2020/09/12(土) - 09:49
ユンボ・ヴィスマの走りを支えるビアンキ。Oltre XR4やSpecialissimaなどカウンターヴェイルを採用したレパルトコルサシリーズから、街乗りバイクまで一堂に会した2021モデル展示会が開催された。今年は多くのバイクにより手の届きやすいプライスタグがつけられた。
ビアンキのフラッグシップモデルOltre XR4 Disc
縁結びの大黒、商売繁盛の恵比寿、除災厄除の将門を祭神として祀る神田明神。その境内にある文化交流館のホールにてビアンキが2021年モデル展示会を開催した。昨年竣工したばかりのホールは、杮落としとしてユンボ・ヴィスマのジャパンカップアフターパーティーが開催された所縁ある場所。半年を経て再び会場内はチェレステカラーで彩られた。
ビアンキが本社を構えるイタリアのベルガモは、新型コロナウイルスが猛威を奮ったロンバルディア州の1つの県。ロックダウンの影響を受け、今回の展示会時点で並べられていた2021年ラインアップは継続モデルのみ。とはいえいくつかトピックスがあるので、まずはラインアップを改めて紹介していこう。
ユンボ・ヴィスマが抱えるエースの一人、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)をはじめとする多くのライダーが好んで使用するOltre XR4。フレーム重量が980gながらもエアロダイナミクス、カウンターヴェイルなどのアドバンテージを活かし、山岳コースでもクライミングバイクと遜色ない成績を納めているフラッグシップモデルだ。
息の長いモデルとなったOltre XR4
Oltre XR4 DiscはFSAのACRシステムを利用し、ケーブルのフル内装を実現している
カウンターヴェイルはビアンキを代表するテクノロジーだ
プリモシュ・ログリッチが好んでいるというOltre XR4シリーズ
ビアンキはプレミアム・レーシングブランドを自負するだけあり、フラッグシップモデルの価格も一線級。Oltre XR4 DiscのシマノDURA-ACE DI2完成車などトップエンドは他社と遜色ない価格帯だが、ULTEGRA DI2仕様なども100万円を超える価格に設定されていた。しかし、2021年モデルではULTEGRA DI2完成車の価格が2割以上引き下げられた79万円へプライスダウン。
さらにフレームセットの展開もヴィジョン METRON 5D ACR(カーボン製ステム一体型ハンドル)が付属するパッケージ(53万8千円)に加えて、FSAのアルミハンドル+ステムが付属するパッケージ(49万8千円)が登場している。
Oltre XR4のリムブレーキ仕様はシマノULTEGRA DI2と機械式の2種類とフレームセットのみの販売となり、ラインアップを大幅に絞ることに。プライスレンジはディスクブレーキと同じような設定だ。DI2仕様が78万円、機械式が68万円。ディスクブレーキ、リムブレーキどちらも非常にバリューの高い完成車となったため、高嶺の花であったフラッグシップが少し身近な存在となる。
クライミングバイクSpecialissimaはフレームセットのみの展開へと変更されている。こちらの価格は据え置き。リムブレーキバイクが数少なくなる中、Specialissimaは現在もリムブレーキのみで展開されているモデル。オーソドックスなリア三角のルックスが好みの方も少なくないだろう。そのような方にはオススメの一台だ。
特徴的なカラーが採用されたARIA DISC
派手に色が変わること無く、自然に変わる塗装がビアンキらしさだ
見る角度によってはチェレステやピンク色が現れる
Oltre XR4を筆頭とするRACINGラインのミドルグレードARIA DISCにはSummertime dream/Blackという新色が登場している。これまではチェレステやブラックのシンプルペイントだったが、現在トレンドとなっているマジョーラ風ペイントであることが特徴だ。
見る角度によって完全に色味が変わるアグレッシブな塗装ではなく、若干色味が変わって見えるような落ち着いたペイントとなっている。シルバーやチェレステ、ピンクが自然に移り変わっていき、上品やエレガントという言葉がふさわしいバイクに仕上がっている。こちらはぜひビアンキストアなどで現物を確認してもらいたい。
グランツールで総合優勝を狙うユンボ・ヴィズマにとって非常に重要なTTマシンAQUILA CV
少しずつ評価を伸ばしているというエンデュランスレーサーINFINITO CV
