2021/01/02(土) - 11:10
イタリアンヘルメットブランド、METのオールラウンドモデル「RIVALE MIPS」をインプレッション。MIPSを搭載し安全性を高めたほか、シェルの形状を一新することでエアロ性能とクーリング性能が向上し、洗練されたオールラウンドヘルメットへと進化を遂げた。
ツール・ド・フランスを制したワールドチームのUAEチームエミレーツにも使用されてきた実績を持つMETの「RIVALE(リヴァーレ)」。2016年にデビューしたオールラウンドヘルメットが、2020年にモデルチェンジを果たした。帽体の形状が洗練されると同時にMIPS搭載モデルとなったことが特徴だ。
MIPSとは帽体が落車などで回転衝撃を受けると、シェル内部に配されたシート状構造体がスライドし、頭部に伝わるダメージを軽減するというテクノロジー。近年は特殊なMIPSが登場しているが、RIVALEはスタンダードなシートを配置するという方式を採用している。MIPSを搭載したことで新型は、前作と比較し10%以上の安全性が向上しているという。
2つ目のアップデートポイントはシェル形状のブラッシュアップ。流線型のセミエアロデザインは前作から引き継いでいるが、フロント部分のベンチレーションホールの形状、配置を一新することでクーリング性能の向上を実現。シェル内部にはエアチャネルが設けられているため、MIP搭載モデルだが風が通り抜ける設計となっている。
頭頂部に設けられた「NACA VENT」という開口部は前作から踏襲している部分。風を効率的に取り込む形状となっているポートは、リアのベンチレーションホールと接続しているため、空気が後部へとスムースに排出されるように設計されており、ヘルメット内の快適性を確保。リアのテールデザインなどの細かなディテールもアップデートされており、さらに洗練されたデザインへ進化を遂げている。
フィッティングシステムは新型の「SAFE-T UPSILON」を搭載。クロージャーダイヤルが大きくされたことで操作性が向上したことに加え、クロージャーのベルトが頭を囲うデザインとされており、ラチェットを締め込んだ際に圧力の偏りがなく包み込まれるようなフィット感を獲得している。
サングラスポートも備わっており、ライドの休憩時などにはアイウェアをヘルメットに挿して保持できるため、利便性が高いだろう。RIVALE MIPSはMとLの2サイズ展開。カラーラインアップは全7色で、価格は15,400円(税抜)だ。取り扱いはインターマックス。
―編集部インプレッション
新型RIVALE MIPSをインプレッションするのは、前作を気に入って使用していたCW編集部の高木。モデルチェンジを果たした新しいRIVALEの存在を気にかけてたところ、テストを行う機会を得た。
筆者はカスクだとMサイズ、カブトの場合はS/Mサイズを着用する典型的な丸形の頭。前作でチョイスしていたサイズがMだったため、今作もMで問題のないサイズ感。RIVALE MIPSの帽体は、額や後頭部までしっかり深く被る事ができるため、頭を守られている安心感がある形状という印象だ。
MIPS搭載ヘルメットは内部にMIPSのシートが一枚あるためきつくなるような傾向にあるが、MIPSありきで考えられた設計となっているのか、むしろフィット感が向上しているような気がする。また、パッドが効果的に配置されているおかげで、シートがむき出しになっている所もあるものの、シートのせいで痛さや硬さを感じることはなかった。
新しいフィッティングシステム「SAFE-T UPSILON」のクロージャーは、調整範囲が非常に広く、かつ細かく締め付け具合を調整できることが魅力。さらに、上下方向にアジャスターを調整することもできるため、後頭部サポーターが収まりの良い位置を見つけやすく、好みのポジションにセットすれば、フィット感は抜群。額から後頭部までヘルメットで覆われているような感覚もあり、安心感をもたらしてくれる。
クロージャーダイヤルは締める方向には細かくクリック感があり、緩める方向には引っ掛かりがないため、繊細なフィット調整が可能となっている。また、ダイヤルの縁には細かく凹凸があるデザインのため指が引っかかりやすく、グローブを着用したままでも容易に操作できる。
通気性に関しては前作も非常に優れた性能を備えていたが、新型では更に良くなっている。特に額から後頭部にかけて風が通り抜けていることが、前作よりもはっきりと体感できるようになった。夏場は非常に快適に走れそうという印象だが、今回テストを行った冬場では寒さを感じるほど。ウィンターシーズンはヘッドバンドやサイクルキャップを併用したほうが良さそうだ。対して、夏場で暑さを感じる時はNACA VENTからボトルの水を流し入れ、頭を冷やすこともできるので、是非試して欲しい。
ベンチレーションホールデザインの一新を受け、サングラスポートの左右幅が前作よりも広げられている。ワイドスタンスとなったことで、アイウェアをホールドする性能が向上しているようだ。
カラーラインアップも全7色と豊富で、チームウェアなどにも合わせつつ、コ―ディネートしやすいだろう。MET RIVALE MIPSはMIPSを搭載しながらも手に取りやすい価格となっているため、アジアンフィットのMIPS搭載ヘルメットを探している方には、一度試してもらいたい。
MET RIVALE MIPS
カラー:ブラックホワイトレッド、ブラックブルー、ブラックレッド、ブラックセーフティイエロー、ホワイト、レッド、ブラック
サイズ:M(56-58cm)、L(58-61cm)
重量:M-250g、L-270g
