2020/08/06(木) - 15:34
マヴィックのロードシューズから、コスミックアルチメイトSLとコスミックエリートSLを比較インプレッション。ともに抜群の通気性を生み出す軽量メッシュアッパーを採用しており、夏場でも快適な履き心地に仕上がったモデルだ。
マヴィックシューズのトップグレード「コスミックアルチメイトSL」と、そのテクノロジーを引き継いで開発された「コスミックエリートSL」。ともに超軽量メッシュ素材をアッパーに採用したことが特徴で、足先の通気性や軽量性、履き心地などを高いレベルで兼ね備えたハイパフォーマンスモデルとして展開されている。
コスミックエリートSL単体のインプレッションはこちらの記事が詳しいが、今回上位モデルのコスミックアルチメイトSLも借り受ける機会に恵まれたため、2つのモデルを履き比べた感想を記していきたい。
まず、両モデルで顕著に感じたのが"履き心地の良さ"と"優れた通気性"の2つ。実際に手に取ってもらえればすぐに分かると思うが、アッパーが驚くほどしなやかなため、圧迫感なく足の形に沿ってフィットしてくれる感覚が強い。アッパーが硬いレーシングシューズなどは、シューズに無理やり足を合わせるようなこともしばしば。そんなストレスを抱えることなく快適な着用感を得られる点は大きなメリットと言えるだろう。
風を通しやすいメッシュ素材とあって、走行中に空気が通り抜ける感覚も明確にあった。一般的なマイクロファイバー素材のモデルと比べた際に、シューズの中で熱の逃げ場がなく暑く蒸れるという不快感はかなり軽減されている。特にアルチメイトSLはソール裏側にも通気口が備わっているため、エリートSLと履き比べるとより高い排熱性を感じられた。少しでも涼しさを確保したい夏場のライドでも大きな効果を発揮してくれるに違いない。
同じメッシュ生地を使用しているが、アルチメイトSLは裏地なし、エリートSLは裏地あり、という違いがあるため、より薄いアッパーとなったアルチメイトSLの方が軽さや通気性は上だ。しかし、耐久性という面で見るならエリートSLに軍配が上がるだろう。
どちらもアッパー表面にTPUフレームを圧着して伸び感や剛性を調整しているが、足先をガチッと固定するような硬さはないため、引き足が強めのペダリングや大パワーでのスプリントとなると若干の"逃し"を感じてしまう。しかし、クロージャーを締め込んでも足先を軽く動かせるような、余裕のあるフィット感がストレスのない履き心地を生んでいることは事実。シューズの軽さも相まって、より高回転系のライダーにピッタリと言えるだろう。
また、過去のマヴィックシューズと比べると幅が広く甲も高く作られており、日本人でも多くの人が履きやすいラスト形状へと進化している。特につま先部分(トゥボックス)は空間が広く締めつけ感もほぼないフリーな状態となるため、クロージャーが締め込まれる足首付近と踵のホールドのみで固定される感覚だ。それでも不思議とペダリングするには全く問題なく、快適性と上手く両立されたフィット設計になっている。
アウトソールの硬さも両者で異なるため、パワーをかけた時の踏み心地もそれぞれ違った印象を受けた。アルチメイトSLはアッパーがあれだけ快適なのにソールは非常に高い剛性感を持っており、やはりトップグレードのレーサーシューズだと言うことを感じさせてくれた。スタックハイトが低くペダルが近いせいか、母指球の広い面積で踏み込めている感覚が強く、よりパワーロスのないペダリングが可能だ。
反対に、エリートSLのアウトソールは程よくしなる印象で足当たりの良さがある。個人的にはロングライドやサイクリングをメインで楽しむなら足への反発が少ないエリートSLを選択したいところ。もちろん、バランスよく剛性も確保されているため、初中級者がレース出場するとしても十分に戦えるシューズに仕上がっている。
総じてメッシュアッパーがもたらす快適性と通気性が印象的な2つのモデル。コスミックアルチメイトSLが45,000円(税抜)、コスミックエリートSLが25,000円(税抜)だ。
マヴィック コスミックアルチメイトSL
ソール:エナジーフルカーボンSLR(パワー伝達インデックス100)
サイズ:22~29cm(0.5cm刻み)
実測重量:190g(27cm、片側)
カラー:イエローマヴィック、ブラック、ホワイト
価 格:45,000円(税抜)
マヴィック コスミックエリートSL
ソール:エナジーカーボンコンプ(パワー伝達インデックス60)
サイズ:22~29cm(0.5cm刻み)
実測重量:230g(26cm、片側)
カラー:ホワイト、ブラック、レッドオレンジ
