2021/04/11(日) - 10:52
残り60km地点から飛び出したダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)が最終日の最難関山岳コースで勝利。リーダージャージのマクナルティは登りで遅れ、ログリッチが逆転の総合優勝を飾った。
総合優勝が決するクイーンステージのバスク一周第6ステージは、海辺の街オンダロアから山岳地帯を時計回りに進み、7つのカテゴリー山岳を経てアラテ・エイバルにフィニッシュする112km。残り8km地点から始まる1級山岳ウサルツァ(全長3.1km/平均12.7%)の激坂を越えると、2kmの平坦の先にフィニッシュラインが待つ。
序盤から先頭グループを形成したのは元ジロ王者リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)を筆頭に、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO)やエンリク・マス(スペイン、モビスター)など強力なクライマーを含む7名。2級山岳エロスア・ガイナ(全長8.1km/平均6.9%)に入ると、メイン集団からマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)らが合流し14名まで拡大した。
頂上を越え下りに入ると、リーダージャージを擁するUAEチームエミレーツがコントロールする集団から、オマール・フライレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)の引きでチームメイトのヨン・イサギレ(スペイン)が飛び出す。そしてこの動きにプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)など総合上位勢が反応し、レースが突然動き出した。
これにより50km以上を残してアシストを使い切ったUAEチームエミレーツは、総合首位に立つブランドン・マクナルティ(アメリカ)の為に総合5位(43秒遅れ)のタデイ・ポガチャル(スロベニア)が引かざるを得ない展開に。一方、平坦区間でログリッチグループが逃げ集団に合流すると、アシストを携えるモビスターやユンボ・ヴィズマが懸命な牽引をはじめた。
追走集団が24秒遅れで1級山岳クラベリン峠に突入すると、マクナルティが早々に遅れ、無線で指示を仰いだポガチャルは目標を自身の成績に切り替え前を追う。その前方では急勾配の登りでログリッチが速度を上げると、次々と選手たちをふるい落としゴデュとカーシーの3名で頂上を通過した。
遅れたバルベルデたちを吸収し6名になった追走集団だが、ポガチャルの他に積極性を見せる選手がおらず50秒差前後からタイム差が縮まらない。一方で1級山岳ウサルツァ(全長3.1km/平均12.7%)に突入した先頭は、残り6km地点でステージ勝利を目指すゴデュがアタックし、カーシーが1人脱落した。
そのままゴデュが先頭固定で登り切ると、フィニッシュラインまで続く2kmの平坦路でもログリッチは争う意思を見せず、そのまま24歳のフランス人クライマーが昨年のブエルタ以来となるワールドツアー勝利に両手を挙げた。
「もし僕が彼を最後の登りまで連れていけば、勝利は譲ってくれると思っていたんだ。でも、そのためにはまずカーシーを振り切る必要があった。アタックすると彼が遅れるのが見えたので、全力で踏んだんだ。フルガスだった!無線からはフランク(監督)、沿道からは観客の叫び声が聞こえてきた。脚の痛みは消え、鳥肌が立っていた。クレイジーな気分だったよ!」と、総合順位でも16位から5位にジャンプアップしたゴデュは振り返った。
一方、最終日に総合優勝を逃すパリ〜ニースの雪辱を晴らしたログリッチは、「総合優勝することができて光栄に思う。今回は幸運にも”バッドラック”には見舞われなかった。今日のステージは短かったが強烈でタフな一日だった。でも最後にはそれが報われたよ」とコメント。「若手の多いチームで最大限の力を発揮でき、才能溢れるチームと共に1週間走れたことを誇りに思う。ヨナスの総合2位は彼の走りに報いる素晴らしい結果だ」と、チームメイトの活躍を喜んだ。
最後まで協調が取れなかった後方集団はバルベルデが3位に入り、50kmに渡る追走を強いられたポガチャルは35秒遅れの総合3位。また連日アシストに徹した新城幸也のバーレーン・ヴィクトリアスはペリョ・ビルバオ(スペイン)が最高位の総合6位に入っている。
総合優勝が決するクイーンステージのバスク一周第6ステージは、海辺の街オンダロアから山岳地帯を時計回りに進み、7つのカテゴリー山岳を経てアラテ・エイバルにフィニッシュする112km。残り8km地点から始まる1級山岳ウサルツァ(全長3.1km/平均12.7%)の激坂を越えると、2kmの平坦の先にフィニッシュラインが待つ。
序盤から先頭グループを形成したのは元ジロ王者リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)を筆頭に、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO)やエンリク・マス(スペイン、モビスター)など強力なクライマーを含む7名。2級山岳エロスア・ガイナ(全長8.1km/平均6.9%)に入ると、メイン集団からマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)らが合流し14名まで拡大した。
頂上を越え下りに入ると、リーダージャージを擁するUAEチームエミレーツがコントロールする集団から、オマール・フライレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)の引きでチームメイトのヨン・イサギレ(スペイン)が飛び出す。そしてこの動きにプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)など総合上位勢が反応し、レースが突然動き出した。
