2021/04/03(土) - 09:45
トレックのフルサスE-MTBである"Rail"シリーズに21モデルから加わった末弟モデル、Rail5。フレームをアルミとすることで価格を抑え、Railの本格的な性能をより気軽に体験できるようにした戦略モデルをインプレッション。
2019年、初めて開催されたE-MTB世界選手権の女子レースで優勝を果たしたトレックのフルサスE-MTB、Rail。同社のトレイルバイクであるSlashをベースとしたF:160mm/R:150mmトラベルのフレームに、ボッシュのPerformance Line CXを搭載した高性能バイクとして、デビュー当初から世界中で熱い視線をもって迎えられた、
国内でも本格的なE-MTBの先駆けとなった一台であり、プロDHライダーの阿藤寛が愛用するなど、その実力は折り紙付き。高性能かつコンパクトな設計のアシストユニットを最大限に活かすジオメトリーによって、パワフルな登坂性能と機敏なダウンヒル性能を両立した一台だ。
そんなトレック自慢のRailシリーズに、新たに加わったのがアルミフレームを採用したベースグレードとなるRail5だ。フレーム素材をカーボンからアルミに変更することで、手に取りやすい価格を実現。Railの提供する世界をより身近にする戦略的なバイクだ。
Railの特徴である各種のテクノロジーはRail5にも受け継がれている。ロッカーアームのフリップチップを入れ替えることで、ジオメトリーを変更できるMinolinkや、後輪のアクスルとピボット位置を同軸とすることで、ブレーキング中にもリアサスの動作を妨げないABP、ハンドルがトップチューブにヒットしないようにするKnock Blockなどは、全て受け継がれている。
アシストユニットとなるボッシュのPerformance Line CXは、現行のE-BIKE用ユニットの中でも最高のトルク性能を持ったモデル。昨年のアップデートにより最大85Nmという強大なトルクによって、低速からスムーズなアシストを実現した。バッテリーも625Whと大容量モデルを採用することで、1日中遊べる航続力を獲得している。
E-MTBに最適化した160mmトラベルのロックショックスの35 Gold RLフォークを採用し、車重をしっかり受け止めるキャパシティを確保。変速系統は1x12のスラムのSXグレードを採用、ブレーキはテクトロのHD-M745を採用した。今回、Rail5を試したのは小田原のフォレストバイク。トレイルビルダー浦島氏によるフローなコースでRail5を乗りこんだ。
―編集部インプレッション
E-MTB、しかもフルサスに加えてアルミフレームということで、皆さんまず気になるのは重量ではないだろうか。実際、Mサイズで23.5kgというスペックは、お世辞にも軽いとは言えず、ハイエースに積み込むために持ち上げるのもちょっと大変、といったところ。
ただ、一旦跨ってしまえば全く違った景色を見せてくれる。Performance Line CXのパワフルなアシストが、登りはもちろんのこと、平坦で走るときにもしっかりと役立ってくれるので、通常重量がデメリットとなるセクションでもネガティブな印象はほぼゼロ。
むしろ、安定感のある乗り心地とロングストロークなサスによる快適性は高級SUVのよう。更に荒れた不整地へ進入すると、まるで戦車のごとき走破性を発揮してくれる。それは、モーターとバッテリーによる低重心化の恩恵で挙動が安定することに加え、車体重量によって自動的にタイヤ面圧が掛かり、グリップが向上することが大きな要因として挙げられる。
フルサスE-MTBとしてはベースグレードとなる車種ということもあり、アセンブルされているサスフォークもそこまでグレードの高いものではないが、動きに関して不満はほとんどない。車体が重いゆえに、全体的な挙動がゆったり大きくストロークするようになるため非常に穏やかな印象で、もっとグレードの高いモデルと誤解しそうなほど。
一方、もちろん車重が嵩むことによるデメリットもあり、やはり細やかな切り返しは苦手。また、制動距離も伸びるため、余裕をもったブレーキングやコーナーリングを心掛ける必要がありそうだ。更に言えば、落差の大きなドロップオフや距離の出るジャンプは厳しそう。丁寧に着地できるベテランであれば問題ないだろうが、ミスしがちな初級者にとっては純正の足回りは少し不安が残る。
とはいえ、フレーム自体への不満はほとんどなく、安定感に優れた乗り味はビギナーライダーにこそ有益なものだろう。もちろん、アシストによる体力の補完は言うまでもない。少し上げたデメリットについても、ブレーキやフォークをより高剛性なものに交換することで、だいぶ改善されるはずだ。
一点、泥汚れとは無縁でいられず水洗いが不可欠なMTBだが、電装部品もあるE-MTBは少し躊躇してしまう。一応、メーカーとしてはバッテリー、パワーユニット共に高いレベルの防水性能を持たせているとのことだが、出来るだけ気を遣ったほうが良さそうだ。
トレック Rail 5
フレーム:Alpha Platinum Aluminum, Removable Integrated Battery (RIB), 150mm travel
フォーク:RockShox 35 Gold RL, 160mm travel
タイヤ:Bontrager XR4 Comp, wire bead, 30 tpi, 29x2.60"
ドライブトレイン:SRAM SX Eagle
シートポスト:TranzX JD-YSP18 dropper, internal routing, 31.6mm
電動ユニット:Bosch Performance CX, magnesium motor body, 250 watt, 85 Nm, 25km/h
コントローラー:Bosch Purion
