人数を膨らましたメイン集団に残り17kmで引き戻される。連続アタックが掛かる中現れた中間スプリントでは総合6位マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が先頭通過してボーナスタイム3秒を獲得。すると集団のペースが緩んだ隙を突いてイバン・ガルシア(スペイン、モビスター)が飛び出した。
「今夜はリーダージャージで寝ることしか考えていなかった」と言うガルシアが20秒を稼ぎ出し、ステージ優勝に向けて突き進む。2人しか牽引役のいないメイン集団は徐々に遅れていったものの、マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)のペースアップによって息を吹き替えす。残り1kmでタイム差は4秒まで縮まった。
結局ガルシアは残り500mで捕まり、残り400mの直角左コーナーはアラフィリップを従えたファンセヴェナントが先頭通過。スプリント開始のタイミングを伺うアラフィリップの横を、爆発的な加速で赤白青のオランダチャンピオンジャージが抜き去った。
緩いS字を描く上り勾配のホームストレートを突き進んだファンデルプール。その背後につけていたマシューズは進路を変えたアラフィリップにふさがれる形で失速し、その二人を抜いたクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)もファンデルプールには届かない。最後までリードを広げ続けたオランダチャンピオンが、4車身もの差をつけて勝利した。
もはや敵無し。「一度フィニッシュ地点を通過した時に自分向きのレイアウトだと分かっていたんだ」と振り返るファンデルプールは暴力的とも言える強さでシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)からリーダージャージを奪い取った。「明日は守り抜くチャンスがあると思うけれど、その後の山は僕には厳しすぎる。(3連勝が可能か聞かれて)どんなことだって可能だ。誰かが勝つのだから、多分もう一度僕が勝てると思う」と、ステージ3連勝に向けて余裕をのぞかせている。
3日目を迎えたツール・ド・スイスの舞台となったのは、前日のフィニッシュ地点ラーヘンからプフナウを目指す183.4km。主催者によれば「平坦」ステージだがコースは丘がちで、一日の総獲得標高は2,490mにのぼる。この日も後半に控える3級山岳を含む周回コース(x1周)でパンチャーたちが激しく動いた。
6月20日のスイスナショナル選手権で現役引退するマティアス・フランク(スイス、AG2Rシトロエン)や、前日にゴール直前まで逃げたクラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム)たちがエスケープ。メイン集団ではリーダーチームのグルパマFDJや、小集団スプリントに持ち込みたいアルペシン・フェニックスやバイクエクスチェンジが先頭に立ち、逃げメンバーとの距離を詰めていく。
一度フィニッシュ地点を通過し、周回コースに入ったタイミング(残り45.6km)でタイム差は4分弱。徐々にペースアップする集団内では2度の落車でヤングライダー賞のニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)たちが巻き添えを食ったものの、誰もリタイアすることなくレースに復帰する。続く158.3km地点の3級山岳(登坂距離3.4km/平均勾配6.1%)ではステージ優勝、そして総合争いに向けたアタックが始まった。
ボーラ・ハンスグローエがペースメイクする集団からは前日勝者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)がアタックし、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)やリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)、エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ)たち6名が追従した。この危険なグループを人数を残すメイン集団が見逃すはずもなく吸収するも、その直前にアタックしたアラフィリップが単独先行した。
連日積極的な走りが目立つ世界王者は約5kmに渡って逃げたものの、30〜40名まで人数を膨らましたメイン集団に残り17kmで引き戻される。連続アタックが掛かる中現れた中間スプリントでは総合6位マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が先頭通過してボーナスタイム3秒を獲得。すると集団のペースが緩んだ隙を突いてイバン・ガルシア(スペイン、モビスター)が飛び出した。
「今夜はリーダージャージで寝ることしか考えていなかった」と言うガルシアが20秒を稼ぎ出し、ステージ優勝に向けて突き進む。2人しか牽引役のいないメイン集団は徐々に遅れていったものの、マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)のペースアップによって息を吹き替えす。残り1kmでタイム差は4秒まで縮まった。
結局ガルシアは残り500mで捕まり、残り400mの直角左コーナーはアラフィリップを従えたファンセヴェナントが先頭通過。スプリント開始のタイミングを伺うアラフィリップの横を、爆発的な加速で赤白青のオランダチャンピオンジャージが抜き去った。
緩いS字を描く上り勾配のホームストレートを突き進んだファンデルプール。その背後につけていたマシューズは進路を変えたアラフィリップにふさがれる形で失速し、その二人を抜いたクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)もファンデルプールには届かない。最後までリードを広げ続けたオランダチャンピオンが、4車身もの差をつけて勝利した。
もはや敵無し。「一度フィニッシュ地点を通過した時に自分向きのレイアウトだと分かっていたんだ」と振り返るファンデルプールは暴力的とも言える強さでシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)からリーダージャージを奪い取った。「明日は守り抜くチャンスがあると思うけれど、その後の山は僕には厳しすぎる。(3連勝が可能か聞かれて)どんなことだって可能だ。誰かが勝つのだから、多分もう一度僕が勝てると思う」と、ステージ3連勝に向けて余裕をのぞかせている。
ツール・ド・スイス2021第3ステージ結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 4:24:26 |
2位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
4位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | |
5位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | アレクサンダー・カンプ(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
7位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | |
8位 | オマール・フライレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | |
9位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | |
10位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) |
個人総合成績
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 8:49:14 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:01 |
3位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 0:04 |
4位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:06 |
5位 | マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:13 |
6位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | 0:16 |
7位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 0:17 |
8位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO) | 0:29 |
9位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) | 0:37 |
10位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | 0:39 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) |
山岳賞 | ニコラス・ズコウスキー(カナダ、ラリーサイクリング) |
ヤングライダー賞 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO) |
チーム総合成績 | ドゥクーニンク・クイックステップ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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