2021/05/14(金) - 08:16
リーダーを失ったバーレーン・ヴィクトリアスが逃げ切りで2級山岳フィニッシュを制覇。ジーノ・マーダーがステージ優勝を飾り、マリアローザはステージ上位に入ったエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)やレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ)ではなく22歳アッティラ・ヴァルテル(グルパマFDJ)の手にわたっている。
5月13日(木)第6ステージ
グロッテ・ディ・フラザッシ〜アスコリ・ピチェーノ(サンジャコモ)160km ★★★
2級山岳フォルカ・ディ・ガルドを下るプロトン photo:LaPresse
5月13日(木)第6ステージ グロッテ・ディ・フラザッシ〜アスコリ・ピチェーノ(サンジャコモ)160km ★★★ image:RCS Sport
5月13日(木)第6ステージ グロッテ・ディ・フラザッシ〜アスコリ・ピチェーノ(サンジャコモ)160km ★★★ image:RCS Sport
マルケ州を走る全長160kmの第6ステージには今大会最初の本格的な山頂フィニッシュが登場した。アペニン山脈に位置する標高1500m級の2級山岳フォルカ・ディ・ガルドと3級山岳フォルカ・ディ・プレスタを越え、最後は2級山岳サンジャコモ(登坂距離15.5km・平均勾配6.1%・最大勾配10%)にアタック。19年ぶりにジロに登場する標高1,090mの高地サンジャコモに至る登りはアルプスやドロミテの峠と比べると見劣りするものの、頂上手前5kmにかけて7〜8%を刻む登りがマリアローザ候補のセレクションの場になる。
ヨーロッパ最大級のフラサッシ鍾乳洞をスタートし、獲得標高差3,500mのステージに挑んだのは179名の選手たち。アペニン山脈の奥深くを目指すプロトンの中に、前日にリタイアしたミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)と、同じく落車したパヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)と山岳賞1位ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、UAEチームエミレーツ)の姿は無し。エースのリタイアとともに逃げの戦術に打って出たバーレーン・ヴィクトリアスが、ステージ序盤のアタック合戦に人数を送り込んだ。
長いアタック合戦の末に、総合3分58秒遅れのジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)やバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)を含む8名の先行が決まる。メイン集団とのタイム差が6分近くまで広がったため、マーダーがバーチャルマリアローザの状態で一つ目の2級山岳フォルカ・ディ・ガルドを急いだ。
逃げグループを形成した8名
ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)3分58秒遅れ
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
ダリオ・カタルド(イタリア、モビスター)
ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)9分38秒遅れ
バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
シモン・グリエルミ(フランス、グルパマFDJ)
シモーネ・ラヴァネッリ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ジミー・ヤンセンス(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
2019年ブエルタ・ア・エスパーニャ山岳王のブシャールを先頭に雨雲に覆われた標高1,496mの2級山岳フォルカ・ディ・ガルドをクリアすると、その5分後方では早くもイネオス・グレナディアーズの攻撃が始まった。頂上通過後のアップダウン区間で突如ペースが上がったメイン集団は分裂。ここでマリアローザのアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)は後方に置き去りにされてしまう。フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)の強力な牽引によって、続く3級山岳フォルカ・ディ・プレスタ通過時点でマリアローザの遅れは1分20秒にまで拡大。結局デマルキは24分49秒遅れでフィニッシュするグルペット内での走行を強いられ、マリアローザを失った。
カルーゾのために集団内で位置取りする新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
2級山岳フォルカ・ディ・ガルド通過後にペースアップを図ったイネオス・グレナディアーズ photo:CorVos
雨に濡れた100%ウェットな下り区間で、ダウンヒルスペシャリストのモホリッチに導かれるようにして逃げグループから抜け出したのはマーダー、カタルド、モレマ。モホリッチ先頭固定で突き進んだこの逃げグループは、2分45秒のリードを保った状態で最後の2級山岳サンジャコモの麓に到着した。
ガンナが個人TT状態で牽引したメイン集団は、下り区間で飛び出したアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・NIPPO)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)という危険な3名を飲み込んで最終登坂へ。イネオス・グレナディアーズはガンナ、ナルバエス、カストロビエホ、モスコン、マルティネス、ベルナルという並びで勝負に挑むことに。