そしてEndurance RacingラインのINFINITOシリーズは最近になって評価が上がっているとビアンキの澤村さんは言う。自身もINFINITO CVに30Cタイヤを装着し、日頃からサイクリングを楽しんでいるという澤村さんは、グラベルから峠のヒルクライムまでこの1台でカバーしているという。また、レースに出ないのであればINFINITO CVのほうがマッチする人は多いのではないかとも。
ビアンキはオフロード系にも積極的であり、トレンドとなっているグラベルを楽しめるオールロードというカテゴリーには3車種を展開。アルミチューブを溶接した後に改めてハイドロフォーミングで整形したフレームを採用するIMPULSO ALL ROADをトップモデルとし、VIA NIRONE 7 ALL ROAD、ORSOと続く。
溶接後にハイドロフォーミングで整形するフレームのIMPULSO ALL ROAD
クロモリのORSOはコンポーネントがシマノSORAへスイッチしている
ORSOの2020モデルはシマノGRX600をメインコンポーネントとしていたが、2021モデルではシマノSORAにスイッチしている。そのためブレーキが油圧式からワイヤー式となっているが、価格も148,000円へと大幅プライスダウン。ビアンキオリジナルのクロモリパイプを採用するなどこだわりが詰まったグラベルモデルが、より手にしやすくなっている。
シクロクロスバイクZOLDER PROはモデルチェンジを果たしている。CX世界選手権を3連覇したことがあるユンボ・ヴィズマのワウト・ファンアールトとの共同開発バイクであり、最新のシクロクロスワールドカップ標準へと進化を遂げているという。最も大きなポイントは泥づまりの対策としてタイヤとフレームのクリアランスを35Cベースから40Cベースへと広げていること。
また、BBハイトを高く設定することで、近年のサーキットで多用されるキャンバーに対応すると同時に、バニーホップでのシケインクリアを行いやすくしている。乗車エリアを増やすことで、周回スピードをあげようという狙いがあるとのことだ。
レースバイクとして実績を残したMTB XCモデルのMETHANOL CV FS
MTBは昨年モデルチェンジを果たしたばかりのMETHANOL CV FSが最も目立つ場所に展示されていた。このバイクは昨年10月に日本CSCで開催されたMTB XCプレ五輪大会で2位表彰台を射止めたマシンだ。ビアンキ・ファクトリーチームに所属していたステファン・テンピエが駆り、絶対王者ニノ・シューターまであと僅かなところまで迫ったことからもその高性能は明らか。カウンターヴェイルによって微細な振動が除去されることで、サスペンションの挙動がスムースになるのだとか。残念ながらワークスチームは解散となりビアンキMTBを見かけるタイミングは少なくなってしまったが、乗ってみると良さが伝わるイタリアらしいバイクとのことで、気になる方は一度試乗してみては。
さてビアンキのレーシングバイクと並んで常に人気の高いアーバンバイクラインアップ。展示会場で目を引いたのはROMA 3の新色"BLUE FOREST/SILVER DECALだ。メタリックブルーをベースとし、銀色のロゴをあしらった新色は、スポーティーな雰囲気とビアンキが持つブランドイメージが融合した印象的なペイントとなっている。
ROMA3に印象的なブルーカラーが追加されていた
また、自転車乗りが使いやすい製品をコンセプトに撥水性などを備えたバッグ類は定番の存在。2020モデルとしてローンチされているアイウェアはNXTレンズを使用した国産であり、トレンドである大型一眼式レンズを採用していることが特徴だ。これらの国内オリジナルグッズはビアンキストアやオンラインストア、ビアンキ販売店で手に入れることができる。
新型コロナウイルスの影響を受け、ラインアップには大幅な変更はないものの魅力的なトピックが揃ったビアンキの2021モデル。今年はこれからレースシーズンが加熱していくため、ユンボ・ヴィズマの活躍と彼らが駆るビアンキのマシンには注目しておきたい。
ウォッチも日本オリジナル製品として展開していく
2020モデルとして販売されている新作アイウェアはトレンドの大型一眼式
ライドにピッタリのスポーティーなバックパックも用意されている
ビジネスバッグのような雰囲気のモデルも用意されている