価 格:25,000円(税抜)
impression&photo:Yuto Murata
マヴィックシューズのトップグレード「コスミックアルチメイトSL」と、そのテクノロジーを引き継いで開発された「コスミックエリートSL」。ともに超軽量メッシュ素材をアッパーに採用したことが特徴で、足先の通気性や軽量性、履き心地などを高いレベルで兼ね備えたハイパフォーマンスモデルとして展開されている。
コスミックエリートSL単体のインプレッションはこちらの記事が詳しいが、今回上位モデルのコスミックアルチメイトSLも借り受ける機会に恵まれたため、2つのモデルを履き比べた感想を記していきたい。
まず、両モデルで顕著に感じたのが"履き心地の良さ"と"優れた通気性"の2つ。実際に手に取ってもらえればすぐに分かると思うが、アッパーが驚くほどしなやかなため、圧迫感なく足の形に沿ってフィットしてくれる感覚が強い。アッパーが硬いレーシングシューズなどは、シューズに無理やり足を合わせるようなこともしばしば。そんなストレスを抱えることなく快適な着用感を得られる点は大きなメリットと言えるだろう。
風を通しやすいメッシュ素材とあって、走行中に空気が通り抜ける感覚も明確にあった。一般的なマイクロファイバー素材のモデルと比べた際に、シューズの中で熱の逃げ場がなく暑く蒸れるという不快感はかなり軽減されている。特にアルチメイトSLはソール裏側にも通気口が備わっているため、エリートSLと履き比べるとより高い排熱性を感じられた。少しでも涼しさを確保したい夏場のライドでも大きな効果を発揮してくれるに違いない。
同じメッシュ生地を使用しているが、アルチメイトSLは裏地なし、エリートSLは裏地あり、という違いがあるため、より薄いアッパーとなったアルチメイトSLの方が軽さや通気性は上だ。しかし、耐久性という面で見るならエリートSLに軍配が上がるだろう。
どちらもアッパー表面にTPUフレームを圧着して伸び感や剛性を調整しているが、足先をガチッと固定するような硬さはないため、引き足が強めのペダリングや大パワーでのスプリントとなると若干の"逃し"を感じてしまう。しかし、クロージャーを締め込んでも足先を軽く動かせるような、余裕のあるフィット感がストレスのない履き心地を生んでいることは事実。シューズの軽さも相まって、より高回転系のライダーにピッタリと言えるだろう。
また、過去のマヴィックシューズと比べると幅が広く甲も高く作られており、日本人でも多くの人が履きやすいラスト形状へと進化している。特につま先部分(トゥボックス)は空間が広く締めつけ感もほぼないフリーな状態となるため、クロージャーが締め込まれる足首付近と踵のホールドのみで固定される感覚だ。それでも不思議とペダリングするには全く問題なく、快適性と上手く両立されたフィット設計になっている。
アウトソールの硬さも両者で異なるため、パワーをかけた時の踏み心地もそれぞれ違った印象を受けた。アルチメイトSLはアッパーがあれだけ快適なのにソールは非常に高い剛性感を持っており、やはりトップグレードのレーサーシューズだと言うことを感じさせてくれた。スタックハイトが低くペダルが近いせいか、母指球の広い面積で踏み込めている感覚が強く、よりパワーロスのないペダリングが可能だ。
反対に、エリートSLのアウトソールは程よくしなる印象で足当たりの良さがある。個人的にはロングライドやサイクリングをメインで楽しむなら足への反発が少ないエリートSLを選択したいところ。もちろん、バランスよく剛性も確保されているため、初中級者がレース出場するとしても十分に戦えるシューズに仕上がっている。
総じてメッシュアッパーがもたらす快適性と通気性が印象的な2つのモデル。コスミックアルチメイトSLが45,000円(税抜)、コスミックエリートSLが25,000円(税抜)だ。
マヴィック コスミックアルチメイトSL
ソール:エナジーフルカーボンSLR(パワー伝達インデックス100)
サイズ:22~29cm(0.5cm刻み)
実測重量:190g(27cm、片側)
カラー:イエローマヴィック、ブラック、ホワイト
価 格:45,000円(税抜)
マヴィック コスミックエリートSL
ソール:エナジーカーボンコンプ(パワー伝達インデックス60)
サイズ:22~29cm(0.5cm刻み)
実測重量:230g(26cm、片側)
カラー:ホワイト、ブラック、レッドオレンジ
価 格:25,000円(税抜)
impression&photo:Yuto Murata
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