価格:15,400円(税抜)
text&photo:Michinari TAKAGI
ツール・ド・フランスを制したワールドチームのUAEチームエミレーツにも使用されてきた実績を持つMETの「RIVALE(リヴァーレ)」。2016年にデビューしたオールラウンドヘルメットが、2020年にモデルチェンジを果たした。帽体の形状が洗練されると同時にMIPS搭載モデルとなったことが特徴だ。
MIPSとは帽体が落車などで回転衝撃を受けると、シェル内部に配されたシート状構造体がスライドし、頭部に伝わるダメージを軽減するというテクノロジー。近年は特殊なMIPSが登場しているが、RIVALEはスタンダードなシートを配置するという方式を採用している。MIPSを搭載したことで新型は、前作と比較し10%以上の安全性が向上しているという。
2つ目のアップデートポイントはシェル形状のブラッシュアップ。流線型のセミエアロデザインは前作から引き継いでいるが、フロント部分のベンチレーションホールの形状、配置を一新することでクーリング性能の向上を実現。シェル内部にはエアチャネルが設けられているため、MIP搭載モデルだが風が通り抜ける設計となっている。
頭頂部に設けられた「NACA VENT」という開口部は前作から踏襲している部分。風を効率的に取り込む形状となっているポートは、リアのベンチレーションホールと接続しているため、空気が後部へとスムースに排出されるように設計されており、ヘルメット内の快適性を確保。リアのテールデザインなどの細かなディテールもアップデートされており、さらに洗練されたデザインへ進化を遂げている。
フィッティングシステムは新型の「SAFE-T UPSILON」を搭載。クロージャーダイヤルが大きくされたことで操作性が向上したことに加え、クロージャーのベルトが頭を囲うデザインとされており、ラチェットを締め込んだ際に圧力の偏りがなく包み込まれるようなフィット感を獲得している。
サングラスポートも備わっており、ライドの休憩時などにはアイウェアをヘルメットに挿して保持できるため、利便性が高いだろう。RIVALE MIPSはMとLの2サイズ展開。カラーラインアップは全7色で、価格は15,400円(税抜)だ。取り扱いはインターマックス。
―編集部インプレッション
新型RIVALE MIPSをインプレッションするのは、前作を気に入って使用していたCW編集部の高木。モデルチェンジを果たした新しいRIVALEの存在を気にかけてたところ、テストを行う機会を得た。
筆者はカスクだとMサイズ、カブトの場合はS/Mサイズを着用する典型的な丸形の頭。前作でチョイスしていたサイズがMだったため、今作もMで問題のないサイズ感。RIVALE MIPSの帽体は、額や後頭部までしっかり深く被る事ができるため、頭を守られている安心感がある形状という印象だ。
MIPS搭載ヘルメットは内部にMIPSのシートが一枚あるためきつくなるような傾向にあるが、MIPSありきで考えられた設計となっているのか、むしろフィット感が向上しているような気がする。また、パッドが効果的に配置されているおかげで、シートがむき出しになっている所もあるものの、シートのせいで痛さや硬さを感じることはなかった。
新しいフィッティングシステム「SAFE-T UPSILON」のクロージャーは、調整範囲が非常に広く、かつ細かく締め付け具合を調整できることが魅力。さらに、上下方向にアジャスターを調整することもできるため、後頭部サポーターが収まりの良い位置を見つけやすく、好みのポジションにセットすれば、フィット感は抜群。額から後頭部までヘルメットで覆われているような感覚もあり、安心感をもたらしてくれる。
クロージャーダイヤルは締める方向には細かくクリック感があり、緩める方向には引っ掛かりがないため、繊細なフィット調整が可能となっている。また、ダイヤルの縁には細かく凹凸があるデザインのため指が引っかかりやすく、グローブを着用したままでも容易に操作できる。
通気性に関しては前作も非常に優れた性能を備えていたが、新型では更に良くなっている。特に額から後頭部にかけて風が通り抜けていることが、前作よりもはっきりと体感できるようになった。夏場は非常に快適に走れそうという印象だが、今回テストを行った冬場では寒さを感じるほど。ウィンターシーズンはヘッドバンドやサイクルキャップを併用したほうが良さそうだ。対して、夏場で暑さを感じる時はNACA VENTからボトルの水を流し入れ、頭を冷やすこともできるので、是非試して欲しい。
ベンチレーションホールデザインの一新を受け、サングラスポートの左右幅が前作よりも広げられている。ワイドスタンスとなったことで、アイウェアをホールドする性能が向上しているようだ。
カラーラインアップも全7色と豊富で、チームウェアなどにも合わせつつ、コ―ディネートしやすいだろう。MET RIVALE MIPSはMIPSを搭載しながらも手に取りやすい価格となっているため、アジアンフィットのMIPS搭載ヘルメットを探している方には、一度試してもらいたい。
MET RIVALE MIPS
カラー:ブラックホワイトレッド、ブラックブルー、ブラックレッド、ブラックセーフティイエロー、ホワイト、レッド、ブラック
サイズ:M(56-58cm)、L(58-61cm)
重量:M-250g、L-270g
価格:15,400円(税抜)
text&photo:Michinari TAKAGI
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