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ビアンキが本社を構えるイタリアのベルガモは、新型コロナウイルスが猛威を奮ったロンバルディア州の1つの県。ロックダウンの影響を受け、今回の展示会時点で並べられていた2021年ラインアップは継続モデルのみ。とはいえいくつかトピックスがあるので、まずはラインアップを改めて紹介していこう。
ユンボ・ヴィスマが抱えるエースの一人、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)をはじめとする多くのライダーが好んで使用するOltre XR4。フレーム重量が980gながらもエアロダイナミクス、カウンターヴェイルなどのアドバンテージを活かし、山岳コースでもクライミングバイクと遜色ない成績を納めているフラッグシップモデルだ。
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ビアンキはプレミアム・レーシングブランドを自負するだけあり、フラッグシップモデルの価格も一線級。Oltre XR4 DiscのシマノDURA-ACE DI2完成車などトップエンドは他社と遜色ない価格帯だが、ULTEGRA DI2仕様なども100万円を超える価格に設定されていた。しかし、2021年モデルではULTEGRA DI2完成車の価格が2割以上引き下げられた79万円へプライスダウン。
さらにフレームセットの展開もヴィジョン METRON 5D ACR(カーボン製ステム一体型ハンドル)が付属するパッケージ(53万8千円)に加えて、FSAのアルミハンドル+ステムが付属するパッケージ(49万8千円)が登場している。
Oltre XR4のリムブレーキ仕様はシマノULTEGRA DI2と機械式の2種類とフレームセットのみの販売となり、ラインアップを大幅に絞ることに。プライスレンジはディスクブレーキと同じような設定だ。DI2仕様が78万円、機械式が68万円。ディスクブレーキ、リムブレーキどちらも非常にバリューの高い完成車となったため、高嶺の花であったフラッグシップが少し身近な存在となる。
クライミングバイクSpecialissimaはフレームセットのみの展開へと変更されている。こちらの価格は据え置き。リムブレーキバイクが数少なくなる中、Specialissimaは現在もリムブレーキのみで展開されているモデル。オーソドックスなリア三角のルックスが好みの方も少なくないだろう。そのような方にはオススメの一台だ。
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ビアンキはオフロード系にも積極的であり、トレンドとなっているグラベルを楽しめるオールロードというカテゴリーには3車種を展開。アルミチューブを溶接した後に改めてハイドロフォーミングで整形したフレームを採用するIMPULSO ALL ROADをトップモデルとし、VIA NIRONE 7 ALL ROAD、ORSOと続く。
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シクロクロスバイクZOLDER PROはモデルチェンジを果たしている。CX世界選手権を3連覇したことがあるユンボ・ヴィズマのワウト・ファンアールトとの共同開発バイクであり、最新のシクロクロスワールドカップ標準へと進化を遂げているという。最も大きなポイントは泥づまりの対策としてタイヤとフレームのクリアランスを35Cベースから40Cベースへと広げていること。
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さてビアンキのレーシングバイクと並んで常に人気の高いアーバンバイクラインアップ。展示会場で目を引いたのはROMA 3の新色"BLUE FOREST/SILVER DECALだ。メタリックブルーをベースとし、銀色のロゴをあしらった新色は、スポーティーな雰囲気とビアンキが持つブランドイメージが融合した印象的なペイントとなっている。
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新型コロナウイルスの影響を受け、ラインアップには大幅な変更はないものの魅力的なトピックが揃ったビアンキの2021モデル。今年はこれからレースシーズンが加熱していくため、ユンボ・ヴィズマの活躍と彼らが駆るビアンキのマシンには注目しておきたい。
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