これにより50km以上を残してアシストを使い切ったUAEチームエミレーツは、総合首位に立つブランドン・マクナルティ(アメリカ)の為に総合5位(43秒遅れ)のタデイ・ポガチャル(スロベニア)が引かざるを得ない展開に。一方、平坦区間でログリッチグループが逃げ集団に合流すると、アシストを携えるモビスターやユンボ・ヴィズマが懸命な牽引をはじめた。
追走集団が24秒遅れで1級山岳クラベリン峠に突入すると、マクナルティが早々に遅れ、無線で指示を仰いだポガチャルは目標を自身の成績に切り替え前を追う。その前方では急勾配の登りでログリッチが速度を上げると、次々と選手たちをふるい落としゴデュとカーシーの3名で頂上を通過した。
遅れたバルベルデたちを吸収し6名になった追走集団だが、ポガチャルの他に積極性を見せる選手がおらず50秒差前後からタイム差が縮まらない。一方で1級山岳ウサルツァ(全長3.1km/平均12.7%)に突入した先頭は、残り6km地点でステージ勝利を目指すゴデュがアタックし、カーシーが1人脱落した。
そのままゴデュが先頭固定で登り切ると、フィニッシュラインまで続く2kmの平坦路でもログリッチは争う意思を見せず、そのまま24歳のフランス人クライマーが昨年のブエルタ以来となるワールドツアー勝利に両手を挙げた。
「もし僕が彼を最後の登りまで連れていけば、勝利は譲ってくれると思っていたんだ。でも、そのためにはまずカーシーを振り切る必要があった。アタックすると彼が遅れるのが見えたので、全力で踏んだんだ。フルガスだった!無線からはフランク(監督)、沿道からは観客の叫び声が聞こえてきた。脚の痛みは消え、鳥肌が立っていた。クレイジーな気分だったよ!」と、総合順位でも16位から5位にジャンプアップしたゴデュは振り返った。
一方、最終日に総合優勝を逃すパリ〜ニースの雪辱を晴らしたログリッチは、「総合優勝することができて光栄に思う。今回は幸運にも”バッドラック”には見舞われなかった。今日のステージは短かったが強烈でタフな一日だった。でも最後にはそれが報われたよ」とコメント。「若手の多いチームで最大限の力を発揮でき、才能溢れるチームと共に1週間走れたことを誇りに思う。ヨナスの総合2位は彼の走りに報いる素晴らしい結果だ」と、チームメイトの活躍を喜んだ。
最後まで協調が取れなかった後方集団はバルベルデが3位に入り、50kmに渡る追走を強いられたポガチャルは35秒遅れの総合3位。また連日アシストに徹した新城幸也のバーレーン・ヴィクトリアスはペリョ・ビルバオ(スペイン)が最高位の総合6位に入っている。
イツリア・バスクカントリー2021第6ステージ結果
1位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 3:05:42 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:35 |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィズマ) | |
7位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 1:03 |
8位 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイク エクスチェンジ) | 1:05 |
9位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:55 |
94位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | 18:18 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 19:11:36 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィズマ) | 0:52 |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 1:07 |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 1:26 |
5位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 1:27 |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 1:28 |
7位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 1:33 |
8位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 2:17 |
9位 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイク エクスチェンジ) | 2:38 |
10位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | 2:59 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) |
山岳賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) |
ヤングライダー賞 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィズマ) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィズマ |
text:Sotaro Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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