メディアとショップ限定で開催されたBMCの2021モデル野外展示会をレポート。今年フルモデルチェンジしたオールラウンドモデル「Teammachine SLR」シリーズを中心に、エンデュランスモデルのRoadmachineやグラベルバイクのURSを写真と共に紹介しよう。



埼玉県の彩湖で行われたメディアとショップ限定のBMC野外展示会埼玉県の彩湖で行われたメディアとショップ限定のBMC野外展示会 photo:Michinari TAKAGI
ワールドチームのNTTプロサイクリングも使用しているスイスのバイクブランド「BMC」。レースで勝利するためのハイパフォーマンスバイクを作り続けており、過去にはカデル・エヴァンスの2011年ツール・ド・フランス総合優勝や、フィリップ・ジルベールの2012年世界選手権優勝、グレッグ・ファンアーヴェルマートの2016年リオ五輪優勝などにも貢献してきた。

そんなBMCの国内代理店であるフタバ商店が2021モデル展示会を実施。新型コロナウイルスの感染対策として屋外での展示会兼試乗会として開催された。会場には2021モデルの新車&新色がズラリと勢揃い、さっそく注目のバイクを紹介していこう。

2021カラーのBMCが集結した2021カラーのBMCが集結した photo:Michinari TAKAGI


■Teammachine SLR01シリーズ

BMC SLR01 THREE 2021BMC SLR01 THREE 2021 photo:Michinari TAKAGI
無線変速のスラムFORCE eTap AXSを搭載しスマートなルックスを実現無線変速のスラムFORCE eTap AXSを搭載しスマートなルックスを実現 photo:Michinari TAKAGIブラックからオレンジに変化するトップチューブのグラデーションカラーブラックからオレンジに変化するトップチューブのグラデーションカラー photo:Michinari TAKAGI


BMCのフラッグシップオールラウンダーとして、歴代サポートチームの走りを支えてきたTeammachine SLR01シリーズ。初代が登場してから10年を迎えた今年、さらなる性能向上を目指しフルモデルチェンジを果たしている。4代目へと進化したSLR01は、前作の面影を色濃く残しつつ、ACE+テクノロジーによって最新バイクらしいルックスと高いエアロダイナミクスを獲得したことが特徴だ。

最先端のシミュレーションを元にチューブ形状をアップデート。さらには専用設計のコックピットも刷新し、ケーブルフル内装を実現しながら優れた整備性と軽量性も兼ね備えている。今回の展示会ではスラムFORCE eTap AXS完成車のSLR01 THREEと、シマノULTEGRA DI2完成車のSLR01 FOURの2車種が用意された。

Timemachine ROADにも採用されているAEROCOREボトルケージシステムTimemachine ROADにも採用されているAEROCOREボトルケージシステム photo:Michinari TAKAGI
ステムとハンドルが別体式の新型ICS2コックピットステムとハンドルが別体式の新型ICS2コックピット photo:Michinari TAKAGI
スルーアクスルのネジ切り部が外から見えないステルスデザインスルーアクスルのネジ切り部が外から見えないステルスデザイン photo:Michinari TAKAGIフロントフォークにも「ステルス・スルーアクスル」を採用フロントフォークにも「ステルス・スルーアクスル」を採用 photo:Michinari TAKAGI


いずれのモデルもステムとハンドルが別体式となった新型ICS2コックピットを採用(トップグレードのSLR01 ONEはステム一体型のICS CARBONコックピット)。ケーブル類はステム下部の専用カバーに導かれフレームに内装されるルーティングだ。ハンドル自体は好みのパーツに交換も可能。ガーミンやワフ―のデバイスに対応した専用サイコンマウントも標準装備されている。

また、空力性能を向上させるAEROCOREボトルケージシステムも大きな特徴。Timemachine ROADに採用されているシステムを新型SLR01用にリファインしたもので、ボトルを取り付けた際の空気抵抗低減に一役買っている。もちろん、取り外して好みのボトルケージを装着することもできる。

BMC SLR01 FOUR 2021BMC SLR01 FOUR 2021 photo:Michinari TAKAGI
高いエアロ効果を得るためにケーブルをスマートに内装高いエアロ効果を得るためにケーブルをスマートに内装 photo:Michinari TAKAGI
ブラックからブルーに変化するトップチューブのグラデーションブラックからブルーに変化するトップチューブのグラデーション photo:Michinari TAKAGIガーミンやワフ―のデバイスに対応した専用サイコンマウントを装備ガーミンやワフ―のデバイスに対応した専用サイコンマウントを装備 photo:Michinari TAKAGI


それぞれオレンジとブルーの鮮やかなカラーでペイントされ、アクセントとしてトップチューブ上部にブラックグラデーションも差し込まれる。スラムRED eTap AXS完成車のSLR01 ONEと合わせて3つの完成車とフレームセットでの販売だ。



■Teammachine SLRシリーズ

BMC Teammachine SLR THREE 2021BMC Teammachine SLR THREE 2021 photo:Michinari TAKAGI
Teammachineシリーズのセカンドグレードに位置づけられる「SLR」は、上位モデルであるSLR01のテクノロジーを採用しつつ、カーボングレードを変更することでコストパフォーマンスを高めたモデルだ。従来のSLR02に相当するモデルであり、2021ラインアップから名称が変更されている。