献身的に逃げを引き続けたモホリッチが力尽きると逃げグループはフィニッシュまで14kmを残して3名に。天候の回復とともに太陽が差し込み始めた登りを進むマーダー、カタルド、モレマ。このトリオの形が崩れたのは残り3kmに差し掛かってから。一発のアタックでマーダーがベテラン2人を置き去りにすることに成功した。
下り区間でメイン集団から抜け出したロマン・バルデ(フランス、チームDSM)ら photo:CorVos
マーダーのために身を粉にして働くマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
残り3kmでカタルドとモレマを引き離したジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:LaPresse
麓で2分45秒あったタイム差は残り10km地点で2分10秒に。登りの前半5kmで35秒縮めたガンナの仕事が終わる頃、総合30位のジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)がメイン集団から脱落してしまう。そして残り5km地点でタイム差は1分40秒。登りの中盤5kmで30秒縮めたカストロビエホが脱落すると、ドゥクーニンク・クイックステップが主導権を奪った。
ハイペースを刻んだドゥクーニンク・クイックステップのファウスト・マスナダ(イタリア)とジョアン・アルメイダ(ポルトガル)に対し、シヴァコフのリタイアによってセカンドエースに昇格したダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がアタックするシーンも。マルティネスが残り2km地点で吸収されるとついに本命が動く。
エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)の鋭いアタックに反応できたのはレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)とダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)、チッコーネだけ。何度も加速を繰り返すベルナル率いる精鋭グループは、先頭マーダーから35秒遅れでラスト1kmアーチに差し掛かる。
先頭で苦痛の表情を浮かべるマーダーの後方に迫る、ベルナル、エヴェネプール、チッコーネ、マーティンという今大会最も登れているクライマー4名。この日と同様に逃げグループから独走に持ち込みながら、残り25mでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)に追い抜かれてステージ優勝を逃したパリ〜ニース第7ステージの再現か否か。しかし、今回は、逃げ切った。
エースの落車リタイアの翌日に、チームとして攻撃を仕掛け、逃げ切ったバーレーン・ヴィクトリアスのマーダーが勝利。疲労困憊のマーダーのガッツポーズから12秒遅れてベルナル、マーティン、エヴェネプールがフィニッシュに飛び込んでいる。
積極的にアタックしたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:LaPresse
独走でフィニッシュするジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:LaPresse
12秒遅れでフィニッシュするダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)とエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
「昨日はミケル(ランダ)がリタイアするという非常に悲しい日だった。そして今日、アグレッシブに逃げを狙う作戦を実行。逃げの中でマテイ(モホリッチ)の働きは信じられないほど素晴らしかった。チームとしての動きをこうして勝利につなげることができてよかった」と、逃げ切ったマーダーは語る。
スイス生まれの24歳は今年NTTプロサイクリングからバーレーン・ヴィクトリアスに移籍。パリ〜ニースでは総合10位に入っており、これが総合20位に入った2020年ブエルタ・ア・エスパーニャに続く2度目のグランツール出場。キャリア最高の勝利と総合22位へのジャンプアップに加えて、マーダーはマリアアッズーラを手にしている。
ベルナル、マーティン、エヴェネプールから遅れること17秒でフィニッシュしたサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)やアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)の傍には、マリアビアンカを着るアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)の姿があった。粘りの走りを見せた総合4位ヴァルテルが総合首位に浮上。ハンガリー人選手としてグランツールで初めて総合リーダージャージを手にした。
グルパマFDJに17年ぶりのマリアローザをもたらした22歳のヴァルテルは「今日はライバルたちに食らいつくことができた。フィニッシュが近づくにつれてマリアローザ着用のチャンスが近づいていると感じたよ。昨年のアルメイダのように長期間マリアローザをキープしたい」とコメント。ヴァルテルは初日の個人TTこそステージ95位に沈んだが、大逃げが決まった第4ステージで6位に入って総合上位に浮上していた。2019年ツール・ド・ラヴニールの難関山岳でステージ優勝を飾っている大柄(身長185cm)なヴァルテルのジロ出場は2年連続。昨年はCCCチームジャージで総合27位、ヤングライダー賞11位の成績を残している。
また、この日は2級山岳サンジャコモ登坂中にピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)の後方からバイクエクスチェンジのチームカーが衝突。前方不注意でセリーを落車させたジーン・ベイツ監督には失格処分が与えられ、同乗していたマシュー・ホワイト監督には2000スイスフランの罰金、そしてチームカーの車列最後尾までの降格処分が与えられている。
