2021/05/07(金) - 18:54
スプリンターが争うマリアチクラミーノ(ポイント賞)、クライマーのマリアアッズーラ(山岳賞)、25歳以下によるマリアビアンカ(ヤングライダー賞)。2021年ジロ・デ・イタリア各賞を狙う注目選手を紹介します。
マリアチクラミーノ ポイント賞
ステージ4勝目を挙げ、2020年大会のマリアチクラミーノを獲得したアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) photo:LaPresse
最強スプリンターたちによって争われるのが、2018年より赤から紫のシクラメンカラーに戻ったマリアチクラミーノ。コース途中に設定されたスプリントポイントとフィニッシュラインの合計ポイントで争われ、平坦ステージは山岳やタイムトライアルよりも配点が高いことから、スプリンターたちによる戦いとなる。
今大会の集団スプリントで最も勝利に近いのは、今年3大グランツールへの出場を宣言しているカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)。ミラノ〜サンレモに向けて登坂力を高め、「登れるスプリンター」へと進化を見せたユアンは、ジャスパー・デブイスト(ベルギー)やロジャー・クルーゲ(ドイツ)など手練のリードアウトから勝利を狙う。しかし前述したように、タイトなスケジュールから2度目の休息日を待たずにレースを去る可能性が高いだろう。
UAEツアーで1勝を挙げているカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) (c)CorVos
ツール・ド・ロマンディでステージ優勝し、復調の兆しを見せているペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
マリアチクラミーノの最有力は復活の兆しが見えるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)。昨年大会でステージ初勝利を収め、今年は新型コロナウイルス感染のためシーズンインが遅れたものの、直近のツール・ド・ロマンディで勝利を挙げるなどさすがの調整を見せている。
そこに挑むのはコフィディスに移籍後いまだワールドツアーでの勝利がないエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)。母国で行われるジロは通算ステージ5勝と相性はよく、弟アッティリオ・ヴィヴィアーニ(イタリア)の力も借りて再起のきっかけを掴みたい。
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス) photo:LaPresse
別の意味でも注目度が高いのがディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)だ。昨年8月のツール・ド・ポローニュの危険走行により9ヶ月間の出場停止処分を受け、今大会が復帰後初レースとなる。だが2019年は15勝(チームTTを除く)、2020年も3勝とその実力に疑う余地はなく、それまでの力を発揮できればポイント賞でも間違いなく上位に入ってくる存在だ。
また地元イタリアの期待を背負うイタリア&欧州王者のジャコモ・ニッツォーロ(クベカ・アソス)や、2度のコロナ感染から快気したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、トップスプリンターの仲間入りを果たしたティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)たちも虎視眈々と勝利を狙っている。
マリアチクラミーノ ポイント賞

最強スプリンターたちによって争われるのが、2018年より赤から紫のシクラメンカラーに戻ったマリアチクラミーノ。コース途中に設定されたスプリントポイントとフィニッシュラインの合計ポイントで争われ、平坦ステージは山岳やタイムトライアルよりも配点が高いことから、スプリンターたちによる戦いとなる。
今大会の集団スプリントで最も勝利に近いのは、今年3大グランツールへの出場を宣言しているカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)。ミラノ〜サンレモに向けて登坂力を高め、「登れるスプリンター」へと進化を見せたユアンは、ジャスパー・デブイスト(ベルギー)やロジャー・クルーゲ(ドイツ)など手練のリードアウトから勝利を狙う。しかし前述したように、タイトなスケジュールから2度目の休息日を待たずにレースを去る可能性が高いだろう。


マリアチクラミーノの最有力は復活の兆しが見えるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)。昨年大会でステージ初勝利を収め、今年は新型コロナウイルス感染のためシーズンインが遅れたものの、直近のツール・ド・ロマンディで勝利を挙げるなどさすがの調整を見せている。
そこに挑むのはコフィディスに移籍後いまだワールドツアーでの勝利がないエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)。母国で行われるジロは通算ステージ5勝と相性はよく、弟アッティリオ・ヴィヴィアーニ(イタリア)の力も借りて再起のきっかけを掴みたい。

