2021/05/02(日) - 08:37
獲得標高4,328mというロマンディの最難関ステージ。手を滑らせて落車したゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を尻目に手を挙げたマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)がリーダージャージに袖を通した。
豪華グランツールメンバーが揃ったツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)はクイーンステージに直面。アンゼール(全長14.5km、平均勾配7%)、シュエン(全長13.7km、平均勾配6.7%)と2つの1級山岳を越え、最後は全長20.7km、平均勾配7.6%もの難易度を誇る1級ティオン2000を駆け上がる。
獲得標高4,328mもの超タフステージで逃げたのはマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーションNIPPO)やコービー・ホーセンス(ベルギー、ロット・スーダル)、シモン・ペロー(スイス、スイスナショナルチーム)を含む7名。雨霧むせぶ山岳コースを先行する7名に対し、総合リーダーマルク・ソレル(スペイン)擁するモビスターがメイン集団先頭に立ちレースが進んでいく。
過酷な山岳路を走る中、メイン集団からはフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)やアレクシ・グジャール(フランス、AG2Rシトロエン)といったメンバーがレースを降りることを選択する。2つ目の1級シュエン峠のダウンヒルは激しい雨と視界を遮る濃霧によってニュートラルという審判判断が下された。
こうして先頭グループは5分半リードで最終登坂ティオン2000のヒルクライムを開始する。コルトとシモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が抜け出し、残り10kmを切るとコルトが独走に持ち込む。しかし早々にアシストを使い切ったモビスターに変わりイネオス・グレナディアーズがハイペースを刻むとタイム差は急速に縮まっていった。
メイン集団は好調ぶりをアピールするローハン・デニスと(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)とミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)の牽引で20名弱に絞り込まれ、一人になってしまったソレル自らペースを上げる場面も。イネオスのコントロールが緩んだ隙を突き、マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)が単独抜け出すことに成功した。
ハイペースを刻んだウッズは力尽きたコルトを追い抜き先頭に。その背後ではゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がソレルたちを振り切って残り2.2kmでウッズに合流。唯一追走を試みたベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)はすぐ後ろまで詰め寄ったものの、追いつくには至らなかった。
雪深いティオン2000頂上でトーマスとウッズがフィニッシュライン手前まで到達。ウッズは残り200mで加速するもトーマスを振り切れず、トーマス先行で二人のスプリント勝負が始まる。ツール・ド・フランス覇者の背後でタイミングを待ったウッズが加速したが、ダンシングに切り替えようとしたトーマスが突如バランスを崩し、転倒した。
アスファルトに叩きつけられたトーマスの前で、ウッズがステージ優勝と共にガッツポーズ。トーマスは立ち上がって再乗車するも、復帰に手間取って時間が過ぎていく。オコーナーに追い抜かされながら、ウッズから21秒遅れの3番手でフィニッシュラインを越えた。
53秒遅れたソレルに代わってステージ優勝を飾ったウッズが総合16位からのリーダージャージ獲得に成功し、トーマスが11秒遅れの総合2位、オコーナーが21秒遅れの総合3位に。「今日はとても調子が良く素晴らしい一日になった。トーマスが落車する姿は見たくなかったけれど、ワールドツアーレースでリーダージャージを着るのはとても特別で、自分自身を誇りに思いたい」と語るウッズは11秒リードでアップダウンの最終個人タイムトライアルに挑むこととなる。
一方、「突然手の感覚が無くなってしまったんだ。ギアを変えようとしたのにハンドルを離してしまった。とてもイライラしている。身体は元気だけど、難しい一日の最後をあんな形で台無しにするなんてとてもフラストレーションが溜まるよ」とトーマス。「明日は失った時間を取り返す。11秒差を取り戻すための戦いだ」と、逆転総合優勝に向けて決意を示している。
豪華グランツールメンバーが揃ったツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)はクイーンステージに直面。アンゼール(全長14.5km、平均勾配7%)、シュエン(全長13.7km、平均勾配6.7%)と2つの1級山岳を越え、最後は全長20.7km、平均勾配7.6%もの難易度を誇る1級ティオン2000を駆け上がる。
獲得標高4,328mもの超タフステージで逃げたのはマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーションNIPPO)やコービー・ホーセンス(ベルギー、ロット・スーダル)、シモン・ペロー(スイス、スイスナショナルチーム)を含む7名。雨霧むせぶ山岳コースを先行する7名に対し、総合リーダーマルク・ソレル(スペイン)擁するモビスターがメイン集団先頭に立ちレースが進んでいく。
