2020/10/02(金) - 18:07
メディアとショップ限定で開催されたBMCの2021モデル野外展示会をレポート。今年フルモデルチェンジしたオールラウンドモデル「Teammachine SLR」シリーズを中心に、エンデュランスモデルのRoadmachineやグラベルバイクのURSを写真と共に紹介しよう。
ワールドチームのNTTプロサイクリングも使用しているスイスのバイクブランド「BMC」。レースで勝利するためのハイパフォーマンスバイクを作り続けており、過去にはカデル・エヴァンスの2011年ツール・ド・フランス総合優勝や、フィリップ・ジルベールの2012年世界選手権優勝、グレッグ・ファンアーヴェルマートの2016年リオ五輪優勝などにも貢献してきた。
そんなBMCの国内代理店であるフタバ商店が2021モデル展示会を実施。新型コロナウイルスの感染対策として屋外での展示会兼試乗会として開催された。会場には2021モデルの新車&新色がズラリと勢揃い、さっそく注目のバイクを紹介していこう。
■Teammachine SLR01シリーズ
BMCのフラッグシップオールラウンダーとして、歴代サポートチームの走りを支えてきたTeammachine SLR01シリーズ。初代が登場してから10年を迎えた今年、さらなる性能向上を目指しフルモデルチェンジを果たしている。4代目へと進化したSLR01は、前作の面影を色濃く残しつつ、ACE+テクノロジーによって最新バイクらしいルックスと高いエアロダイナミクスを獲得したことが特徴だ。
最先端のシミュレーションを元にチューブ形状をアップデート。さらには専用設計のコックピットも刷新し、ケーブルフル内装を実現しながら優れた整備性と軽量性も兼ね備えている。今回の展示会ではスラムFORCE eTap AXS完成車のSLR01 THREEと、シマノULTEGRA DI2完成車のSLR01 FOURの2車種が用意された。
いずれのモデルもステムとハンドルが別体式となった新型ICS2コックピットを採用(トップグレードのSLR01 ONEはステム一体型のICS CARBONコックピット)。ケーブル類はステム下部の専用カバーに導かれフレームに内装されるルーティングだ。ハンドル自体は好みのパーツに交換も可能。ガーミンやワフ―のデバイスに対応した専用サイコンマウントも標準装備されている。
また、空力性能を向上させるAEROCOREボトルケージシステムも大きな特徴。Timemachine ROADに採用されているシステムを新型SLR01用にリファインしたもので、ボトルを取り付けた際の空気抵抗低減に一役買っている。もちろん、取り外して好みのボトルケージを装着することもできる。
それぞれオレンジとブルーの鮮やかなカラーでペイントされ、アクセントとしてトップチューブ上部にブラックグラデーションも差し込まれる。スラムRED eTap AXS完成車のSLR01 ONEと合わせて3つの完成車とフレームセットでの販売だ。
■Teammachine SLRシリーズ
Teammachineシリーズのセカンドグレードに位置づけられる「SLR」は、上位モデルであるSLR01のテクノロジーを採用しつつ、カーボングレードを変更することでコストパフォーマンスを高めたモデルだ。従来のSLR02に相当するモデルであり、2021ラインアップから名称が変更されている。
フレーム形状はSLR01と同様で、エアロと剛性に優れたボリューミーなダウンチューブや独自のD-Shapeシートポスト、アクスルのネジ切り部をフレームに内蔵した「ステルス・スルーアクスル」、AEROCOREボトルケージシステムなどをもれなく採用する。一方で、ケーブルフル内装のシステムには対応しておらず、ノーマルステムやダウンチューブから内装されるケーブルルーティングなどがSLR01との違いだ。
ULTEGRA DI2、ULTEGRA、シマノ105で組まれた3種類の完成車がラインアップ。シマノ105完成車のSLR FOURのみ2カラー展開で、ともに写真映えしそうなビビッドな色味に仕上がっている。SLR01は電動コンポーネントのみだったが、SLRは機械式コンポーネントをメインとすることで価格を抑えていることもポイントだ。BMCの最新バイクをより手軽に手に入れるなら、このTeammachine SLRをぜひチェックしてほしい。
■Roadmachineシリーズ
BMCのエンデュランスモデルに位置付けられている「Roadmachine」は、どんなラフな路面でも速く、そして遠くへ快適なライディングが出来るよう開発された1台。緻密に計算されたカーボンレイアップとフレーム形状によって、振動吸収のギミックなどを搭載せず快適に、そしてパワーを逃さず効率的な走りを楽しめるよう設計されている。