ステージ優勝を飾ったジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:LaPresse
マリアアッズーラを手にしたジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:LaPresse
マリアローザを手にしたアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ) photo:LaPresse
5月13日(木)第6ステージ
グロッテ・ディ・フラザッシ〜アスコリ・ピチェーノ(サンジャコモ)160km ★★★
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マルケ州を走る全長160kmの第6ステージには今大会最初の本格的な山頂フィニッシュが登場した。アペニン山脈に位置する標高1500m級の2級山岳フォルカ・ディ・ガルドと3級山岳フォルカ・ディ・プレスタを越え、最後は2級山岳サンジャコモ(登坂距離15.5km・平均勾配6.1%・最大勾配10%)にアタック。19年ぶりにジロに登場する標高1,090mの高地サンジャコモに至る登りはアルプスやドロミテの峠と比べると見劣りするものの、頂上手前5kmにかけて7〜8%を刻む登りがマリアローザ候補のセレクションの場になる。
ヨーロッパ最大級のフラサッシ鍾乳洞をスタートし、獲得標高差3,500mのステージに挑んだのは179名の選手たち。アペニン山脈の奥深くを目指すプロトンの中に、前日にリタイアしたミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)と、同じく落車したパヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)と山岳賞1位ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、UAEチームエミレーツ)の姿は無し。エースのリタイアとともに逃げの戦術に打って出たバーレーン・ヴィクトリアスが、ステージ序盤のアタック合戦に人数を送り込んだ。
長いアタック合戦の末に、総合3分58秒遅れのジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)やバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)を含む8名の先行が決まる。メイン集団とのタイム差が6分近くまで広がったため、マーダーがバーチャルマリアローザの状態で一つ目の2級山岳フォルカ・ディ・ガルドを急いだ。
逃げグループを形成した8名
ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)3分58秒遅れ
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
ダリオ・カタルド(イタリア、モビスター)
ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)9分38秒遅れ
バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
シモン・グリエルミ(フランス、グルパマFDJ)
シモーネ・ラヴァネッリ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ジミー・ヤンセンス(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
2019年ブエルタ・ア・エスパーニャ山岳王のブシャールを先頭に雨雲に覆われた標高1,496mの2級山岳フォルカ・ディ・ガルドをクリアすると、その5分後方では早くもイネオス・グレナディアーズの攻撃が始まった。頂上通過後のアップダウン区間で突如ペースが上がったメイン集団は分裂。ここでマリアローザのアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)は後方に置き去りにされてしまう。フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)の強力な牽引によって、続く3級山岳フォルカ・ディ・プレスタ通過時点でマリアローザの遅れは1分20秒にまで拡大。結局デマルキは24分49秒遅れでフィニッシュするグルペット内での走行を強いられ、マリアローザを失った。
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ガンナが個人TT状態で牽引したメイン集団は、下り区間で飛び出したアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・NIPPO)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)という危険な3名を飲み込んで最終登坂へ。イネオス・グレナディアーズはガンナ、ナルバエス、カストロビエホ、モスコン、マルティネス、ベルナルという並びで勝負に挑むことに。
献身的に逃げを引き続けたモホリッチが力尽きると逃げグループはフィニッシュまで14kmを残して3名に。天候の回復とともに太陽が差し込み始めた登りを進むマーダー、カタルド、モレマ。このトリオの形が崩れたのは残り3kmに差し掛かってから。一発のアタックでマーダーがベテラン2人を置き去りにすることに成功した。
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麓で2分45秒あったタイム差は残り10km地点で2分10秒に。登りの前半5kmで35秒縮めたガンナの仕事が終わる頃、総合30位のジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)がメイン集団から脱落してしまう。そして残り5km地点でタイム差は1分40秒。登りの中盤5kmで30秒縮めたカストロビエホが脱落すると、ドゥクーニンク・クイックステップが主導権を奪った。