過酷な山岳路を走る中、メイン集団からはフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)やアレクシ・グジャール(フランス、AG2Rシトロエン)といったメンバーがレースを降りることを選択する。2つ目の1級シュエン峠のダウンヒルは激しい雨と視界を遮る濃霧によってニュートラルという審判判断が下された。
こうして先頭グループは5分半リードで最終登坂ティオン2000のヒルクライムを開始する。コルトとシモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が抜け出し、残り10kmを切るとコルトが独走に持ち込む。しかし早々にアシストを使い切ったモビスターに変わりイネオス・グレナディアーズがハイペースを刻むとタイム差は急速に縮まっていった。
メイン集団は好調ぶりをアピールするローハン・デニスと(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)とミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)の牽引で20名弱に絞り込まれ、一人になってしまったソレル自らペースを上げる場面も。イネオスのコントロールが緩んだ隙を突き、マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)が単独抜け出すことに成功した。
ハイペースを刻んだウッズは力尽きたコルトを追い抜き先頭に。その背後ではゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がソレルたちを振り切って残り2.2kmでウッズに合流。唯一追走を試みたベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)はすぐ後ろまで詰め寄ったものの、追いつくには至らなかった。
雪深いティオン2000頂上でトーマスとウッズがフィニッシュライン手前まで到達。ウッズは残り200mで加速するもトーマスを振り切れず、トーマス先行で二人のスプリント勝負が始まる。ツール・ド・フランス覇者の背後でタイミングを待ったウッズが加速したが、ダンシングに切り替えようとしたトーマスが突如バランスを崩し、転倒した。
アスファルトに叩きつけられたトーマスの前で、ウッズがステージ優勝と共にガッツポーズ。トーマスは立ち上がって再乗車するも、復帰に手間取って時間が過ぎていく。オコーナーに追い抜かされながら、ウッズから21秒遅れの3番手でフィニッシュラインを越えた。
53秒遅れたソレルに代わってステージ優勝を飾ったウッズが総合16位からのリーダージャージ獲得に成功し、トーマスが11秒遅れの総合2位、オコーナーが21秒遅れの総合3位に。「今日はとても調子が良く素晴らしい一日になった。トーマスが落車する姿は見たくなかったけれど、ワールドツアーレースでリーダージャージを着るのはとても特別で、自分自身を誇りに思いたい」と語るウッズは11秒リードでアップダウンの最終個人タイムトライアルに挑むこととなる。
一方、「突然手の感覚が無くなってしまったんだ。ギアを変えようとしたのにハンドルを離してしまった。とてもイライラしている。身体は元気だけど、難しい一日の最後をあんな形で台無しにするなんてとてもフラストレーションが溜まるよ」とトーマス。「明日は失った時間を取り返す。11秒差を取り戻すための戦いだ」と、逆転総合優勝に向けて決意を示している。
ツール・ド・ロマンディ2021第4ステージ結果
1位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 4:58:35 |
2位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | 0:17 |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:21 |
4位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 0:34 |
5位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:37 |
6位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:42 |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | |
8位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:52 |
9位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:53 |
10位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | 1:57 |
個人総合成績
1位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | |
2位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | |
4位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | |
5位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | |
8位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | |
9位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) |
山岳賞 | コービー・ホーセンス(ベルギー、ロット・スーダル) |
ヤングライダー賞 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
ext:So Isobe
photo:CorVos
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