フレーム形状はSLR01と同様で、エアロと剛性に優れたボリューミーなダウンチューブや独自のD-Shapeシートポスト、アクスルのネジ切り部をフレームに内蔵した「ステルス・スルーアクスル」、AEROCOREボトルケージシステムなどをもれなく採用する。一方で、ケーブルフル内装のシステムには対応しておらず、ノーマルステムやダウンチューブから内装されるケーブルルーティングなどがSLR01との違いだ。

BMC Teammachine SLR FOUR Ver.1 2021BMC Teammachine SLR FOUR Ver.1 2021 photo:Michinari TAKAGI
BMC Teammachine SLR FOUR Ver.2 2021BMC Teammachine SLR FOUR Ver.2 2021 photo:Michinari TAKAGI
ULTEGRA DI2、ULTEGRA、シマノ105で組まれた3種類の完成車がラインアップ。シマノ105完成車のSLR FOURのみ2カラー展開で、ともに写真映えしそうなビビッドな色味に仕上がっている。SLR01は電動コンポーネントのみだったが、SLRは機械式コンポーネントをメインとすることで価格を抑えていることもポイントだ。BMCの最新バイクをより手軽に手に入れるなら、このTeammachine SLRをぜひチェックしてほしい。



■Roadmachineシリーズ

BMC Roadmachine 01 FOUR 2021BMC Roadmachine 01 FOUR 2021 photo:Michinari TAKAGI
専用品のチェーンキャッチャーを標準装備専用品のチェーンキャッチャーを標準装備 photo:Michinari TAKAGIリアエンド周りは直線的な造形リアエンド周りは直線的な造形 photo:Michinari TAKAGI


BMCのエンデュランスモデルに位置付けられている「Roadmachine」は、どんなラフな路面でも速く、そして遠くへ快適なライディングが出来るよう開発された1台。緻密に計算されたカーボンレイアップとフレーム形状によって、振動吸収のギミックなどを搭載せず快適に、そしてパワーを逃さず効率的な走りを楽しめるよう設計されている。

今回はシマノULTEGRA完成車のRoadmachine THREEと、シマノ105完成車のRoadmachine FOURが展示された。ハイエンドモデルであるRoadmachine 01はケーブルフル内装システムを採用しているが、下位グレードに当たるこちらの2台はノーマルステムを使用しており、ワイヤー類が外装となっている。

トップチューブにはストレージマウントを装備トップチューブにはストレージマウントを装備 photo:Michinari TAKAGI
D型断面のシートポストにより快適性を向上D型断面のシートポストにより快適性を向上 photo:Michinari TAKAGI
拡張性を持たせるためにトップチューブにはストレージマウントを装備。ジープロードなど荒れた未舗装路にも足を伸ばせるよう最大33mmのタイヤクリアランスを備えるとともに、BMC独自のD型シートポストも快適性の向上に寄与。専用のチェーンキャッチャーも標準装備されているため、チェーン暴れが気になるオフロードでも安心だ。

また、前後フルフェンダーを装備し、各所にダボ穴も増設、標準で32mmタイヤをアセンブルしたアドベンチャー用途の「Roadmachine X」もラインアップ。頑丈なアルミフレームとすることで価格を抑えており、初めてのグラベルバイクや汎用性の高い通勤バイクとして活躍する1台に仕上がっている。



■URSシリーズ

BMC URS FOUR 2020BMC URS FOUR 2020 photo:Michinari TAKAGI
専用設計の泥除けが用意されている専用設計の泥除けが用意されている photo:Michinari TAKAGIフロントフォークのエンド部にはプロテクターが装着されるフロントフォークのエンド部にはプロテクターが装着される photo:Michinari TAKAGI


MTBの開発で培ってきたテクノロジーを投入し生み出されたグラベルロードの「URS(ウルス)」。この"URS"という3文字のモデル名はUnrestricted(制限されない)に由来しており、走る道を選ばずオン/オフロード関係なくライドを楽しめるよう開発されたバイクだ。

グラベルライドに最適化されたジオメトリーを採用しており、70°の緩やかなヘッドアングルと長めのリーチ、短めのステムを組み合わせることで、オフロードにおける優れたコントロール性を確保。ホイールベースも長めに設計されているため、荒れた路面でも安定感の高い走りを実現している。

フレームプロテクターが標準装備されてるフレームプロテクターが標準装備されてる photo:Michinari TAKAGI
MTTというサスペンションシステムを採用MTTというサスペンションシステムを採用 photo:Michinari TAKAGI
SRAM Apex 1が搭載された完成車SRAM Apex 1が搭載された完成車 photo:Michinari TAKAGI
さらに特徴的なのが、シートステー上部に搭載されたサスペンションシステム"MTT"(micro travel technology)だ。2本のレールを内部に組み込み、その周りをエラストマー樹脂で覆うことで10mmのトラベル量を確保。リアサスペンションとして機能することで突き上げ緩和や振動吸収に一役買ってくれる。

ワイドなグラベルタイヤも悠々と飲み込む最大45mmのタイヤクリアランスを確保。トップチューブにはストレージマウントを備えており、ボルトオンタイプのバッグを装着可能だ。シマノGRX完成車のURS THREEと、スラムApex 1完成車のURS FOURという2車種展開だ。

BMC日本総代理店であるフタバ商店のスタッフさんのオススメバイクBMC日本総代理店であるフタバ商店のスタッフさんのオススメバイク photo:Michinari TAKAGI

text&photo:Michinari TAKAGI
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