別の意味でも注目度が高いのがディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)だ。昨年8月のツール・ド・ポローニュの危険走行により9ヶ月間の出場停止処分を受け、今大会が復帰後初レースとなる。だが2019年は15勝(チームTTを除く)、2020年も3勝とその実力に疑う余地はなく、それまでの力を発揮できればポイント賞でも間違いなく上位に入ってくる存在だ。
また地元イタリアの期待を背負うイタリア&欧州王者のジャコモ・ニッツォーロ(クベカ・アソス)や、2度のコロナ感染から快気したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、トップスプリンターの仲間入りを果たしたティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)たちも虎視眈々と勝利を狙っている。
歴代ポイント賞受賞者
2020年 | アルノー・デマール(フランス) |
2019年 | パスカル・アッカーマン(ドイツ) |
2018年 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) |
2017年 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア) |
2016年 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア) |
2015年 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア) |
2014年 | ナセル・ブアニ(フランス) |
2013年 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) |
2012年 | ホアキン・ロドリゲス(スペイン) |
2011年 | ミケーレ・スカルポーニ(イタリア) |
2010年 | カデル・エヴァンス(オーストラリア) |
2009年 | ダニーロ・ディルーカ(イタリア) |
2008年 | ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア) |
2007年 | ダニーロ・ディルーカ(イタリア) |
2006年 | パオロ・ベッティーニ(イタリア) |
2005年 | パオロ・ベッティーニ(イタリア) |
2004年 | アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア) |
2003年 | ジルベルト・シモーニ(イタリア) |
2002年 | マリオ・チポッリーニ(イタリア) |
2001年 | マッシモ・ストラッツェール(イタリア) |
2000年 | ディミトリ・コニシェフ(ロシア) |
マリアアッズーラ 山岳賞
2020年大会で山岳賞に輝いたルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング) photo:CorVos
総合順位の動向によって狙う選手も変動するマリアアッズーラ争い。2020年大会でステージ1勝と共に山岳賞を獲得したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)が今年も登場するが、総合上位を狙うヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO)のアシストを担うため、昨年のように自由に動けるかは分からない。
一方、2019年の山岳賞ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)は、総合エースを予定していたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)が右手首骨折が完治しないまま強行出場し、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)もステージ狙いと見られている。自身2度目の山岳賞獲得に動いてくるかもしれない。
また、マリアローザ狙いのサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)はもちろんのこと、2016年に山岳賞を獲得しているミケル・ニエベ(スペイン、バイクエクスチェンジ)もイェーツの成績状況で動く可能性がある。ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)などもチャンスがあれば狙ってくるだろう。
ミラノ〜サンレモのポッジオでアタックするジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
歓喜の表情でフィニッシュするゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) (c)CorVos
アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)もチャンスがあれば山岳賞を狙うだろう (c)CorVos

総合順位の動向によって狙う選手も変動するマリアアッズーラ争い。2020年大会でステージ1勝と共に山岳賞を獲得したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)が今年も登場するが、総合上位を狙うヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO)のアシストを担うため、昨年のように自由に動けるかは分からない。
一方、2019年の山岳賞ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)は、総合エースを予定していたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)が右手首骨折が完治しないまま強行出場し、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)もステージ狙いと見られている。自身2度目の山岳賞獲得に動いてくるかもしれない。
また、マリアローザ狙いのサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)はもちろんのこと、2016年に山岳賞を獲得しているミケル・ニエベ(スペイン、バイクエクスチェンジ)もイェーツの成績状況で動く可能性がある。ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)などもチャンスがあれば狙ってくるだろう。