電池:Bosch PowerTube 625
サイズ:S、M、L
価格:599,000円(税抜)
2019年、初めて開催されたE-MTB世界選手権の女子レースで優勝を果たしたトレックのフルサスE-MTB、Rail。同社のトレイルバイクであるSlashをベースとしたF:160mm/R:150mmトラベルのフレームに、ボッシュのPerformance Line CXを搭載した高性能バイクとして、デビュー当初から世界中で熱い視線をもって迎えられた、
国内でも本格的なE-MTBの先駆けとなった一台であり、プロDHライダーの阿藤寛が愛用するなど、その実力は折り紙付き。高性能かつコンパクトな設計のアシストユニットを最大限に活かすジオメトリーによって、パワフルな登坂性能と機敏なダウンヒル性能を両立した一台だ。
そんなトレック自慢のRailシリーズに、新たに加わったのがアルミフレームを採用したベースグレードとなるRail5だ。フレーム素材をカーボンからアルミに変更することで、手に取りやすい価格を実現。Railの提供する世界をより身近にする戦略的なバイクだ。
Railの特徴である各種のテクノロジーはRail5にも受け継がれている。ロッカーアームのフリップチップを入れ替えることで、ジオメトリーを変更できるMinolinkや、後輪のアクスルとピボット位置を同軸とすることで、ブレーキング中にもリアサスの動作を妨げないABP、ハンドルがトップチューブにヒットしないようにするKnock Blockなどは、全て受け継がれている。
アシストユニットとなるボッシュのPerformance Line CXは、現行のE-BIKE用ユニットの中でも最高のトルク性能を持ったモデル。昨年のアップデートにより最大85Nmという強大なトルクによって、低速からスムーズなアシストを実現した。バッテリーも625Whと大容量モデルを採用することで、1日中遊べる航続力を獲得している。
E-MTBに最適化した160mmトラベルのロックショックスの35 Gold RLフォークを採用し、車重をしっかり受け止めるキャパシティを確保。変速系統は1x12のスラムのSXグレードを採用、ブレーキはテクトロのHD-M745を採用した。今回、Rail5を試したのは小田原のフォレストバイク。トレイルビルダー浦島氏によるフローなコースでRail5を乗りこんだ。
―編集部インプレッション
E-MTB、しかもフルサスに加えてアルミフレームということで、皆さんまず気になるのは重量ではないだろうか。実際、Mサイズで23.5kgというスペックは、お世辞にも軽いとは言えず、ハイエースに積み込むために持ち上げるのもちょっと大変、といったところ。
ただ、一旦跨ってしまえば全く違った景色を見せてくれる。Performance Line CXのパワフルなアシストが、登りはもちろんのこと、平坦で走るときにもしっかりと役立ってくれるので、通常重量がデメリットとなるセクションでもネガティブな印象はほぼゼロ。
むしろ、安定感のある乗り心地とロングストロークなサスによる快適性は高級SUVのよう。更に荒れた不整地へ進入すると、まるで戦車のごとき走破性を発揮してくれる。それは、モーターとバッテリーによる低重心化の恩恵で挙動が安定することに加え、車体重量によって自動的にタイヤ面圧が掛かり、グリップが向上することが大きな要因として挙げられる。
フルサスE-MTBとしてはベースグレードとなる車種ということもあり、アセンブルされているサスフォークもそこまでグレードの高いものではないが、動きに関して不満はほとんどない。車体が重いゆえに、全体的な挙動がゆったり大きくストロークするようになるため非常に穏やかな印象で、もっとグレードの高いモデルと誤解しそうなほど。
一方、もちろん車重が嵩むことによるデメリットもあり、やはり細やかな切り返しは苦手。また、制動距離も伸びるため、余裕をもったブレーキングやコーナーリングを心掛ける必要がありそうだ。更に言えば、落差の大きなドロップオフや距離の出るジャンプは厳しそう。丁寧に着地できるベテランであれば問題ないだろうが、ミスしがちな初級者にとっては純正の足回りは少し不安が残る。
とはいえ、フレーム自体への不満はほとんどなく、安定感に優れた乗り味はビギナーライダーにこそ有益なものだろう。もちろん、アシストによる体力の補完は言うまでもない。少し上げたデメリットについても、ブレーキやフォークをより高剛性なものに交換することで、だいぶ改善されるはずだ。
一点、泥汚れとは無縁でいられず水洗いが不可欠なMTBだが、電装部品もあるE-MTBは少し躊躇してしまう。一応、メーカーとしてはバッテリー、パワーユニット共に高いレベルの防水性能を持たせているとのことだが、出来るだけ気を遣ったほうが良さそうだ。
トレック Rail 5
フレーム:Alpha Platinum Aluminum, Removable Integrated Battery (RIB), 150mm travel
フォーク:RockShox 35 Gold RL, 160mm travel
タイヤ:Bontrager XR4 Comp, wire bead, 30 tpi, 29x2.60"
ドライブトレイン:SRAM SX Eagle
シートポスト:TranzX JD-YSP18 dropper, internal routing, 31.6mm
電動ユニット:Bosch Performance CX, magnesium motor body, 250 watt, 85 Nm, 25km/h
コントローラー:Bosch Purion
電池:Bosch PowerTube 625
サイズ:S、M、L
価格:599,000円(税抜)
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