カンパニョーロの名作ホイールBORAシリーズに新たなフラッグシップ”BORA ULTRA WTO"が登場した。これまでラインアップに用意されていなかったディスクブレーキ用の最高峰グレードだ。



カンパニョーロ BORA ULTRA WTOカンパニョーロ BORA ULTRA WTO (c)カンパニョーロ
ロード用ホイールの金字塔、カンパニョーロのBORA。1994年の登場以来、プロ選手はもちろんアマチュアレーサーからも広く愛用され、最高峰のレーシングモデルとして数々のレースで勝ち星を上げてきた。

そのフラッグシップとして位置づけられているのがCULTベアリングを採用したBORA ULTRAだ。しかしディスクブレーキ用ラインアップはUSBベアリングを搭載したBORA ONE DISCもしくは2WAY-FITのBORA WTOのみであり、「ULTRA」の名が与えられたディスクブレーキの最高峰モデルの座は空いたままだった。

Aero Mo-Magのインターナルニップルが内蔵されたH.U.L.C.構造のカーボンリムAero Mo-Magのインターナルニップルが内蔵されたH.U.L.C.構造のカーボンリム (c)カンパニョーロテープレスのリムとされ、強度や耐久性を高めているテープレスのリムとされ、強度や耐久性を高めている (c)カンパニョーロAero Mo-Magは専用のキーを使いスポークテンションを調整するAero Mo-Magは専用のキーを使いスポークテンションを調整する (c)カンパニョーロ


2021年、カンパニョーロは3年もの研究開発期間を経て生み出した最高峰モデル”BORA ULTRA WTO”を遂にアナウンスした。ディスクブレーキ専用の2WAY-FITモデルであり、エアロダイナミクスと軽量性、剛性を追求。リムハイト別に33、45、60という3種類を一気に揃え、ディスク化が進んだプロトンにカンパニョーロの存在を再びアピールする。

リムはWind Tunnel Optimizedという言葉の頭文字を冠している通り、空力特性に優れる形状だ。カンパニョーロは従来からリムベッドにニップルホールを開けず、リムの強度向上を図る構造を採用してきたが、今作ではリムにニップルを内蔵する「Aero Mo-Magテクノロジー」を採用することで、エアロダイナミクス獲得を図っている。付属の工具を使用すればタイヤを装着した状態でもテンション調整可能と、ユーザビリティにも優れているという。

カンパニョーロらしい高級感を演出するコッパーカラーのロゴがあしらわれるカンパニョーロらしい高級感を演出するコッパーカラーのロゴがあしらわれる (c)カンパニョーロディスクブレーキ規格はAFSが採用されているディスクブレーキ規格はAFSが採用されている (c)カンパニョーロカンパニョーロのコンポ用フリーハブは13-12-11速対応のN3Wだカンパニョーロのコンポ用フリーハブは13-12-11速対応のN3Wだ (c)カンパニョーロ


インターナルニップルの効果は空力だけではなく、リムベッドにニップルホールを開ける必要が無いことから、リムの強度向上にも繋がっている。リムとニップルの間にガラス繊維強化ポリマーを挟み込むことで、ホイールとしての耐久性を高めているという。リムテープ無しでチューブレス、チューブレスレディ、クリンチャータイヤを装着することが可能であり、エア漏れの心配も少ないため、チューブレスタイヤを使うときのアドバンテージとなる。

BORA ULTRA WTOのリムはエアロと軽量性のためにシリーズ全体で再設計が行われている。リムは25mmタイヤに最適化されたうえ、H.U.L.C構造で作られることで、45mmハイトモデルで1425gという重量を達成。33mmモデルは1385g、60mmは1530gだ。

カンパニョーロ Bora Ultra Wto 33カンパニョーロ Bora Ultra Wto 33 (c)カンパニョーロカンパニョーロ Bora Ultra Wto 45カンパニョーロ Bora Ultra Wto 45 (c)カンパニョーロカンパニョーロ Bora Ultra Wto 60カンパニョーロ Bora Ultra Wto 60 (c)カンパニョーロ


また、リムとフロントハブにはC-LUX(カンパニョーロ・ラグジュアリー)仕上げが施されている。鏡面仕上げとすることでラッカーを必要とせず軽量性に貢献。加えて表面が滑らかに仕上げられたことで、チューブレスタイヤを安全に装着でき、かつビードの傷つきがない。

BORA ULTRA WTOがフラッグシップである理由は、すべてが究極のパーツで構成されていることにある。先述したようにCULTベアリングもその一つだ。セラミックボールに加え、クロニテクトと呼ばれる硬質なステンレス・クロム・スチールをレース素材などに使用することで、耐久性と優れた回転性能を獲得している。

ロゴ無しのプロトタイプを使用するUAEチームエミレーツロゴ無しのプロトタイプを使用するUAEチームエミレーツ (c)カンパニョーロ
ロット・スーダルをはじめサポートチームはBORA ULTRA WTOを既に使用しているロット・スーダルをはじめサポートチームはBORA ULTRA WTOを既に使用している (c)カンパニョーロ
スポークはエアロを考慮した楕円断面でダブルバテッド、ストレートプルという仕様だ。スポークパターンはカンパニョーロが誇るG3を前後に採用。コッパーカラーのレタリングなども含めカンパニョーロの高級感あふれる美しさを感じられるだろう。

BORA ULTRA WTOは既にカンパニョーロサポートチームのUAEチームエミレーツ、ロット・スーダル、AG2Rシトロエンが実戦投入しており、UAEのタデイ・ポガチャルによるUAEツアーとティレーノ~アドリアティコの総合優勝、ロットのカレブ・ユアンによるUAEツアーのステージを支えてきた。

フリーボディはカンパニョーロの13-12-11速対応のN3W、シマノのHG、スラムのXDRという3種類。価格はN3Wが466,400円(税込)、HGとXDRは467,500円(税込)だ。

カンパニョーロ BORA ULTRA WTO
重量(ペア、N3W) 1385g (33mm), 1425g (45mm), 1530g (60mm) 
重量制限 120kg
ASTM カテゴリー 1
リム
素材 H.U.L.C UD high-strength carbon fibre, C-LUX finish
タイヤ適合性 2-Way Fit - Tubeless, tubeless-ready, clincher
推奨タイヤサイズ 700c, aerodynamically optimised for 25mm
リムハイト 33mm / 45mm / 60mm
内幅 21mm (33) - 19mm (45-60)
外幅 27.4mm (33) - 26.1mm (45-60)
ハブ
フロントハブ Carbon body with integrated radial flange
フロントハブ・アクスル 12 x 100mm
リアハブ Aluminium body, 36 tooth ratchet freehub
リアハブ・アクスル 12 x 142mm
アクスルタイプ Aluminium thru axle
ベアリング CULT™ ceramic, cup and cone
ブレーキ AFS disc
フリーハブ N3W™, XDR, HG
スポーク&ニップル
スポーク 24, elliptical, straight-pull, double-butted, 1.5mm
スポークパターン G3™
ニップル Aluminium Aero Mo-Mag™, self-locking, internal
付属品 Aero Mo-Mag™ nipple maintenance kit, tubeless valves,
AFS lockrings, Campagnolo wheel bags, freehub version).
Campagnolo accessories bag, tyre levers,
Campagnolo N3W™ Z11 adapter (with N3W™ )
税込価格 466,400円(N3W)、467,500円(HG,XDR)

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