ハイペースを刻んだドゥクーニンク・クイックステップのファウスト・マスナダ(イタリア)とジョアン・アルメイダ(ポルトガル)に対し、シヴァコフのリタイアによってセカンドエースに昇格したダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がアタックするシーンも。マルティネスが残り2km地点で吸収されるとついに本命が動く。
エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)の鋭いアタックに反応できたのはレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)とダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)、チッコーネだけ。何度も加速を繰り返すベルナル率いる精鋭グループは、先頭マーダーから35秒遅れでラスト1kmアーチに差し掛かる。
先頭で苦痛の表情を浮かべるマーダーの後方に迫る、ベルナル、エヴェネプール、チッコーネ、マーティンという今大会最も登れているクライマー4名。この日と同様に逃げグループから独走に持ち込みながら、残り25mでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)に追い抜かれてステージ優勝を逃したパリ〜ニース第7ステージの再現か否か。しかし、今回は、逃げ切った。
エースの落車リタイアの翌日に、チームとして攻撃を仕掛け、逃げ切ったバーレーン・ヴィクトリアスのマーダーが勝利。疲労困憊のマーダーのガッツポーズから12秒遅れてベルナル、マーティン、エヴェネプールがフィニッシュに飛び込んでいる。
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スイス生まれの24歳は今年NTTプロサイクリングからバーレーン・ヴィクトリアスに移籍。パリ〜ニースでは総合10位に入っており、これが総合20位に入った2020年ブエルタ・ア・エスパーニャに続く2度目のグランツール出場。キャリア最高の勝利と総合22位へのジャンプアップに加えて、マーダーはマリアアッズーラを手にしている。
ベルナル、マーティン、エヴェネプールから遅れること17秒でフィニッシュしたサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)やアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)の傍には、マリアビアンカを着るアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)の姿があった。粘りの走りを見せた総合4位ヴァルテルが総合首位に浮上。ハンガリー人選手としてグランツールで初めて総合リーダージャージを手にした。
グルパマFDJに17年ぶりのマリアローザをもたらした22歳のヴァルテルは「今日はライバルたちに食らいつくことができた。フィニッシュが近づくにつれてマリアローザ着用のチャンスが近づいていると感じたよ。昨年のアルメイダのように長期間マリアローザをキープしたい」とコメント。ヴァルテルは初日の個人TTこそステージ95位に沈んだが、大逃げが決まった第4ステージで6位に入って総合上位に浮上していた。2019年ツール・ド・ラヴニールの難関山岳でステージ優勝を飾っている大柄(身長185cm)なヴァルテルのジロ出場は2年連続。昨年はCCCチームジャージで総合27位、ヤングライダー賞11位の成績を残している。
また、この日は2級山岳サンジャコモ登坂中にピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)の後方からバイクエクスチェンジのチームカーが衝突。前方不注意でセリーを落車させたジーン・ベイツ監督には失格処分が与えられ、同乗していたマシュー・ホワイト監督には2000スイスフランの罰金、そしてチームカーの車列最後尾までの降格処分が与えられている。
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ジロ・デ・イタリア2021第6ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス) | 72pts |
2位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス) | 68pts |
3位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 58pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 26pts |
2位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン) | 18pts |
3位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | 16pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ) | 22:17:06 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:11 |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:16 |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・ヴィクトリアス | 66:53:22 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | 0:00:39 |
3位 | バイクエクスチェンジ | 0:02:48 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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