今回はシマノULTEGRA完成車のRoadmachine THREEと、シマノ105完成車のRoadmachine FOURが展示された。ハイエンドモデルであるRoadmachine 01はケーブルフル内装システムを採用しているが、下位グレードに当たるこちらの2台はノーマルステムを使用しており、ワイヤー類が外装となっている。
拡張性を持たせるためにトップチューブにはストレージマウントを装備。ジープロードなど荒れた未舗装路にも足を伸ばせるよう最大33mmのタイヤクリアランスを備えるとともに、BMC独自のD型シートポストも快適性の向上に寄与。専用のチェーンキャッチャーも標準装備されているため、チェーン暴れが気になるオフロードでも安心だ。
また、前後フルフェンダーを装備し、各所にダボ穴も増設、標準で32mmタイヤをアセンブルしたアドベンチャー用途の「Roadmachine X」もラインアップ。頑丈なアルミフレームとすることで価格を抑えており、初めてのグラベルバイクや汎用性の高い通勤バイクとして活躍する1台に仕上がっている。
■URSシリーズ
MTBの開発で培ってきたテクノロジーを投入し生み出されたグラベルロードの「URS(ウルス)」。この"URS"という3文字のモデル名はUnrestricted(制限されない)に由来しており、走る道を選ばずオン/オフロード関係なくライドを楽しめるよう開発されたバイクだ。
グラベルライドに最適化されたジオメトリーを採用しており、70°の緩やかなヘッドアングルと長めのリーチ、短めのステムを組み合わせることで、オフロードにおける優れたコントロール性を確保。ホイールベースも長めに設計されているため、荒れた路面でも安定感の高い走りを実現している。
さらに特徴的なのが、シートステー上部に搭載されたサスペンションシステム"MTT"(micro travel technology)だ。2本のレールを内部に組み込み、その周りをエラストマー樹脂で覆うことで10mmのトラベル量を確保。リアサスペンションとして機能することで突き上げ緩和や振動吸収に一役買ってくれる。
ワイドなグラベルタイヤも悠々と飲み込む最大45mmのタイヤクリアランスを確保。トップチューブにはストレージマウントを備えており、ボルトオンタイプのバッグを装着可能だ。シマノGRX完成車のURS THREEと、スラムApex 1完成車のURS FOURという2車種展開だ。
text&photo:Michinari TAKAGI
ワールドチームのNTTプロサイクリングも使用しているスイスのバイクブランド「BMC」。レースで勝利するためのハイパフォーマンスバイクを作り続けており、過去にはカデル・エヴァンスの2011年ツール・ド・フランス総合優勝や、フィリップ・ジルベールの2012年世界選手権優勝、グレッグ・ファンアーヴェルマートの2016年リオ五輪優勝などにも貢献してきた。
そんなBMCの国内代理店であるフタバ商店が2021モデル展示会を実施。新型コロナウイルスの感染対策として屋外での展示会兼試乗会として開催された。会場には2021モデルの新車&新色がズラリと勢揃い、さっそく注目のバイクを紹介していこう。
■Teammachine SLR01シリーズ
BMCのフラッグシップオールラウンダーとして、歴代サポートチームの走りを支えてきたTeammachine SLR01シリーズ。初代が登場してから10年を迎えた今年、さらなる性能向上を目指しフルモデルチェンジを果たしている。4代目へと進化したSLR01は、前作の面影を色濃く残しつつ、ACE+テクノロジーによって最新バイクらしいルックスと高いエアロダイナミクスを獲得したことが特徴だ。
最先端のシミュレーションを元にチューブ形状をアップデート。さらには専用設計のコックピットも刷新し、ケーブルフル内装を実現しながら優れた整備性と軽量性も兼ね備えている。今回の展示会ではスラムFORCE eTap AXS完成車のSLR01 THREEと、シマノULTEGRA DI2完成車のSLR01 FOURの2車種が用意された。
いずれのモデルもステムとハンドルが別体式となった新型ICS2コックピットを採用(トップグレードのSLR01 ONEはステム一体型のICS CARBONコックピット)。ケーブル類はステム下部の専用カバーに導かれフレームに内装されるルーティングだ。ハンドル自体は好みのパーツに交換も可能。ガーミンやワフ―のデバイスに対応した専用サイコンマウントも標準装備されている。
また、空力性能を向上させるAEROCOREボトルケージシステムも大きな特徴。Timemachine ROADに採用されているシステムを新型SLR01用にリファインしたもので、ボトルを取り付けた際の空気抵抗低減に一役買っている。もちろん、取り外して好みのボトルケージを装着することもできる。
