2021/03/26(金) - 10:53
超級山岳で勇気あるロングスパートを成功させたエステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ)が久々の勝利。レースを支配したイネオス・グレナディアーズが総合成績上位を独占している。
2連続本格山頂フィニッシュの2日目、ボルタ・ア・カタルーニャ第4ステージはピレネーの山あいに位置するリポルを出発し、超級山岳アイネ峠を目指す166.5km。
序盤から1級山岳トセス峠(登坂距離3.7km/平均9.1%)を越え、長い下りを経て超級山岳カント峠(登坂距離24.7km/平均4.4%)をクリアしてからアイネ峠(登坂距離18.4km/平均6.7%)山頂を目指す。この日はジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)やジロ・デ・イタリア総合2位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、チームDSM)たちが体調不良によってスタートを見送っている。
終盤に20km前後の山岳が連続する難コースで逃げたのは12名という大きなグループだった。総合争いを見据えた前待ちや、ステージ優勝など、様々な思惑を秘めた有力選手たちが序盤のトセス峠でエスケープ。集団前方を固めるイネオス・グレナディアーズは中盤までタイム差を1分半に留め警戒を厳とした。
逃げた12名
レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
クレモン・シャンプッサン(フランス、AG2Rシトロエン)
リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO)
クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター)
アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、UAEチームエミレーツ)
トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
セルヒオ・サミティエル(スペイン、モビスター)
ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
1分33秒遅れの総合14位レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)や2016年のアイネ峠フィニッシュで勝利したトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO)、そしてモビスター(ペドレロ&サミティエル)とユンボ・ヴィズマ(トールク&ボウマン)の山岳アシストを2名づつ含む豪華な逃げ。ひたすら登るレース最初の1時間を平均スピード37.2km/hでこなし、トセス峠山頂ではボウマンが先着すると、次なる超級カント峠でケムナが独走に持ち込んだ。
緩斜面のカント峠を先頭通過し、山岳ポイントを26点加算したケムナからメイン集団は3分半。標高差1,100mのダウンヒルでタイム差は1分縮まり、第2ステージ勝者ローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)のメイン集団牽引がスタート。追走グループや、力を使い果たしたケムナも14km以上を残して引き戻されている。
デニスに続いてジロ・デ・イタリア覇者リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)の牽引が始まり、残り10kmで加速したステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)も引き戻される。カラパス、トーマス、ポート、Aイェーツという鉄壁のイネオストレインが集団を支配する中、それをかいくぐるように残り7.2km地点でエステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ)がアタックした。
前日Aイェーツを唯一追走し、ステージ2位に食い込んでいたチャベスが「失うものは何も無かった」とステージ優勝に向けて独走する。カラパスが牽引を続け、20名程度まで絞られた集団から15秒〜20秒リードを得て、雪が残るアイネ峠を駆け上がった。
顔を歪めながら、歯を食いしばりながら逃げ続けたチャベスは、イネオスがフルスロットルで牽引する集団に追い込まれながらも逃げ切り。噛み締めるようなガッツポーズを繰り出したその7秒後、マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)を先頭に、トーマス、Aイェーツと続く9名がフィニッシュに飛び込んだ。
勇気あるロングアタックで、2019年5月のジロ・デ・イタリア第19ステージ以来となる勝利を掴んだチャベスは、総合成績を6位まで上げることに成功。「大部分が向かい風で人の後ろにつくことでエネルギーを貯められる登りだったけれど、いい動きだった。脚の調子はかなり良かったんだ。ここまでずっと苦労してきたことが結果として実った。こんな形でのシーズンインは夢のよう。インクレディブルだ」と、度重なる怪我や不調に苦しめられてきた”チャビート”が表彰台で特大の笑顔を見せている。
7秒遅れの精鋭集団内ではフィニッシュ直前に総合3位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)が遅れを喫したことで、4位トーマスが3位に浮上。超級山岳フィニッシュ2連戦を終え、超豪華布陣で臨んだイネオス・グレナディアーズが1位Aイェーツ、2位ポート、3位トーマスと総合成績トップスリーを埋める形となっている。
2連続本格山頂フィニッシュの2日目、ボルタ・ア・カタルーニャ第4ステージはピレネーの山あいに位置するリポルを出発し、超級山岳アイネ峠を目指す166.5km。
序盤から1級山岳トセス峠(登坂距離3.7km/平均9.1%)を越え、長い下りを経て超級山岳カント峠(登坂距離24.7km/平均4.4%)をクリアしてからアイネ峠(登坂距離18.4km/平均6.7%)山頂を目指す。この日はジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)やジロ・デ・イタリア総合2位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、チームDSM)たちが体調不良によってスタートを見送っている。
終盤に20km前後の山岳が連続する難コースで逃げたのは12名という大きなグループだった。総合争いを見据えた前待ちや、ステージ優勝など、様々な思惑を秘めた有力選手たちが序盤のトセス峠でエスケープ。集団前方を固めるイネオス・グレナディアーズは中盤までタイム差を1分半に留め警戒を厳とした。
逃げた12名
レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
クレモン・シャンプッサン(フランス、AG2Rシトロエン)
リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO)
クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター)
アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、UAEチームエミレーツ)
トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
セルヒオ・サミティエル(スペイン、モビスター)
ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
1分33秒遅れの総合14位レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)や2016年のアイネ峠フィニッシュで勝利したトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションNIPPO)、そしてモビスター(ペドレロ&サミティエル)とユンボ・ヴィズマ(トールク&ボウマン)の山岳アシストを2名づつ含む豪華な逃げ。ひたすら登るレース最初の1時間を平均スピード37.2km/hでこなし、トセス峠山頂ではボウマンが先着すると、次なる超級カント峠でケムナが独走に持ち込んだ。
緩斜面のカント峠を先頭通過し、山岳ポイントを26点加算したケムナからメイン集団は3分半。標高差1,100mのダウンヒルでタイム差は1分縮まり、第2ステージ勝者ローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)のメイン集団牽引がスタート。追走グループや、力を使い果たしたケムナも14km以上を残して引き戻されている。
デニスに続いてジロ・デ・イタリア覇者リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)の牽引が始まり、残り10kmで加速したステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)も引き戻される。カラパス、トーマス、ポート、Aイェーツという鉄壁のイネオストレインが集団を支配する中、それをかいくぐるように残り7.2km地点でエステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ)がアタックした。
前日Aイェーツを唯一追走し、ステージ2位に食い込んでいたチャベスが「失うものは何も無かった」とステージ優勝に向けて独走する。カラパスが牽引を続け、20名程度まで絞られた集団から15秒〜20秒リードを得て、雪が残るアイネ峠を駆け上がった。
顔を歪めながら、歯を食いしばりながら逃げ続けたチャベスは、イネオスがフルスロットルで牽引する集団に追い込まれながらも逃げ切り。噛み締めるようなガッツポーズを繰り出したその7秒後、マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)を先頭に、トーマス、Aイェーツと続く9名がフィニッシュに飛び込んだ。
勇気あるロングアタックで、2019年5月のジロ・デ・イタリア第19ステージ以来となる勝利を掴んだチャベスは、総合成績を6位まで上げることに成功。「大部分が向かい風で人の後ろにつくことでエネルギーを貯められる登りだったけれど、いい動きだった。脚の調子はかなり良かったんだ。ここまでずっと苦労してきたことが結果として実った。こんな形でのシーズンインは夢のよう。インクレディブルだ」と、度重なる怪我や不調に苦しめられてきた”チャビート”が表彰台で特大の笑顔を見せている。
7秒遅れの精鋭集団内ではフィニッシュ直前に総合3位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)が遅れを喫したことで、4位トーマスが3位に浮上。超級山岳フィニッシュ2連戦を終え、超豪華布陣で臨んだイネオス・グレナディアーズが1位Aイェーツ、2位ポート、3位トーマスと総合成績トップスリーを埋める形となっている。
ボルタ・ア・カタルーニャ2021第4ステージ結果
1位 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) | 4:29:47 |
2位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:07 |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | |
6位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
7位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
8位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | |
10位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) |
個人総合成績
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 14:14:15 |
2位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:45 |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:49 |
4位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 1:03 |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) | 1:04 |
7位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:07 |
8位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO) | 1:20 |
9位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | 1:29 |
10位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) | 1:32 |
その他の特別賞
ポイント賞 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) |
山岳賞 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) |
ヤングライダー賞 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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