歴代山岳賞受賞者
2020年 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル) |
2019年 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア) |
2018年 | クリストファー・フルーム(イギリス) |
2017年 | ミケル・ランダ(スペイン) |
2016年 | ミケル・ニエベ(スペイン) |
2015年 | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア) |
2014年 | ジュリアン・アレドンド(コロンビア) |
2013年 | ステファノ・ピラッツィ(イタリア) |
2012年 | マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア) |
2011年 | ステファノ・ガルゼッリ(イタリア) |
2010年 | マシュー・ロイド(オーストラリア) |
2009年 | ステファノ・ガルゼッリ(イタリア) |
2008年 | エマヌエーレ・セッラ(イタリア) |
2007年 | レオナルド・ピエポリ(イタリア) |
2006年 | フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン) |
2005年 | ホセ・ルハノ(ベネズエラ) |
2004年 | ファビアン・ウェーグマン(ドイツ) |
2003年 | フレディ・ゴンザレス(コロンビア) |
2002年 | フリオ・ペレスクアピオ(メキシコ) |
2001年 | フレディ・ゴンザレス(コロンビア) |
2000年 | フランチェスコ・カーザグランデ(イタリア) |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マリアビアンカもテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の手に photo:LaPresse
ゲイガンハートを引き離すべくアタックするジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) photo:LaPresse
昨年は15日間、マリアローザを着用するホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
25歳以下の選手を対象にしたマリアビアンカは、1996年1月1日以降に生まれた選手の中で最も総合タイムが良い選手に与えられる。若手の活躍が著しい近年は総合優勝者がそのままヤングライダー賞を獲得することも多く、昨年も総合優勝を果たしたテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が獲得している。
今年の最有力候補は24歳のエガン・ベルナル(コロンビア)だろう。そこに昨年総合2位のジャイ・ヒンドレー(オーストリア、チームDSM)や、総合4位の22歳ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)、21歳レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)などとマリアローザの候補者たちが名を連ねる。
また25歳アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)や23歳パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)、成長著しい22歳のクレモン・シャンプッサン(フランス、AG2Rシトロエン)なども対象選手。若い力がイタリアの舞台でぶつかり合う。
総合とともに最有力候補のエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
頭角を現すアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ)も注目だ (c)CorVos



25歳以下の選手を対象にしたマリアビアンカは、1996年1月1日以降に生まれた選手の中で最も総合タイムが良い選手に与えられる。若手の活躍が著しい近年は総合優勝者がそのままヤングライダー賞を獲得することも多く、昨年も総合優勝を果たしたテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が獲得している。
今年の最有力候補は24歳のエガン・ベルナル(コロンビア)だろう。そこに昨年総合2位のジャイ・ヒンドレー(オーストリア、チームDSM)や、総合4位の22歳ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)、21歳レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)などとマリアローザの候補者たちが名を連ねる。
また25歳アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)や23歳パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ)、成長著しい22歳のクレモン・シャンプッサン(フランス、AG2Rシトロエン)なども対象選手。若い力がイタリアの舞台でぶつかり合う。


歴代ヤングライダー賞受賞者
2020年 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス) |
2019年 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア) |
2018年 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア) |
2017年 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク) |
2016年 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク) |
2015年 | ファビオ・アル(イタリア) |
2014年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) |
2013年 | カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア) |
2012年 | リゴベルト・ウラン(コロンビア) |
2011年 | ロマン・クロイツィゲル(チェコ) |
2010年 | リッチー・ポート(オーストラリア) |
2009年 | ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー) |
2008年 | リカルド・リッコ(イタリア) |
2007年 | アンディ・シュレク(ルクセンブルク) |
1995年〜2006年 | ジャージ未設定 |
その他の特別賞
ジロには中間スプリント賞(ステージ&総合)、10名以下のグループで5km以上逃げた距離で争われる逃げ賞(ステージ&総合)、ステージ成績と中間スプリントと山岳ポイントの合計で争われる敢闘賞(ステージ&総合)、チーム総合成績で争われるスーパーチーム賞、警告や罰金など処分の少ないチームを対象にしたフェアプレー賞が設定されている。
text:Sotaro.Arakawa
ジロには中間スプリント賞(ステージ&総合)、10名以下のグループで5km以上逃げた距離で争われる逃げ賞(ステージ&総合)、ステージ成績と中間スプリントと山岳ポイントの合計で争われる敢闘賞(ステージ&総合)、チーム総合成績で争われるスーパーチーム賞、警告や罰金など処分の少ないチームを対象にしたフェアプレー賞が設定されている。
text:Sotaro.Arakawa
Amazon.co.jp
Segafredo Zanetti (セガフレード・ザネッティ) インスタント エスプレッソ 1.6g×10P
Segafredo Zanetti
セガフレード・ザネッティ デカ クレム カフェポッド 18袋 (カフェインレスコーヒー)
Segafredo Zanetti