それぞれオレンジとブルーの鮮やかなカラーでペイントされ、アクセントとしてトップチューブ上部にブラックグラデーションも差し込まれる。スラムRED eTap AXS完成車のSLR01 ONEと合わせて3つの完成車とフレームセットでの販売だ。
■Teammachine SLRシリーズ
Teammachineシリーズのセカンドグレードに位置づけられる「SLR」は、上位モデルであるSLR01のテクノロジーを採用しつつ、カーボングレードを変更することでコストパフォーマンスを高めたモデルだ。従来のSLR02に相当するモデルであり、2021ラインアップから名称が変更されている。
フレーム形状はSLR01と同様で、エアロと剛性に優れたボリューミーなダウンチューブや独自のD-Shapeシートポスト、アクスルのネジ切り部をフレームに内蔵した「ステルス・スルーアクスル」、AEROCOREボトルケージシステムなどをもれなく採用する。一方で、ケーブルフル内装のシステムには対応しておらず、ノーマルステムやダウンチューブから内装されるケーブルルーティングなどがSLR01との違いだ。
ULTEGRA DI2、ULTEGRA、シマノ105で組まれた3種類の完成車がラインアップ。シマノ105完成車のSLR FOURのみ2カラー展開で、ともに写真映えしそうなビビッドな色味に仕上がっている。SLR01は電動コンポーネントのみだったが、SLRは機械式コンポーネントをメインとすることで価格を抑えていることもポイントだ。BMCの最新バイクをより手軽に手に入れるなら、このTeammachine SLRをぜひチェックしてほしい。
■Roadmachineシリーズ
BMCのエンデュランスモデルに位置付けられている「Roadmachine」は、どんなラフな路面でも速く、そして遠くへ快適なライディングが出来るよう開発された1台。緻密に計算されたカーボンレイアップとフレーム形状によって、振動吸収のギミックなどを搭載せず快適に、そしてパワーを逃さず効率的な走りを楽しめるよう設計されている。
今回はシマノULTEGRA完成車のRoadmachine THREEと、シマノ105完成車のRoadmachine FOURが展示された。ハイエンドモデルであるRoadmachine 01はケーブルフル内装システムを採用しているが、下位グレードに当たるこちらの2台はノーマルステムを使用しており、ワイヤー類が外装となっている。
拡張性を持たせるためにトップチューブにはストレージマウントを装備。ジープロードなど荒れた未舗装路にも足を伸ばせるよう最大33mmのタイヤクリアランスを備えるとともに、BMC独自のD型シートポストも快適性の向上に寄与。専用のチェーンキャッチャーも標準装備されているため、チェーン暴れが気になるオフロードでも安心だ。
また、前後フルフェンダーを装備し、各所にダボ穴も増設、標準で32mmタイヤをアセンブルしたアドベンチャー用途の「Roadmachine X」もラインアップ。頑丈なアルミフレームとすることで価格を抑えており、初めてのグラベルバイクや汎用性の高い通勤バイクとして活躍する1台に仕上がっている。
■URSシリーズ
MTBの開発で培ってきたテクノロジーを投入し生み出されたグラベルロードの「URS(ウルス)」。この"URS"という3文字のモデル名はUnrestricted(制限されない)に由来しており、走る道を選ばずオン/オフロード関係なくライドを楽しめるよう開発されたバイクだ。
グラベルライドに最適化されたジオメトリーを採用しており、70°の緩やかなヘッドアングルと長めのリーチ、短めのステムを組み合わせることで、オフロードにおける優れたコントロール性を確保。ホイールベースも長めに設計されているため、荒れた路面でも安定感の高い走りを実現している。
さらに特徴的なのが、シートステー上部に搭載されたサスペンションシステム"MTT"(micro travel technology)だ。2本のレールを内部に組み込み、その周りをエラストマー樹脂で覆うことで10mmのトラベル量を確保。リアサスペンションとして機能することで突き上げ緩和や振動吸収に一役買ってくれる。
ワイドなグラベルタイヤも悠々と飲み込む最大45mmのタイヤクリアランスを確保。トップチューブにはストレージマウントを備えており、ボルトオンタイプのバッグを装着可能だ。シマノGRX完成車のURS THREEと、スラムApex 1完成車のURS FOURという2車種展開だ。
text&photo:Michinari TAKAGI
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